芥川龍之介の『地獄変』の読書感想文、もう書き始めていますか。
本作は平安時代を舞台に、絵師・良秀(よしひで)の生きざまを描いた短編小説です。
良秀は「見たものでなければ描けない」という、すごいこだわりを持つ絵師。
その姿勢が、物語の中でどんどん大きな意味を持つようになっていきます。
芥川龍之介といえば、代表作がたくさんある有名な作家ですよね。
でも一方で、本作品はそこまで広く読まれていない印象もあります。
とはいえ、読んでみるとその完成度の高さには正直驚かされました。
この記事では『地獄変』の読書感想文の書き方・例文・題名・書き出し・コピペ・テンプレートまで、中学生・高校生のみなさんに向けて、たっぷりとご紹介していきます。
感想文を書く前のヒントとして、ぜひ役立ててくださいね。
『地獄変』の読書感想文に書くべき3つのポイント
感想文を書くとき、いちばん大事なのは「何を書けばいいかわからない」という状態から早く抜け出すこと。
この『地獄変』には、感想文に絶対入れたい要点が3つあります。
- 芸術と犠牲についての考え方
- 権力と無力という対立構造
- 結末が問いかけてくる人間の本質
この3つを軸にしながら、自分が「どう感じたか」をメモしていくのが、感想文を書くいちばんの近道です。
メモといっても、難しいことはしなくて大丈夫。
ノートやスマホのメモ機能に、場面ごとに「驚いた」・「悲しかった」・「納得できなかった」といった一言を書き留めるだけで十分です。
読んでいる途中で心がざわついた瞬間ほど、感想文のいいネタになりますよ。
そういう瞬間、見逃していませんでしたか。
なぜ「どう感じたか」がそんなに重要なのか。
それは、感想文がストーリーの説明だけで終わってしまうと、ただの要約になってしまうからです。
採点する先生が読みたいのは、あなた自身の心の動き。
ここから、3つのポイントをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント①:芸術と犠牲
良秀は「見たものしか描けない」という、強烈な信念を持つ絵師です。
理想の絵を完成させるために、人としての一線を越えてしまうかもしれない人物として描かれています。
この設定を読んだとき、私は「芸術というのは、ここまで人を変えてしまうものなのか」と、かなり驚きました。
感想文では、「芸術はどこまで許されるのか」・「創作のために人間らしさを失っていないか」という問いを、自分の言葉で考えてみるのがおすすめです。
メモの取り方としては、良秀の言動が出てくる場面ごとに「ここは納得できる」・「ここはちょっと怖い」と、賛成・反対の気持ちを書き分けてみてください。
そうすることで、感想文に深みが出てきます。
ポイント②:権力と無力
物語には、良秀を支配する立場の大殿(おおとの)という人物が登場します。
大殿は良秀に、地獄の絵を完成させるよう命じる存在。
この対立は、単なる悲劇というより、力を持つ者が他人の才能や人生をどう扱うかという、もっと大きなテーマを含んでいます。
私はこの構図を読んだとき「力のある側と、ない側の関係って、現代にも通じるな」と感じました。
とはいえ、大殿の立場から見れば、最高の作品を求める気持ちも、まったく理解できないわけではありません。
メモを取るときは、大殿側の理屈と、良秀側の苦しさ、両方の視点を書き出してみるといいでしょう。
どちらか一方だけを悪者にしない書き方が感想文に説得力を持たせるコツです。
ポイント③:結末が問いかける人間の本質
物語の最後には、完成した絵と、良秀のその後が描かれます。
ここでは詳しいことは書きませんが、この結末はただのショッキングな出来事として読むにはもったいない場面。
芸術の完成と人間の心の崩れやすさが表と裏のようにつながっていることを強く感じさせてくれます。
感想文では「なぜこの結末で終わるのか」・「読み終えたあと、自分の中に何が残ったか」を書くと、まとめが一気に締まります。
結末そのものをネタバレせずに書きたい人は「読後感」だけをメモしておくのがおすすめです。
具体的にどんな感情だったか、一言で表す練習をしておくと、本番でも書きやすくなりますよ。
『地獄変』の読書感想文のテンプレート
ここからは、空欄を埋めるだけで『地獄変』の感想文が完成する、テンプレートをご紹介します。
先ほどの3つのポイントを自然に組み込んだ構成にしてあるので順番に埋めていくだけで大丈夫です。
ステップ①:選んだ理由とあらすじ(200〜300字)
まずはなぜこの本を選んだのか、簡単なあらすじから書き始めます。
私が『地獄変』を選んだ理由は、【 選んだきっかけ 】からです。 (例:芥川龍之介の作品に興味があった/先生にすすめられた) 物語は【 時代 】を舞台に、【 主人公の名前 】という【 主人公の立場 】を描いています。 (例:平安時代/良秀/絵師) 大殿は良秀に【 命じられた作品 】を描くよう命じ、良秀は【 良秀の主張 】と答えます。 (例:地獄の様子を描いた屏風/見たものでなければ描けません)
ステップ②:心に残った場面と3つのポイント(800〜1000字)
続いて、心に残った場面を3つのポイントに沿って書いていきます。
①芸術と犠牲について 私がいちばん心に残ったのは、【 場面 】です。 良秀は「【 良秀の言葉や態度 】」という姿勢を見せます。 私はこの部分を読んで、【 感じたこと 】と思いました。 なぜなら、私にも【 自分の経験 】という経験があるからです。 そのとき、【 そのときの気持ち 】と感じたことを思い出しました。 ②権力と無力について また、【 権力に関する場面 】も印象的でした。 大殿は【 大殿の立場 】を持ち、良秀は【 良秀の立場 】でした。 私はこの部分から、【 考えたこと 】と感じました。 ③結末が問いかけるものについて 最後に、【 結末に関わる場面 】が強く心に残りました。 (※結末は具体的に書かなくてOKです) この物語は、【 結末が示していること 】を伝えていると感じました。 読み終えたあと、私の中には【 読後の気持ち 】が残りました。
ステップ③:これからの自分について(300〜400字)
最後はこの本を読んでこれからどうしたいかをまとめます。
この本を読んで、これからは【 これからの目標 】していきたいと思いました。 『地獄変』は、私に【 学んだこと 】を教えてくれました。 これからも【 続けていきたいこと 】を、大切にしていきたいです。
『地獄変』の読書感想文の例文
ここからは『地獄変』の読書感想文の例文を中学生向け・高校生向けに分けてご紹介します。
それぞれその年代らしい言葉づかいでまとめてみたので、参考にしてみてください。
1200字の中学生向け
【題名】見たものでなければ、描けない
私が今回『地獄変』を選んだのは、国語の先生がすすめてくれたからだ。
芥川龍之介という名前は聞いたことがあったけど、読むのは初めてだった。
正直、古い時代の話だし、難しそうと思っていた。
でも読み始めたら、そのイメージはすぐに変わった。
物語の主人公は良秀という絵師だ。
良秀は「見たものでなければ描けない」という、すごく頑固な人だった。
どんな絵でも、自分の目で見たものしか描かない。
これは芸術に対するこだわりなんだと思う。
私はこの言葉を読んで、ちょっと驚いた。
普通は想像力で絵を描くものだと思っていたから。
良秀が仕える大殿は、ある日、地獄の様子を描いた屏風を作るよう命じる。
これは権力を持つ人が才能のある人を思い通りに動かす場面だと思った。
私はこの部分を読んで、力を持つ人とそうでない人の関係について考えさせられた。
実は私にも似た経験がある。
クラスの班長を任されたとき、班員に仕事をお願いしたことがあった。
でも一方で、相手の気持ちより自分の都合を優先してしまったこともある。
あのとき、ちょっと申し訳ない気持ちになった。
良秀と大殿の関係も、立場の違いが生む難しさを表しているのかもしれない。
物語が進むにつれて、良秀の芸術への姿勢は、もっと深い意味を持ってくる。
見たものしか描けないということは、自分の信じる道を最後まで突き進むということでもある。
とはいえ、その姿勢がどんな結果を生むのか、読んでいる間はずっと気になって仕方なかった。
私はこの本を読んで、芸術のために何を犠牲にできるのかという問いを、自分の中で何度も考え直した。
簡単に答えが出るものではない。
だからこそ、深く心に残る物語なのだと思う。
また、大殿と良秀の対立は、ただの上下関係の話ではない。
表現する側と、それを支配しようとする側の、緊張感のあるやりとりだ。
読んでいるうちに、私はどちらの立場にも、少しずつ共感していた。
これは矛盾しているかもしれないけれど、本当にそう感じたのだから仕方ない。
物語の終わりに何が起きるのかは、ここでは書かないことにする。
ただ、最後のページを読み終えたとき、私の心にはずっと重い何かが残った。
それは悲しさだけではなく、人間の生き方そのものについて考えさせられる重さだった。
この本を読んで、これからは自分の信じることを大切にしたいと思った。
同時に誰かを犠牲にしてまで何かを成し遂げることの怖さも忘れないようにしたい。
『地獄変』は芸術とは何か、権力とは何か、人間とは何かを、短い物語の中にぎゅっと詰め込んだ作品だった。
読み終わった今でも、あの絵師の姿が頭から離れない。
正直なところ、最初はこんなに考えさせられるとは思っていなかったので、読んだあとの余韻の大きさにはちょっと驚いた。
それくらい、この本には力があるのだと思う。
これからも、こういう深く考えさせられる本を読んでいきたいと思う。
2000字の高校生向け
【題名】美しさの裏にあるもの
私が『地獄変』を選んだ理由は、芥川龍之介の作品の中でも、特に重く深いテーマを持つと聞いたからだ。
読む前は、正直なところ少し身構えていた。
古典的な文体で、感情移入しづらいのではないかと思っていたのだ。
でも読み始めてすぐ、その心配は消えていった。
文章のテンポの良さと登場人物の心の動きの生々しさに、最後まで引き込まれてしまった。
物語の中心にいるのは、良秀という絵師だ。
良秀は「見たものでなければ描けない」という、強烈なこだわりを持っている。
どれだけ想像力が豊かでも、実際に目で見ていないものは絵にしない。
私はこの考え方に触れたとき、正直かなり驚いた。
芸術というのは、頭の中で自由に作り上げるものだと思っていたからだ。
良秀の姿勢は、その想像とまるで逆だった。
良秀が仕える大殿は、地獄の様子を描いた屏風を作るよう命じる。
この場面を読んで、私は権力というものの怖さを初めてリアルに感じた気がした。
大殿は良秀の才能を認めているからこそ、無理な要求を押しつけてくる。
才能があるからこそ利用されるというのは、なんとも理不尽な構図だ。
とはいえ、大殿の立場から見れば最高の絵を完成させたいという思いも決して理解できないものではない。
そう考えると、簡単に大殿を悪者と決めつけることもできなくなってくる。
私はこの作品を読みながら、自分にも似たような経験がなかったか考えてみた。
例えば、部活の先輩から無理な頼みごとをされて、断りたいのに断れなかったことがある。
立場の差があると、自分の意見を言うことすら難しくなる。
良秀の置かれた状況とは比べものにならないほど小さな話かもしれないけれど、力の差が生む息苦しさは、どこか共通している気がした。
物語を読み進めるうちに、良秀という人物の輪郭が、少しずつはっきりしてくる。
芸術への情熱は見方を変えれば、ある種の執念のようにも見えてくる。
普通の人なら踏みとどまる場面でも、良秀は絵師としての本能のほうを優先してしまう。
これは異常なことなのか、それとも芸術家としては当然のことなのか。
私は読みながら、何度もその問いを自分に向けた。
一方で、その情熱があるからこそ彼の絵は人の心を動かすのだろうとも思う。
この矛盾した気持ちは最後まで消えなかった。
大殿と良秀の関係を読んでいると、権力を持つ者と表現する者の間にある、緊張感のようなものをずっと感じていた。
大殿は良秀を支配しているように見えるけれど、良秀の絵がなければ大殿の望みは叶わない。
つまり、力の強さだけでは測れない関係性がそこにはある。
私はこの構図になんとも言えない複雑さを感じた。
単純な善悪の話ではないからこそ、読み終えたあとも頭の中でずっと考え続けてしまう。
学校の授業で芥川作品をいくつか読んできたけれど、『地獄変』はその中でも特に、登場人物の感情の動きが細かく描かれている作品だと思う。
良秀の心の中にある葛藤も、大殿の中にある思惑も、はっきりとした言葉で説明されているわけではない。
だからこそ、読む人がそれぞれの場面で、自分なりに想像し、解釈する余地が残されている。
私はこの余白の多さに、最初は少し戸惑った。
でも読み進めるうちに、その余白こそが、この物語を何度でも読み返したくなる理由なのだと気づいた。
ストーリーの結末がどうなるのかは、ここでは書かないでおきたい。
ただ、最後のページに差しかかるまでの間、私はずっと胸がざわざわしていた。
良秀がどんな選択をするのか、想像しながら読み進めるその時間そのものが、この作品の一番の魅力だったように思う。
読み終えたあと、私の中に残ったのは、ひとつの答えではなく、たくさんの問いだった。
芸術のために、どこまでのことが許されるのか。
力を持つ人は、その力をどう使うべきなのか。
そして、何かに本気で打ち込むということは、いったいどういうことなのか。
これらの問いに、すぐに答えを出すことはできない。
でも、答えが出ないからこそ、この本は読む価値があるのだと、私は感じた。
この本を読んで、これからは自分が何かに本気で向き合うとき、その先にあるものをもう少し丁寧に考えたいと思うようになった。
情熱を持つことは大切だ。
でも一方で、その情熱が誰かを傷つけていないか、立ち止まって考える余裕も持ちたい。
『地獄変』は、短い物語の中に、人間の心の奥にあるものをぎゅっと詰め込んだ作品だった。
読み終えた今でも、良秀の姿が頭から離れない。
芥川龍之介がどうしてこの物語を書いたのか、その理由を考えるだけでも、しばらく時間がかかりそうだ。
これからも、こうした重みのある作品に出会っていきたいと、心から思っている。
正直、読書感想文というと身構えてしまうことが多かったけれど、この作品については、書きたいことが次々と出てきて、少し嬉しい驚きだった。
それだけ『地獄変』という物語が私の心を強くつかんだのだと思う。
書き出し例×5
①経験から始める
部活の先輩から無理な頼みごとをされて、断りたいのに断れなかったことがある。
そのとき、立場の差というものの息苦しさを、初めて実感した。
芥川龍之介の『地獄変』に出てくる良秀と大殿の関係を読んだとき、私はあの息苦しさを思い出しながらページをめくっていた。
立場が違う者同士のやりとりには、いつも、ちょっとした緊張感がつきまとう。
この物語はその緊張感をもっと大きなスケールで見せてくれる作品だった。
②作品の一文から始める
「見たものでなければ描けません」。
この一言から、芥川龍之介『地獄変』の絵師・良秀の姿勢が見えてくる。
たった一文だけれど、ここには彼の生き方そのものが詰まっている気がした。
私はこの言葉を読んだ瞬間、なんとも言えない緊張感を覚えた。
この姿勢が物語の中でどんな意味を持っていくのか、最後まで気になって読み進めることになった。
③疑問から始める
芸術のために、人はどこまでのことをしていいのだろうか。
『地獄変』の良秀は、その問いを読む人に静かに、でも強く投げかけてくる。
私はこの問いについて、読み終えたあとも何度も考え直すことになった。
簡単に答えが出る問題ではない。
だからこそ、この物語には、何度でも読み返す価値があると感じている。
④テーマから始める
美しさと恐ろしさは、表と裏の関係にあるのかもしれない。
芥川龍之介の『地獄変』は、絵師・良秀の生きざまを通してそのことを静かに伝えてくる作品だ。
読んでいる間、私はずっと、その二つの感情の間を揺れ動いていた。
一つの物語の中にこんなにも矛盾した感情が同時に存在するのかと、正直驚かされた。
その揺れこそが、この作品の持つ力なのだと思う。
⑤対比から始める
『地獄変』の前半では、良秀が「見たものでなければ描けない」と、芸術へのこだわりを強く示す。
でも一方で物語が進むにつれて、その同じこだわりがまったく違う顔を見せ始める。
この変化に気づいたとき、私は思わず読む手を止めてしまった。
一人の人物の中にある、こだわりと矛盾。
その対比こそが、この作品のいちばんの読みどころだと感じている。
題名の例×5
| 番号 | 題名の例 |
|---|---|
| 1 | 見たものでなければ、描けない——『地獄変』を読んで |
| 2 | 美しさの裏にあるもの |
| 3 | 権力は才能をどう扱うのか |
| 4 | 芸術のために越えてはいけない一線 |
| 5 | 良秀という絵師が、私に問いかけたこと |
振り返り
『地獄変』の読書感想文の書き方・例文・題名・書き出しまで、まとめてご紹介してきました。
感想文というと、ハードルが高く感じる人も多いと思います。
でも一方で、ポイントを3つに絞り、テンプレートに沿って空欄を埋めていくだけで、ちゃんと形になるもの。
難しく考えすぎる必要は、まったくありません。
大事なのは、自分が「どう感じたか」を、正直な言葉にすること。
『地獄変』は、芸術と犠牲、権力と無力、そして人間の本質について、深く問いかけてくる作品です。
その分、書けることもたくさんあるはずです。
コピペでテンプレートをそのまま使うのもよし、自分なりにアレンジするのもよし。
どちらの方法でもきっとあなたらしい感想文が書けると私は思っています。
ここまで読んでくれたあなたならもう大丈夫。
自信を持って、ペンを進めてみてくださいね。
※『地獄変』の読書感想文の作成に役立つ記事がコチラ。


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