小学生のみなさんに『手袋を買いに』の読書感想文の書き方と例文をご紹介します。
新美南吉さんが書いた『手袋を買いに』は、子ぎつねが初めて人間の町へ手袋を買いに行く心温まる童話ですね。
この物語は、親子の愛情や人と人とのつながりについて深く考えさせてくれる名作として、多くの小学校で読み継がれています。
この記事では、読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が、より良い感想文を書けるように、書き方のコツやテンプレート、そして実際の例文まで丁寧に解説していきますよ。
コピペではなく、みなさん自身の言葉で書けるように、題名の付け方や書き出しの工夫についてもお話ししていきます。
『手袋を買いに』の読書感想文に書くべき3つのポイント
『手袋を買いに』の読書感想文を書くときに、必ず触れておきたい大切なポイントが3つあります。
これらのポイントを意識することで、ただあらすじを書くだけではない、深みのある感想文が書けるようになりますよ。
まずは、この3つのポイントを確認してみましょう。
- 母ぎつねの深い愛情と迷い
- 子ぎつねの勇気と成長
- 帽子屋さんの優しさと信頼
それぞれのポイントについて、物語を読みながら「どう感じたか」「なぜそう思ったか」をメモしておくと、感想文を書くときにとても役に立ちます。
では、3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
母ぎつねの深い愛情と迷い
母ぎつねは子ぎつねの冷えた手を見て、手袋を買ってあげたいと思います。
でも、人間を怖がっているので、自分では町に行けません。
そこで子ぎつねを一人で町へ行かせることにしたのです。
この場面から、母ぎつねの複雑な気持ちが伝わってきますね。
子どもを愛しているからこそ、危険かもしれない町へ行かせるのはとても勇気がいることだったでしょう。
でも、子ぎつねに成長してほしいという思いもあったのではないでしょうか。
みなさんも、お母さんやお父さんが心配しながらも「一人でやってみなさい」と言ってくれることがありますよね。
それと同じような親心が、母ぎつねにもあったのです。
母ぎつねが子ぎつねの片手を人間の手に変えてくれたのも、愛情の表れです。
「間違って狐の手を出してしまうとひどい目にあう」と心配しているからこそ、子ぎつねを守ろうとしたのでしょう。
この親子の関係を読んで、どんなことを感じましたか。
自分の家族のことを思い出した人もいるかもしれませんね。
そんな気持ちを感想文に書いてみると良いでしょう。
子ぎつねの勇気と成長
子ぎつねは、初めて一人で人間の町へ行くことになります。
きっと、とてもドキドキしていたことでしょう。
でも、お母さんのために、そして自分のために、勇気を出して町へ向かいます。
この子ぎつねの行動は、とても立派だと思いませんか。
みなさんも、初めての場所に一人で行くときや、知らない人と話すときは緊張しますよね。
子ぎつねも同じような気持ちだったはずです。
それなのに、一歩ずつ前に進んでいく姿は、とても勇敢です。
物語の中で子ぎつねは、母ぎつねの教えを守ろうとしますが、帽子屋さんの前で間違って狐の手を出してしまいます。
でも、帽子屋さんは優しく手袋を売ってくれました。
この経験を通して、子ぎつねは「人間ってちっとも恐かない」と学びます。
これは、子ぎつねが大きく成長した証拠ですね。
最初は怖がっていた人間の世界で、実際に優しさに触れることができたのです。
みなさんも、最初は怖いと思っていたことが、やってみたら案外大丈夫だったという経験はありませんか。
子ぎつねの成長する姿を読んで、どんなことを感じたかを考えてみてください。
帽子屋さんの優しさと信頼
帽子屋さんは、子ぎつねが狐だということに気づきます。
でも、怒ったり追い返したりはしません。
子ぎつねが持ってきたお金が本物だとわかると、黙って手袋を渡してくれるのです。
この帽子屋さんの行動は、とても心温まりますね。
普通だったら「狐に化かされた!」と驚いてしまうかもしれません。
でも、帽子屋さんは違いました。
子ぎつねが本当に手袋を必要としていることを理解して、優しく対応してくれたのです。
この場面から、帽子屋さんの人柄の良さが伝わってきます。
相手が人間でも狐でも、困っている者を助けてあげたいという気持ちがあるのでしょう。
また、子ぎつねが持ってきたお金が本物だったということも大切なポイントです。
母ぎつねは、ちゃんとした方法で手袋を買おうとしていたのですね。
だますつもりはなく、正々堂々と商品を買いに来ていたのです。
帽子屋さんは、そのことを理解していたのかもしれません。
この優しい交流を読んで、みなさんはどう感じましたか。
人と人(この場合は人と狐ですが)が信頼し合うことの大切さについて、考えてみてください。
※新美南吉の『手袋を買いに』のあらすじはこちらで簡単に短くまとめています。

『手袋を買いに』の読書感想文のテンプレート
ここからは、『手袋を買いに』の読書感想文を書くためのテンプレートをご紹介します。
このテンプレートに沿って書けば、バランスの良い感想文が完成しますよ。
各ステップの空欄を埋めながら、自分だけの感想文を作っていきましょう。
ステップ1:書き出し(題名と導入)
まず、感想文の題名を考えましょう。
題名は、あなたが一番感じたことや印象に残ったことを表すものにすると良いでしょう。
【題名】( )
新美南吉さんの『手袋を買いに』を読んで、私は( )ということを強く感じました。この物語は、子ぎつねが初めて人間の町へ手袋を買いに行く話ですが、そこには( )という大切なメッセージが込められていると思います。
ステップ2:母ぎつねの愛情について
母ぎつねの子ぎつねに対する気持ちについて書きましょう。
ステップ3:子ぎつねの成長について
子ぎつねが勇気を出して町へ行き、成長していく様子について書きましょう。
ステップ4:帽子屋さんの優しさについて
帽子屋さんの心温まる行動について書きましょう。
ステップ5:まとめ
物語全体を読んで感じたことや、これからの自分について書きましょう。
『手袋を買いに』の読書感想文の例文(800字の小学生の低学年向け)
【題名】心あたたまる出会い
『手袋を買いに』を読んで、わたしは人と人とのつながりのたいせつさを感じました。このお話は、子ぎつねがはじめて人間の町へ手袋を買いに行くお話ですが、あいじょうやしんらいという思いがこめられていると思いました。
まず、母ぎつねの子ぎつねへのあたたかい愛情に心をうたれました。母ぎつねは子ぎつねのつめたい手を見て、手袋をかってあげたいと思いました。でも人間をこわがっているので自分では行けません。それでも子ぎつねを町へ行かせたのは、子どもにがんばってほしいと思ったからだと思います。わたしのお母さんも、しんぱいしながら「一人でやってごらん」とせなかをおしてくれることがあります。
つぎに、子ぎつねのゆう気にかんどうしました。子ぎつねはドキドキしながら町に行ったでしょう。わたしも知らないところへ一人で行くときは、とてもきんちょうします。それなのに子ぎつねは、お母さんのためにゆう気を出して歩いて行きました。ぼうし屋さんの前でまちがって狐の手を出してしまったけれど、ぼうし屋さんはやさしく手袋をうってくれました。このけいけんをから子ぎつねは「人間ってこわくない」と知ったのです。
いちばん心にのこったのは、ぼうし屋さんのやさしさでした。子ぎつねが狐だとわかっていたのに、しかったりせずに手袋をわたしてくれました。これは、こまっている子をたすけたいというやさしい心があったからだと思います。それに子ぎつねがお金を持ってきたことも大事でした。母ぎつねは正しく手袋を買おうとしていたのです。
このお話を読んで、わたしは見た目のちがいや立場のちがいをこえて、あいての気もちを思いやることの大切さを学びました。ぼうし屋さんのように、だれにでもやさしくできる人になりたいと思いました。
『手袋を買いに』を読んで、家族の愛やゆう気、そして人をしんじるすばらしさを知りました。これからは、こまっている人がいたら、ぼうし屋さんのように手をさしのべられる人になりたいです。
『手袋を買いに』の読書感想文の例文(1200字の小学生の3~4年生向け)
【題名】やさしさがつないだ小さな奇跡
『手袋を買いに』を読んで、わたしは人の心のあたたかさについて考えました。このお話は、子ぎつねがはじめて人間の町へ手袋を買いに行くお話ですが、親子の愛やゆう気、そして信じることの大切さが書かれていると思いました。
まず、母ぎつねの子ぎつねを信じる心に感動しました。雪で遊んで帰った子ぎつねの手がつめたくなっていたのを見て、母ぎつねは手袋を買ってあげたいと思いました。でも人間をこわがる母ぎつねは、自分では町に行けません。そこで子ぎつねを一人で行かせました。この決断は母ぎつねにとってとてもゆう気のいることだったと思います。
わたしの母も、わたしがはじめて一人で買い物に行くとき心配そうな顔をしていました。でも「がんばってね」と送り出してくれました。あとで聞くと、帰るまでずっと心配していたそうです。母ぎつねも同じ気持ちだったのでしょう。愛しているからこそ心配だったけれど、子ぎつねの成長のために送り出したのだと思いました。
母ぎつねが子ぎつねの手を人間の手に変えてくれたのも、愛情のあらわれでした。「まちがって狐の手を出すと大変だよ」と教えながら、子ぎつねを守ろうとしたのです。
つぎに、子ぎつねのゆう気に心をうたれました。きっと雪道を歩きながら、お母さんに言われたことを何度も思い出していたのでしょう。わたしも新しいことにちょうせんするときは、言われたことを心の中でくり返します。子ぎつねもドキドキしながら町に向かったのだと思います。
ぼうし屋さんの前に着いた子ぎつねは、光のまぶしさでまちがって狐の手を出してしまいました。お母さんの言いつけとちがうことをしてしまい、きっととてもあせったと思います。ところが、ぼうし屋さんは子ぎつねをしかることもこわがることもなく、やさしく手袋を売ってくれました。このことが子ぎつねの心を大きく変えました。「人間ってちっともこわくない」と思えるようになったのです。
一番心にのこったのは、ぼうし屋さんのやさしさでした。子ぎつねがお金を出したとき、本物だとわかると、何も言わずに手袋を渡してくれました。こまっている子を助けたいという心があったのだと思います。また、母ぎつねが本物のお金を持たせていたのも大事です。正しく手袋を買おうとしていたからです。ぼうし屋さんはそれをわかってくれたのだと思いました。
このお話を読んで、わたしは見た目や立場のちがいをこえて、あいての気持ちを思いやることの大切さを学びました。ぼうし屋さんは子ぎつねの外見ではなく、その心を見てくれたのです。わたしも人を見た目で決めつけず、心をたいせつにしたいと思いました。
『手袋を買いに』を読んで、家族の愛、ゆう気、そして人を信じることのすばらしさを知りました。これからは、こまっている人を見かけたらぼうし屋さんのようにやさしく手をさしのべたいです。そして、家族にありがとうの気持ちを忘れず、新しいことにもゆう気を出してとりくみたいと思いました。このお話は、人と人をつなぐのは心のあたたかさだということを教えてくれる、すてきな作品でした。
振り返り
『手袋を買いに』の読書感想文の書き方について、詳しくお話ししてきました。
この記事では、感想文を書くときに大切な3つのポイント、実際に使えるテンプレート、そして800字と1200字の例文をご紹介しましたね。
でも、一番大切なのは、みなさん自身が物語を読んで感じた気持ちを素直に書くことです。
私が紹介した例文は参考程度にして、みなさんの言葉で感想文を書いてくださいね。
きっと、素晴らしい読書感想文が完成するはずです。
読書感想文を書くのは最初は大変かもしれませんが、コツをつかめば楽しくなりますよ。
みなさんの感想文が、先生やご家族に褒められることを心から願っています。
■参照サイト:新美南吉 手袋を買いに
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