今回は小松原宏子さんが手がけた児童書「青空小学校いろいろ委員会」シリーズの第5弾、『図書委員は泣かない』を取り上げます。
本作は、本が大好きな図書委員のホン子と、図書室に毎日通ってくる2年生のユウキくんとの交流を描いた物語。
ユウキくんが抱える学習障害「ディスレクシア」や、学校という場所での居場所について、やさしい筆致で描かれています。
読んだあとには、じんわりと胸があたたかくなる……そんな一冊です。
正直、私も読み終えたあとに涙がじんわり湧いてきました。
この記事では読書感想文の書き方について、例文から題名・書き出しの例、コピペして使えるテンプレートまで、まるごとご紹介していきます。
『図書委員は泣かない』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『図書委員は泣かない』の読書感想文を書くときは、あらすじを長く書きすぎないことが大事です。
感想文全体のうち、あらすじはだいたい2割程度におさえるのが理想的。
ここでは、そのまま感想文に組み込みやすい200字前後のあらすじを、タイプ別に3つご用意しました。
自分の文章のトーンに合うものを選んでみてくださいね。
基本パターン
『図書委員は泣かない』は、本が大好きな小学4年生のホン子と、図書室にかよう2年生のユウキくんの物語だ。ある日、クラスメートにくつをかくされたユウキくんが図書室にやってくる。それから毎日、ユウキくんは同じ絵本を「読んで」とせがみに来るようになった。やがてホン子は、ユウキくんが読み書きに困難を抱えていることに気づいていく。ふたりの交流を通して、ちがいを認め合うことのたいせつさが描かれる物語だ。
気持ち重視パターン
本が大好きで、図書室にいるだけでしあわせだったホン子。そんな彼女の前に、ある日、こまった顔をしたユウキくんが現れる。くつをかくされて帰れないというユウキくんに、ホン子は絵本を読んであげることにした。それからくり返される「読んで」というお願いのうらに、ホン子はある事実に気づいていく。ひとりの時間もだれかとすごす時間も、どちらもしあわせなのだと教えてくれる一冊だ。
テーマ重視パターン
『図書委員は泣かない』は、学習障害「ディスレクシア」を通して、人とのちがいについて考えさせられる物語だ。図書委員のホン子は、図書室にやってくる2年生のユウキくんと少しずつ心を通わせていく。ユウキくんが同じ絵本ばかり「読んで」とせがむ理由には、ある事情がかくされていた。読み書きが得意な子もいれば、そうでない子もいる。その事実に、ホン子と一緒に気づかされる物語だ。
『図書委員は泣かない』の読書感想文の書き方
『図書委員は泣かない』の読書感想文を書くときは、おさえておきたい重要なポイントが3つあります。
この3つさえつかんでおけば、感想文づくりはぐっと楽になりますよ。
ここからは、その3つのポイントを詳しく確認したうえで、そのまま使える穴埋め式テンプレートもご用意していきます。
テンプレートに沿って空欄をうめていくだけで、自分だけの感想文が完成する仕組みです。
この物語の中心となる3つのテーマやポイント
『図書委員は泣かない』の読書感想文を書くうえで、外せない要点が3つあります。
この3つを軸に自分の気持ちを書いていけば、感想文の骨組みはもう完成したようなもの。
まずは、その3つをかんたんに挙げておきますね。
- ①「ちがい」を理解し、支え合うことのたいせつさ
- ②図書室という「居場所」と、本がくれるしあわせ
- ③いじめや仲間はずれへの気づきと、自分にできること
それぞれの場面を読んだときに、自分がどう感じたかをメモしておくのがおすすめです。
「悲しかった」「びっくりした」「うれしかった」など、思いついた言葉をそのままノートに書き出してみてください。
完璧な文章にする必要はまったくありません。
単語だけでも、じゅうぶんな材料になりますよ。
なぜ「どう感じたか」がそんなに重要なのか、疑問に思う方もいるかもしれませんね。
理由はシンプルです。
感想文というのは、あらすじを説明する文章ではなく、あなたの心が動いた記録だからです。
同じ本を読んでも、感じ方は人によってちがいますよね。
その「自分だけの感じ方」こそが、感想文でいちばん読んでほしい部分なんです。
ここからは、3つのポイントをひとつずつくわしく見ていきましょう。
①「ちがい」を理解し、支え合うことのたいせつさ
この物語の中心にあるのは、読み書きに困難をかかえる学習障害「ディスレクシア」をもつユウキくんと、ホン子の交流です。
ユウキくんが同じ絵本を何度も「読んで」とせがむ理由には、ある事情がかくされていました。
これを知ったとき、私は正直、少し驚きました。
字を読んだり書いたりするのがむずかしい人がいるなんて、考えたこともなかったからです。
ユウキくんの気持ちになって、「読みたくても読めない」ときの気持ちを想像してみてください。
もどかしいし、くやしいし、時には悲しくもなるはずです。
そのうえで、ホン子がユウキくんをどう受け止め、どう支えていったのか。
そこに注目してメモを取ってみましょう。
そして最後に、「自分だったらどうするか」「友だちにどんなことができるか」を考えてみてください。
この一歩が、感想文をぐっと深くしてくれますよ。
②図書室という「居場所」と、本がくれるしあわせ
ホン子は「ずっと図書室にいられて、それだけでしあわせ」と感じるほど、本と図書室が大好きな女の子です。
けれど、ユウキくんとの出会いをきっかけに、少しずつ気持ちが変わっていきます。
「ひとりの時間も楽しいけれど、だれかとすごす時間もしあわせ」。
そんな新しい発見をしていくのです。
あなたにとっての「居場所」は、どこにありますか?
図書室かもしれないし、教室や家、あるいは習い事の教室かもしれません。
その場所で自分がどんな気持ちになるか、少し考えてみてください。
本を読んで心が動いた経験や、本にもらった勇気があれば、それもぜひメモしておきましょう。
ホン子の「本が好き」という気持ちに、共感できる部分もきっとあるはずです。
ひとりの時間と、だれかと過ごす時間。
その両方のよさに気づけると、感想文の内容がぐっと厚みを増しますよ。
③いじめや仲間はずれへの気づきと、自分にできること
ユウキくんは、クラスメートにくつをかくされるなど、つらい思いを重ねてきました。
それどころか、先に「いやがらせをした」と言われてしまう場面もあります。
この物語は、学校という小さな社会の中で、自分の役割や立ち位置について考えるきっかけをくれます。
ユウキくんの気持ちになって読んだとき、あなたはどんな感情がわいてきましたか?
悲しさ、くやしさ、助けてあげたい気持ち。
いろいろな感情が入り混じるかもしれませんね。
自分の学校やクラスで、似たようなことがなかったかも思い出してみてください。
読む前と読んだあとで、「いじめ」や「仲間はずれ」についての考え方が変わったなら、それも大切な感想のひとつです。
そして最後に、「これからどうしたいか」「どんな人になりたいか」を書いてみましょう。
その一文が、感想文全体をぐっと引き締めてくれます。
穴埋め式テンプレート
ここからは、実際に手を動かして感想文を完成させていきましょう。
先ほどの3つのポイントが自然に入るように設計した、穴埋め式のテンプレートをご用意しました。
空欄をうめていくだけで、バランスのとれた感想文が仕上がる仕組みです。
順番にひとつずつ進めていきましょう。
ステップ1:選んだ理由(全体の約2割)
まずは、この本を選んだ理由から書き始めます。
書き出しの一文は、とても重要です。
「わたしは『図書委員は泣かない』という本を選びました。
この本を選んだ理由は、______________________________________からです。」
タイトルにひかれた、図書委員という言葉が気になった、友だちにすすめられた。
思いあたることを、そのまま書いてみてください。
ステップ2:簡単なあらすじ紹介(全体の約2割)
次に、あらすじを短くまとめます。
先ほど紹介した「あらすじの型」を少しアレンジして使ってもかまいません。
「この本は、青空小学校○年生の本田シオリ(通称ホン子)が主人公の物語です。
ホン子は________________________という女の子です。
ある日、図書室に○年生の男の子ユウキくんがやってきて、________________________と言いました。
それから毎日ユウキくんは図書室に通ってきて、________________________という絵本を何度も読んでとせがみました。」
あらすじは長くなりすぎないよう、全体の2割までにおさえましょう。
ステップ3:3つの重要ポイント(全体の約5割)
ここが感想文のいちばんの見せ場です。
先ほど確認した3つのポイントを、順番に書いていきましょう。
「この本を読んで一番心に残ったのは、__________________という場面です。
なぜなら、__________________と思ったからです。
わたしにも__________________という経験があります。
この本を読んで、__________________ということを学びました。」
この形を、3つのポイントぶん繰り返して書いてみてください。
ステップ4:まとめ・結論(全体の約1割)
最後は、全体をしめくくる文章です。
「この本を読んで、__________________ということを学びました。
これからは__________________という気持ちで生活していきたいです。
みんなにもこの本を読んで、__________________を考えてほしいと思います。」
これで、感想文の骨組みはすべて完成です。
あとは、自分の言葉で肉付けしていくだけですよ。
小学生向け『図書委員は泣かない』の読書感想文の例文
ここからは、『図書委員は泣かない』の感想文の例文をご紹介していきます。
小学生の皆さんが参考にしやすいよう、文字数別に2パターン用意しました。
結末部分にはふれていませんので、安心して読んでくださいね。
800字(原稿用紙2枚分)
【題名】ホン子とユウキくんが教えてくれたこと
私は『図書委員は泣かない』という本を読んだ。
主人公のホン子は、本が好きで図書委員になった小学4年生だ。
ある日、図書室に2年生のユウキくんがやってきた。
くつをかくされて帰れないというユウキくんに、ホン子は絵本を読んであげた。
それから毎日、同じ絵本を「読んで」とせがみに来るようになった。
私がこの本でいちばん心に残ったのは、ユウキくんが同じ絵本ばかり読んでほしがる場面だった。
最初は「どうしてかな」と不思議に思っていた。
でも読み進めるうちに、そこには字を読むことのむずかしさがかくれていたのだとわかった。
字が読めない人もいるなんて、私は考えたこともなかった。
読みたいのに読めないのは、どれだけくやしいことだろう。
ユウキくんの気持ちを想像すると、胸がぎゅっとなった。
ホン子はそんなユウキくんを、責めたりばかにしたりしなかった。
ただそばにいて、絵本を読み続けてあげた。
その姿を見て、私はやさしさとはこういうことなのだと学んだ。
ホン子は「ずっと図書室にいられて、それだけでしあわせ」と思うくらい、本と図書室が大好きな女の子だ。
私にも、部屋で本を読んでいる時間がいちばん落ち着く。
けれどホン子は、ユウキくんと過ごすうちに、だれかと一緒にすごす時間もしあわせなのだと気づいていった。
私はその変化に、じんとした気持ちになった。
ユウキくんは、くつをかくされたり、いやな思いをすることが何度もあった。
読んでいて、私はとても悲しくなったし、くやしくもなった。
もし自分のクラスで同じことがあったら、私はユウキくんの味方になりたいと思う。
この本を読んで、私は人にはそれぞれちがいがあって、そのちがいを理解し合うことがどれだけたいせつかを学んだ。
これからは、自分と少しちがう友だちがいても、決めつけたりしないようにしたい。
『図書委員は泣かない』は、私にたくさんのことを教えてくれた一冊だった。
1200字(原稿用紙3枚分)
【題名】「ちがい」がくれたしあわせ
私は『図書委員は泣かない』という本を読んだ。
主人公のホン子は、本が大好きで図書委員になった小学4年生だ。
ある日、図書室に2年生のユウキくんがやってきた。
くつをかくされて帰れないというユウキくんに、ホン子は絵本を読んであげた。
それから毎日、同じ絵本を「読んで」とせがみに来るようになった。
私がこの本でいちばん心に残ったのは、ユウキくんが同じ絵本ばかり読んでほしがる場面だった。
最初は「どうしてかな」と不思議に思っていた。
でも読み進めるうちに、そこには字を読むことのむずかしさがかくれていたのだとわかった。
字が読めない人もいるなんて、私は考えたこともなかった。
読みたいのに読めないのは、どれだけくやしいことだろう。
ユウキくんの気持ちを想像すると、胸がぎゅっとなった。
私にも、算数の問題が何度やってもわからなくて、くやしかった経験がある。
ホン子はそんなユウキくんを、責めたりばかにしたりしなかった。
ただそばにいて、絵本を読み続けてあげた。
その姿を見て、私はやさしさとはこういうことなのだと学んだ。
ホン子は「ずっと図書室にいられて、それだけでしあわせ」と思うくらい、本と図書室が大好きな女の子だ。
私にも、部屋で本を読んでいる時間がいちばん落ち着く。
ひとりで本を読むのは、たしかに楽しい。
けれどホン子は、ユウキくんと過ごすうちに、だれかと一緒にすごす時間もしあわせなのだと気づいていった。
私はその変化に、じんとした気持ちになった。
ユウキくんは、くつをかくされたり、いやな思いをすることが何度もあった。
それなのに、先に「いやがらせをした」と言われてしまう場面もあった。
読んでいて、私はとても悲しくなったし、くやしくもなった。
どうしてユウキくんばかりが、つらい思いをしなくてはいけないのだろう。
もし自分のクラスで同じことがあったら、私はユウキくんの味方になりたいと思う。
そうはいっても、実際にその場で勇気を出して声をかけられるかどうかは、正直まだ自信がない。
それでも、知らないふりだけはしたくないと強く思った。
この本を読んで、私は人にはそれぞれちがいがあって、そのちがいを理解し合うことがどれだけたいせつかを学んだ。
字がすらすら読める人もいれば、そうでない人もいる。
それぞれのちがいを、変なことだと決めつけるのではなく、当たり前のこととして受け止められる人になりたい。
これからは、自分と少しちがう友だちがいても、決めつけたりしないようにしたい。
もし困っている子がいたら、ホン子のように、そっとそばにいられる人になりたい。
『図書委員は泣かない』というタイトルの意味は、最後まで読むとよくわかる。
その理由はここでは書かないでおこうと思う。
『図書委員は泣かない』は、私にたくさんのことを教えてくれた一冊だった。
これからも、こんなふうに心を動かしてくれる本と出会いたいと思う。
書き出し例×5
感想文は、書き出しの一文でだいぶ印象が変わります。
ここでは5つのパターンをご紹介しますので、自分に合うものを見つけてくださいね。
①本を選んだきっかけから始める
わたしは『図書委員は泣かない』という本を選んだ。
わたしも本が大好きで、いつか図書委員になりたいと思っていたからだ。
また、タイトルを見て「なぜ図書委員は泣かないのだろう」と気になったからでもある。
表紙のイラストもやさしい雰囲気で、読む前からわくわくした気持ちになった。
この本にはどんな物語がつまっているのか、想像しながらページを開いた。
②一番心に残った場面から始める
「クラスメートにくつをかくされたから帰れない」。
図書室に現れた2年生の男の子の言葉に、わたしは胸がしめつけられるような気持ちになった。
この一文を読んだだけで、続きが気になってしかたなかった。
この本を読んで、本当のやさしさとは何かを教えられた気がする。
『図書委員は泣かない』は、そんな気づきをくれる一冊だった。
③問いかけから始める
もし、読みたくても字が読めない友だちがいたら、どうするだろうか。
わたしはこの本を読んで、初めて「ディスレクシア」という学習障害のことを知った。
知らなかった自分に、少し恥ずかしい気持ちにもなった。
そして、ひとりひとりのちがいを理解することのたいせつさに気づかされた。
『図書委員は泣かない』は、そんな問いを投げかけてくる物語だった。
④自分の経験から始める
じつは、わたしも図書委員になりたいと思っている。
だから、ホン子の「ずっと図書室にいられて、しあわせ」という気持ちが、とてもよくわかった。
でも一方で、この本を読んで、ひとりの時間だけでなく、だれかと過ごす時間もたいせつだと気づかされた。
自分の気持ちと重ねながら読めたことで、より深く物語に入りこめたと思う。
そんな一冊との出会いを、この感想文で伝えたい。
⑤読み終わった直後の気持ちから始める
最後のページを閉じたあと、わたしの目には涙があふれていた。
『図書委員は泣かない』というタイトルなのに、わたしは泣いてしまった。
それは、ホン子とユウキくんの交流があまりにもあたたかく、そして切なかったからだと思う。
本を読んでこんなに気持ちが動いたのは、久しぶりのことだった。
この気持ちを、そのまま感想文に書いてみることにした。
題名の例×10
感想文の題名は、本文を書き終えたあとに決めるのもおすすめです。
難しい言葉を使うより、自分の気持ちを素直に表した題名のほうが、読み手の心に届きますよ。
| 番号 | 題名の例 | タイプ |
|---|---|---|
| 1 | ホン子とユウキくんが教えてくれたこと | 感動・気持ち |
| 2 | 図書室であたたかい時間を | 感動・気持ち |
| 3 | 『おかえし』がくれた勇気 | 感動・気持ち |
| 4 | 涙があふれた、あたたかい物語 | 感動・気持ち |
| 5 | ひとりじゃない、図書室の居場所 | 感動・気持ち |
| 6 | 「ちがい」がくれたしあわせ | テーマ |
| 7 | 本当のやさしさってなに? | テーマ |
| 8 | 本と友情がつなぐ心 | テーマ |
| 9 | みんなちがって、みんないい | テーマ |
| 10 | これからは友だちをたいせつにしたい | テーマ |
振り返り
『図書委員は泣かない』の読書感想文について、書き方から例文、題名、書き出しまでご紹介してきました。
あらすじの型、3つの重要ポイント、穴埋め式テンプレート。
この3つがそろえば、感想文づくりはもうこわくありません。
とはいえ、いきなり完璧な文章を書こうとしなくて大丈夫です。
まずはテンプレートの空欄を、思いついた言葉でうめていくところから始めてみてください。
ホン子とユウキくんの物語は、きっとあなたの心にも何かを残してくれるはずです。
その気持ちを、ぜひ自分の言葉にしてみてくださいね。
あなたにも、きっといい感想文が書けます。私はそう確信しています。
この記事が、皆さんの読書感想文づくりの力になれたら、うれしいです。
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