『天使のにもつ』の読書感想文を書こうとして、何から手をつければいいのか、迷っていませんか。
本作は、いとうみくさんが書いた小説で、中学2年生の男の子が保育園での5日間の職場体験を通して成長していく物語です。
2020年の青少年読書感想文全国コンクールでは、中学校の部の課題図書にも選ばれました。
年間100冊以上の本を読んでいる私が、基本的な書き方から例文、題名や書き出しのコツまで、コピペしてすぐ使えるテンプレートを交えながら丁寧にご紹介していきます。
『天使のにもつ』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『天使のにもつ』の読書感想文を書くときに困るのが、あらすじをどこまで書けばいいのかということではないでしょうか。
詳しく書きすぎると、感想を書くスペースがなくなってしまいます。
そこでここでは、感想文の本文にそのまま組み込める、200字前後の短いあらすじを3パターン用意しました。
自分の書きたい感想文のテーマに合わせて、好きなものを選んでみてくださいね。
パターン① 物語全体をまとめるタイプ
『天使のにもつ』は、中学2年生の斗羽風汰が、保育園での5日間の職場体験に挑む物語だ。「子どもと遊んでいればいい」という軽い気持ちで臨んだ風汰だったが、園児たちの予想外の行動に振り回されてしまう。特に4歳児クラスの男の子・しおんとの関わりを通して、風汰は人にはそれぞれ事情があるということに気づいていく。仕事の意味と、自分にできることを考えさせられる一冊だ。
パターン② しおんとの関係に注目するタイプ
職場体験先の保育園で、風汰は4歳児クラスのしおんという男の子に心を引かれる。しおんは他の子どもと違い、叩いたりふざけたりせず、目が合うとそっと手を握ってくる不思議な子だった。物語が進むにつれて、しおんの背景には家庭の事情があるらしいと分かってくる。表面だけでは分からない、人の「にもつ」の存在に気づかされていく展開だ。
パターン③ 仕事体験そのものに注目するタイプ
斗羽風汰は「保育園なら楽そうだ」という理由で、職場体験先に保育園を選んでしまう。しかし実際の現場は、風汰の想像とはまったく違うものだった。園児たちに翻弄されながら、保育士という仕事の大変さや責任の重さに少しずつ気づいていく。働くとはどういうことかを、5日間の体験を通して学んでいく成長物語である。
『天使のにもつ』の読書感想文の書き方
『天使のにもつ』の読書感想文を書き方に迷わず進めるために、まずは押さえておきたい重要な点が3つあります。
それさえ意識すれば、あらすじの紹介で終わらない、深みのある感想文が書けるはず。
ここからは、この3つのポイントの見つけ方と、それをそのまま使える穴埋め式テンプレートをご用意しました。
この小説のテーマとなる3つのポイント
感想文を書くときに、ぜひ意識してほしい要点が以下の3つです。
- 働くとはどういうことか
- 人には見えない「にもつ(事情)」があること
- 自分には何ができるのか
この3つは、それぞれ物語の重要な場面と結びついています。
そして、それぞれの場面で「自分はどう感じたか」を一言でいいのでメモしておくことをおすすめします。
ノートの端でも、スマホのメモ帳でも構いません。
「驚いた」「共感した」「自分にも似た経験がある」など、思いついた言葉をそのまま書き留めておくのがコツです。
なぜこのメモが大切なのか説明すると、読書感想文で評価されるのは、あらすじの正確さではなく、「あなた自身がどう感じ、どう考えたか?」という部分だから。
感想を後からまとめて思い出そうとしても、なかなか難しいもの。
読んでいる最中の新鮮な気持ちこそ、感想文の一番の材料になります。
①働くとはどういうことか
風汰は最初、保育園の仕事を「楽そうだ」という軽い気持ちで選びます。
しかし実際に働いてみると、子どもの安全を守るための緊張感や、園児一人ひとりへの気配りなど、外からは見えない大変さがあることに気づいていきます。
この場面を読んだとき、あなたは自分の将来の仕事について考えたことはありませんか。
「仕事は大変そうだから嫌だ」で終わらせず、「なぜその仕事に責任が伴うのか」まで考えてメモしておくと、感想文に深みが出ます。
②人には見えない「にもつ」があること
この作品のタイトルにもなっている「にもつ」とは、人がそれぞれ抱えている事情や悩みのことです。
しおんという園児の行動を通して、風汰は表面的な様子だけでは、その子の本当の姿は分からないと気づいていきます。
あなたにも、友達や家族の行動を見て「なんでそんなことをするんだろう」と疑問に思った経験はありませんか。
そのときの自分の気持ちと、しおんに対する風汰の気持ちを重ねてメモしてみましょう。
③自分には何ができるのか
風汰は、しおんの事情や捨てられていた子犬の問題を、すべて解決できる特別な力を持っているわけではありません。
それでも、自分にできる小さなことを精一杯やろうとします。
この姿勢に、あなたはどう感じたでしょうか。
「何もできないから何もしない」ではなく、「今の自分にできることをやる」という考え方は、感想文の締めくくりにも使いやすいポイントです。
穴埋め式テンプレート
ここからは、上で挙げた3つのポイントを自然に盛り込める、穴埋め式のテンプレートをご紹介します。
空欄に自分の言葉を入れていくだけで、感想文の骨組みが完成する仕組みです。
コピペしてそのまま使ってもらっても構いません。
STEP1 この本を選んだ理由
私が『天使のにもつ』を読もうと思ったきっかけは、( )です。「天使のにもつ」という題名を見て、私は( )という話なのかなと思いました。
STEP2 簡単なあらすじ
『天使のにもつ』は、中学2年生の斗羽風汰が職場体験で( )を選ぶところから始まります。しかし実際に始めてみると、風汰は( )ことに気づいていきます。
STEP3 印象に残った場面
私が特に印象に残ったのは、( )の場面です。私はそこを読んだとき、( )と思いました。
STEP4 働くことについて考える
風汰は最初、仕事を( )と思っていました。しかし実際に働いてみると、( )ということが分かります。私も仕事とは( )ことでもあるのだと思いました。
STEP5 「にもつ」について考える
この本でいう「にもつ」には、( )という意味もあるのだと思いました。私も( )と決めつけてしまったことがあります。
STEP6 自分にできることを考える
風汰は( )という問題に出会います。中学生の風汰にはすべてを解決することはできませんが、( )ことには意味があると感じました。
STEP7 自分の経験と結びつける
私はこの本を読んで、以前の( )という出来事を思い出しました。今考えると、相手には( )という事情があったのかもしれません。
STEP8 これからの自分
『天使のにもつ』を読んで、私は( )という見方ができるようになりました。これからは、( )ようにしたいです。
中学生向け『天使のにもつ』の読書感想文の例文
ここからは、実際に『天使のにもつ』の読書感想文の例文を中学生に向けてご紹介します。
あくまで一例ですので、自分の経験や言葉に置き換えながら参考にしてみてくださいね。
1200字(原稿用紙3枚)
【題名】人には見えない「にもつ」
私は『天使のにもつ』を読んで、人には見えない事情があるということを強く感じた。
主人公の斗羽風汰は中学二年生で、学校の職場体験先に保育園を選ぶ。理由は「子どもと遊んでいればいいから楽そうだ」という、かなり軽い気持ちからだった。しかし実際に体験してみると、保育園の仕事は風汰の想像とはまったく違うものだった。四歳児クラス「きりん組」の子どもたちに振り回され、初日から風汰は自分の考えの甘さを思い知らされる。
私が一番印象に残ったのは、風汰がしおんという男の子に注目していく場面だ。しおんは他の子どもたちのように叩いたりふざけたりせず、目が合うとそっと風汰の手を握ってくる、少し不思議な子どもだった。最初、私はしおんのことをただの内気な子だと思っていた。しかし物語を読み進めるうちに、しおんにも家庭の事情があるらしいと分かってきて、正直、少し驚いた。見た目や態度だけでは、その子が何を抱えているのか分からないのだと気づかされたからだ。
この作品の題名にもなっている「にもつ」とは、誰もが背負っている事情や悩みのことだと思う。私も今まで、友達の態度が冷たいと感じたとき、深く理由を考えずに「感じが悪い」と決めつけてしまったことがある。でも実際には、その友達にも家庭のことや、私には言えない悩みがあったのかもしれない。そう考えると、簡単に人を判断してしまう自分が少し恥ずかしくなった。
もう一つ心に残ったのは、風汰が仕事に対する考え方を変えていく過程だ。最初は「タダで働かされるなんて損だ」とさえ思っていた風汰が、保育士の仕事の大変さや責任の重さに気づいていく。仕事とはお金を稼ぐためだけのものではなく、誰かのために自分の力を使うことでもあるのだと、私も改めて考えさせられた。
風汰は、しおんが抱える問題をすべて解決できるような、特別な力を持っているわけではない。それでも、自分にできる小さなことを精一杯やろうとする姿には、心を打たれるものがあった。私も、友達が困っている様子を見ても何もできずに黙っていたことが何度かある。だが『天使のにもつ』を読んだあとは、たとえ完全に解決できなくても、そばにいて話を聞くことくらいはできるのではないかと思うようになった。
また、風汰が団地の駐輪場の小屋で捨てられていた子犬をこっそりかくまう場面も忘れられない。ペット禁止の団地でそんなことをすれば怒られるかもしれないのに、風汰は見て見ぬふりができなかったのだと思う。小さな命を前にして、自分にできることは限られている。それでも、今できることを精一杯やろうとする姿勢は、しおんへの接し方とも重なっているように感じた。
この本を読んで、私は人を表面だけで判断しない大切さを学んだ。誰かの行動に理由が分からず戸惑ったときこそ、その裏にある「にもつ」を想像してみたい。これからは、相手の事情を勝手に決めつけず、寄り添う気持ちを大切にしながら関わっていきたいと思う。
2000字(原稿用紙5枚)
【題名】人には見えない荷物がある
『天使のにもつ』という題名を見たとき、私は天使が誰かの荷物を運んであげる、そんな優しい話を想像していた。しかし読み進めていくうちに、この「にもつ」には、もっと重い意味が込められていることに気づかされた。
物語の主人公は、中学二年生の斗羽風汰だ。学校の職場体験先を決める場面から物語は始まる。風汰は「子どもと遊んでいればいいだけなら楽そうだ」という、ずいぶん軽い動機で保育園を選んでしまう。私はここを読んだとき、自分にも似たような経験があると思って、思わず苦笑いしてしまった。何かを選ぶとき、深く考えずに楽そうな方を選んでしまうことは、誰にでもあるのではないだろうか。
ところが実際に体験が始まると、保育園の現場は風汰の想像とはまるで違っていた。四歳児クラス「きりん組」の子どもたちは予想外の行動ばかりで、初日から風汰は自分の考えの甘さを思い知らされる。この場面を読んで、私は仕事というものへの見方が少し変わった。外から見ているだけでは分からない大変さが、どんな仕事にもきっとあるのだと思う。
物語の中で私が最も心を動かされたのは、しおんという男の子との関わりだ。しおんは他の子どもたちのように叩いたりふざけたりせず、目が合うと恥ずかしそうに手を握ってくる、少し変わった子どもだった。最初、風汰と同じように私も、しおんのことを単に大人しい子だと思っていた。しかし読み進めるうちに、しおんの背景には家庭の事情らしきものがあると分かってきて、正直なところ、かなり驚いた。表面的な様子だけでは、その子が心の中に何を抱えているのか、まったく想像がつかないものなのだと痛感させられた。
この作品の題名にある「にもつ」とは、誰もが人知れず背負っている事情や悩みのことなのだと思う。私自身、これまで友達の態度が少し冷たいと感じたとき、深い理由を考えないまま「感じが悪い人だ」と決めつけてしまったことが何度かある。でも実際には、その友達にも家庭の問題や、私には話せない悩みがあったのかもしれない。そう考えると、簡単に人を判断してしまっていた自分が、少し恥ずかしくなった。
一方で、風汰がすべてを解決できるわけではない、というところにも私は注目したい。中学二年生の風汰には、しおんの家庭の問題を根本から解決するような力はない。とはいえ、風汰は目の前の相手から目をそらさず、自分にできる小さなことを精一杯やろうとする。この姿勢に、私は強く心を打たれた。何もできないからといって何もしないのではなく、今の自分にできることを探し続ける。その積み重ねにこそ意味があるのだと、この本は教えてくれているように感じる。
団地の駐輪場の小屋で子犬をかくまう場面も印象的だった。ペット禁止の団地でそんなことをすれば怒られるかもしれない。それでも風汰は、捨てられた小さな命を見て見ぬふりができなかったのだと思う。この行動は、しおんへの接し方とどこかで重なっているように感じられた。誰かのために、できることを精一杯やろうとする風汰の姿は、物語全体を通して一貫していたと思う。
私はこの本を読んで、仕事というものへの考え方も変わった。最初の風汰にとって、仕事は「タダで働かされる面倒なもの」でしかなかった。しかし保育士たちの働く姿を通して、風汰は仕事の大変さや責任の重さに少しずつ気づいていく。仕事とは、単にお金を稼ぐためだけのものではなく、誰かのために自分の力を使うことでもあるのだと、私も改めて考えさせられた。
正直に言うと、この本を読み終えたとき、私はどんな感想を持てばいいのか少し迷った。感動したという言葉だけでは、うまく言い表せない気がしたからだ。ただ、はっきりと言えることが一つある。それは、人を表面だけで判断してはいけないということだ。誰かの行動に理由が分からず戸惑ったときこそ、その裏にある「にもつ」を想像してみる必要があるのだと思う。
これから先、私も誰かの態度に戸惑うことがきっとあるだろう。そんなとき、『天使のにもつ』を読んだ今の私なら、以前とは少し違う見方ができるかもしれない。相手の事情を勝手に決めつけず、その人が背負っているものにそっと想像力を働かせること。そして、たとえ問題を完全に解決できなくても、今の自分にできることを考え続けること。この二つを、これからの自分の中で大切にしていきたいと思う。
もうすぐ私も、学校の外に出て社会と関わる機会が増えていく。そのとき、目の前にいる人の態度や言葉だけを見て、簡単に良い悪いを判断してしまわないようにしたい。誰の中にも、他人には見せない「にもつ」があるのだから。『天使のにもつ』という一冊を通して、私はそのことを、これからもずっと忘れずにいたいと感じている。
書き出し例×5
読書感想文は、書き出しの一文で印象がぐっと変わります。
ここでは、タイプ別に5つの書き出し例をご紹介します。
気に入ったものがあれば、そのままコピペして使ってもらっても大丈夫です。
①「仕事」のイメージから書き出す
私は今まで、仕事は大人になってからするものだと思っていた。また、保育士の仕事についても、子どもたちと遊んだり世話をしたりする仕事というくらいのイメージしか持っていなかった。『天使のにもつ』を読んで、その考えが大きく変わった。この本を読む前と後とで、自分の中の「仕事観」がこれほど変わるとは思っていなかった。
②「にもつ」という題名から書き出す
『天使のにもつ』という題名を見たとき、私は「天使が何か荷物を運ぶ話なのかな」と思った。しかし読み進めるうちに、この「にもつ」には、物としての荷物だけではなく、人がそれぞれ抱えている事情や悩みという意味もあるのだと感じた。たった一つの言葉に、これほど深い意味が込められているとは驚きだった。
③自分の職場体験から書き出す
私も学校で職場体験をしたことがある。体験する前は、その仕事のことをとても単純なものだと思っていた。しかし実際にやってみると、想像していなかった大変さに気づかされた。『天使のにもつ』の風汰も、職場体験を通して同じように仕事への見方を変えていく。その姿に、私は自分の経験を重ねながら読んだ。
④人を決めつけてしまった経験から書き出す
私は今まで、友達の行動を見て「どうしてこんなことをするのだろう」と思ったことが何度もある。その人が何を考えているのかを知らないまま、「わがままだ」と決めつけてしまったこともあった。『天使のにもつ』を読んで、私はそのときの自分の考え方を振り返ることになった。
⑤「自分に何ができるか」から書き出す
誰かが困っているとき、私はどれくらいその人のために行動できるだろうか。『天使のにもつ』を読んで、私はこのことを考えた。主人公の風汰は、職場体験先の保育園でさまざまな出来事に出会う。すべてを解決できるわけではない風汰が、それでも自分なりに考えて行動する姿が印象に残った。
題名の例×10
最後に、読書感想文の題名の例を10個まとめました。
感想文全体のテーマに合わせて、ぴったりのものを選んでみてください。
| 番号 | 題名の例 |
|---|---|
| 1 | 「にもつ」の意味を考えて |
| 2 | 人には見えない荷物がある |
| 3 | 働くということ |
| 4 | 相手の気持ちを想像する |
| 5 | 自分にできること |
| 6 | 決めつけないということ |
| 7 | 風汰の五日間から学んだこと |
| 8 | 人の心に寄り添うということ |
| 9 | 大人になるってどういうこと? |
| 10 | 『天使のにもつ』が教えてくれたこと |
振り返り
『天使のにもつ』の読書感想文の書き方を、あらすじの型から例文まで幅広くご紹介してきました。
大切なのは、「働くこと」「人には見えない事情があること」「自分にできること」という3つのテーマ。
この3つを意識しながら、自分自身の経験と結びつけて書けば、あなたらしい感想文がきっと書けるはずです。
穴埋め式テンプレートや書き出し例、題名の例も、遠慮なくコピペして活用してみてくださいね。
あなたなりの言葉で、あなたらしい読書感想文を、ぜひ仕上げてみてください。
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