『君の火がゆらめいている』の読書感想文の書き方とあらすじを、これからくわしく解説していきますね。
この小説は発達障害のある姉を持つ小学6年生の女の子・葉澄(はすみ)の葛藤と成長を描いた作品で、2026年の第72回青少年読書感想文全国コンクールの中学校の部の課題図書に選ばれています。
作者は落合由佳さん。2016年に講談社児童文学新人賞で佳作入選してデビューした実力派の作家さんです。
私は年間100冊以上の本を読む読書家なんですが、この『君の火がゆらめいている』はなかなかに読み応えのある一冊でした。
「きょうだい児」と呼ばれる、障害のある兄弟姉妹を持つ子どもの複雑な心情を、これほどまっすぐに描いた作品はなかなかないんじゃないか、と。
この記事では、読書感想文を書く予定のみなさんのために、
- 100字・200字・400字のあらすじ(要約)
- 感想文の書き方と3つのポイント
- らくらくテンプレートと2000字の例文
- タイトルの付け方例15個
……とまぁ、感想文を書くのに必要な情報をぜんぶまとめてあります。
短く簡単にあらすじを知りたい方も、くわしく内容を把握してから感想文を書きたい方も、どちらにも役立てる内容になっていますよ。
落合由佳『君の火がゆらめいている』のあらすじ(ネタバレなし)
『君の火がゆらめいている』のあらすじを100字・200字・400字の3パターンで紹介していきます。
読書感想文の冒頭に使えるような短い要約から、ストーリー全体がわかるくわしい内容まで、順番に読んでみてください。
短いあらすじ(100字)
発達障害の双子の姉を支える小学6年生の葉澄が「障害のある子どものきょうだいが集まる会」での出会いを通じて、自分の気持ちを押し殺すことの苦しさに気づき、自分らしく生きることの意味を模索していく成長の物語。
簡単なあらすじ(200字)
主人公の葉澄は小学6年生ながら発達障害のある双子の姉・菜々実の通院や学校への送り迎えを日常的に手伝いながら暮らしている。
家ではいつも姉の都合が優先され、葉澄は自分の気持ちを「仕方がない」と無理やり押し込めていた。
そんなある日、障害のある子どものきょうだいが集まる「きょうだい会」に参加した葉澄は、同じような悩みを抱えている恵太と出会い、自分の人生について考え始めていく。
詳しいあらすじ(400字の要約)
葉澄は発達障害と知的障害を持つ双子の姉・菜々実とともに暮らす小学6年生。
葉澄は姉のことが嫌いなわけではない。むしろ大切に思っている。
でも、友達と遊びたい日も、一人でいたい時も、お母さんと二人でゆっくりしたい時も、いつも菜々実の都合が最優先だ。「仕方ない」と自分に言い聞かせても、心の奥にはモヤモヤがたまっていく。
学校でも葉澄は本音を打ち明けられない。家族に心配をかけたくないから、「いい子」を演じ続ける。
そんな中、障害のある子どものきょうだいが集まる「きょうだい会(つなぎび)」に参加した葉澄は、同年代の恵太と出会う。恵太にも障害のある弟がいて、葉澄と同じような悩みを抱えていた。
二人は語り合いながら「きょうだいのために生きることが、はたして本当に幸せなのか」という問いと向き合っていく。
物語は小学6年生から中学3年生までの数年間を描き、葉澄が少しずつ自分の人生の「火」を守りながら成長していく姿を追う。
『君の火がゆらめいている』の読書感想文の書き方
ここからは『君の火がゆらめいている』の読書感想文を書くための解説に入っていきます。
3つの重要ポイント・らくらくテンプレート・1200字の例文・タイトル例の順番で紹介するので、書き方に迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
これを書けばだいじょうぶ!3つのポイント
『君の火がゆらめいている』の読書感想文を書くなら、この3つのポイントは絶対に外せません。
- 葉澄が「いい子」を演じ続けて苦しんでいたこと
- 「きょうだい会」で恵太と出会い、気持ちが変わっていったこと
- 「自分の人生を生きていい」と気づくこと
箇条書きで並べると3つなんですが、実はこの3つはひとつのストーリーとしてつながっています。
単なるあらすじの紹介にならないよう、それぞれのポイントに「自分の経験や考え」を絡めていくのが感想文を深めるコツですよ。
1 葉澄が「いい子」を演じ続けて苦しんでいたこと
この作品の出発点となる、めちゃくちゃ重要なポイントです。
葉澄は、姉・菜々実を支える家族を見て「自分まで迷惑をかけてはいけない」と感じています。
だから、寂しくても言わない。不満があっても我慢する。
ただ、苦しいのに「仕方ない」と思い込んでいる状態って、読んでいてすごくせつないんです。
感想文を書くときは、「なぜ葉澄はそこまで我慢しなければならなかったのか」を自分なりに考えてみてください。
たとえば「自分も似た経験がある」・「本音を言えなかったことがある」という体験とつなげて書くと、説得力のある感想文になります。
2 「きょうだい会」で恵太と出会い、気持ちが変わっていったこと
物語の大きな転換点。
葉澄が「きょうだい会」で同じ立場の恵太と出会い、「自分だけじゃなかった」と知る場面はこの物語でいちばん心が動く部分のひとつ。。
孤独を感じていた葉澄が初めて本音で話せる相手と出会う。
感想文ではここから「人に話すことの大切さ」・「同じ悩みを持つ仲間の存在」について自分の考えを書いてみましょう。
「悩みを一人で抱え込んでいた経験がある」という人なら、葉澄の気持ちに深く共感できると思いますよ。
3 「自分の人生を生きていい」と気づくこと
この作品のいちばん大切なテーマ、というか、作者が読者に届けたいメッセージはここだと思っています。
葉澄は長い間「姉のために」・「家族のために」生きなければならないと思っていた。
でも成長していく中で「自分の夢を持ってもいい」・「自分の幸せを考えてもいい」と少しずつ気づいていきます。
感想文では「他人を大切にすることと自分を大切にすることは、対立するのか?」という問いに対して、自分なりの答えを書いてみてください。
将来の夢や自分のやりたいこととからめて書くと、中学生らしい感想文になりますよ。
こう書こう!らくらくテンプレート
『君の火がゆらめいている』の読書感想文を書くためのテンプレートを紹介します。
空欄を埋めていくだけで感想文のベースが完成するので、ぜひ活用してみてください。
ステップ1 本を選んだ理由と読む前の印象
私が『君の火がゆらめいている』を読もうと思ったのは、( )と思ったからだ。
読む前の私は、障害のある家族を持つ人について( )と考えていた。
しかしこの本を読んで、その考えは大きく変わった。
ステップ2 葉澄の葛藤について考える
主人公の葉澄は、発達障害のある姉・菜々実と暮らしている。
葉澄は姉のことを大切に思っているが、その一方で( )という苦しさも抱えていた。
特に私は、葉澄が( )という場面に強く共感した(または印象に残った)。
なぜなら私にも( )という経験があるからだ。
この場面から、人は周囲を気遣うあまり、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあると感じた。
ステップ3 恵太との出会いがもたらした変化
物語の中で大きな転機になったのは、葉澄が「きょうだい会」で恵太と出会ったことだ。
恵太も同じような悩みを抱えており、葉澄は初めて( )と感じることができた。
この場面を読んで、( )ことの大切さを考えた。
人は一人で抱え込むよりも、( )ことで前に進めるのだと思う。
ステップ4 作品のテーマについて考える
この作品で最も心に残ったのは、「家族を大切にすること」と「自分自身を大切にすること」の両方が必要だという考え方だ。
葉澄は長い間、( )と思い込んでいた。
しかし物語が進むにつれて、( )と考えられるようになる。
この変化から、( )ことが大切なのだと学んだ。
これは障害のある家族を持つ人だけでなく、すべての人に通じることだと思う。
ステップ5 タイトルの意味と自分への問いかけ
『君の火がゆらめいている』という題名には、一人ひとりの心の中にある希望や夢が込められていると感じた。
葉澄は悩みながらも、その「火」を消さずに生きようとしていた。
私自身も( )という悩みや目標がある。
しかしこの本を読んで、( )と思えるようになった。
ステップ6 まとめ
私はこの本から、( )ということを学んだ。
自分の気持ちを大切にすることは、決してわがままではないことも知った。
これからは( )ようにしたい。
そして自分の心の中にある小さな火を大切にしながら生きていきたいと思う。
2000字の例文
私が『君の火がゆらめいている』を読んで、最初に感じたのは「葉澄の我慢は、いつか限界になるんじゃないか」という不安だった。主人公の葉澄は、発達障害と知的障害のある双子の姉・菜々実を持つ小学六年生だ。家ではいつも菜々実が中心で、葉澄の気持ちはいつも後回しになる。友達と遊びたくても、お母さんと二人でゆっくりしたくても、姉の都合が最優先だ。それでも葉澄は「仕方ない」と自分に言い聞かせて、「いい子」であろうとし続ける。
この葉澄の姿に、私は強く共感した。私自身は葉澄とまったく同じ状況ではないけれど、「迷惑をかけたくない」という気持ちから本音を言えなかった経験は、私にもある。部活動でつらいことがあっても「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と思ってしまうことが何度もあった。友達に悩みを話しかけて「でもたいしたことじゃないか」と引っ込めてしまったこともある。葉澄が感じている孤独は、形は違っても、どこかで自分にも重なる気がした。
さらに印象に残ったのは、葉澄が自分の苦しさに「罪悪感」まで感じているという点だ。姉はもっと大変なのだから、自分が弱音を吐いてはいけない。両親は頑張っているのだから、自分は我慢しなければならない。そう思って、葉澄は自分の気持ちにふたをしていく。しかし私は、苦しさというものは比べられるものではないと思う。どんな状況であっても、その人が感じている痛みはその人にとって本物だ。だから葉澄の寂しさや不満は、小さいものなんかではない。それをずっと一人で抱えていた葉澄のことを思うと、胸が痛くなった。
物語の大きな転機となるのが、「きょうだい会」での恵太との出会いだ。恵太も障害のある弟を持つきょうだい児で、葉澄と似た悩みを抱えている。明るくて気さくな恵太だが、その言葉の裏には弟への複雑な感情がにじんでいた。葉澄はそこで初めて、「自分だけが苦しいわけじゃなかった」と知る。
この場面を読んで、人に話すことの大切さを改めて感じた。一人で抱え込んでいると「自分だけがおかしいのかも」「こんなことで悩むのは弱いからだ」と思いやすい。でも、同じ悩みを持つ人と言葉を交わすことで、心の重さがすこし変わっていく。葉澄が恵太と話すうちに、少しずつ自分の気持ちを認められるようになっていく場面は、読んでいて本当にほっとした。私も中学生になってから、一人で抱え込むことが増えた。信頼できる人に話すことを、もっと大切にしていこうと感じた。
また、葉澄がかつて仲違いした友達とのやり取りを通して、人間関係について改めて考えるようになる場面も心に残った。障害のある姉がいることで、葉澄はずっとどこかで「自分のことをわかってもらえない」という孤立感を持っていた。でも、友達との関係を通して、葉澄は少しずつ自分の内側にあるものと向き合っていく。人とのつながりが、葉澄にとって大切な鏡になっているのだと思った。
この作品で最も考えさせられたのは、「自分の人生を生きていい」というメッセージだ。葉澄は長い間、姉や家族のために生きなければならないと思っていた。姉のために我慢することが「当たり前」で、自分の夢や希望を持つことは「わがまま」なのかもしれないと感じていた。しかし物語が進むにつれて、葉澄はすこしずつ「自分の幸せを考えてもいい」と気づいていく。
私はこの変化に、とても勇気づけられた。誰かのために頑張ることは素晴らしい。でも、それで自分の心がつぶれてしまっては、長い目で見たときに誰のためにもならない。まず自分の心を大切にして、その上で周りの人を支えること。それがこの本を読んで、私がいちばん学んだことだ。「家族を思いやること」と「自分を大切にすること」は、対立するものではなく、両方あってこそ成り立つのだと思う。
タイトルの『君の火がゆらめいている』という言葉も、ずっと頭に残っている。私はこの「火」とは、一人ひとりの心の中にある希望や夢、自分らしさのことだと思う。葉澄は何度も苦しみながら、それでもその火を消さずに生きようとしていた。周りの人との出会いが、その火を少しずつ大きくしてくれた。
私にも将来やりたいことや、大切にしたい夢がある。うまくいかないことがあると自信をなくしそうになるけれど、この本を読んで、自分の中の火を守り続けることが大切なのだと思えた。すぐに結果が出なくても、あきらめずに自分らしく前に進むことが、きっと大事なのだ。
私はこの本から、他人を思いやることと自分を大切にすることは、どちらも欠かせないのだということを学んだ。そして人は一人では生きられず、誰かとのつながりの中で支えられているということも感じた。これからは自分の気持ちにも正直に、そして周りの人を大切にしながら生きていきたい。自分の心の中でゆらめく小さな火を、これからも大切に守っていきたいと思う。
タイトルの付け方例
『君の火がゆらめいている』の読書感想文のタイトル例を15個、箇条書きで紹介します。
中学生らしい素直な表現を意識したものから、ちょっと考察っぽいタイトルまでそろえてみました。感想文の内容に合うものを選んでみてください。
- 「心の火を消さないために」
- 「自分を大切にしていいんだ」
- 「葉澄の気持ちを読んで考えたこと」
- 「我慢することが正しいとは限らない」
- 「きょうだいを愛することの苦しさ」
- 「本音を話せる人の大切さ」
- 「自分らしく生きるってどういうこと?」
- 「いい子でいることに疲れたとき」
- 「家族のため、そして自分のために」
- 「ゆらめく火が教えてくれたこと」
- 「思いやりと我慢は、ちがう」
- 「孤独を照らした小さな火」
- 「支える側にも支えが必要だ」
- 「自分の幸せを考える勇気」
- 「みんなが持っているゆらめく火」
『君の火がゆらめいている』の作品情報(ページ数や読むのにかかる時間)
『君の火がゆらめいている』の基本的な作品情報をまとめました。
この小説は208ページ。
1ページあたりの文字数を600字、日本人の平均読書速度を1分間500字として計算すると、読了までにかかる時間はおよそ250分(4時間10分くらい)が目安です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 落合由佳 |
| 出版年 | 2025年11月27日 |
| 出版社 | 講談社 |
| 価格(税込) | 1,650円(本体1,500円) |
| 対象年齢 | 中学生〜(課題図書:中学校の部) |
| ジャンル | 児童文学・成長小説 |
| ページ数 | 208ページ |
| 読むのにかかる時間 | 約250分(4時間10分くらい) |
主な登場人物
『君の火がゆらめいている』に登場する主なキャラクターを、重要度の高い順に紹介します。
| 人物名 | 紹介 |
|---|---|
| 葉澄(はすみ) | 主人公。小6のきょうだい児。 気持ちを押し殺して生きている。 |
| 菜々実(ななみ) | 葉澄の双子の姉。 発達障害と知的障害を持つ。 |
| 恵太(けいた) | きょうだい会で出会う同世代の男子。 弟に障害がある。 |
| 葉澄の母 | 菜々実のケアで忙しい母親。 葉澄が一緒にいたい存在。 |
| 葉澄の父 | 家族を支える父親。 菜々実の世話にも関わっている。 |
| かつて仲違いした友達 | 葉澄のクラスメイト。 人間関係を考えるきっかけに。 |
| きょうだい会の子どもたち | 同じ立場の仲間たち。 葉澄が孤独でないと気づく存在。 |
| 学校の先生 | 葉澄を見守る学校の大人。 学校生活の中で支える。 |
| 菜々実の通院・学校の関係者 | 家族のサポートネットワーク。 葉澄の視点から描かれる。 |
第72回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(2026年度)の中学校の部
この本は第72回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書です。
中学校の部の課題図書の一覧と、それぞれの読書感想文の書き方とあらすじの紹介ページがこちらです。
| タイトル | 作者・訳者など | 出版社 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 『君の火がゆらめいている』 | 落合由佳 作 | 講談社 | 1,650円 |
| 『チーム・テスならだいじょうぶ』 | カービー・ラーソン& クイン・ワイアット 作 杉田七重 訳 |
鈴木出版 | 1,870円 |
| 『リュウグウの砂に挑む チームで小惑星のサンプルを分析』 |
伊藤元雄 著 | くもん出版 | 1,760円 |


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