『象のいない動物園』の読書感想文を書くことになって、何から始めたらいいか迷っていませんか。
本作は、斎藤憐さんが作、木佐森隆平さんが絵を手がけた作品で、第二次世界大戦中に上野動物園で命を奪われた象トンキーの物語と、戦後、子どもたちの願いによって再び象を迎えるまでを実話をもとに描いた一冊です。
小学校の中学年以上を対象にした本として紹介されていて、戦争や平和について考えるきっかけにぴったりの物語なんですよ。
私は年間100冊以上の本を読んでいますが、こういう実話をもとにした児童書は、大人が読んでも胸にぐっとくるものがありますね。
この記事では、感想文を書く予定の小学4〜6年生の皆さんに向けて、基本の書き方をはじめ、例文、題名、書き出しの具体例まで、テンプレートを使いながら丁寧に解説していきます。
『象のいない動物園』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
読書感想文の本文の中では、あらすじを長く書きすぎる必要はありません。
むしろ200字前後の短いあらすじを一箇所に入れて、そのあとは自分の感想を書くほうが、読みやすい文章になります。
ここでは、タイプ別に3パターンのあらすじを用意しました。
自分の書きたい感想文の雰囲気に合わせて、選んでみてくださいね。
タイプ①:シンプルにまとめたあらすじ
『象のいない動物園』は、戦争で両親を失った少年ヒデが、妹のミヨ子と一緒に上野動物園を訪れる場面から始まる物語だ。動物園に象がいないことを不思議に思ったヒデは、飼育係から戦争中に象が命を落とした事実を聞く。その後、戦後の子どもたちが象をもう一度迎えようと立ち上がっていく姿が描かれる。
タイプ②:戦争と動物に注目したあらすじ
この物語では、戦争によって動物たちの命が奪われた事実が描かれている。空襲で猛獣が逃げ出す危険があるという理由から、上野動物園の象たちは殺されることになった。その悲しい出来事を知った戦後の子どもたちは、もう一度象を見たいという願いを行動に変え、社会を動かしていく。
タイプ③:子どもたちの願いに注目したあらすじ
戦争中に象を失った上野動物園を舞台に、戦後の子どもたちの願いを描いた物語だ。ある少年の投書をきっかけに、多くの子どもたちが「もう一度象を見たい」と願うようになる。その願いはやがて大人たちを動かし、インドから象インディラを迎える大きな出来事へとつながっていく。
『象のいない動物園』の読書感想文の書き方
感想文を書くときはテーマを3つくらいに絞ることが大切。
とはいえ、いざ書こうとすると、何から書き始めればいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、このあと「印象的な3つのテーマやポイント」を詳しく解説したうえで、そのまま埋めるだけで完成する穴埋め式テンプレートも用意しました。
印象的な3つのテーマやポイント
『象のいない動物園』の読書感想文で、必ず触れておきたい要点は次の3つです。
- 戦争は人間だけでなく動物の命も奪うこと
- 命の大切さとトンキーの一生
- 戦後の子どもたちの「象がほしい」という願いと行動
この3つは、それぞれ物語の骨格になっている部分なので、どれか一つでも感想文に入れておくと、内容にぐっと深みが出ます。
大事なのは、ただ内容を説明するだけで終わらせず、そのつど「自分はどう感じたか」を短くメモしておくことです。
本を読みながら、心が動いた場面のページに付箋を貼って、そこに一言だけ、感じたことを書き込んでおくだけで大丈夫。
「驚いた」「悲しかった」「ちょっと感動した」というくらいの短い言葉で構いません。
あとで感想文を書くときに、このメモがそのまま文章の材料になってくれますよ。
なぜ「どう感じたか」がそれほど重要なのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
実は、あらすじだけをなぞった文章は、誰が書いても同じような内容になりがち……。
でも「自分がどう感じたか」を書けば、それはあなただけの感想文になるわけで。
先生が読みたいのは、実はそこなんですよ。
①戦争は人間だけでなく動物の命も奪うこと
戦争末期、空襲で猛獣が逃げ出す危険があるという理由から、上野動物園では多くの動物が殺されることになりました。
ここを読んで「なぜ動物まで犠牲にならなければいけなかったのか」を考えてみると、感想文の材料が見つかりやすくなります。
今、自分たちが平和に暮らせていることと比べながら読んでみてください。
②命の大切さとトンキーの一生
この作品では、戦争中に亡くなった象トンキーの一生が丁寧に描かれています。
トンキーがどんな一生を送ったのかを読んで、命について考えてみましょう。
結末については、ぜひ本を読んで確かめてほしいのですが、「命を大切にする」とはどういうことか、自分の言葉でメモしてみてください。
③戦後の子どもたちの「象がほしい」という願いと行動
戦後、まだ生活が豊かではない時代にもかかわらず、子どもたちは「もう一度動物園に象がほしい」と願いました。
ただ願うだけでなく、実現するために行動したという点に注目すると、感想文が深くなります。
自分にも「こうなってほしい」と願っていることがないか、考えてみるといいですよ。
穴埋め式テンプレート
ここからは、上の3つのポイントを組み込んだ、そのまま使える穴埋め式テンプレートです。
空欄に自分の言葉を入れるだけで、感想文の骨組みが完成します。
STEP1:この本を選んだ理由
私が『象のいない動物園』を選んだ理由は、( )です。
もともと(動物/動物園/象/戦争についての本/ )に興味があり、この題名を見て( )と思いました。
STEP2:簡単なあらすじ
この本は、戦後の兄妹が上野動物園を訪れる場面から始まり、( )という理由で象たちが命を落としたことを知る物語です。
その後、戦後の子どもたちが( )ことで、動物園に象が戻ってきます。
STEP3:心に残った場面(戦争と動物の命)
私が一番心に残ったのは、( )の場面です。
ここを読んで、私は( )と感じました。
戦争は( )にも大きな影響を与えるのだと思いました。
STEP4:心に残った場面(命の大切さ)
トンキーの一生を読んで、私は( )という気持ちになりました。
命を大切にするとは、( )ことなのだと思いました。
STEP5:心に残った場面(子どもたちの願いと行動)
戦後の子どもたちが( )と願い、行動した姿を読んで、私は( )と思いました。
私にも「こうなったらいいな」と思うことがあり、それは( )です。
STEP6:まとめ
『象のいない動物園』を読んで、私は( )ことを学びました。
これからは、( )を大切にしながら生活していきたいです。
小学生が対象の『象のいない動物園』の読書感想文の例文
ここからは、『象のいない動物園』の感想文の例文を紹介します。
小学生向けに2パターンの文字数でまとめましたので、書きたい長さに合わせて参考にしてみてください。
800字(原稿用紙2枚分)
【題名】象が教えてくれた命の大切さ
私は『象のいない動物園』を読んだ。
主人公のヒデは、妹のミヨ子を喜ばせようと、上野動物園に連れていく。
でも、動物園に象の姿はなかった。
ヒデは、飼育係の三吉さんから、戦争中に象が死んでしまったことを聞く。
その理由を読んで、私は本当にびっくりした。
空襲で檻が壊れて象が逃げ出すと危ないから、という理由で殺されてしまったのだ。
飼育係の人たちも、象を助けたいと思っていたらしい。
でも、命令には逆らえなかったのだ。
私は今まで、戦争で苦しむのは人間だけだと思っていた。
でも、この本を読んで、動物たちも戦争にまきこまれていたことを知った。
象のトンキーは、毒の入った餌を食べず、注射の針も刺さらなかったそうだ。
最後は、餌も水ももらえなくなってしまう。
それでもトンキーは、飼育係を信じて鼻を伸ばしていたという場面を読んで、私はとても悲しい気持ちになった。
動物にも、人間と同じように気持ちがあるのだと感じたからだ。
もう一つ、私の心に残ったのは、戦争が終わったあとの子どもたちの話だ。
ある少年が「妹に象を見せたい」と新聞に投書したことがきっかけで、たくさんの子どもたちが「もう一度象を見たい」と願うようになる。
子どもたちの願いは、やがて大人たちを動かし、インドから象を迎えることにつながっていく。
私はここを読んで、とても感動した。
子どもでも、願うだけでなく行動すれば、社会を動かせることがあるのだと知ったからだ。
私も、こうなったらいいなと思うことがあるけれど、行動に移せていないことが多い。
これからは、私も願うだけで終わらせないようにしたい。
この本を読んで、私は平和とは、戦争がないことだけではないと思うようになった。
人間も動物も、安心して生きられることが平和なのだと思う。
これからは、身近な命を大切にすることから始めたい。
『象のいない動物園』は私に、命の重さと、願いを行動に変える力の大切さを教えてくれた。
1200字(原稿用紙3枚分)
【題名】願いを行動に変える力
私は『象のいない動物園』を読んで、いろいろなことを考えた。
主人公のヒデは、戦争で両親を失い、幼い妹のミヨ子と二人で暮らしている。
ある日、ヒデはミヨ子を喜ばせようと、上野動物園に連れていく。
ところが、動物園に象の姿はなかった。
ヒデは飼育係の三吉さんから、戦争中に象たちが死んでしまったことを聞かされる。
その理由を知って、私は言葉を失った。
空襲で檻が壊れて象が逃げ出したら危険だから、という理由で象たちは殺されることになったのだ。
私は今まで、戦争で苦しむのは人間だけだと思っていた。
でも、この本を読んで、動物たちも戦争にまきこまれていたことを知った。
象のトンキーは、毒の入った餌を食べようとせず、注射の針もうまく刺さらなかったという。
最終的に、象たちは餌も水も与えられなくなり、少しずつ弱っていく。
それでもトンキーは、いつものように飼育係を信じて鼻を伸ばしていたそうだ。
この場面を読んで、私はとても悲しくなった。
動物にも、人間と同じような気持ちがあるのだと、あらためて感じたからだ。
飼育係の人たちも、本当は象を助けたかったはずだ。
でも、戦争中の命令には逆らうことができなかった。
私は、飼育係の苦しさを想像すると、胸が締めつけられるような気持ちになった。
もう一つ、私の心に強く残ったのは、戦争が終わったあとの子どもたちの話だ。
ある少年が「妹に一度でいいから象を見せてあげたい」と新聞に投書したことがきっかけで、多くの子どもたちが「もう一度象を見たい」と願うようになる。
戦後の日本は、まだ生活も大変だったはずだ。
それでも子どもたちは、手紙を書いたり、台東子ども議会で訴えたりして、自分たちの願いを大人たちに伝え続けた。
私はここを読んでとても感動した。
子どもでも、願うだけでなく行動すれば、社会を動かせることがあるのだと知ったからだ。
私にも「こうなったらいいな」と思うことがある。
とはいえ、実際に行動に移せていることは少ない気がする。
だから、子どもたちの姿には、少しあこがれのような気持ちも感じた。
子どもたちの願いは、やがてインドから象インディラを迎えるという大きな結果につながっていく。
私はこの本を読んで、平和とは、ただ戦争がないことだけではないと思うようになった。
人間も動物も、安心して暮らせることが、本当の平和なのだと思う。
今の私に、戦争を止めることはできない。
でも、身近な命を大切にすることなら、今日からでもできる。
例えば、飼っている動物のお世話をきちんとすることや、生き物を大事にする気持ちを忘れないことだ。
小さなことに思えるかもしれないが、一人一人がそう考えることが、平和につながっていくのだと思う。
『象のいない動物園』は私に、命の重さと、願いを行動に変えることの大切さを教えてくれた。
これから何かを願うときは、私も一歩踏み出してみたい。
書き出し例×5
①題名を見て疑問を持ったところから
「象のいない動物園」とは、いったいどんな動物園なのだろう。
私はこの題名を見たとき、そんな疑問を持った。
動物園なら象がいるのが当たり前だと思っていたからだ。
でも、この本を読んで、象がいなくなった背景には、戦争という悲しい出来事があったことを知った。
②動物園での体験から始める
私は動物園に行くと、いつも象を見に行く。
大きな体でゆっくり歩く姿を見ると、なんだか安心した気持ちになる。
そんな私が『象のいない動物園』を読んで、昔の動物園では象を見ることができない時代があったことを知り、とても驚いた。
③「もし自分だったら?」から始める
もし、自分が大好きな動物を突然失ってしまったら、どんな気持ちになるだろう。
『象のいない動物園』を読みながら、私は何度もそう考えた。
戦争によって動物たちの命まで奪われたことを知り、私は今まで考えたことのなかった「戦争と動物の命」について考えるようになった。
④「戦争」のイメージから始める
私はこれまで、戦争というと、人が傷ついたり、家や町が壊されたりすることを思い浮かべていた。
しかし、『象のいない動物園』を読んで、戦争によって苦しむのは人間だけではないことを知った。
動物園の動物たちも、戦争に巻き込まれていたのだ。
⑤今の平和な生活から始める
私は毎日、家族とご飯を食べたり、学校へ行ったり、友達と遊んだりしている。
それを特別なことだとは思っていなかった。
でも、『象のいない動物園』を読んで、こうした当たり前の生活ができることは、とても大切なことなのだと気づいた。
題名の例×10
| 番号 | 題名 |
|---|---|
| 1 | 象のいない動物園が教えてくれたこと |
| 2 | 象の命から考えた平和 |
| 3 | 戦争で失われた命 |
| 4 | ぼくたちが大切にしたい平和 |
| 5 | 象が教えてくれた命の大切さ |
| 6 | もう一度、象に会いたい |
| 7 | 一頭の象から考えた戦争 |
| 8 | 平和な動物園をいつまでも |
| 9 | 願いを行動に変える力 |
| 10 | 象のいる未来を守るために |
振り返り
『象のいない動物園』の読書感想文について、あらすじの型から書き方、例文、書き出し、題名までを紹介してきました。
大切なポイントは3つ。
戦争が動物の命まで奪ったこと、命の大切さ、そして戦後の子どもたちの願いと行動です。
この3つを軸にしながら、心が動いた場面を具体的に挙げて、そこに自分の気持ちを重ねていけば、感想文はきっと書き上げられます。
実話をもとにした作品の感想文は、自分の生活や気持ちと結びつけやすいものですよ。
穴埋め式テンプレートを使えば、空欄を埋めていくだけで、自然と自分だけの感想文が完成していきます。
小学生の皆さんも、それぞれの言葉でトンキーとインディラの物語に向き合えば、必ずいい感想文が書けるはずです。
ぜひ自分のペースで、少しずつ書き進めてみてくださいね。
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