『やまなし』の読書感想文、何から書けばいいのか分からず、手が止まっていませんか?
本作は宮沢賢治が遺した、川底の小さな世界を描く幻想的な作品。
かにの兄弟の目を通して、五月と十二月、ふたつの季節の対照的な風景が描かれていきます。
派手な事件が起こるわけではありません。
でも一方で、読めば読むほど、生きることの意味を静かに問いかけてくる、そんな不思議な魅力を持った小説なんですよね。
私は年間100冊以上の本を読んでいますが、こんなに短いのに奥が深い作品も、なかなかありません。
この記事では、書き方・例文・題名・書き出し・コピペできるテンプレートまで、読書感想文を書く予定の学生のみなさんに向けて、丁寧に解説していきます。
小学生の方はもちろん、これから感想文に取り組む全ての方の力になれるよう、できるだけ分かりやすくまとめました。
『やまなし』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『やまなし』の読書感想文を書くとき、あらすじをどこまで詳しく書くか、悩む人は多いはず。
実はこの作品、出来事を細かく説明するよりも、テーマが伝わるように簡潔にまとめる方が断然おすすめなんです。
ここでは、感想文の中にそのまま組み込みやすい、200字前後のあらすじを3パターンご紹介します。
どれもコピペして使える形にしてあるので、自分の感想に合うものを選んでみてください。
① 生と死をテーマにした型
『やまなし』は、川底で暮らす二匹のかにの兄弟の視点を通して、自然の営みを描いた物語だ。五月には、かわせみが魚を捕らえる恐ろしい場面が描かれている。一方の十二月には、やまなしが流れてくる穏やかな風景が広がる。私はこの対照的な場面から、生きることと死ぬことの両方が、自然の一部なのだと考えさせられた。
② 自然の美しさをテーマにした型
③ 標準的なバランス型
※より詳細なあらすじを確認したい方はこちらの記事をご覧ください。

『やまなし』の読書感想文の書き方
『やまなし』の読書感想文を書くうえで、押さえておきたい重要な点は3つだけ。
難しく考える必要はありません。
ここから、その3つのポイントを確認し、最後には誰でも使える穴埋め式テンプレートをご用意しています。
順番に読み進めれば、自然と感想文の骨組みが見えてくるはずですよ。
絶対に書くべき「心に残る」3つのポイント
『やまなし』の読書感想文には、最低限おさえておきたい3つの要点があります。
この3つさえ押さえれば、内容の薄い感想文にはなりません。
まずは箇条書きで確認してみましょう。
- 五月と十二月、ふたつの場面の対比
- 自然の美しさと命のつながり
- 宮沢賢治ならではの不思議な表現や世界観
この3つは、いわば『やまなし』という作品の骨格そのもの。
ストーリーをただ説明するだけでは、感想文に深みは出ません。
大切なのは、それぞれの要点を読んだときに「自分がどう感じたか」を書き残しておくこと。
これを忘れると、せっかく良い場面に気づいても、感想文に活かせなくなってしまうんですよね。
では、3つのポイントを一つずつ、じっくり見ていきましょう。
① 五月と十二月の対比から、生と死を考える
『やまなし』最大の特徴は、五月と十二月という、ふたつの季節が対照的に描かれていること。
五月の場面には、緊張感のある出来事が描かれています。
かにの兄弟が楽しく話していたところに、突然訪れる出来事。
そして十二月になると、雰囲気は一変します。
穏やかな川の流れと、家族の温かな会話が広がっていくのです。
この場面を読んだとき、私は「同じ川の中でも、こんなに雰囲気が変わるものか」と、正直驚きました。
みなさんも、楽しい時間のあとに急に怖い思いをした経験、ありませんか?
そうした自分の体験と結びつけながら読むと、この対比の意味がより深く感じられるはずです。
メモの取り方としては、ノートを縦に2つに分けるのがおすすめ。
左側に「五月で感じたこと」、右側に「十二月で感じたこと」を書き出してみてください。
例えば「左側には怖い、不安。右側には安心、あたたかい」というように、単語で構いません。
この単純な作業だけで、対比の構造がぐっと見えやすくなりますよ。
なぜ「どう感じたか」が重要なのかというと、感想文の評価で最も重視されるのが、出来事の説明ではなく、「自分なりの考え」だからです。
「五月では○○が起きた」だけで終わる感想文と、「五月の場面を読んで、私は○○と感じた」まで書ける感想文。
この差は、読んだ先生にもはっきり伝わるものなんです。
② 自然の美しさと命のつながりを感じる
『やまなし』の舞台は、川底というごく小さな世界。
でも一方で、その小さな世界の中には、光や水の流れ、月のように見える泡など、驚くほど美しい描写が詰め込まれています。
特に印象的なのが、やまなしがゆっくりと流れてくる場面。
私はこの場面を初めて読んだとき、ちょっと得した気分になったんですよね。
なんとも言えない静かな美しさが、文字だけからも伝わってくる。
こうした感覚を覚えていたら、ぜひメモに残しておきましょう。
方法は簡単です。
美しいと感じた一文を、そのまま書き出すだけ。
そのうえで、横に「なぜ美しいと感じたのか」を一言加えてみてください。
「水が青く澄んでいて、静かな気持ちになったから」など、感覚的な言葉でかまいません。
自然の描写そのものを覚えていなくても、心が動いた理由さえ残っていれば、感想文を書くときにすぐ使えます。
なぜこのメモが大切なのかというと、感想文では「美しかった」だけで終わらせず、その理由まで書けるかどうかで、文章の説得力が大きく変わるから。
美しさの正体を言葉にする作業こそ、感想文の核になる部分だと、私は考えています。
③ 宮沢賢治ならではの表現や世界観に触れる
『やまなし』には、はっきりとした説明が少ないという特徴があります。
有名な「クラムボンはかぷかぷわらったよ」という一文も、その代表例。
最初に読んだとき、意味が分からず、私もかなり迷いました。
でも一方で、この分からなさこそが、この作品の面白さなのかもしれません。
答えが一つに決まっていないからこそ、読み手の数だけ解釈が生まれる。
そんな自由さを持った、稀有な作品だと思います。
みなさんも、最初は意味が分からなかった言葉が、何度も読むうちに少し気にならなくなった経験、ありませんか?
メモを取るときは、気になった言葉や表現をそのまま書き出してみましょう。
そのうえで「自分はこんな意味かなと想像した」という一文を加えてみてください。
正解を探す必要はありません。
大切なのは、自分なりの想像を残しておくこと。
なぜこの作業が重要なのかというと、宮沢賢治の作品の魅力がまさに「読者の想像に委ねる」というところにあるから。
自分なりの解釈を書けることが、この小説の感想文では何よりの強みになります。
穴埋め式テンプレート
ここからは、先ほどの3つのポイントを自然に盛り込める、穴埋め式のテンプレートをご紹介します。
空欄を埋めるだけで、感想文の骨組みが完成する形式にしました。
順番にステップを踏んでいきましょう。
ステップ1:読んだきっかけを書く
私が『やまなし』を読んだのは、( )からである。
最初は( )という印象を持っていた。
しかし、何度か読み返すうちに、( )という作品なのだと感じるようになった。
ステップ2:あらすじを簡単にまとめる
『やまなし』は、川底に暮らす二匹のかにの兄弟が、五月と十二月の自然の様子を見つめていく物語である。
五月には( )が描かれ、十二月には( )が描かれる。
私は、この対照的な場面がとても印象に残った。
ステップ3:五月と十二月の対比について書く
私が最も印象に残ったのは、五月と十二月の雰囲気が大きく違っていたことである。
五月では( )が描かれていた。
一方、十二月では( )が描かれていた。
私は( )と感じた。
ステップ4:自然の美しさについて書く
私は、『やまなし』の自然の描写がとても美しいと感じた。
特に( )の場面が印象に残っている。
私は( )と思った。
ステップ5:宮沢賢治の表現について書く
最初、私は「クラムボンはかぷかぷわらったよ」という言葉の意味が分からなかった。
しかし、( )と感じるようになった。
言葉だけでこんなに美しい世界を表現できることに、私は驚いた。
ステップ6:まとめを書く
『やまなし』は、川の中の小さな世界を描いた作品でありながら、( )ことを教えてくれる物語だった。
私はこの作品を読んで、生きていることの尊さや、自然の豊かさを学んだ。
これからは( )ように生きていきたいと思う。
『やまなし』の読書感想文の例文
ここからは、『やまなし』の読書感想文の例文をご紹介していきます。
小学生の方を想定して、800字と1200字、それぞれの長さでまとめてみました。
参考程度に、自分の言葉に置き換えて使ってみてくださいね。
800字の小学生向け
【題名】かにの兄弟が教えてくれたこと
私は『やまなし』を読んで、自然の美しさと命の大切さについて考えた。
最初に読んだときは、「クラムボンって何だろう」と思ったし、物語の意味もよく分からなかった。
でも、何度か読んでいるうちに、川の中の様子が目に浮かぶようになり、だんだんこの物語が好きになっていった。
特に印象に残ったのは、五月の場面だ。
かにの兄弟が楽しそうに話していたのに、急にこわい出来事が起こって、私もかにたちと同じくらい驚いた。
生き物の世界では、生きるためにほかの命とかかわっていることを知って、少し悲しい気持ちにもなった。
一方で、十二月の場面になると、川の中の様子がとても穏やかになった。
やまなしがゆっくり流れてくる様子は、とてもきれいだと思った。
私はその場面を読んで、川の中にも、私たちの世界と同じように、楽しいことやこわいことがあるのだと感じた。
また、私は普段、自然のことをあまり深く考えたことがなかった。
公園の木や川の水を見ても、「きれいだな」と思うだけだった。
でも、『やまなし』を読んで、自然の中にはたくさんの命があり、お互いにつながりながら生きていることに気づいた。
私は家の近くの公園で、虫を見つけたり、木の葉が風でゆれているのを見ることがある。
これからは、それをただ見るだけでなく、「どんなふうに生きているのだろう」と考えてみたいと思った。
そして、生きていることは当たり前ではなく、とても大切なことなのだとも感じた。
私はこれから、自然をもっと大切にし、自分の命も周りの人の命も大事にしたいと思う。
『やまなし』は少し難しいお話だったが、何度も読むことで、自然の美しさや命の大切さを教えてくれる、すてきな物語だと思った。
1200字の小学生向け
【題名】川の中で見つけた、命のつながり
私が『やまなし』を読んだのは、国語の授業で紹介されたからだった。
正直に言うと、最初に読んだときは、何を伝えたい物語なのか、まったく分からなかった。
「クラムボンはかぷかぷわらったよ」という文を読んだときも、クラムボンって何なのか、最後まで気になって仕方なかった。
でも、何度も読み返していくうちに、少しずつこの物語のことが分かってきて、不思議と好きになっていった。
この物語は、川の底に住む二匹のかにの兄弟が、自然の中で起こるいろいろな出来事を見つめていく話だ。
五月の場面と、十二月の場面、ふたつの季節がまったく違う雰囲気で描かれているところが、私はとても印象に残った。
五月では、かにの兄弟が楽しそうに話していたところに、突然こわい出来事が起こる。
楽しい雰囲気が一気に変わって、私はびっくりしてしまった。
生き物の世界には、生きるためにほかの命とかかわらなければならない場面があることを、私はこの場面で初めて強く感じた。
少しこわくて、少し悲しい気持ちになったのを覚えている。
でも一方で、十二月の場面になると、川の中の様子はまるで別の世界のように穏やかになる。
やまなしがゆっくり流れてくる様子は、まるで絵を見ているようで、本当に美しいと思った。
家族の温かい会話も描かれていて、読んでいるだけで、ほっとするような気持ちになった。
私はこの五月と十二月のちがいを読んで、生きることには、楽しいことだけでなく、こわいことや悲しいこともあるのだと気づいた。
でも、そのどちらも、自然の中ではとても大切な一部なのかもしれないと思うようになった。
また、私は『やまなし』を読むまで、自然のことをあまり深く考えたことがなかった。
公園の木や、家の近くの川を見ても、「きれいだな」とだけ思っていた。
でも、この物語を読んで、水の中にも、たくさんの命があり、それぞれが支え合いながら生きていることに気づかされた。
普段は気づかないところにも、こんなに豊かな世界があるのだと分かって、自然というものが前よりも近く感じられるようになった。
そして、最初は意味が分からなかった「クラムボン」という言葉も、何度も読むうちに、自分なりに想像できるようになっていった。
答えが一つに決まっていないからこそ、自分の頭で考えながら読む楽しさがあるのだと気づいたとき、私は少しうれしい気持ちになった。
言葉だけで、こんなに美しい世界を表現できることに、私は心から驚いた。
私はこれから、家の近くの公園で虫や植物を見るときも、「どんなふうに生きているのだろう」と考えてみたいと思う。
生きていることは当たり前ではなく、とても大切なことなのだと、『やまなし』を読んで強く感じた。
これからは、自然をもっと大事にし、自分の命も、周りの人の命も、大切にしながら生きていきたいと思う。
書き出し例×5
① 最初は難しかったことを書く
私は『やまなし』を最初に読んだとき、正直よく分からなかった。
「クラムボン」とは何なのか、なぜ五月と十二月が描かれているのか、不思議に思うことばかりだった。
しかし、何度も読み返すうちに、この作品が自然の美しさや命の大切さを伝えていることに気づいた。
最初の印象と、読み終えたあとの印象が大きく変わった、そんな一冊だった。
② 印象に残った場面から始める
私が『やまなし』を読んで最も印象に残ったのは、五月の場面だった。
楽しかった雰囲気が一瞬で変わり、生き物の世界の厳しさを感じて、私は驚いた。
その場面を読んだとき、私の心の中にも、少しざわざわとした気持ちが残った。
この感覚を、感想文ではくわしく書いてみようと思った。
③ 自然の美しさに注目する
『やまなし』を読んで、私は自然の世界の美しさに心をひかれた。
青く光る水や、ゆっくり流れてくるやまなしの様子は、とても美しかった。
まるで絵を見ているような気持ちになったのを、今でも覚えている。
言葉だけでこんな景色を描けるものなのかと、私は感心してしまった。
④ 命について考えたことを書く
生きることとは何だろう。
私は『やまなし』を読んで、そのことを考えた。
五月には命にかかわる場面があり、十二月には穏やかな時間が流れている。
その対比を通して、私は命の大切さを改めて感じた一冊だった。
⑤ 自分の経験と結びつける
私は普段、自然について深く考えることはあまりなかった。
しかし、『やまなし』を読んで、川や木、そこに生きる小さな生き物たちにも、それぞれの命があることに気づかされた。
つながりながら生きている、そんな世界の存在を、私はこの本で初めて意識した。
身近な自然を見る目が、少し変わったように思う。
題名の例×5
| 対象 | 題名の例 |
|---|---|
| 小学生向け | 『やまなし』を読んで気づいたこと |
| 小学生向け | 川の中のふしぎな世界 |
| 中学生向け | 生と死を見つめて |
| 中学生向け | 『やまなし』の世界にふれて |
| 高校生向け | 生と死は対立するものなのか |
振り返り
ここまで『やまなし』の読書感想文の書き方を、あらすじの型からテンプレート、例文まで一緒に見てきました。
正直、こんなに短い物語にこれだけのテーマが詰め込まれていることに、私自身も改めて驚かされました。
五月と十二月の対比、自然の美しさ、そして宮沢賢治ならではの不思議な表現。
この3つを意識するだけで、感想文の内容は驚くほど深みを増すはずです。
とはいえ、最初から完璧な文章を書く必要はありません。
今回ご紹介したテンプレートに、自分の言葉を当てはめていくだけで十分です。
コピペでも構いませんので、まずは空欄を埋めることから始めてみてください。
『やまなし』という小説と向き合った時間は、きっとあなたの中に、何か新しい気づきを残してくれているはず。
その気づきを、自分の言葉で文章にしていく作業こそ、読書感想文の本当の楽しさです。
あなたにも、きっといい感想文が書けますよ。自信を持って、書き始めてみてくださいね。
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