『エルマーとりゅう』あらすじを簡単に&ネタバレなしで詳しく

『エルマーとりゅう』のあらすじ あらすじ

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『エルマーとりゅう』のあらすじを簡単に短く、そして詳しくネタバレなしで紹介していきますね。

この作品は、ルース・スタイルス・ガネットさんによる名作「エルマーのぼうけん」シリーズの続編として親しまれている児童文学です。

ニューベリー賞受賞作品の続編として高い評価を受けており、日本では1964年に福音館書店から出版されました。

この記事では年間100冊以上の本を読む私が、『エルマーとりゅう』の魅力を余すことなくお伝えし、読書感想文を書く予定の皆さんにとって有益な情報をお届けしますよ。

ルース・スタイルス・ガネット『エルマーとりゅう』のあらすじを短く簡単に

どうぶつ島を脱出したエルマーとりゅうが、かれき町への帰路で嵐に遭い、カナリヤ島に不時着する。そこでエルマーは昔飼っていたカナリヤのフルートと再会し、カナリヤの王カン十一世と出会う。王様は代々語り継がれた宝箱の秘密に悩まされており、島中のカナリヤが知りたがり病にかかっていた。エルマーたちは宝箱を掘り出し、中身を確かめることで島の問題を解決しようとするのだが……。

ルース・スタイルス・ガネット『エルマーとりゅう』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)

みかん島からかれき町へ向かっていたエルマーとりゅうは、激しい嵐に遭遇して浅瀬の砂地に不時着してしまった。幸運にも近くにはカナリヤばかりが住むカナリヤ島があり、そこでエルマーは懐かしいカナリヤのフルートと再会する。フルートに案内されてカナリヤの王カン十一世と面会したエルマーは、島で起きている深刻な問題を知らされる。昔、人間がこの島に木を植え畑を作り、将来のために宝箱を埋めて去った。その宝箱について王様だけが代々語り継いでいたが、中身が気になって知りたがり病にかかり、それが島中のカナリヤに伝染してしまったのである。決着をつけようとしたカン十一世は、エルマーたちに宝箱の場所を教え、掘り出しを依頼する。だが宝箱から出てきたのはカナリアには価値のないものだった……。

『エルマーとりゅう』のあらすじを理解するための用語解説

『エルマーとりゅう』をより深く理解するために、重要な用語を整理しておきましょう。

用語 説明
かれき町 主人公エルマーが住む架空の町。
物語の出発点として登場する。
どうぶつ島 りゅうの子が捕らわれていた島。
動物たちが住み
りゅうが奴隷のように使われていた場所。
みかん島 どうぶつ島の隣にある島。
果物のみかんが豊富に実る休息地点。
カナリヤ島 カナリヤがたくさん住む島。
エルマーがフルートと再会し
カン十一世と出会う舞台。
知りたがり病 カナリヤ島で流行している状態。
宝物の中身を知りたがってやまない病気のようなもの。

これらの舞台設定を把握すれば、物語の流れがより分かりやすくなりますね。

『エルマーとりゅう』を読んだ感想

正直に言うと、『エルマーとりゅう』は前作『エルマーのぼうけん』と比べて冒険要素がやや控えめで、最初はちょっと物足りないかなと思いました。

でも読み進めていくうちに、この作品の持つ別の魅力に気づいたんですよ。

特にカナリヤ島での出来事は本当に心温まるエピソードでした。

エルマーが昔飼っていたカナリヤのフルートと再会するシーンでは、思わずほっこりしちゃいましたね。

動物たちとの絆の深さや、過去のつながりが現在に活かされる展開は、大人の私が読んでも感動的でした。

カナリヤの王様カン十一世のキャラクターも実に魅力的です。

代々語り継がれた宝箱の秘密に悩まされ、知りたがり病にかかってしまう設定は、人間の好奇心や欲望を上手く描いていると思います。

宝箱の中身が明らかになるシーンでは、期待していたものとは違う結果に王様が一瞬がっかりするものの、すぐに前向きに捉え直す姿勢が素晴らしかったです。

この作品で私が一番感動したのは、エルマーの優しさと思いやりの深さです。

困っている動物たちを見過ごせない彼の性格は、現代の子どもたちにもぜひ見習ってほしい美徳だと感じました。

りゅうとの友情も前作から継続して描かれており、お互いを思いやる気持ちが伝わってきます。

文章も非常に読みやすく、小さな子どもでも理解できる平易な表現で書かれているのも好印象でした。

ただし、128ページという分量は小さなお子さんには少し多いかもしれませんね。

読み聞かせなら何日かに分けて楽しむのがおすすめです。

物語の構成も巧妙で、前作からの流れを自然に受け継ぎながら、新しい冒険と発見を提供してくれます。

特に宝箱の謎解き要素は、読者の好奇心を最後まで引っ張る良い仕掛けになっていました。

全体的に見ると、派手な冒険はないものの、友情や思いやり、家族愛といった普遍的なテーマがしっかりと描かれた心温まる作品だと思います。

※『エルマーとりゅう』の読書感想文の書き方と例文はこちらにまとめています。

『エルマーとりゅう』読書感想文の書き方と例文
『エルマーとりゅう』の読書感想文の書き方を小学生向けに解説。書き出しから題名まで、コピペではないオリジナルの例文とテンプレートで感想文作成をサポートします。

『エルマーとりゅう』の作品情報

『エルマーとりゅう』の基本的な作品情報をまとめておきますね。

項目 内容
作者 ルース・スタイルス・ガネット(作)
ルース・クリスマン・ガネット(絵)
渡辺茂男(訳)
出版年 1964年8月15日(日本語版初版)
出版社 福音館書店
受賞歴 「エルマーのぼうけん」はニューベリー賞受賞
ジャンル 幼年童話、児童文学、冒険物語
主な舞台 架空の島々、かれき町
時代背景 現代的な設定
主なテーマ 友情、冒険、思いやり、協力
物語の特徴 シリーズ続編、温かい人間関係
対象年齢 読み聞かせなら5〜6歳から
自分で読むなら小学校低学年から
青空文庫収録 収録なし

2023年には日本語版刊行60周年を迎え、限定版も発売されるなど長く愛され続けている名作です。

『エルマーとりゅう』の主要な登場人物とその簡単な説明

『エルマーとりゅう』を彩る魅力的なキャラクターたちを紹介しましょう。

人物名 紹介
エルマー・エレベーター 物語の主人公。
勇気と知恵にあふれる9歳の少年。
空を飛ぶことに憧れており、優しい性格の持ち主。
りゅう(本名:ボリス) そらいろこうげんに住む竜の子供。
水色と黄色の太い横縞模様で温厚な性格。
エルマーとともに冒険する相棒。
カナリヤのフルート 以前エルマーに助けられた小鳥。
カナリア島で再会し、物語の重要な案内役となる。
カナリヤの王カン十一世 カナリヤ島を治める王様。
宝箱の秘密に悩まされ知りたがり病にかかっている。

これらのキャラクターが織りなすストーリーは、読者の心を温かくしてくれますよ。

『エルマーとりゅう』の読了時間の目安

『エルマーとりゅう』は実際に読むのにどのくらい時間がかかるか、目安を計算してみました。

項目 内容
ページ数 128ページ
推定文字数 約76,800文字
読了時間(大人) 約2時間30分
読了時間(小学生) 約4〜5時間
おすすめ読書期間 2〜3日に分けて

文字も大きく挿絵も豊富なので、小学生でも無理なく読み進められる分量です。

読み聞かせなら1日20〜30分程度で、1週間ほどかけてゆっくり楽しむのがおすすめですね。

『エルマーとりゅう』はどんな人向けの小説か?

『エルマーとりゅう』がどんな読者におすすめか、具体的に考えてみましょう。

以下のような方には特におすすめできます。

  • 冒険物語が好きな子どもや、親子で読書を楽しみたい家庭
  • 友情や思いやりをテーマにした心温まる物語を求めている人
  • シリーズ物の続編として、前作から継続して楽しみたい読者

一方で、スリルやサスペンス要素を期待している読者には少し物足りなく感じられるかもしれません。

前作と比べて冒険要素が控えめなので、ハラハラドキドキを求める人は注意が必要ですね。

でも、じっくりと人間関係や友情を味わいたい人には本当におすすめの作品です。

あの本が好きなら『エルマーとりゅう』も好きかも?似ている小説3選

『エルマーとりゅう』と似た魅力を持つ作品を3つご紹介しますね。

冒険と友情をテーマにした児童文学がお好きな方は、きっと気に入ると思います。

『トムソーヤの冒険』マーク・トウェイン

ミシシッピー川を舞台に少年トムと親友ハックの冒険を描いた古典的名作です。

友情や成長をテーマにしたストーリー展開が『エルマーとりゅう』と共通しており、少年の純粋な心と冒険心が魅力的に描かれています。

エルマーとりゅうの友情に感動した方なら、トムとハックの絆にも心を打たれることでしょう。

『二分間の冒険』岡田淳

日本の児童文学作家による現代的な冒険小説で、異世界に迷い込んだ少年が竜を倒す冒険を通じて成長していく物語です。

協力や友情を学ぶテーマが『エルマーとりゅう』と重なり、現代的な感覚で書かれているので読みやすさも共通しています。

竜が登場する点でも親近感を感じられる作品ですね。

『二分間の冒険』あらすじを簡単に【ネタバレなし】岡田淳著
『二分間の冒険』のあらすじを簡単に短く、そして詳しくご紹介。岡田淳による名作児童文学の魅力を、登場人物紹介や感想と共に解説します。読書感想文を書く学生さん必見の内容です。

『龍の子太郎』松谷みよ子

日本の民話をベースにした竜を主人公とした冒険物語で、壮大なスケールと親しみやすいストーリーが特徴です。

竜との友情や冒険というテーマが『エルマーとりゅう』と共通しており、日本的な情緒も感じられる名作となっています。

子どもの想像力をかき立てる要素も豊富で、エルマーシリーズのファンにはおすすめです。

振り返り

『エルマーとりゅう』は前作に比べて冒険要素は控えめながら、友情や思いやりといった普遍的なテーマを丁寧に描いた心温まる作品でした。

カナリヤ島での出来事を中心とした物語は、派手さはないものの読者の心に深く響く内容となっています。

小学生の読書感想文にも適した作品で、文章も読みやすく構成されているので、親子で楽しむ読書にもぴったりですね。

エルマーの優しさやりゅうとの友情に触れることで、子どもたちにも大切なことを学んでもらえる名作だと思います。

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