芥川龍之介『鼻』の読書感想文を、これから書こうとしているあなた。
正直、何から手をつければいいのか、ちょっと迷ってしまいますよね。
『鼻』は、長い鼻を持つ僧侶・内供を主人公にした、人間の心の矛盾を鋭く描いた短編小説。
短いお話なのに、読めば読むほど深い気づきがある作品なんです。
この記事では、中学生向け・高校生向けの例文もそのままコピペで使えるテンプレートとして用意しました。
書き出しや題名に悩んでいる人にも、きっと役立つ内容になっているはず。
最後まで読んでもらえれば、感想文の書き方に迷うことはなくなると思いますよ。
『鼻』の読書感想文に書くべき3つのポイント
芥川龍之介『鼻』の読書感想文を書くなら、外せないポイントが3つあります。
ただあらすじをなぞるだけの感想文だと、正直、読み手の印象には残りません。
でも一方で、ポイントを押さえて書くだけで、グッと評価される文章に変わるんですよね。
これを知ったときは、ちょっと得した気分になりましたね。
まずは、押さえておきたい3つのポイントを箇条書きでご紹介します。
- 主人公・内供のコンプレックスと自尊心の葛藤
- 周囲の人々の態度が「逆転」する不思議な理由
- 自分自身の生活やSNSとのつながり
この3つを軸にして、それぞれ「自分はどう感じたか」をメモしておくのがおすすめです。
メモの取り方は簡単。
ノートやスマホのメモ機能に、「印象に残った場面」「そのとき自分が思ったこと」「似たような経験」を、それぞれ一行ずつ書き出すだけでOKです。
難しく考える必要はありません。
「ちょっと共感した」「これは意外だった」といった、ふとした感情のかけらを残しておくことが大切なんです。
なぜ「どう感じたか」を書くことがそんなに重要なのか、気になりませんか?
読書感想文というのは、ストーリーの説明文ではありません。
あなた自身の心がどう動いたか、その記録なんですよね。
同じ小説を読んでも、感じ方は人それぞれ違うもの。
だからこそ、「自分だけの感想」が一番の価値を持つわけです。
それでは、3つのポイントをひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ポイント1.内供のコンプレックスと自尊心の葛藤
まず注目したいのが、主人公・内供が抱える長い鼻へのコンプレックスです。
食事もままならないほどの長さで、人からは笑われる始末。
それでも内供は、気にしていると思われるのが嫌で、「気にしていないふり」を装ってしまうんです。
この心理、なんだか身に覚えがある人もいるんじゃないでしょうか。
人と違うところに悩んだ経験、誰しも一度はありますよね。
ここでメモしておきたいのは、「自分も人と違うことで悩んだ経験はあるか」という点です。
容姿のことでも、性格のことでも構いません。
小さな悩みでも構わないので、思い出してメモしておくと、感想文に深みが出ますよ。
ポイント2.人々の態度が逆転する不思議な理由
長い鼻のときは哀れまれていたのに、短くなった途端、なぜか笑われてしまう。
普通に考えれば、「短くなってよかったね」と言われるはずなのに、実際は真逆の反応が返ってくるんです。
正直、この展開には驚きました。
作品の中には、この心理を見事に言い表した一文があります。
人間には、他人の不幸に同情する気持ちと、その不幸から相手が抜け出すと物足りなく感じてしまう気持ちの、両方が存在するという内容です。
これは「傍観者の利己主義」と呼ばれる心理でもあります。
このポイントについては、「自分の周りにも似たような場面はなかったか」をメモしておくと良いでしょう。
友人が悩みを解決したとき、素直に喜べなかった経験はありませんか?
そうした小さな違和感こそ、感想文を深める材料になります。
ポイント3.自分自身の生活やSNSとのつながり
3つ目のポイントは、現代社会との接続です。
他人を身勝手に批評してしまう姿勢や、偏見にまみれた評価がつくられていく様子。
これは、今のSNS社会とそっくりだと感じる人も多いはずです。
誰かの失敗や変化を、つい話題にしてしまった経験。
これ、見覚えがありませんか?
ここでメモしておきたいのは、「SNSや学校生活で、人を勝手に判断してしまった経験」です。
この視点を入れるだけで、ただの感想文から「自分ごと化」された深い文章に変わります。
評価されやすい感想文に近づく、大事な要素なんですよね。
| ポイント | メモする内容 | 重要な理由 |
|---|---|---|
| 内供の葛藤 | コンプレックスと「気にしないふり」の経験 | 主人公の心理に共感できる |
| 態度の逆転 | 友人の解決を素直に喜べなかった経験 | 作品の核心テーマに迫れる |
| 自分との接続 | SNSや学校での批評経験 | 感想文が「自分ごと化」される |
※『鼻』で芥川龍之介が伝えたいこちらで解説しています。

『鼻』の読書感想文のテンプレート
ポイントが分かっても、実際に書き始めるとなると、また別の難しさがありますよね。
そこで、空欄を埋めるだけで『鼻』の感想文が完成するテンプレートを用意しました。
ステップごとに進めていけば、3つのポイントも自然と盛り込まれる構成になっています。
さっそく見ていきましょう。
ステップ1.書き出し(読んだきっかけ)
まずは、なぜこの小説を選んだのか、読む前の印象から書き始めます。
以下の空欄を埋めてみてください。
「私は芥川龍之介の『鼻』を読んで、( )という言葉に強く惹かれた。読み始める前は、( )と思っていたが、読んでみると( )について考えさせられた。」
ステップ2.作品の内容(あらすじ)
あらすじは長く書きすぎないことが大切。
1〜3文程度でまとめましょう。
「この小説は、長い鼻を持つ僧侶・内供が、( )という話である。単なる笑い話ではなく、( )という人間の矛盾を描いている。」
※芥川龍之介『鼻』のあらすじはこちらにまとめています。

ステップ3.印象に残った点
ここでは、ポイント1と2を組み合わせて書きます。
「特に印象に残ったのは、( )という場面である。内供は( )という気持ちを抱えていた。私も、( )と感じることがある。」
ステップ4.自分とのつながり
ポイント3で考えたSNSや学校生活の経験を、ここに入れていきます。
「私も、( )で人のことを勝手に判断してしまうことがある。内供と同じように、( )と感じた。」
ステップ5.まとめ
読む前と読んだ後で、考えがどう変わったかを書きます。
「この小説を通して、私は( )ことが大切だと分かった。これからは、( )したいと思う。」
『鼻』の読書感想文の例文
ここからは、実際に完成した例文を中学生向け・高校生向けにそれぞれご紹介します。
それぞれの学年に合った長さと言い回しでまとめてありますので、コピペしてアレンジするのもおすすめです。
1200字の中学生向け
【題名】人の評価に振り回されないために
私は芥川龍之介の『鼻』を読んで、人間の心には互いに矛盾した二つの感情があるという言葉に強く惹かれた。
読み始める前は、長い鼻を持つ僧侶の話だから単純な笑い話だろうと思っていた。
しかし読んでみると、自分の学校生活や友人関係にも重なるところがたくさんあって、とても考えさせられたのである。
『鼻』は、長い鼻を持つ僧侶・内供が、その鼻を短くする方法を試してついに短くなるが、短くなった鼻はかえって笑われてしまい、最後に元の長さに戻るという話だ。
主人公の内供は、顎の下まで届くほどの長い鼻を持っている。
50歳を越えているので、このコンプレックスとの付き合いも長い。
ある日、弟子が鼻を短くする方法を聞いてきた。
その方法を試すと、不思議なことに鼻は短くなった。
ところが、その短い鼻がかえって人々に笑われてしまうのだ。
どうしてなのか、心の中で葛藤が生まれる内供の姿が描かれている。
特に印象に残ったのは、人間には他人の不幸に同情する気持ちと、その不幸から相手が抜け出すと物足りなく感じる気持ちの、両方があるという考え方だった。
内供は長い鼻を気にしていると思われるのが嫌で、「気にしていないふり」を装っていた。
人と違う見た目にコンプレックスを抱きながらも、それを隠そうとする気持ち。
正直、この心理描写には驚いた。
私も、クラスや部活動の中で多数の意見に流されそうになることがある。
グループで作業をするとき、みんなが「これでいいね」と言い始めると、自分の意見が違っても合わせてしまうのだ。
この小説を読んで、そんな自分が少し恥ずかしくなった。
SNSでも、人のことを勝手に判断して批評してしまうことがある。
内供と同じように、他人の不幸には同情するが、その人が不幸を切り抜けると物足りなく感じる。
そんな自分の偏見にまみれた考え方を、見直さなければならないと強く感じたのだった。
『鼻』を通して、私は他者を「ありのまま」で受け入れる勇気を持つことが大切だと分かった。
周りに合わせてしまうのは、自分を守るために必要なことかもしれない。
でも、自分の意見も大切にして、それを言える強さを持つこともまた重要だ。
これからは、周りの意見をただ受け入れるのではなく、自分で考えて行動していきたいと思う。
2000字の高校生向け
【題名】「ありのままの自分」で生きる勇気について
芥川龍之介の作品は短編が多く、読みやすそうだと思って手に取った。
その中で気になったのが、『鼻』という小説だった。
長すぎる鼻が短くなって、また元に戻るという、なんとも不思議な物語である。
私はこれまで、芥川龍之介の作品をあまり読んでいなかった。
しかし、夏目漱石にその才能を大絶賛された作品があると知って、興味を持った。
読み始める前は、長い鼻を持つ僧侶の話だから単純な笑い話だろうと思っていたが、一頁目を開いてすぐ、言葉の選び方や情景描写の巧みさに引き込まれてしまった。
次第に、これは単なる物語ではなく、現代社会に対する一つの観察ノートなのかもしれないと考え始めた。
『鼻』は、長い鼻を持つ僧侶・内供が、その鼻を短くする方法を試してついに短くなるが、短くなった鼻はかえって笑われてしまい、最後に元の長さに戻るという話だ。
主人公は、顎の下まで届くほどの長い鼻を持っている。
50歳を越えているので、このコンプレックスとの付き合いも長い。
ある日、弟子の一人が医者から鼻を短くする方法を聞いたので、それを試してみることになった。
すると鼻は短くなったのだが、かえって人々に笑われるようになってしまう。
このテーマは、人と大きく違う特徴のせいでコンプレックスを感じて悩んでしまうということだと思う。
また、そのコンプレックスが解消されても、また別の悩みが生まれてくるところまで描かれていたのが、とても印象に残った。
特に心に残ったのは、人間には他人の不幸に同情する気持ちと、その不幸から相手が抜け出すと物足りなく感じる気持ちの、両方があるという考え方だった。
内供は長い鼻を気にしていると思われるのが嫌で、「気にしていないふり」を装っていた。
見た目のコンプレックスは、自尊心を傷つける。
これさえなければ自分に幸せが降ってくるような気にさえなる、その気持ちはわからなくもない。
けれど、まわりの哀れみの眼差しが、かえって心をえぐってくるのだ。
この文章は、読んでいる私にとって非常に身近なものだった。
高校生活でも、クラスや部活動、あるいはSNSのコミュニティの中で、多数の意見に流されそうになることは多い。
例えば、グループでプロジェクトを進める際、みんなが「これでいいね」と言い始めると、自分の意見が違っても合わせてしまう。
この小説を読んで、そんな自分がとても恥ずかしくなった。
同時に、なぜ自分はこうなるのかと、深く考えさせられた。
もう一点、印象に残ったのは「傍観者の利己主義」という考え方だ。
哀れんでいたまわりの人たちは、内供が劣等感から解放されると面白くないのか、今度は腐すような態度に変わる。
ほっとけばいいのに、と思う一方で、まわりの態度を気にしてしまう内供の姿に、どこか他人事ではない気持ちになった。
実は内供は「長すぎる鼻」が嫌いだったのではなく、「人に笑われる自分」が嫌いだったのではないかと思う。
外見そのものを気にするのか、世間からの評価を気にするのか。
日本では世間体を気にする人が多いように思う。
私も、SNSで人のことを勝手に判断して批評してしまうことがある。
内供と同じように、他人の不幸には同情するが、その人が不幸を切り抜けると物足りなく感じてしまうのだ。
この小説を読んで、自分の偏見にまみれた考え方を見直さなければならないと感じた。
『鼻』を通して、私は他者を「ありのまま」で受け入れる勇気を持つことが大切だと分かった。
周りに合わせてしまうのは、自分を守るために必要なことかもしれない。
とはいえ、自分の意見も大切にして、それを言える強さを持つこともまた、同じくらい重要だと思う。
内供という人物は、僧侶という立場でありながら、きわめて人間らしい弱さを抱えている。
そのことが、この小説をより印象深いものにしているのだと思う。
これからも、自分の考えを大切にして、集団に流されない人間になりたいと、強く思ったのだった。
書き出し例×5
例1.読んだきっかけから始める
「私は芥川龍之介の『鼻』を読んで、人間の心には互いに矛盾した二つの感情があるという言葉に強く惹かれた。読み始める前は、長い鼻を持つ僧侶の話だから単純な笑い話だと思っていた。しかし読んでみると、自分の学校生活や友人関係にも重なるところがたくさんあって、とても考えさせられた。読む前と後で、こんなに印象が変わるとは思わなかった。」
例2.最初に感じた印象から始める
「『鼻』を読んで、最初に思ったのは「これは一筋縄ではいかない話だ」ということだった。主人公・内供は、顎の下まで届くほどの長い鼻を持っている。読む前は、登場人物の気持ちを理解できるか少し不安だった。しかし読んでみると、自分の学校生活や友人関係にも重なるところがたくさんあって、とても考えさせられた。」
例3.印象に残った一言から始める
「人間には、他人の不幸に同情する気持ちと、その不幸から相手が抜け出すと物足りなく感じる気持ちの、両方があるという考え方。これが、私が『鼻』を読んで一番強く感じたことだった。内供は長い鼻を気にしていると思われるのが嫌で、気にしていないふりを装っていた。その心理に、思わずハッとさせられたのである。」
例4.自分とのつながりから始める
「私も、クラスや部活動の中で多数の意見に流されそうになることがある。みんなが「これでいいね」と言い始めると、自分の意見が違っても合わせてしまうのだ。そんな自分が、『鼻』の登場人物・内供と重なって見えた。内供は長い鼻を気にしていると思われるのが嫌で、気にしていないふりを装っていた。この小説を読んで、そんな自分がとても恥ずかしくなった。」
例5.作品のテーマから直接始める
「人と大きく違う特徴のせいでコンプレックスを感じて悩んでしまう。『鼻』は、そんな人間の心の動きを丁寧に描いた一作だ。そのコンプレックスが解消されても、また別の悩みが生まれてくるところまで描かれていたのが、印象に残った。単に「長い鼻」を描いているのではなく、人間が他人の不幸に同情しながらも物足りなさを感じる矛盾を描いているのである。」
題名の例×5
| 題名タイプ | 題名の例 |
|---|---|
| テーマを直接表す | 人の評価に振り回されないために |
| 自分とのつながりを強調 | 私のクラスとも重なった『鼻』の読後感 |
| 疑問形で興味を引く | なぜ人は他人の不幸を物足りないと感じるのか |
| 学び・気づきを前面に | コンプレックスと傍観者の利己主義 |
| 比喩を使って印象的に | 長い鼻の裏側にある、現代社会との向き合い方 |
振り返り
芥川龍之介『鼻』の読書感想文の書き方を、ポイントからテンプレート、例文まで詳しくご紹介してきました。
大切なのは、ストーリーをなぞるだけでなく、自分の心がどう動いたかを丁寧に書くこと。
内供のコンプレックス、人々の態度の逆転、そして自分自身やSNSとのつながり。
この3つのポイントを意識するだけで、感想文の質はぐっと上がります。
テンプレートの空欄を埋めていけば、迷わず筆が進むはず。
正直、ここまで丁寧に書けるとは、私自身も少し驚いています。
書き出しや題名に困ったときは、ぜひ今回紹介した例も参考にしてみてください。
あなたにも、きっと心に残る感想文が書けるはずです。応援しています。
※より深い感想文に仕上げたい方はこちらの解説をお読みください。

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