『坊っちゃん』読書感想文【2000字~800字】小中高生の書き方例

『坊っちゃん』の読書感想文 感想

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『坊っちゃん』の読書感想文を書く予定の皆さん、こんにちは。

夏目漱石の代表作『坊っちゃん』は、明治時代を舞台にした痛快な中編小説ですね。

物理学校を卒業したばかりの江戸っ子気質の青年教師が、四国の中学校で繰り広げる奮闘記は、現代でも多くの読者に愛され続けています。

『坊っちゃん』は登場人物の描写が滑稽で、わんぱく坊主のいたずらあり、悪口雑言あり、暴力沙汰ありと、他の漱石作品と比べて大衆的な作品です。

そのため小学生から高校生まで、幅広い年代の読書感想文課題として選ばれることが多いんですね。

この記事では、年間100冊以上の本を読む私が書き方のコツから具体的な例文まで、800字・1200字・2000字それぞれの文字数に対応した感想文をご紹介します。

書き出しで悩むことなく、コピペではない自分だけの感想文を完成させるお手伝いをしていきますよ。

題名の付け方についても触れながら、中学生・高校生それぞれのレベルに合わせた内容で進めていきましょう。

『坊っちゃん』の読書感想文で触れたい3つの要点

坊っちゃん』の読書感想文を書く際に、必ず押さえておきたい要点が3つあります。

これらの要点について「自分はどう感じたか」をメモしておくと、オリジナリティのある感想文が書けますよ。

感想文で最も大切なのは、あなた自身の率直な感想や考えを表現することです。

  • 主人公坊っちゃんの正義感と無鉄砲な性格
  • 地方の学校での教師生活と人間関係の描写
  • 時代背景と社会批判を通じて描かれる人間ドラマ

メモを取る際は、読みながら「なぜそう思ったのか」「自分だったらどうするか」という視点を大切にしてください。

例えば「坊っちゃんの行動に共感した」だけでなく、「なぜ共感したのか」「現実でも同じように行動できるか」まで考えてみましょう。

このような深掘りした思考こそが、読書感想文を書く上での核になるんですね。

主人公坊っちゃんの正義感と無鉄砲な性格

坊っちゃんは「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」と自己紹介する、実に魅力的な主人公です。

嘘や不正を何よりも嫌い、思ったことをストレートに表現する彼の性格は、現代の私達にも強いインパクトを与えますね。

彼が松山の中学校で出会う教頭の「赤シャツ」や美術教師の「野だいこ」といった陰湿な大人達との対立は、物語の大きな見どころです。

坊っちゃんの純粋すぎる正義感が、時として周囲とのトラブルを生むことも描かれています。

しかし、その真っ直ぐな生き方は読者に清々しさと痛快感を与えてくれるでしょう。

あなたは坊っちゃんの行動をどう感じましたか。

現実の学校や職場で、彼のように行動できると思いますか。

そんな疑問を感想文に盛り込むと、とても興味深い内容になりますよ。

地方の学校での教師生活と人間関係の描写

坊っちゃんが赴任した四国の中学校での人間関係は、この作品の重要な要素です。

数学主任の「山嵐」、英語教師の「うらなり」、そして美しい「マドンナ」など、個性豊かな登場人物達が織りなすドラマが展開されます。

特に、赤シャツがうらなりの婚約者であるマドンナを横取りする陰謀は、坊っちゃんの義憤を買う重要な出来事ですね。

教員同士の派閥争いや、生徒達からの嫌がらせなど、学校という狭い社会の中での人間関係の複雑さが丁寧に描かれています。

坊っちゃんと山嵐が過去の諍いを水に流して意気投合し、共に悪と戦う展開は実に痛快です。

あなたの学校生活と比較して、どんな共通点や違いを感じましたか。

現代の学校でも同じような人間関係の問題はあるでしょうか。

そういった現代との対比を書くと、とても説得力のある感想文になります。

時代背景と社会批判を通じて描かれる人間ドラマ

『坊っちゃん』は明治時代という急激な社会変化の時代を背景にしています。

江戸っ子気質の坊っちゃんが地方の因習的な社会と衝突する様子は、時代の変化を象徴的に表現していますね。

また、教育現場での偽善や権力争いを通じて、明治社会の矛盾を鋭く批判している作品でもあります。

坊っちゃんの下女である清との関係は、身分制度が残る社会での人間的な温かさを描いた重要な要素です。

清だけが坊っちゃんの真っ直ぐな性格を理解し、愛情を注いでくれる存在として描かれています。

最終的に坊っちゃんが教師を辞職して東京に帰り、清と暮らすという結末は、彼なりの人生の選択を表していますね。

この時代背景について、あなたはどんな印象を持ちましたか。

現代社会との共通点や違いについて考えてみてください。

そういった歴史的視点を感想文に加えると、深みのある内容になりますよ。

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『坊っちゃん』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)

【題名】坊っちゃんから学んだ正しいことの大切さ

坊っちゃんは東京から愛媛県の松山という所の中学校に数学の先生として働きに行った。

彼は「親譲りの無鉄砲」と自分で言うほど、思ったことをすぐに行動に移す性格だった。

私が一番印象に残ったのは、坊っちゃんが嘘や不正を絶対に許さない強い正義感を持っていることだ。

学校には「赤シャツ」と呼ばれる教頭先生がいた。

この人は表面上は優しく見えるが、実際はとてもずるくて意地悪な人だった。

赤シャツは同僚の「うらなり」先生の恋人を横取りしようとしたり、坊っちゃんをいじめたりした。

でも坊っちゃんは絶対に負けなかった。

「野だいこ」という美術の先生も赤シャツの仲間で、いつも坊っちゃんを困らせようとしていた。

私だったら、こんな意地悪な大人達に囲まれたらきっと泣いてしまうと思う。

でも坊っちゃんは違った。

最後には「山嵐」という数学の主任の先生と力を合わせて、赤シャツと野だいこを懲らしめた。

二人が芸者遊びをしているところを見つけて、直接文句を言いに行ったのだ。

これはとても勇気のいることだと思った。

私も学校でいじめを見たことがあるが、怖くて何も言えなかった。

でも坊っちゃんの行動を見て、正しいと思うことは勇気を出して言わなければいけないと思った。

坊っちゃんには清という優しいおばあさんがいた。

清は坊っちゃんの家で働いていた人で、家族から嫌われていた坊っちゃんを本当の息子のように可愛がってくれた。

坊っちゃんが松山から東京に帰ってくると、清はとても喜び、二人は一緒に暮らすことになった。

この場面を読んで、私はとても温かい気持ちになった。

『坊っちゃん』を読んで、私は三つのことを学んだ。

一つ目は、正しいことは正しいとはっきり言う勇気を持つことの大切さだ。

二つ目は、困っている人がいたら助けてあげることの大切さだ。

三つ目は、自分を本当に愛してくれる人を大切にすることだ。

坊っちゃんは確かに無鉄砲で失敗もたくさんした。

でも、最後まで戦い抜いた姿はとてもかっこよかった。

私も坊っちゃんのように、正しいと思うことを恐れずに行動できる人になりたいと思った。

『坊っちゃん』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)

【題名】無鉄砲な正義感が教えてくれたもの

夏目漱石の『坊っちゃん』を読み、私は人間の善悪について深く考えさせられた。この作品は明治時代が舞台だが、描かれる人間関係や社会の問題は現代にも通じる普遍性を持つ。

主人公の坊っちゃんは「親譲りの無鉄砲」な青年教師だ。物理学校卒業後、四国の松山にある中学校へ数学教師として赴任することから物語は始まる。坊っちゃんの最も印象的な特徴は、嘘や不正を決して許さない強烈な正義感だ。彼は思ったことを率直に表現し、目上の相手にも間違っていることには堂々と反論する。この性格は現代から見れば時に危険で無謀だが、その純粋さと正直さには強く心を打たれた。

学校での人間関係も興味深い。教頭の「赤シャツ」は物腰柔らかく知的に見えるが、実際はずる賢い。美術教師の「野だいこ」は赤シャツの腰巾着として、おべっかを使い、陰で悪口を言う卑怯な性格だ。一方、数学主任の「山嵐」は、最初は坊っちゃんと対立するが、彼の真っ直ぐな人柄を理解し、共に悪と戦う心強い味方となる。英語教師の「うらなり」は気弱だが、根は善良な人物として描かれる。

私が最も感動したのは、坊っちゃんと山嵐が過去の対立を水に流し、正義のために立ち上がる場面だ。赤シャツがうらなりの婚約者「マドンナ」を横取りしようとする陰謀を知った二人は、正面から戦いを挑む。特に、外食禁止としながら自身は芸者と密会していた赤シャツと野だいこを直接懲らしめる場面は実に痛快だった。この行動は暴力的かもしれないが、正当な手段で解決できない不正に対し、立ち上がった二人の勇気には感服した。現代社会の学校でも、いじめや不正が隠蔽されることがある。そんな時、坊っちゃんのように勇気を持って立ち向かうことの大切さを痛感する。

もう一つ印象深かったのは、坊っちゃんと下女の清の関係だ。家族から疎まれていた坊っちゃんを、清だけが本当の息子のように愛した。清の無償の愛情は、坊っちゃんの人格形成に大きな影響を与えただろう。最終的に教師を辞職し東京に戻り、清と暮らす選択をしたのも、彼なりの幸せの形だったのだろう。清の存在は、すさんだ世の中でも純粋な愛情を持つ人がいることを教えてくれる。

『坊っちゃん』を読んで、私は正義とは何かについて改めて考えた。坊っちゃんの行動は時に極端で、現実的ではないかもしれない。しかし、自分の信念を曲げずに生きることの大切さ、不正に対して声を上げる勇気の必要性を強く感じた。現代社会でも、権力者が不正を働いたり、弱い者がいじめられたりすることがある。そんな時、私たちは傍観者になってはいけない。坊っちゃんのような無鉄砲さは不要だが、正しいことは正しいと言える勇気を持ちたいと思った。自分を本当に愛してくれる人の存在がいかに大切かも実感した。

この作品は明治時代のものだが、人間の本質は今も変わらない。正義感、友情、愛情といった普遍的なテーマを通して、私たちの生き方について深く考えさせられる名作だと思う。

『坊っちゃん』の読書感想文の例文(2000字の高校生向け)

【題名】時代を超える正義感と人間の本質

夏目漱石の『坊っちゃん』は、明治時代を舞台にしながらも、現代の私たちに強いメッセージを送り続ける傑作だ。読み終えたいま、私は改めて正義とは何か、そして真の人間らしさとは何かについて深く考えさせられている。

主人公坊っちゃんの「親譲りの無鉄砲」という性格は、現代社会においては時に危険視されがちかもしれない。しかし、彼の持つ純粋な正義感と、嘘や偽善を決して許さない真っ直ぐな姿勢には、私たちが失いかけている大切なものが込められているように思える。物理学校卒業後、四国の松山にある中学校に数学教師として赴任する設定は、単なる職業選択以上の意味を持つ。江戸っ子気質の彼が地方の閉鎖的な社会に放り込まれることで、様々な人間関係の摩擦が生まれ、それが物語の推進力となる。学校という限定された空間での人間ドラマは、まさに社会の縮図といえるだろう。

教頭の「赤シャツ」は、この作品における最も印象的な悪役だ。帝国大学卒の学歴を持ちながら、その知性を他者を操る道具として使う彼の姿は、知識と人格が必ずしも比例しないことを示す。表面は物腰柔らかく理知的だが、実際は権謀術数に長けた陰湿な人物として描かれる赤シャツは、現代社会にも通じる典型的な偽善者像だ。私たち周囲にも、立場や権力を利用し利益を追求する人間は存在する。赤シャツのような人物に対する坊っちゃんの態度は実に示唆に富んでいる。

美術教師の「野だいこ」は赤シャツの腰巾着だが、彼の存在もまた現代的な意味を持つ。上司におべっかを使い、陰で同僚の悪口を言い、保身のためなら平気で他人を裏切る野だいこの行動は、現代でもしばしば見かけるものだ。卑怯で小心な彼の姿は、見せかけだけの人間の醜さを浮き彫りにしている。

一方、数学主任の「山嵐」は、坊っちゃんとは対照的な形で正義感を持つ人物として描かれている。会津出身で「叡山の悪僧」のような面構えを持つ彼は、最初は坊っちゃんと対立するが、やがて互いの真の人柄を理解し合い、強固な友情で結ばれる。山嵐の存在は、表面的な印象や初期の誤解を乗り越えて真の友情を築くことの可能性を示している。英語教師の「うらなり」もまた興味深い。気弱で消極的な性格ゆえに、愛する人を奪われても積極的に戦えない彼の姿は、現代社会でも見かける優柔不断な人間像を先取りしている。しかし、うらなりの善良さと誠実さは、坊っちゃんにとって理解し共感できるものだった。

この作品で最も心を打つのは、坊っちゃんと下女の清との関係である。身分の違いを超えて、清が坊っちゃんに注ぐ無償の愛情は、血縁を超えた真の家族愛を表している。家族から疎まれていた坊っちゃんにとって、清の存在がいかに大きな心の支えとなっていたかは、作品全体を通して丁寧に描かれている。清の「あなたは真っ直ぐで、よいご気性だ」という言葉は、坊っちゃんの人格を最も的確に表現した名言といえるだろう。坊っちゃんが最終的に教師を辞職し、東京に帰って清と暮らすという選択をしたことは、彼なりの人生に対する答えだったのではないだろうか。世間の常識や社会的成功よりも、自分の信念と愛する人との関係を優先した彼の選択には、現代社会を生きる私たちへの重要な示唆が含まれている。

物語のクライマックスである、坊っちゃんと山嵐が赤シャツと野だいこを懲らしめる場面は、確かに暴力的で問題のある解決方法かもしれない。しかし、正当な手段では解決できない不正に対して、最後の手段として立ち上がった二人の行動には、ある種の痛快さがある。現代社会では物理的な制裁は許されないが、不正に対して毅然とした態度で立ち向かうという精神的な意味では、見習うべき点があるだろう。

この作品を読んで、私は現代社会における正義の在り方について改めて考えさせられた。SNSの普及により、様々な不正や問題が可視化される現代においても、多くの人は傍観者の立場に留まりがちである。坊っちゃんのような直接的な行動は現実的ではないが、不正に対して声を上げる勇気、正しいことは正しいと主張する姿勢は、現代でも必要なものだと思う。また、人間関係における信頼の大切さも強く印象に残った。赤シャツや野だいこのような表面的な人間関係と、坊っちゃんと山嵐、そして坊っちゃんと清のような真の信頼関係との対比は、現代の私たちにも重要な教訓を与えてくれる。

『坊っちゃん』は古びた明治の小説ではない。人間の本質的な善悪、正義感の大切さ、真の友情や愛情の価値など、時代を超えて通用する普遍的なテーマを扱った作品である。坊っちゃんの無鉄砲さは確かに極端かもしれないが、その根底にある正義感と誠実さは、現代を生きる私たちが決して失ってはならない大切な資質だと思う。この作品を通して、私は自分自身の生き方についても深く考えることができた。困難な状況に直面した時、坊っちゃんのように自分の信念を貫く勇気を持ち続けたいと強く感じている。

振り返り

『坊っちゃん』の読書感想文について、書き方のコツから具体的な例文まで詳しく解説してきました。

小学生向けの800字から高校生向けの2000字まで、それぞれの学年レベルに合わせた感想文をご紹介しましたね。

大切なのは、坊っちゃんの正義感や人間関係、時代背景という3つの要点を軸にしながら、あなた自身の感想や体験を織り交ぜることです。

書き出しで悩む必要はありません。

まずは素直な感想から始めて、なぜそう感じたのかを掘り下げていけば、自然と説得力のある文章になりますよ。

コピペではない、あなただけのオリジナルな感想文を書くために、この記事の例文を参考にしながら、ぜひ自分の言葉で表現してみてください。

題名も含めて、きっと素晴らしい読書感想文が完成するはずです。

※『坊っちゃん』のあらすじはこちらでご紹介しています。

『坊っちゃん』のあらすじを簡単に短く&章ごとにくわしく!
『坊っちゃん』のあらすじを簡単に短く100~200文字で、また章ごとにくわしく解説します。東京育ちの主人公が田舎の中学校で巻き起こす騒動とは?正義感溢れる坊っちゃんの成長物語を、あらすじや登場人物紹介を通じてわかりやすく解説。読了時間の目安も!

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