『アップステージ』の読書感想文を書く予定の皆さん、お疲れさまです。
ダイアナ・ハーモン・アシャー作の『アップステージ シャイなわたしが舞台に立つまで』は、恥ずかしがりで目立つのが苦手な中学1年生シーラが、学校のミュージカル『ザ・ミュージック・マン』のキャストに選ばれ、戸惑いながらも成長していく青春物語ですね。
この作品は2022年に日本語版が出版され、第69回青少年読書感想文全国コンクール中学生の部の課題図書にも選ばれた注目の一冊です。
今回は読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が小学生・中学生の皆さんに向けて、この作品の読書感想文の書き方や例文、題名の付け方、書き出しのコツまで詳しく解説していきますよ。
コピペではなく、皆さん自身の言葉で心に響く感想文が書けるよう、テンプレートも用意してしっかりとサポートしていきますので、安心してお付き合いください。
『アップステージ』の読書感想文で書くべき3つのポイント
『アップステージ』の読書感想文を書くとき、どこに注目して、何を書けばいいか迷ってしまいますよね。
この作品には感想文で触れるべき重要なポイントが3つあります。
まずはこの3つのポイントを箇条書きで確認してみましょう。
- 主人公シーラの成長と内気な性格の克服
- 舞台表現と「なりきる」ことの意味
- 仲間や家族の支えの大切さ
これらのポイントについて、皆さんが「どう感じたか」をメモしながら読み返すことが大切です。
なぜなら読書感想文は、物語のあらすじを書くのではなく、皆さん自身の心の動きや考えを表現する文章だからですよ。
メモの取り方は簡単です。
各ポイントについて「共感したこと」「驚いたこと」「自分の体験と似ていること」を付箋やノートに書き出してみてください。
そして「なぜそう感じたのか」まで考えてメモしておくと、感想文を書くときにとても役立ちます。
では、3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
主人公シーラの成長と内気な性格の克服
シーラは物語の最初から最後まで大きく変化するキャラクターです。
最初のシーラはシャイで目立つことが大きらいな女の子でしたね。
しかし親友のキャシーに勧められてミュージカルのオーディションを受け、バーバーショップ・カルテットの一人に選ばれます。
この役は男性のおじさん役で、女性には恥ずかしい役どころでした。
それでもシーラは練習を重ね、さらに主役マリアンの代役まで引き受けることになります。
緊張のせいで歌えなくなったり失敗したりしながらも、最終的には舞台で輝く姿を見せてくれました。
皆さんもシーラのように、苦手なことや怖いことに挑戦した経験はありませんか。
人前で発表するのが苦手だったり、新しい環境に飛び込むのが怖かったり、きっと似たような気持ちを味わったことがあるでしょう。
シーラの成長過程で、皆さん自身と重なる部分があったかどうか、どんな風に感じたかをメモしてみてください。
「挑戦することで得られるもの」について、皆さんなりの考えも書けると感想文の内容が深まりますよ。
舞台表現と「なりきる」ことの意味
『アップステージ』では、舞台で演じることの楽しさや意味が丁寧に描かれています。
シーラは男性のおじさん役になりきることで、普段の自分とは違う表現ができるようになりました。
「なりきる」ことは、ただ演技するだけではありません。
違う役を演じることで、自分の中に眠っていた新しい一面を発見したり、表現する喜びを感じたりできるのです。
皆さんも学芸会や文化祭、部活動などで、いつもと違う自分を表現した経験があるかもしれませんね。
その時どんな気持ちだったでしょうか。
緊張したけれど楽しかったとか、意外な自分を発見できたとか、そんな体験はありませんか。
また、日常生活でも私たちは無意識に様々な「役割」を演じています。
家では子供として、学校では生徒として、友達の前では親友として。
シーラが舞台で役になりきったことと、皆さんが日常で様々な役割を果たしていることに、何か共通点を感じるかもしれません。
「表現すること」「なりきること」の価値について、皆さん自身の体験と照らし合わせて考えてみてください。
仲間や家族の支えの大切さ
シーラが最後まで頑張れたのは、一人の力だけではありませんでした。
親友のキャシーがオーディションを勧めてくれたり、練習中に励ましてくれたりしました。
家族も温かく見守ってくれて、シーラの挑戦を支えてくれましたね。
一方で、意地悪な同級生からの嫌がらせもありました。
それでもシーラは仲間たちと協力し合いながら、困難を乗り越えていきます。
ミュージカルの練習を通じて、チームワークの大切さも学んでいきました。
皆さんも何かに挑戦するとき、周りの人たちの支えを感じた経験があるのではないでしょうか。
家族や友達、先生たちが励ましてくれたおかげで頑張れたこと、きっとたくさんあると思います。
逆に、誰かを支えてあげた経験もあるでしょう。
シーラと仲間たちの関係を見て、「支え合うこと」の意味について何を感じましたか。
一人では乗り越えられないことも、みんなで力を合わせれば乗り越えられるという経験は、皆さんにもあると思います。
そんな体験と『アップステージ』のエピソードを重ね合わせて、人と人とのつながりの大切さについて書けると、とても印象深い感想文になりますよ。
『アップステージ』の読書感想文のテンプレート
『アップステージ』の読書感想文が簡単に書けるテンプレートを用意しました。
以下のステップに従って空欄を埋めていくと、苦手な人でも自然に感想文が完成しますよ。
- 書き出し(作品との出会い)
- 主人公シーラの成長について
- 舞台表現・なりきることについて
- 仲間や家族の支えについて
- まとめ(この本から学んだこと)
私は『アップステージ』を読んで、____(感じたこと)____を強く感じた。
主人公のシーラは____(シーラの特徴)____な女の子で、私は____(共感した点)____に共感した。
シーラが最も大きく変化したのは____(変化のポイント)____の部分だと思う。
私も____(自分の体験)____という経験があるので、シーラの気持ちが____(どう理解できたか)____。
シーラが舞台で演じることで____(得たもの)____を得たように、私も____(自分の表現体験)____をしたとき、____(感じたこと)____を感じた。
シーラを支えた____(人物名)____の存在は、____(どんな意味を持ったか)____だった。
私の周りにも____(支えてくれる人)____がいて、____(具体的なエピソード)____。
『アップステージ』を読んで、私は____(学んだこと)____を学んだ。
これからは____(今後の決意・目標)____していきたいと思う。
このテンプレートを使えば、皆さんの実体験と『アップステージ』の内容を自然につなげられますよ。
『アップステージ』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】シーラと一緒に成長した夏
私は『アップステージ』を読んで、勇気を出すことの大切さを教えてもらった。
主人公のシーラはとてもシャイで、人前に出るのが大きらいな女の子だ。
私もシーラと同じように、みんなの前で発表するときはいつもドキドキして、声が小さくなってしまう。
だからシーラの気持ちがすごくよく分かった。
シーラが学校のミュージカル「ザ・ミュージック・マン」のオーディションを受けることになったとき、私もシーラと一緒にハラハラした。
オーディションの結果、シーラは男性のおじさん役に選ばれてしまった。
女の子なのに男の人の役をやるなんて、とても恥ずかしいことだと思う。
でもシーラは最初は戸惑ったけれど、一生懸命練習を続けた。
私だったらきっと「やりたくない」と言って逃げてしまったかもしれない。
シーラはえらいと思った。
物語の中でシーラが一番すごいと思ったのは、主役のマリアン役の代役も引き受けたことだ。
緊張して歌えなくなったり、失敗したりすることもあったけれど、シーラはあきらめなかった。
練習を重ねるうちに、だんだん舞台に立つことが楽しくなっていく様子を読んでいて、私も嬉しくなった。
シーラを支えてくれた人たちもとても優しかった。
親友のキャシーがシーラの背中を押してくれたり、家族がいつも応援してくれたりした。
私にも困ったときに助けてくれる友達や家族がいる。
この本を読んで、周りの人たちの支えがとても大切だということを改めて感じた。
シーラが最後に舞台で堂々と演じている場面を読んだとき、私も拍手をしたくなった。
シャイだったシーラが、こんなに成長できるなんてすばらしいことだ。
私もシーラのように、怖いことや苦手なことでも挑戦してみようと思った。
来月の学芸会で、私はナレーターをやることになっている。
大勢の人の前で話すのはとても緊張するけれど、シーラのことを思い出して頑張りたい。
『アップステージ』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)
【題名】舞台の向こうに見えた本当の自分
『アップステージ』を読み終えて、私は主人公シーラの勇気ある成長に深く心を打たれた。
シャイで目立つことが苦手なシーラが、学校のミュージカルを通じて自分自身と向き合い、大きく変化していく姿は、読んでいる私自身の心にも大きな変化をもたらした。
シーラが最初に直面した困難は、自分の内気な性格と人前に出ることへの恐怖だった。オーディションでバーバーショップ・カルテットの一人、つまり男性のおじさん役に選ばれたとき、シーラの戸惑いは計り知れなかっただろう。普通なら断ってしまいそうな状況だが、シーラは挑戦することを選んだ。この決断こそが、シーラの成長の始まりだったのだと思う。
私も中学1年生になったとき、新しい環境に慣れるのに苦労した。クラスでの自己紹介でさえ緊張で声が震えてしまった経験がある。だからシーラがオーディションで緊張している様子や、練習中に失敗する場面を読むと、まるで自分のことのように感じられた。
特に印象的だったのは、シーラが舞台で「なりきる」ことの意味を発見していく過程だった。最初は恥ずかしがっていた男性役も、練習を重ねるうちに楽しめるようになっていく。さらにヒロインのマリアン役の代役も務めることになり、シーラは全く違う二つの役を演じなければならなくなった。この経験を通じて、シーラは「表現すること」の喜びを知ったのだと思う。
私たちは日常生活の中でも、実は様々な役割を演じている。家では両親の娘として、学校では中学生として。シーラが舞台で役になりきったように、私たちも状況に応じて異なる自分を表現している。この本を読んで、「表現」や「なりきり」が自分を成長させる大切な要素だと気づかされた。
また、シーラを支えた人々の存在も忘れてはならない。親友のキャシーがオーディションを勧めてくれなければ、シーラは舞台に立つことはなかっただろう。練習中の困難や嫌がらせに直面したときも、仲間や家族の支えがあったからこそ最後まで頑張れた。人は一人では成長できない。周りとの関わりの中で支え合いながら前に進んでいくものだと、この物語は教えてくれた。
私自身も今まで、家族や友人、先生方に支えられて困難を乗り越えてきた。小学校の卒業式で代表として挨拶をしたとき、緊張で倒れそうになったが、クラスメイトの温かい笑顔に励まされ最後まで話すことができた。その経験と、シーラが舞台で仲間に支えられながら演じる姿が重なって見えた。
『アップステージ』というタイトルには、主役を食ってしまうほど魅力的な脇役という意味があるそうだ。しかし私には、シーラこそ真の主役だったように思える。内気だった彼女が最終的には舞台で輝く存在になったのだから。
この本を読んで、私は自分の殻に閉じこもってはいけないと感じた。苦手なことや怖いことでも、勇気を出して挑戦すれば新しい自分を発見できるはずだ。シーラのように周りの支えに感謝しながら、一歩ずつ前に進んでいきたい。舞台の向こうに見えた本当の自分を信じて、これからも様々なことに挑戦していこう。
振り返り
『アップステージ』の読書感想文の書き方について、詳しく解説してきました。
この記事で紹介した3つのポイント(シーラの成長、舞台表現の意味、支え合いの大切さ)を軸にして、皆さん自身の体験や考えを織り交ぜれば、きっと心に響く感想文が書けるはずです。
大切なのは、物語の内容をただまとめるのではなく、皆さんが「どう感じたか」「何を学んだか」を素直に表現することですよ。
テンプレートや例文も参考にしながら、ぜひ皆さんらしい感想文を完成させてください。
シーラが舞台で輝いたように、皆さんの感想文もきっと輝く作品になることでしょう。
頑張ってくださいね。
参考サイト:アップステージ | 株式会社評論社
※『アップステージ』のあらすじはこちらで簡単に短くまとめてご紹介しています。

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