『水を縫う』の読書感想文を書くとき、どうやって書けばいいのか迷ってしまう人は多いはず。
本作は寺地はるなさんが手がけた家族小説で、刺繍が好きな男子高校生・清澄が主人公です。
基本的な書き方はもちろん、例文・題名・書き出し・テンプレートまで用意し、中学生・高校生どちらの感想文にも対応できるようまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
『水を縫う』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
読書感想文の本文の中で、いちいち長々とストーリーを説明するのはNG。
感想文はあらすじではなく「あなたの考え」がメインだからです。
とはいえ、まったくあらすじがないと、読んでいる先生にも内容が伝わりません。
そこで、感想文にそのまま組み込みやすい200字前後のあらすじを、タイプ別に3つ用意しました。
あらすじタイプ1:ストーリー重視
『水を縫う』は、刺繍が好きな高校一年生・松岡清澄が主人公の物語。清澄の姉・水青は結婚を控えているが、華やかなドレスがどうしても苦手だった。それを知った清澄は、姉のために自分でウェディングドレスを作ると決意する。母のさつ子は強く反対するが、清澄は諦めず、水青が本当に望む一着を目指して試作を重ねていく。
あらすじタイプ2:テーマ重視
『水を縫う』は、「男らしさ」「女らしさ」といった世間の「普通」を問い直す家族小説。手芸好きの清澄は男子であることを理由にからかわれ、姉の水青は女性でありながら華やかな装いを好まない。二人の姿を通して、性別で人の好みや生き方を決めつけることの不自然さが描かれていく物語だ。
あらすじタイプ3:登場人物重視
『水を縫う』の主人公は、裁縫好きの高校生・松岡清澄。姉の水青、母のさつ子、父の全、それぞれの視点から章が変わり、家族の過去や本音が少しずつ明らかになっていく。清澄が姉のためにドレスを作る出来事をきっかけに、家族一人ひとりが自分の思い込みと向き合っていく群像劇のような一冊。
『水を縫う』の読書感想文の書き方
感想文を書くコツは、実はとてもシンプル。まず、この小説で「絶対に触れるべき」重要な3つのポイントを確認します。
そのうえで、穴埋め式テンプレートに当てはめていけば、感想文はほぼ完成。順番に見ていきましょう。
絶対に触れたい3つの大切なテーマとポイント
『水を縫う』の読書感想文において、押さえておきたい要点は3つあります。
- 「普通」や性別による決めつけ
- 相手を理解することと家族の関係
- 失敗する権利と自分の道を選ぶこと
この3つは、それぞれ物語の核となる場面と結びついています。
ただ場面を説明するだけでなく、「自分はそのときどう感じたか」をメモしておくことが、感想文を深める一番の近道。
メモの仕方はとても簡単。ノートやスマホのメモ帳に、場面と気持ちを一行ずつ書き出すだけでOKです。
例えば「清澄がからかわれる場面→驚いた、自分にも似た経験がある」というように、場面と感情をセットにして残しておく。
これだけで、感想文を書くときの材料に困らなくなりますよ。
読書感想文で評価されるのは、あらすじの正確さではなく、あなた自身の考え方や感じ方。
同じ場面を読んでも、感じ方は人それぞれ。だからこそ、自分の言葉で気持ちを書くことに価値があるんですね。
ポイント1:「普通」や性別による決めつけ
清澄は男子でありながら手芸が好きで、周囲から「男なのに」とからかわれてしまいます。
一方、姉の水青は女性なのに、かわいいものや華やかなドレスを好みません。
この対比を読んで、あなたはどう感じましたか?
「自分も周りと違う好みを言えなかったことがある」という経験があれば、それをそのままメモしておきましょう。
ポイント2:相手を理解することと家族の関係
清澄は姉のためにドレスを作ろうとしますが、最初は自分の考える「素敵なドレス」を作ろうとしてしまいます。
でも一方で、水青が本当に望んでいたものは違っていました。
「家族だから分かっているつもり」になっていなかったか、この場面から考えてみてください。
あなた自身にも、似たようなすれ違いの経験はありませんか?
ポイント3:失敗する権利と自分の道を選ぶこと
母のさつ子は、清澄が手芸の道に進むことを心配します。
ただし、その心配は意地悪ではなく、愛情から来るものでした。
清澄はドレス作りに失敗しても、投げ出さず作り直していきます。
この姿から、失敗とはどういうものだと感じたか、ぜひ書き留めておきましょう。
穴埋め式テンプレート
ここからは、実際に空欄を埋めるだけで感想文の下書きが完成するテンプレートを紹介します。ステップごとに進めていきましょう。
ステップ1:選んだ理由を書く
私が『水を縫う』を選んだ理由は、__________からです。読む前は、__________という本だと思っていました。
ステップ2:あらすじを書く
この作品は、__________な高校一年生の松岡清澄が、__________ために、__________物語です。
ステップ3:ポイント1を書く(普通・性別の決めつけ)
一つ目に印象に残ったのは、__________という場面です。清澄は__________。私は__________と感じました。
ステップ4:ポイント2を書く(相手を理解すること)
二つ目に印象に残ったのは、__________ことです。清澄は__________しますが、__________。この場面から、__________ことを学びました。
ステップ5:ポイント3を書く(失敗する権利)
三つ目に印象に残ったのは、__________ということです。さつ子は__________ことを心配しますが、清澄は__________。私は__________と考えました。
ステップ6:まとめを書く
『水を縫う』を読んで、私は__________ことを学びました。これからは__________ようにしたいです。
『水を縫う』の読書感想文の例文
ここからは、中学生・高校生それぞれに適した長さの『水を縫う』の読書感想文の例文を紹介します。
文体や構成の参考にしてみてくださいね。
1200字の中学生向け
【題名】自分らしく生きる勇気
私が『水を縫う』を選んだ理由は、題名にとても惹かれたからだ。
水は形がないのに、それを縫うとはどういうことなのだろう。
そんな疑問を抱えたまま、私はページをめくり始めた。
『水を縫う』は、刺繍や手芸が大好きな高校一年生の松岡清澄が主人公の物語だ。
清澄の姉である水青は結婚を控えているが、かわいいものや華やかなドレスがどうしても苦手だった。
それを知った清澄は、姉のために自分でウェディングドレスを作ると決心する。
母のさつ子は素人が作ったドレスなんて恥ずかしいと強く反対するが、清澄は諦めない。
家族それぞれの視点から物語が描かれ、最後まで目が離せなかった。
読んでいて特に印象に残ったのは、清澄が周囲から「男なのに手芸が好きなんて変だ」とからかわれる場面だ。
この場面を読んで、怒りにも近い戸惑いを感じた。
好きなことを性別だけで否定されるなんて、あっていいのだろうか。
私も好きなことを友達に言い出せなかった経験がある。
だからこそ、清澄がからかわれても手芸をやめない姿に、勇気をもらった気がした。
次に心に残ったのは、清澄が姉のためにドレスを作ろうとする場面だ。
最初、清澄は自分がきれいだと思うドレスを一生懸命作ろうとする。
でも一方で、水青が本当に望んでいるのは、そういう華やかなドレスではなかった。
清澄は姉の話をよく聞きながら、何度も作り直していく。
この場面から、相手のためを思うことと、相手が本当に望むことは違う場合があると気づかされた。
家族だから分かっているつもりでも、実はそうではないのかもしれない。
私はこれまで、家族の気持ちを勝手に決めつけていなかっただろうか。
三つ目に心に残ったのは、母のさつ子が清澄の将来を心配する場面だ。
さつ子は、清澄が手芸の道に進むことをとても心配している。
とはいえ、その心配は意地悪ではなく、子どもを思う気持ちから出たものだと分かる。
清澄はドレス作りで何度も失敗しながら、それでも投げ出さずに作り直していく。
その姿を見て、失敗とは恥ずかしいものではなく、成長するために必要なものなのだと感じた。
私も新しいことに挑戦するとき、失敗するのが怖くて一歩を踏み出せないことがある。
でも、清澄のように失敗を恐れず挑戦する姿勢を、私も見習いたいと思った。
この物語を通して、私は「普通」という言葉について深く考えさせられた。
男らしさや女らしさ、家族としての当たり前の形。
そうしたものは、本当はもっと自由であっていいのかもしれない。
読む前の私は、家族というのは自然と分かり合えるものだと思っていた。
しかし読んだ後は、家族であっても相手の話をきちんと聞くことが大切なのだと考えるようになった。
これから私は、友達や家族の気持ちを勝手に決めつけず、まず相手の話を聞くようにしたい。
そして、自分の好きなことも、周りの目を気にせず大切にしていきたい。
『水を縫う』は、私に自分らしく生きる勇気をくれた一冊になった。
2000字の高校生向け
【題名】縫えない水を縫うように
『水を縫う』というタイトルを初めて目にしたとき、私は思わず立ち止まった。
水は形がなく、針で縫うことなどできないはずなのに、なぜこの題名なのだろう。
そんな小さな疑問から、私はこの本を手に取ることにした。
寺地はるなさんが描くこの物語は、刺繍や手芸を愛する高校一年生・松岡清澄を中心に、家族それぞれの過去や悩みが描かれていく連作形式の家族小説だ。
清澄の姉である水青は結婚を控えているが、レースやフリルのついた華やかなドレスがどうしても苦手だった。
それを知った清澄は、姉のために自分の手でウェディングドレスを作ると決意する。
母のさつ子は猛反対するが、清澄は水青の希望を聞きながら、何度も試作を重ねていく。
家族一人ひとりの視点から物語が進み、読み終えるころには、まるで自分もこの家族の一員になったような気持ちになっていた。
この物語を読んで、まず強く心を動かされたのは、「普通」という言葉への問いかけだ。
清澄は男子高校生でありながら手芸が好きで、学校では「男なのに変だ」とからかわれてしまう。
一方で姉の水青は、女性でありながら、かわいらしいものや華やかな装いを好まない。
この二人の姿を見て、私は自分自身にも問いかけずにはいられなかった。
自分は無意識のうちに、性別や周囲の空気だけで人を判断していなかっただろうか。
正直、少しどきりとした瞬間だった。
「普通」とは、誰かが勝手に作り上げた基準にすぎないのかもしれない。
清澄と水青が、それぞれの形で「普通」からはみ出しながらも、自分の生き方を選ぼうとする姿には、静かな強さを感じた。
次に印象的だったのは、清澄が姉のためにドレスを作っていく過程だ。
清澄は最初、自分が美しいと思うドレスを一生懸命に作ろうとする。
でも一方で、水青が本当に望んでいたのは、そうした一般的な花嫁らしさとは違うものだった。
最初のドレスが姉の気に入るものにならなかったとき、清澄はきっと戸惑ったに違いない。
私も、誰かのためを思ってしたことが、相手の望みとずれていたと後から気づいた経験がある。
そのときは、少し落ち込んだのを覚えている。
清澄は、水青の言葉に耳を傾け、彼女が何を嫌がり、何を大切にしたいのかを少しずつ理解していく。
この過程を読みながら、本当の思いやりとは、自分の考えを押しつけることではなく、相手の話をきちんと聞くことなのだと気づかされた。
家族だからといって、すべてを分かり合えているとは限らない。
むしろ、近い関係だからこそ、分かっているつもりになってしまう危うさがあるのではないか。
私はそう考えるようになった。
三つ目に心を打たれたのは、母のさつ子が清澄の将来を案じる場面だ。
さつ子は離婚後、女手ひとつで子どもたちを育ててきた。
そのため、生活の安定を何よりも重視し、清澄が手芸の道に進むことに強い不安を抱いている。
ただし、その反対は決して意地悪から来るものではない。
むしろ、子どもを守りたいという切実な親心の表れなのだと分かる。
とはいえ、その心配が結果として、清澄の可能性を狭めてしまっているようにも見えた。
清澄はドレス作りの途中で何度も失敗を重ねる。
それでも投げ出さず、原因を考え、作り直していく姿には、素直に心を打たれた。
失敗を恐れて挑戦をやめてしまえば、新しい自分に出会う機会も失われてしまう。
清澄の姿を見ながら、私はそのことに気づかされた。
私自身、これまで失敗するのが怖くて、挑戦を諦めてしまったことが何度もある。
けれど、清澄のように失敗と向き合い続ける姿勢を、これからは少しずつ持てるようになりたい。
この三つの場面には、ひとつの共通したテーマが流れているように思う。
それは、相手を勝手に決めつけず、その人らしさを認めていくことの大切さだ。
「普通」という基準から誰かを判断すること、自分の思いを相手に押しつけてしまうこと、失敗を恐れて可能性を狭めてしまうこと。
どれも、知らないうちに誰かを傷つけてしまう行為なのかもしれない。
清澄が布を一針ずつ縫い合わせていくように、松岡家の人々も、少しずつ会話を重ねながら関係を結び直していく。
読む前の私は、家族というのはもともと分かり合えているものだと、どこかで思い込んでいた。
しかし読み終えた今は、家族であっても、相手の考えを丁寧に聞き続ける努力が必要なのだと考えるようになった。
『水を縫う』というタイトルの意味も、読み終えたころには少し分かった気がした。
形のない水のように、つかみどころのない人の心や家族のつながりを、それでも根気強く縫い合わせていくこと。
それこそが、この物語の核にあるのではないだろうか。
これから私は、誰かを「普通」という基準だけで判断せず、その人が何を感じているのかを想像したい。
そして、自分自身が周囲と違う考えを持っていても、それを恐れずに大切にしていきたいと思う。
『水を縫う』は、私にとって、自分らしく生きることの意味を教えてくれる一冊になった。
書き出し例×5
書き出し1:題名から考え始める
『水を縫う』という題名を初めて見たとき、私は「水を縫うとはどういう意味だろう」と不思議に思った。水は形がなく、針と糸で縫うことはできない。それでも読み進めると、この題名には、人の気持ちや家族のつながりを少しずつ結び直していく意味が込められているのではないかと感じた一冊だった。
書き出し2:登場人物への驚きから始める
私はこれまで、手芸や刺繍が好きな男子高校生を主人公にした物語を読んだことがなかった。そのため、清澄が周囲からからかわれても、自分の好きなことを簡単には曲げない姿が強く印象に残った。好きなことに性別は関係ないのだと、あらためて考えさせられる場面だった。
書き出し3:自分の経験と結びつける
私は以前、周囲と違う好みをもっていることを知られるのが恥ずかしく、友人に話せなかったことがある。そのため、男子なのに刺繍が好きだとからかわれても、自分の好きなことを大切にする清澄の姿に心を動かされた。自分らしさを隠さずに生きることについて、深く考えさせられた作品だった。
書き出し4:問いかけから始める
「普通」とは、いったい誰が決めるものなのだろうか。『水を縫う』には、刺繍が好きな男子高校生の清澄や、かわいいものが苦手な水青が登場する。二人の姿を読むうちに、世の中の「男らしさ」や「女らしさ」は、すべての人に当てはまるものではないと気づかされた一冊だった。
書き出し5:心に残った場面から始める
清澄が、姉の水青のためにウェディングドレスを作ると決心した場面が、私の心に強く残った。清澄は、姉を一般的な「花嫁らしさ」に合わせようとしたのではなく、水青が自分らしくいられる服を作ろうとした。相手を思いやるとは何かを、あらためて考えさせられる場面だった。
題名の例×10
| No. | 題名 |
|---|---|
| 1 | 「普通」って誰が決めるのか |
| 2 | 自分らしく生きるということ |
| 3 | 「男なのに」「女らしく」と言われたら |
| 4 | 違っていても、好きなものを大切に |
| 5 | 世間の普通を踏み越えて |
| 6 | 一針ずつ結ばれていく家族 |
| 7 | 相手のためにできること |
| 8 | 家族だからこそ、話を聞く |
| 9 | ドレスがつないだ家族の気持ち |
| 10 | 心を縫い合わせる物語 |
振り返り
『水を縫う』の読書感想文の書き方を、あらすじの型から穴埋めテンプレート、例文、書き出し、題名まで一通り紹介してきました。
正直、これだけ材料が揃えば、あとは空欄を埋めていくだけ。
とはいえ、一番大切なのはテンプレートそのものより、あなた自身が「どう感じたか」です。
清澄や水青、さつ子の姿に、あなたなりの気持ちを重ねてみてください。
きっと、あなたにもいい感想文が書けるはずです。
この記事が、あなたの読書感想文づくりの力になれば嬉しいです。
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