朝井リョウさんの『何者』の読書感想文を書こうとして、何から手をつければいいのか迷っていませんか。
この小説は、就職活動を控えた大学生たちの姿を描き、直木賞を受賞した話題作です。
就活という限られたテーマの中に、「自分とは何者なのか」という大きな問いが隠れているのが、この小説の面白いところ。
私は読書が趣味で、年間100冊以上の本を読んできましたが、この作品ほど読み終えたあとに自分自身を振り返らせる小説は、そう多くありません。
この記事では、書き方・例文・題名・書き出し・コピペ可能なテンプレートまで、中学生・高校生の皆さんが小説『何者』の読書感想文をスムーズに仕上げられるよう、丁寧にまとめていきます。
あらすじの整理から本文づくりまで、この記事一本でひと通り完成できる内容にしましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
『何者』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『何者』の読書感想文を書くとき、あらすじをどこまで書けばいいのか、悩む人は多いはず。
感想文はあらすじの説明が目的ではないので、全体の2割程度、200字前後にまとめるのがちょうどいいバランスです。
ここでは、書きやすさの違う3つのタイプのあらすじを紹介するので、自分の書きたい感想文に合うものを選んでみてください。
タイプ①:物語の流れを伝えるあらすじ
『何者』は、就職活動を控えた5人の大学生たちが、ひとつの部屋に集まり情報交換を始めることから物語が動き出す。内定の差や周囲との比較をきっかけに、それぞれが抱える焦りや本音が浮かび上がっていき、やがて登場人物たちは「自分は何者なのか」という問いに向き合わされていく。就活という出来事を通じて、若者たちの内面が静かに炙り出されていく群像劇だ。
タイプ②:テーマを中心にまとめたあらすじ
『何者』は、就職活動をする大学生たちが、自分の将来や他人との比較、SNSでの発信などを通して、「自分とは何者なのか」という問いに向き合っていく物語だ。それぞれの葛藤や成長を描きながら、現代社会に生きる若者の心理をリアルに描いた作品である。人と自分を比べてしまうすべての人に、どこか刺さる内容だと感じた。
タイプ③:自分の言葉に寄せたあらすじ
『何者』は、就活に励む大学生たちの群像劇でありながら、本当に描かれているのは「自己理解」や「承認欲求」だと感じた。内定という分かりやすい結果の裏で、登場人物たちは他人からの評価や、自分を良く見せたいという気持ちと静かに戦っている。就職活動そのものより、その心の動きにこそ、この小説の読みどころがある。
※より詳細な『何者』のあらすじはこちらにまとめています。

『何者』の読書感想文の書き方
『何者』の読書感想文を書くうえで、確認しておきたい重要なポイントは3つあります。
それは、①「自分とは何者か」を考えること、②他人と比べることの難しさ、③本当の自分と向き合うことです。
この3つさえ押さえておけば、内容の濃い感想文が書けるはず。
とはいえ、いきなり文章にするのは難しいと感じる人もいると思うので、この記事では穴埋め式のテンプレートも用意しました。
まずは3つのポイントを詳しく見ていき、そのあとにテンプレートで実際に文章を組み立てていきましょう。
絶対に書くべき「心に残る」3つのポイント
『何者』の読書感想文で必ず触れておきたいポイントは、次の3つです。
- 「自分とは何者か」を考える場面
- 登場人物たちが他人と自分を比べてしまう場面
- 他人に見せる自分と、本当の自分の違いが描かれる場面
この3つは、どれも『何者』というタイトルに直結する重要な要素。
それぞれの場面を読んだときに「自分はどう感じたか」を、簡単なメモに残しておくことを強くおすすめします。
メモの取り方はシンプルで構いません。
ノートやスマホのメモ帳に、①場面の内容を一行、②そのとき自分が感じたこと(驚いた、共感した、モヤモヤしたなど)を一行、③似たような自分の経験があれば一行、この3セットを書き留めておくだけです。
「なぜそこまでするのか」と思うかもしれません。
実は、この「どう感じたか」のメモこそが、読書感想文の一番の核になる部分なんです。
あらすじを説明するだけの文章は、感想文ではなく要約になってしまいます。
一方で、自分の感情の動きを記録しておくと、そのまま感想文の骨組みとして使えるので、書くスピードがぐっと上がりますよ。
それでは、3つのポイントをひとつずつ確認していきましょう。
ポイント①:「自分とは何者か」を考える(自己理解)
登場人物たちは、将来どんな人になりたいのか、自分の長所は何か、他人からどう見られているのかを、物語を通してずっと考え続けています。
読んでいて、自分自身の将来についてもふと考えさせられる瞬間が、何度もありました。
感想文では、「自分の個性」「将来の夢」「自分らしさ」といったキーワードと結び付けて書くと、内容に深みが出ます。
ポイント②:他人と比べることの難しさ
登場人物たちは、友人や周囲と自分を比べながら苦しむ場面が何度も出てきます。
これは、テストの点数や部活動の結果など、学校生活でもよくあることではないでしょうか。
「成績」「SNS」「劣等感」といった自分の経験と結び付けて書くと、説得力のある感想文になります。
ポイント③:他人に見せる自分と本当の自分
『何者』では、人は周囲によく見られたいと思う一方で、本当の気持ちを隠してしまうことがあると描かれています。
SNSで楽しい出来事ばかりを発信したくなる気持ち、身に覚えがある人も多いはず。
「承認欲求」「本音と建前」「素直になること」といったテーマは、感想を書きやすいポイントです。
※物語の結末には触れず、これらの場面を読んで感じたことを中心に書くのがコツです。
穴埋め式テンプレート
ここからは、上で紹介した3つのポイントを自然に盛り込める、穴埋め式のテンプレートを紹介します。
( )の部分に自分の言葉を入れていくだけで、感想文の骨格が完成する仕組みです。
ステップ1:書き出し(本を選んだ理由・第一印象)
私は『何者』を読みました。
この作品を選んだ理由は、( )だったからです。
読む前は、( )という話だと思っていました。
しかし読み終えると、( )ということを一番強く感じました。
ステップ2:あらすじの紹介(100〜150字程度)
『何者』は、就職活動をする若者たちが、将来への不安や人間関係に悩みながら、「自分とは何者なのか」という問いに向き合っていく物語です。
私は、( )というテーマが特に印象に残りました。
ステップ3:ポイント①「自分とは何者か」
私が最も考えさせられたのは、「自分とは何者なのか」というテーマでした。
私は、( )という場面を読んで、自分自身も( )について考えるようになりました。
将来、( )という人になりたいと思いました。
ステップ4:ポイント②他人と比べることの難しさ
作品では、登場人物たちが周囲と自分を比べて悩む姿が描かれていました。
私は、( )という場面から、人と比べることは( )と思いました。
学校生活でも、( )という経験があり、共感しました。
ステップ5:ポイント③本当の自分と向き合うこと
私は、この作品を読んで、他人によく見られたいと思う気持ちと、本当の自分との違いについて考えました。
私は普段、( )ことがあります。
しかし、( )ということが大切なのだと思いました。
ステップ6:まとめ
私は『何者』を読んで、( )ということを学びました。
これからは、( )という気持ちを大切にしたいです。
この作品は、就職活動の物語というだけではなく、誰もが「自分とは何者か」を考えるきっかけになる作品だと思いました。
『何者』の読書感想文の例文
『何者』の読書感想文がなかなか書き進まないという人のために、中学生向けと高校生向け、それぞれの文字数に合わせた例文を用意しました。
あくまで一例なので、そのままコピペするのではなく、自分の経験や言葉に書き換えて使ってみてくださいね。
1200字の中学生向け
【題名】本当の自分と向き合うということ
私は『何者』を読んで、一番強く考えたことがある。
それは、「本当の自分とは何だろう」ということだ。
読む前は、就職活動をする大学生たちの話なので、自分にはまだ遠い世界だと思っていた。
しかし読み終えた今では、この作品は人と比べたり自分らしさに悩んだりするすべての人に当てはまる物語なのだと感じている。
『何者』は、就職活動をする大学生たちが、自分の将来や他人との比較、SNSでの発信などを通して、「自分とは何者なのか」という問いに向き合っていく物語だ。
それぞれの葛藤や成長を描きながら、現代社会に生きる若者の心理をリアルに描いた作品である。
読み始めたときは、ただの就活小説だと思っていたが、途中からその予想は良い意味で裏切られた。
作品には、それぞれ違った性格や考え方を持つ若者たちが登場する。
みんな夢や将来のために努力しているが、その一方で、友人の成功を見て焦ったり、自分に自信を持てなくなったりする。
その姿を読んで、私は学校生活で友達と自分を比べてしまった経験を思い出した。
テストの点数や部活動の結果などで落ち込み、「自分はだめなのではないか」と考えたことがある。
この気づきには、正直少し驚いた。
しかし、この作品を読んで、人と比べ続けても答えは見つからないのだと思った。
大切なのは、他人より優れているかではなく、自分がどんな人になりたいかを考えることなのだと感じた。
また、この作品では、人によく見られたいという気持ちも描かれている。
私はSNSを利用することがあるが、楽しかった出来事やうれしかったことだけを発信したくなる気持ちはよく分かる。
でも一方で、それだけがその人の本当の姿ではない。
『何者』を読んで、本当の自分と周りに見せる自分は違うことがあるのだと改めて気づいた。
登場人物の一人が、裏のアカウントで本音をつぶやいていた場面には、少しどきりとさせられた。
特に印象に残ったのは、登場人物たちがそれぞれ不安を抱えながらも、自分の将来について考え続ける姿だ。
私はまだ中学生だが、高校進学やその先の進路について少しずつ考え始めている。
将来、自分も進路や仕事で悩むことがあると思う。
そのときには、人と比べるのではなく、自分が納得できる道を選びたいと思った。
この作品を読んで、そう思えるようになったことが、少し嬉しかった。
私自身、部活動の仲間と自分の実力を比べて落ち込んだことがある。
でも一方で、比べることで悔しさをばねにできた経験もあった。
ただし、比べる相手を他人ではなく、過去の自分にすることが大事なのだと、この作品を読んで気づかされた。
この考え方は、これからの学校生活でも大切にしたい。
『何者』は、大学生の就職活動を描いた作品だが、私にとっては「自分らしく生きるとは何か」を考えるきっかけをくれた作品だった。
これからも周りの人を気にしすぎるのではなく、自分自身と向き合い、自分らしい目標を見つけていきたい。
2000字の高校生向け
【題名】他人の評価ではなく、自分自身を見つめるということ
『何者』を読み終えたとき、私の中に残ったのは、「自分は本当に自分自身を理解しているのだろうか」という問いだった。
就職活動を題材にした作品だと聞いていたため、最初は大学生だけが共感できる物語なのではないかと思っていた。
しかし実際には、進路や人間関係に悩む高校生である私にも深く響く内容だった。
『何者』は、就職活動をする大学生たちが、自分の将来や他人との比較、SNSでの発信などを通して、「自分とは何者なのか」という問いに向き合っていく物語だ。
それぞれの葛藤や成長を描きながら、現代社会に生きる若者の心理をリアルに描いた作品である。
読み進めるうちに、私はこの物語が就職活動という設定を借りているだけで、本当は誰の人生にも関わるテーマを扱っているのだと気づかされた。
物語には、就職活動を進める中で、それぞれ異なる価値観や不安を抱える若者たちが登場する。
彼らは夢に向かって努力する一方で、周囲と自分を比べたり、自分を少しでもよく見せようとしたりする。
その姿は決して特別ではなく、現代を生きる多くの人が経験する感情なのだと感じた。
読みながら、自分の胸の内を見透かされているような気持ちになる場面もあった。
私が最も考えさせられたのは、「自分とは何者なのか」というテーマだった。
登場人物たちは、将来どんな人になりたいのか、自分の長所は何か、他人からどう見られているのかを、繰り返し考え続ける。
私自身も、進路希望調査の欄に自分の将来像を書こうとして、うまく言葉にできず戸惑った経験がある。
あのときの気持ちを、この作品を読んで久しぶりに思い出した。
将来を考えることは、自分を知ることでもあるのだと、改めて実感させられた。
次に印象的だったのは、他人と比べることの難しさだ。
私自身も、友人と成績を比べたり、部活動や進路について焦りを感じたりしたことがある。
SNSを見れば、誰かの成功や楽しそうな日常が目に入り、自分だけが取り残されているように感じることもある。
そのたびに、自分には何が足りないのだろうと考えてしまう。
しかし『何者』を読んで、人と比較することは終わりのない苦しさを生むだけであり、本当に大切なのは「自分がどうありたいか」を考えることなのだと思った。
この気づきは、正直なところ少し意外で、同時にほっとするものでもあった。
また、この作品では、「他人に見せる自分」と「本当の自分」の違いも印象的に描かれている。
私たちは普段、相手によって話し方や振る舞いを変えることがある。
それは社会生活では必要な面もあるが、周囲の評価ばかりを気にしていると、本当の自分が分からなくなってしまう危険もある。
この作品は、その難しさを鋭く描いているように感じた。
私は高校生活の中で、自分の意見を言うことをためらった経験がある。
周囲と違う考えを持っていても、「変だと思われるのではないか」と考え、黙ってしまうことがあった。
しかし、それでは自分らしさを失ってしまう。
『何者』は、他人からどう見られるかより、自分自身が納得できる生き方を選ぶことの大切さを教えてくれた。
これら三つの気づきをメモしながら読み進めていくうちに、私は自分自身の経験と作品がどんどん重なっていくのを感じた。
とはいえ、登場人物たちの悩みがすべて自分と同じというわけではない。
境遇や立場が違うからこそ、共感できる部分とできない部分があるのも事実だ。
ただし、共感できない部分があるからこそ、自分とは違う考え方を知ることができたとも言える。
そこにこの作品を読む意味があるのだと思う。
さらに、この作品を読んで、自己分析とは単に長所や短所を書き出すことではないと感じた。
本当の自己理解とは、自分の弱さや迷いも受け入れながら、それでも前へ進もうとする姿勢なのではないだろうか。
登場人物たちは皆、不完全であり、不安を抱えている。
その姿が現実の私たちと重なるからこそ、この作品は多くの読者の心を動かすのだと思う。
私はこれから受験や進路選択を迎える。
その中で、周囲と比べて焦ることもあるだろう。
しかし、『何者』を読んだ今は、人の評価だけで自分の価値を決めるのではなく、自分自身が納得できる選択を積み重ねていきたいと思っている。
この作品を読む前と後とでは、将来に対する不安の質が少し変わったように感じる。
以前は漠然とした焦りだったものが、今では自分と向き合うための材料になった気がする。
『何者』は、就職活動という限られたテーマを描きながら、現代社会に生きる誰もが抱える「自分とは何者なのか」という普遍的な問いを投げかける作品だった。
この作品を通して私は、自分らしく生きることは簡単ではないが、他人ではなく自分自身と向き合い続けることこそが成長につながるのだと学んだ。
これから先、迷うことがあっても、この作品で感じた「他人と比べるより、自分自身を見つめる」という姿勢を忘れずに歩んでいきたいと、強く思っている。
書き出し例×5
①本を選んだ理由から始める
『何者』という題名を見たとき、私は「何者とはどういう意味なのだろう」と気になった。
就職活動を扱った小説だと知り、正直なところ、自分にはまだ関係のない世界の話だと思っていた。
しかし読み進めるうちに、この作品は就職活動だけではなく、「自分とは何者か」を問いかける物語なのだと分かった。
タイトルひとつにも、こんなに深い意味が込められているとは思わなかった。
②自分の経験と結び付ける
私はこれまで、友達と自分を比べて落ち込んだことがある。
成績や部活動の結果を気にして、「自分はだめなのではないか」と感じた夜も一度や二度ではない。
『何者』を読んで、そのような悩みは大人になっても続くことがあるのだと知り、とても考えさせられた。
登場人物たちの姿は、どこか自分と重なる部分があった。
③疑問から始める
「本当の自分とは何だろう。」
『何者』を読み終えたあと、この問いが私の頭からしばらく離れなかった。
就職活動という一つの出来事を通して、これほど自分自身を見つめ直すことになるとは思っていなかった。
この作品は、自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれる物語だった。
④現代社会との比較から始める
SNSを開くと、楽しそうな毎日や成功した姿ばかりが目に入る。
自分だけが取り残されているように感じ、落ち込んでしまうこともあった。
『何者』を読んで、他人に見せる自分と本当の自分の違いについて、改めて考えるようになった。
画面の向こうの姿がすべてではないと、今なら素直に思える。
⑤学んだことから始める
『何者』を読んで私が一番感じたのは、「他人と比べることより、自分自身と向き合うことが大切だ」ということだ。
読む前は就職活動の物語だと軽く考えていたが、その予想は良い意味で裏切られた。
この作品は、将来だけではなく、今の自分にも深く関係していると感じた。
だからこそ、多くの若い読者の心をつかむのだと思う。
題名の例×5
| 番号 | 題名の例 |
|---|---|
| 1 | 「自分とは何者なのか」 |
| 2 | 比べることの先にあるもの |
| 3 | 本当の自分を見つけるために |
| 4 | 他人の評価より大切なもの |
| 5 | 『何者』が教えてくれた自分らしさ |
振り返り
『何者』の読書感想文について、あらすじの型から書き方のポイント、穴埋め式テンプレート、例文、書き出し、題名まで、ひと通り紹介してきました。
ポイントは、①「自分とは何者か」を考えること、②他人と比べることの難しさ、③本当の自分と向き合うこと、この3つ。
あらすじの説明に偏らず、「自分がどう感じたか」を中心に書くことが、読み応えのある感想文への一番の近道です。
正直、最初は真っ白な原稿用紙を前に手が止まってしまうかもしれません。
でも大丈夫。
この記事のテンプレートに沿って、自分の経験や気持ちを一つずつ当てはめていけば、きっとあなたらしい読書感想文が完成するはずです。
『何者』という作品と向き合った時間を、そのまま自分の言葉に変えて、ぜひ納得のいく一本を書き上げてください。
※より突っ込んだ内容に仕上げたい方はこちらの記事もご覧になってみてください。

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