『犬と私の10の約束』本のあらすじを簡単に短く、そして詳しく紹介していきますね。
この作品は川口晴さんによる作者不詳の短編詩「犬の10戒」をモチーフにした小説で、一人の少女と一匹の犬の12年間にわたる深い絆を描いた物語です。
物語の舞台は北海道函館市。
犬を飼う時に交わすべき「10の約束」をテーマに、命の尊さや家族の絆、責任の重さを温かく描いた作品として多くの読者に愛されています。
この記事では、年間100冊以上の本を読む私があらすじから登場人物、読了時間の目安まで網羅的にまとめていますので、きっと皆さんのお役に立てるはずです。
川口晴『犬と私の10の約束』の本のあらすじを短く簡単に(ネタバレなし)
川口晴『犬と私の10の約束』の本のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
小説『犬と私の10の約束』のあらすじを理解するための用語解説
『犬と私の10の約束』を理解する上で重要な用語を以下の表にまとめました。
これらの言葉を知っておくと、より深く作品を楽しめますよ。
用語 | 説明 |
---|---|
犬の10戒 | 作者不詳の短編詩で、 この物語の土台となっている。 犬が人間に望む「10のお願い」が 犬の視点から書かれている。 |
10の約束 | 「犬の10戒」を指す この物語の核心となるキーワード。 あかりがソックスと交わした約束であり、 物語全体を貫くテーマ。 |
函館 | 物語の舞台となる北海道の都市。 美しい自然に囲まれた場所で、 あかりの人生の基盤を形成する。 |
これらの用語を頭に入れておくと、物語の流れがより理解しやすくなりますね。
『犬と私の10の約束』を読んだ私の感想
正直なところ、『犬と私の10の約束』を最初に手に取ったときは、「よくある感動的な犬の話だろうな」と、ちょっと甘く見ていました。
でも、読み進めていくうちに、その考えは完全にひっくり返されましたね。
一番心に刺さったのは、やっぱり「10の約束」の重みです。「私にはあなたしかいません」というフレーズを読んだ瞬間、もう胸がギュッとなってしまって。
私たち人間は、家族や友達、たくさんの人間関係があるけれど、犬にとって飼い主は文字通り「すべて」なんだって、改めて突きつけられました。ペットを飼うって、本当にすごい責任なんだなって痛感しました。
物語の構成もすごく上手いんですよね。主人公のあかりが成長していく中で、どうしてもソックスとの約束を忘れがちになってしまう描写が、めちゃくちゃリアルで。「ああ、わかるなあ」って、共感しまくりでした。
中学生の頃は毎日遊んでいても、高校で恋愛に夢中になったり、受験で忙しくなったりすると、ついついソックスとの時間が後回しになってしまう。これって、多くの人が経験することじゃないかなと思います。
特に印象に残っているのは、あかりが獣医を目指すきっかけです。お母さんの病気や、ソックスとの出会いが彼女の人生を決めていく様子が、すごく自然に描かれていて。命を扱う仕事を選ぶ動機が、単なる憧れじゃなくて、深い経験に根ざしているところにすごく説得力を感じました。
ただ、一つだけ気になったのは、お母さんの病気や死が、少し急展開で進んでしまったこと。もう少し丁寧に描かれていたら、その後のあかりとソックスの関係性も、もっと深く理解できたかな、なんて思ったりもしました。
でも、そんな小さな点を差し引いても、この作品が持つメッセージの力強さは圧倒的でした。とくに終盤、ソックスが年老いていく描写は、本当に涙なしには読めません。犬の寿命が人間よりずっと短いっていう現実を、優しくて切ない筆致で描いていて、何度も目頭が熱くなりました。
私自身も子どもの頃に犬を飼っていたので、終盤の展開は当時の愛犬のことを思い出して、本当に胸が苦しくなりました。
この本を読んで一番心に残ったのは、やっぱり「約束を守ることの大切さ」です。人間同士の約束でさえ難しいのに、言葉を交わせない動物との約束を守り続けるのは、もっと大変なことです。
でも、その約束にはお互いの愛情と信頼が詰まっているからこそ、守る価値があるんですよね。
『犬と私の10の約束』は、ただの動物小説じゃなくて、人生の教訓を与えてくれる、そんな作品だと思います。ペットを飼っている人はもちろん、家族との関係について考えたい人にも、心からおすすめしたい一冊ですね。
※『犬と私の10の約束』の読書感想文の例文と書き方はこちらで解説しています。

『犬と私の10の約束』の作品情報
『犬と私の10の約束』の基本的な作品情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | 川口晴(かわぐち さやか) |
出版年 | 2007年 |
出版社 | 文藝春秋 |
受賞歴 | 映画化(2008年公開) |
ジャンル | 感動小説・動物小説・家族小説 |
主な舞台 | 北海道函館市 |
時代背景 | 現代 |
主なテーマ | 命の尊さ・家族の絆・責任・成長 |
物語の特徴 | 犬と人間の12年間にわたる絆を描く |
対象年齢 | 小学中級以上から大人まで |
『犬と私の10の約束』の主要な登場人物と簡単な説明
『犬と私の10の約束』を理解する上で重要な登場人物たちをご紹介しますね。
それぞれのキャラクターが物語にどんな役割を果たしているかも含めて説明していきます。
人物名 | 紹介 |
---|---|
あかり | 物語の主人公で12歳の少女。 北海道函館市に住み、ソックスと深い絆を築く。 後に獣医学部に進学し獣医師の道を歩む。 |
ソックス | あかりが飼うゴールデンレトリバーの子犬。 右前足だけが白く 靴下をはいているように見えることから この名前がついた。 あかりの心の支えとなる大切な存在。 |
芙美子(あかりの母) | あかりの母親で、 犬と「10の約束」をあかりに教える人物。 病気で急死してしまうが、 物語の重要なキーパーソン。 |
祐市(あかりの父) | 大学病院に勤務する医師。 仕事で忙しいが娘を思う気持ちは強い。 |
星進 | あかりが病院へ母のお見舞いに行く 途中で出会うギターの上手な男子。 あかりの心の支えの一人となる。 |
これらの登場人物の関係性を理解すると、物語の流れがより深く味わえますよ。
『犬と私の10の約束』の読了時間の目安
読書感想文を書く予定の皆さんにとって、読了時間は重要な情報ですよね。
以下の表で詳しく説明していきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
ページ数 | 192ページ(文春文庫) |
推定文字数 | 約115,200文字 |
読了時間 | 約3時間50分 |
1日の読了目安 | 1〜2日で読了可能 |
『犬と私の10の約束』は比較的短い作品で、集中して読めば一日で読み切ることができます。
文体もやさしく読みやすいので、普段あまり本を読まない方でも無理なく楽しめるでしょう。
『犬と私の10の約束』はどんな人向けの小説か?
この小説がどんな読者におすすめなのか、私の見解をお伝えしますね。
特におすすめしたいのは以下のような方々です。
- ペットを飼っている人や飼いたいと考えている人
- 家族との絆や命の尊さについて考えたい人
- 心温まる感動ストーリーを求めている人
『犬と私の10の約束』は、犬を飼っている方には特に強く響く作品だと思います。
日常的にペットと接している人なら、ソックスとあかりの関係性にきっと共感できるはずです。
また、家族の大切さや命の有限性について深く考えさせてくれる作品でもあるので、人生について真剣に向き合いたい人にもぴったりですね。
ただし、動物の死を扱った場面があるため、そうした描写が苦手な方にはおすすめしにくいかもしれません。
あの本が好きなら『犬と私の10の約束』も好きかも?似ている小説3選
『犬と私の10の約束』と似たテーマを扱った作品を3つご紹介しますね。
同じように動物と人間の絆や命の尊さを描いた作品なので、この小説が気に入った方にはきっと楽しんでもらえると思います。
村上たかし『星守る犬』
『星守る犬』は、失業した男性が愛犬ハッピーと車で旅をする物語です。
人間社会から取り残された男性に寄り添い続ける犬の姿が、『犬と私の10の約束』と同じように切なくも温かく描かれています。
犬と飼い主の深い絆という点で、両作品は共通したテーマを持っていますね。
馳星周『少年と犬』
直木賞を受賞した『少年と犬』は、震災で飼い主を失った犬・多聞が少年を探して旅をする物語。
旅の途中で様々な人々と出会い、彼らの心を癒していく展開は、『犬と私の10の約束』が持つ癒しの要素と共通しています。
犬の視点から描かれる人間への愛情は、両作品に通じる感動ポイントです。

テリー・ケイ『白い犬とワルツを』
妻を亡くした老人の前に現れる不思議な白い犬との交流を描いた作品。
『犬と私の10の約束』と同様に、大切な人との別れや新しい出会いが温かい筆致で描かれており、読み終えた後に清々しい感動が残ります。
人生の節目に現れる犬という設定が、両作品の魅力的な共通点ですね。
振り返り
『犬と私の10の約束』は、一人の少女と一匹の犬の12年間にわたる物語を通して、命の尊さや家族の絆、約束を守ることの大切さを教えてくれる感動作でした。
川口晴さんの優しい文体で描かれる北海道函館市を舞台とした物語は、読者の心に深く響く普遍的なメッセージを持っています。
あらすじから登場人物、読了時間まで詳しくご紹介してきましたが、この記事が皆さんの読書感想文作成のお役に立てれば嬉しいです。
年間100冊以上読む私の視点から見ても、この作品は多くの人に愛される理由がよくわかる素晴らしい小説だと感じました。
ぜひ実際に手に取って、ソックスとあかりの心温まる物語を体験してみてくださいね。
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