『故郷』の読書感想文をこれから書こうとしている方に向けて、この記事では書き方のコツから例文までまとめてみました。
本作は、中国の作家・魯迅が1921年に発表した短編小説で、教科書にも採用されるほどの名作です。
久しぶりに故郷へ帰った主人公と、幼なじみとの再会。
この二つを軸に、人と人との間にできてしまった隔たりや、未来への希望について描いた物語なんですよね。
読書が趣味で、年間100冊以上の本を読んでいる私が、書き方・例文・題名・書き出しのパターンまで、コピペしても使えるテンプレート形式でご紹介していきます。
中学生や高校生の方はもちろん、小説そのものにじっくり向き合いたい方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
『故郷』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『故郷』の読書感想文を書くとき、まず悩むのが「あらすじをどこまで書けばいいのか」という点だと思います。
結論から言うと、あらすじは200字前後にとどめるのがちょうどいいんです。
出来事を細かく説明するよりも、感想や考察に文字数を使う方が、読書感想文らしい仕上がりになりますよ。
ここでは、そのまま本文に組み込みやすいあらすじを3パターン、ご用意しました。
好みに合わせて選んでみてください。
タイプ①:出来事を中心にまとめたあらすじ
『故郷』は、久しぶりに故郷へ帰った主人公が、実家の片づけをしながら、少年時代の友人だった閏土(ルントウ)と再会する物語だ。かつて仲の良かった二人だったが、身分の違いによる距離を感じてしまう。それでも、次の世代である子どもたちの交流に、わずかな希望が示されていく話だ。
タイプ②:テーマを中心にまとめたあらすじ
『故郷』は、出来事そのものよりも「人はなぜ変わるのか」「故郷とは何か」というテーマを問いかける物語だ。久しぶりに帰った故郷で、主人公は現実と向き合うことになる。それでも作品の最後には、未来への希望について考えるメッセージが込められている。
タイプ③:自分の視点を交えたあらすじ
『故郷』は、主人公が長い年月を経て帰郷し、幼なじみとの再会を通して人や故郷の変化を知る物語だ。私は読みながら、自分にも同じような経験がないか、つい重ねて考えてしまった。変わってしまうものと、変わらずに残るもの。その両方について考えさせられる一冊だ。
※『故郷』のネタバレを含む様々な長さのあらすじはこちらにまとめています。

『故郷』の読書感想文の書き方
『故郷』の読書感想文を書くうえで、まず押さえておきたいのが3つのポイントです。
これから紹介する3つを意識するだけで、内容にぐっと深みが出ますよ。
この記事では、そのポイントをもとにした穴埋め式テンプレートもご用意しました。
書くことが決まらず手が止まってしまう方も、順番に埋めていくだけで一本の感想文が完成する仕組みです。
絶対に書くべき「心に残る」3つのポイント
『故郷』の読書感想文で必ず触れておきたいのが、次の3つのポイントです。
どれも作品の核心に関わる部分なので、感想文の軸として使いやすいですよ。
- ①人はなぜ変わってしまうのか
- ②故郷とは何か
- ③希望は自分たちでつくるもの
まずはこの3つを頭に入れたうえで、それぞれについて「自分はどう感じたか」をメモしておくのがおすすめです。
感想文というのは、出来事の説明だけで終わってしまうと、ただのあらすじになってしまいます。
「どう感じたか」を書くことこそが、感想文を感想文たらしめる部分なんですよね。
①人はなぜ変わってしまうのか
主人公と幼なじみは、子どものころは身分など気にせず仲良く過ごしていました。
しかし再会したとき、二人の間には大きな距離ができていたんです。
この場面を読んで、驚いた方も多いのではないでしょうか。
メモするときは「変化を知ったときの気持ち」と「なぜ変わったと思うか」の2点を書き出してみてください。
友情は時間が経っても変わらないと思っていたのに、生活や環境が人を変えてしまうこともある。
この気づきこそ、感想文に生きてくるポイントです。
②故郷とは何か
主人公にとって故郷は、生まれ育った場所というだけではありませんでした。
子どものころの思い出が詰まった、特別な場所でもあったんです。
でも一方で、実際に帰った故郷は、記憶の中の故郷とはずいぶん違っていました。
ここでは「自分にとっての故郷とは何か」を短くメモしておくと、感想文に個性が出ますよ。
場所そのものなのか、そこで過ごした時間なのか、人とのつながりなのか。
自分なりの答えを一言で書き留めておくのがコツです。
③希望は自分たちでつくるもの
作品の最後で語られる希望についての考え方は、多くの読者の印象に残る部分です。
希望は最初からあるものではなく、人が歩き続けることで道ができるように生まれていく。
この考え方を知ったとき、ちょっと考え方が変わった方もいるはずです。
メモするときは「この考え方を読んでどう思ったか」「これから自分はどうしたいか」の2点を書いておきましょう。
この部分は、感想文の締めくくりにそのまま使いやすい内容ですからね。
なぜ「どう感じたか」を書くことが大切なのか。
それは、感想文の評価が「作品をどれだけ深く自分ごととして受け止めたか」で決まることが多いからです。
あらすじだけを書いた感想文と、自分の気持ちや経験と結び付けた感想文とでは、読んだときの印象がまったく違います。
先ほどのメモをもとに文章をつなげていけば、自分らしい感想文が自然とできあがりますよ。
穴埋め式テンプレート
ここからは、実際に空欄を埋めていくだけで感想文が完成するテンプレートをご紹介します。
先ほどの3つのポイントが、自然と文章に組み込まれる作りになっていますので、順番に埋めてみてください。
ステップ1:書き出し(本を選んだ理由)
私は『故郷』の読書感想文を書くために、この本を読みました。
この作品を選んだ理由は、( )だったからです。
読む前は、( )という話だと思っていました。
しかし読み終えたあとには、( )ということを一番強く感じました。
ステップ2:あらすじの紹介
『故郷』は、久しぶりに故郷へ帰った主人公が、幼なじみとの再会を通して、人や故郷の変化を知り、未来への希望について考える物語です。
私は、( )というテーマが特に印象に残りました。
ステップ3:人はなぜ変わってしまうのか
私が最も考えさせられたのは、登場人物の変化でした。
昔と今では、( )という違いがありました。
私は、( )という理由で、人は変わることがあるのだと思いました。
また、( )という自分の経験とも重なりました。
ステップ4:故郷とは何か
この作品では、故郷についても深く考えさせられました。
主人公にとって故郷は、( )でした。
私は、( )という理由で、故郷とは( )ものなのだと思いました。
ステップ5:希望は自分たちでつくるもの
作品の最後では、希望について語られています。
私は、( )という場面から、希望とは( )ものだと感じました。
これから私は、( )という気持ちを大切にしたいと思います。
ステップ6:まとめ
私は『故郷』を読んで、( )ということを学びました。
これからは、( )ということを意識して生活したいです。
この作品は、人間の変化や故郷の意味、そして未来への希望について考えさせてくれる作品でした。
『故郷』の読書感想文の例文
ここからは、『故郷』の読書感想文の例文を、中学生向けと高校生向けにそれぞれ紹介します。
提出する際は、そのまま使うのではなく、自分の経験や考えを加えて、自分自身の言葉に書き直してくださいね。
1200字の中学生向け
【題名】変わってしまったもの、変わらないもの
私は魯迅の『故郷』を読んだ。
読み終えて一番心に残ったのは、人は時間が経つと変わってしまうことがあっても、心の中の大切な思いまで失う必要はないということだった。
正直、読み始める前は、懐かしい思い出について書かれた物語だと思っていた。
しかし読み進めるうちに、主人公が久しぶりに帰った故郷は、思い出の中の故郷とは違う姿をしていた。
「久しぶりに故郷へ帰った主人公が、幼なじみとの再会を通して現実を知り、未来への希望について考える。」
この作品を簡単に書けば、たったそれだけの流れでしかないが、読んだ人を立ち止まらせる点が多数含まれていると思う。
まず一つ目に心に残ったのは、人はなぜ変わってしまうのかという問いだ。
主人公と幼なじみは、子どものころは身分など気にせず笑い合っていた仲だった。
しかし再会したときには、二人の間に大きな距離ができていた。
私はこの場面を読んで、少し切ない気持ちになった。
友達は大人になっても昔と同じように話せると思っていたからだ。
でも一方で、それは本人だけのせいではなく、生活や環境が人を変えてしまうこともあるのだと気づいた。
私も小学校を卒業したあと、久しぶりに友達と会って驚いたことがある。
見た目や話し方が変わっていたけれど、話しているうちに昔と同じように笑うことができた。
二つ目に印象に残ったのは、故郷とは何かというテーマだ。
主人公にとって故郷は、生まれ育った場所というだけではなく、子どものころの思い出が詰まった特別な場所だった。
とはいえ、実際に帰った故郷は、思っていたものとはずいぶん違っていた。
私は、故郷とは場所そのものよりも、そこで過ごした時間や人とのつながりのことを指すのではないかと考えた。
懐かしさだけでは埋められない現実。
それがこの作品には静かに描かれている。
三つ目は、希望についての考え方だ。
作品の中で語られる希望は、最初からあるものではなく、人が歩き続けることで道ができるように、自分たちの行動で生まれていくものだと描かれている。
この考え方を知ったときは、ちょっと得した気分になった。
今まで希望は誰かが与えてくれるものだと思っていたからだ。
物語の中には、主人公の甥と幼なじみの息子が、身分の違いなど気にせずすぐに仲良くなる場面もある。
大人たちの間にできてしまった壁を、子どもたちがひょいと飛び越えていくような場面だ。
私はこの部分を読んで、少しほっとした気持ちになった。
変わってしまうものがある一方で、次の世代にはまだ新しい関係を築く力があるのだと感じたからだ。
これから中学校生活の中で、勉強や部活動でうまくいかないことがあるかもしれない。
それでも、自分から一歩ずつ進み続けることで、新しい道ができていくのだと思う。
『故郷』は、人間の変化や故郷の意味、そして未来への希望について教えてくれる作品だった。
私はこの物語を通して、昔を懐かしむだけでなく、自分自身の未来を切り開いていくことの大切さを学んだ。
2000字の高校生向け
【題名】希望は歩いた先に生まれる
魯迅の『故郷』を読み終えたとき、私の心に最も強く残ったのは、「人は変わる」という事実よりも、「それでも未来への希望を失ってはいけない」という作者の思いだった。
久しぶりに故郷へ帰った主人公が、幼なじみとの再会を通して、変わってしまった現実を知り、それでも未来への希望について考えていく。
この作品のあらすじを一言でまとめるなら、そんな物語だ。
読む前は、ただ懐かしさを描いた話だと思っていた。
しかし読み終えたあとには、もっと重たい問いが残った。
作品の中で最も印象に残ったのは、主人公と幼なじみの再会の場面だった。
子どものころは身分や立場を気にせず笑い合っていた二人の間に、年月と生活の苦しさが生み出した隔たりが存在していた。
私はこの場面を読んで、正直かなり驚いた。
友情というものは、時間が経っても変わらないものだと思い込んでいたからだ。
でも一方で、それは友情そのものが薄れたというより、二人を取り巻く環境や社会の仕組みが変えてしまった結果なのだと気づかされた。
高校生になった今、私は進路について考える機会が増えた。
同じクラスの中でも、大学進学を目指す人、就職を考える人、夢を追い続ける人と、それぞれ違う道を選ぼうとしている。
中学生のころは皆が同じ方向を向いていたように感じていたが、少しずつ将来への考え方が違ってきた。
『故郷』を読みながら、人は成長するにつれて環境が変わり、それによって価値観も変わっていくものなのだと実感した。
もちろん、変わることのすべてが寂しいわけではないとも思う。
考え方が変わるということは、それだけ多くの経験を重ねてきた証でもあるはずだ。
ただし、その変化によって、昔は当たり前だった関係が少しずつ遠くなってしまうことも事実だろう。
この作品を読んで、私はそのどちらの気持ちも大切にしたいと感じるようになった。
一方で、この作品は単なる悲しい物語ではない。
私は、故郷というテーマの捉え方にも心を動かされた。
主人公にとって故郷は、生まれ育った土地というだけでなく、子どものころの思い出や人とのつながりを含めた存在だった。
とはいえ、実際に帰った故郷は、記憶の中の姿とはずいぶん違っていた。
私は以前、引っ越しをした友人と久しぶりに会ったことがある。
お互いに以前とは少し変わっていたけれど、話しているうちに昔と同じように笑うことができた。
その経験を思い出しながら、故郷とは場所そのものではなく、自分の心の中にも存在するものなのかもしれないと考えた。
そして、この作品で最も心を動かされたのは、希望についての考え方だ。
希望とは、最初から存在するものではなく、人が歩き続けることで道ができるように、自分たちの行動によって生まれていくものだという考え方が描かれている。
この一節を読んだとき、私はちょっと得した気分になった。
今まで、希望とは自然に湧いてくるものだと漠然と思っていたからだ。
この言葉に触れて、私は「未来は誰かが決めるものではない」ということに気づいた。
進路や将来に不安を感じることは、これからもきっとあるだろう。
それでも、その不安を理由に立ち止まっていれば、道は生まれない。
反対に、たとえ小さな一歩でも踏み出せば、その先に新しい道ができていく可能性がある。
私はそう信じたいと、この作品を通して強く思うようになった。
この作品は、約百年前に書かれたにもかかわらず、現代にも通じる問いを投げかけている。
人間関係、格差、社会の変化、将来への不安。
私たちが今抱えている悩みとも、重なる部分が多い。
そのため、古い時代の物語でありながら、読んでいて古さをほとんど感じなかった。
物語の終盤では、次の世代である子どもたちが、身分の違いなど気にせずにすぐ打ち解け、再会を約束する場面が描かれる。
大人たちの間にできてしまった重い壁を、子どもたちがまるで気づかないかのように越えていく様子だ。
私はこの場面に、小さいけれど確かな希望を感じた。
すべてが変わってしまうわけではなく、次の世代には次の世代なりの関係の築き方があるのだと思えたからだ。
私は『故郷』を読んで、人は環境によって変わることがあっても、自分の未来まで決められてしまうわけではないことを学んだ。
希望とは待つものではなく、自分で歩きながらつくっていくものなのだ。
これから進路を決め、社会へ出ていく中で、思いどおりにいかないこともあるだろう。
それでも、この作品が教えてくれたように、一歩ずつ歩き続けることで、自分だけの道をつくっていきたい。
そして、どんな環境に置かれても、希望を持ち続けられる人でありたいと思う。
『故郷』という一冊は、これからの私の生き方に、静かだけれど確かな指針を残してくれた作品になった。
書き出し例×5
①本を選んだ理由から始める
『故郷』という題名を見たとき、私は懐かしい思い出について書かれた物語だと思っていた。
しかし読み終えたあとには、人間の変化や未来への希望について深く考えさせられる作品だったと感じた。
たった一冊の小説なのに、読む前と読んだあとでこんなに印象が変わることに、正直驚いた。
この記事では、そんな『故郷』の読書感想文の書き方を、中学生・高校生それぞれの視点から紹介していく。
②自分の経験と結び付ける
私は久しぶりに小学校時代の友達と会ったとき、お互いに少し変わったと感じたことがある。
『故郷』を読んで、その変化には時間だけでなく、環境や生活も大きく関係しているのだと思った。
身近な経験と重ね合わせながら読むと、この物語がぐっと自分ごとに感じられる。
そんな読み方のコツも、この記事では紹介していきたい。
③疑問から始める
「人は本当に変わってしまうのだろうか。」
『故郷』を読み終えたあと、私はこの問いについて何度も考えた。
この作品は、人間の変化だけでなく、その理由まで考えさせてくれる物語だった。
簡単には答えの出ない問いだからこそ、感想文のテーマとしても書きごたえがある。
④印象に残った場面から始める
『故郷』を読んで最も印象に残ったのは、主人公が久しぶりに故郷へ帰り、昔とは違う現実を目の当たりにする場面だった。
私はその姿を見て少し悲しい気持ちになると同時に、人が生きる環境について考えさせられた。
一つの場面から感想文を書き始めると、読み手にも情景が伝わりやすくなる。
⑤学んだことから始める
私は『故郷』を読んで、希望とは誰かが与えてくれるものではなく、自分自身でつくっていくものなのだということを学んだ。
この考え方は、これからの自分にも大切なことだと思った。
学びを先に提示してから理由を書いていく構成は、中学生にも高校生にも使いやすい型だ。
題名の例×5
読書感想文の題名は、本のタイトルをそのまま使うだけでなく、作品から自分が受け取ったメッセージを表す言葉にすると印象的になります。
迷ったときは、次の5つを参考にしてみてください。
| 番号 | 題名の例 | 向いている学年 |
|---|---|---|
| ① | 変わってしまったもの、変わらないもの | 中学生・高校生 |
| ② | 故郷が教えてくれたこと | 中学生 |
| ③ | 希望は歩いた先にある | 中学生・高校生 |
| ④ | 人はなぜ変わるのか | 高校生 |
| ⑤ | 未来へ続く道を信じて | 中学生・高校生 |
振り返り
ここまで、『故郷』の読書感想文の書き方について、あらすじの型から例文、書き出し、題名まで一通り紹介してきました。
ポイントは、出来事の説明に偏らず「人はなぜ変わってしまうのか」「故郷とは何か」「希望は自分たちでつくるもの」という3つのテーマに、自分の気持ちや経験を重ねて書くことでしたね。
正直、私自身もこの小説を読み返すたびに、感じることが少しずつ違っていて、その変化に驚かされます。
でも一方で、それこそがこの作品の面白さでもあるのだと思います。
穴埋め式テンプレートを使えば、空欄を埋めていくだけで、あなたらしい感想文が形になっていきますよ。
中学生の方も高校生の方も、この記事で紹介した書き方・例文・題名・書き出しのパターンを参考にしながら、コピペではなく、自分自身の言葉で仕上げてみてください。
あなたにも、きっと心に残る読書感想文が書けるはずです。
※より深みのある『故郷」の読書感想文を書きたい方はこちらの記事もご覧ください。


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