『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文を書く予定の皆さん、こんにちは。
この作品は南アフリカの作家ジェニー・ロブソンが描く、バラクラバ帽(目出し帽)をかぶった転校生トミーをめぐる心温まる物語です。
2025年の第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書として小学校中学年の部に選ばれており、「ちがい」を受け入れることの大切さを優しく教えてくれます。
私は読書が趣味で年間100冊以上の本を読んでいますが、この『バラクラバ・ボーイ』は子どもたちの成長と友情を丁寧に描いた素晴らしい作品だと感じました。
今回は皆さんが読書感想文を書くときに役立つポイントを詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文を書く際には、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。
- 「ちがい」をどのように受け入れるかという成長のテーマ
- 友情とクラス全体の絆の深まり
- 先入観への気づきと新しい視点の発見
これらのポイントは物語の核心部分であり、感想文で触れることで深みのある内容になります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
「ちがい」をどのように受け入れるか?
主人公のドゥーガルやドゥミサニたちは、バラクラバ帽を脱がない転校生トミーを通して「人とのちがい」とどう向き合うかを学んでいきます。
最初はトミーの外見に驚き、なぜ帽子をかぶっているのか理由を知りたがっていました。
しかし物語が進むにつれて、見た目や行動の違いは悪いことではなく、それぞれの個性として大切にすべきものだと気づいていくのです。
読書感想文では、あなた自身が友だちや新しい人に対してどんな先入観を持ってしまうか振り返ってみましょう。
「自分だったらトミーにどう接するだろうか」「違う個性を持つ人をどう感じるか」など、自分の体験と重ね合わせて書くと説得力のある感想文になりますよ。
また、クラスの子どもたちがトミーの「ちがい」を最終的に受け入れていく過程は、現実の学校生活でもよくあることです。
あなたの周りにも「みんなとちがう」ところがある友だちがいるかもしれません。
そんな友だちとの関係を思い出しながら書くと、より深い内容になるでしょう。
友情とクラスの絆はどう深まったか?
トミーの存在によって、語り手のドゥーガルと親友のドゥミサニ(DDコンビ)をはじめ、クラス全体がバラバラだった状態から少しずつ絆を深めていきます。
「転校生の謎を解きたい」という好奇心から始まった物語は、やがて「友だちを思いやる気持ち」「仲間を受け入れる心」の成長物語へと変わっていくのです。
特に物語後半の「もうトミーは転校生じゃないよ。仲間だよ」という場面は、友情の大切さを強く印象づけます。
読書感想文では、あなた自身が友だちとの関係で経験した協力や助け合いのエピソードを思い出してみてください。
「困っている友だちを助けたとき」「新しい友だちができたとき」「クラスみんなで何かを成し遂げたとき」など、具体的な体験を交えて書くと読み手に伝わりやすくなります。
また、トミーのようにクラスに馴染むのに時間がかかる友だちに対して、どのように接することが大切かも考えてみましょう。
相手の気持ちを考えることの重要性について、あなたなりの言葉で表現してみてくださいね。
先入観と新しい視点の発見
クラスメイトたちは「なぜ帽子をかぶっているのか?」という疑問から様々な想像や噂を巡らせます。
しかし物語は「本人にしか分からないことがある」「外見にこだわるより、中身を見ることの大切さ」を静かに訴えているのです。
最初は見た目で判断していた子どもたちが、徐々にトミー自身の人柄や気持ちに目を向けるようになる変化は、とても印象的です。
読書感想文では「自分も誰かを見た目や第一印象だけで判断してしまうことはないか」振り返ってみましょう。
「最初は怖そうだと思った先生が実は優しかった」「静かだと思っていた友だちが面白い趣味を持っていた」など、自分の体験を思い出してみてください。
また「本当の友だちとはどんな存在だと思うか」についても考えてみましょう。
見た目や持ち物ではなく、その人の優しさや思いやりを大切にする友情について、あなたなりの考えを書いてみてくださいね。
トミーとクラスメイトたちの関係を通して、人を理解することの難しさと大切さの両方を学ぶことができるでしょう。
読書感想文を書くために『バラクラバ・ボーイ』を読んだらメモしておきたい3項目
『バラクラバ・ボーイ』を読みながら、以下の3つの項目について「自分がどう感じたか」をメモしておきましょう。
- トミーの行動や言動に対して感じたこと
- クラスメイトたちの変化に対して感じたこと
- 物語全体を通して心に残った場面と感想
読書感想文では「あなたがどう感じたか」が最も重要な部分です。
同じ本を読んでも、人によって感じることは違います。
だからこそ、あなただけの感想や気づきを大切にしてくださいね。
トミーに対してあなたが感じたこと
トミーは常にバラクラバ帽をかぶっており、理由を聞かれても「なぜなら」としか答えません。
この謎めいた転校生に対して、あなたはどんな気持ちを抱いたでしょうか。
「なぜ帽子を脱がないんだろう」という疑問を持ったかもしれませんし、「きっと何か事情があるんだろう」と思いやりの気持ちを感じたかもしれません。
トミーが上級生にからまれた場面では、どんな感情が湧いてきましたか。
「かわいそう」「助けてあげたい」「許せない」など、様々な感情があったはずです。
また、トミーが少しずつクラスに馴染んでいく様子を見て、ほっとした気持ちになったかもしれませんね。
これらの感情をメモしておくことで、読書感想文に「あなたらしさ」を盛り込むことができます。
「もし自分がトミーと同じ立場だったら」「トミーのようなクラスメイトがいたら」と想像することで、より深い感想を書くことができるでしょう。
クラスメイトたちの変化に対して感じたこと
ドゥーガルやドゥミサニをはじめとするクラスメイトたちは、物語を通して大きく成長していきます。
最初は好奇心だけでトミーの正体を知りたがっていた彼らが、やがて相手の気持ちを考えるようになる変化をどう感じましたか。
「子どもらしくて微笑ましい」と思ったかもしれませんし、「自分も同じような経験がある」と共感したかもしれません。
また、優等生のチェリーズが「個人的なことに首を突っ込むべきじゃない」と言う場面については、どう思いましたか。
「正しいことを言っている」と感じたか、それとも「もう少し優しく言えばいいのに」と思ったか、あなたなりの感想があるはずです。
クラス全体がトミーを受け入れていく過程で、特に印象に残った場面はありましたか。
「みんなで協力する姿が素敵だった」「友情っていいなと思った」など、温かい気持ちになった瞬間をメモしておきましょう。
心に残った場面と感想
物語全体を通して、特に心に残った場面やセリフはありましたか。
感動した場面、驚いた場面、考えさせられた場面など、様々な感情が動いた瞬間があったはずです。
例えば
トミーはもう転入生じゃないだろ?もうとっくにおれたちの仲間じゃないか!
というセリフに感動した人も多いでしょう。
このセリフを読んだとき、あなたはどんな気持ちになりましたか。
「友だちって素晴らしい」「こんな風に言ってもらえるトミーが羨ましい」「自分もこんな友だちが欲しい」など、色々な感想があると思います。
また、クラスメイトたちがトミーの帽子を無理やり脱がせようとする上級生に立ち向かう場面はどうでしたか。
勇気ある行動に感動したか、ハラハラして心配になったか、あなたの素直な気持ちを大切にしてください。
物語の終わり方についても、満足できたか、もっと知りたいことがあったかなど、率直な感想をメモしておきましょう。
これらの感想は、読書感想文の核となる大切な材料になります。
『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】「ちがい」を受け入れることの大切さ
私は『バラクラバ・ボーイ』を読んで、人と違うところがあってもそれは恥ずかしいことではないのだと学んだ。
主人公のトミーは目出し帽をかぶって転校してきた。最初にその姿を見た時、私もクラスメイトたちと同じように「なぜだろう」と疑問に思った。ドゥーガルやドゥミサニが帽子の中身を知りたがる気持ちがよくわかった。
でも物語を読み進めると、トミーにはきっと深い理由があるのだということが伝わってきた。私も以前、転校した経験があるが、最初は新しい環境に慣れるのが大変だった。たとえば、みんなと違う方言で話してしまい、恥ずかしい思いをしたことをよく覚えている。だからトミーの気持ちが少しわかるような気がした。
一番印象に残ったのは、上級生がトミーをいじめようとした時、クラスメイトたちが助けに入った場面だ。最初は好奇心だけだった子どもたちが、本当にトミーのことを心配する友だちになっていた。「もうトミーは転校生じゃない。仲間だ」という言葉を読んだ時は、とても温かい気持ちになった。
私のクラスにも、みんなとは少し違うところがある友だちがいる。その子は人見知りが激しくて、なかなか話してくれない。でも一度仲良くなると、とても面白くて優しい子だとわかった。見た目や第一印象だけで判断してはいけないのだと、この本を読んで改めて感じた。
『バラクラバ・ボーイ』は、友だちの「ちがい」を受け入れることの大切さを教えてくれた。これからは相手の気持ちをもっと考えて、優しい人になりたいと思う。誰にでも秘密や事情があるということを忘れず、相手を大切にしたい。
この本を読んで、本当の友情とは見た目ではなく心のつながりなのだと学んだ。トミーとクラスメイトたちのように、お互いの違いを認め合える関係を築いていきたいと思う。
『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】バラクラバの向こう側にある本当の友情
『バラクラバ・ボーイ』を読んで、私は友だちとは何かについて深く考えるようになった。この物語は、目出し帽をかぶった転校生トミーと、4年生のクラスメイトたちの心の交流を描いた素晴らしい作品だ。
物語の始まりでは、私もドゥーガルやドゥミサニと同じように「なぜトミーは帽子を脱がないのだろう」と疑問に思った。子どもらしい好奇心から、あの手この手でトミーの正体を知ろうとする二人の姿はとても面白く、まるで探偵ごっこを見ているようだった。でも同時に、もし自分がトミーの立場だったら、みんなに注目されて困ってしまうだろうなとも思った。
私にも似たような経験がある。小学2年生の時、転校したばかりで関西弁が抜けず、クラスメイトたちに珍しがられた。最初は注目されるのが嬉しかったけれど、だんだん疲れてしまった。だからトミーの気持ちが少しわかるような気がした。誰でも「普通に」接してもらいたいと思うものだ。
物語の中で一番心に残ったのは、5年生のいじめっ子たちがトミーの帽子を無理やり脱がせようとした場面だ。その時、クラスメイトたちがトミーを助けに入る姿を読んで、胸が熱くなった。最初は単純な好奇心だった子どもたちが、本当の友だちとして行動したのだ。「卑怯なやり方は許せない」という気持ちが、彼らを動かしたのだと思う。
優等生のチェリーズが「個人的なことに首を突っ込むべきではない」と言ったのも正しいと思う。でもドゥーガルたちの「知りたい」という気持ちも理解できる。大切なのは、相手が嫌がることはしないということだ。トミーが自分から話したくなるまで待つ、というクラスメイトたちの最終的な選択はとても素晴らしいと思った。
「もうトミーは転校生じゃないよ。仲間だ」という言葉を読んだ時は、涙が出そうになった。これこそが本当の友情だと感じた。見た目や秘密を知ることよりも、一緒に過ごす時間や互いを思いやる気持ちの方がずっと大切なのだ。
私のクラスにも、最初はなかなか馴染めなかった転校生がいる。その子は人見知りが激しく、休み時間もいつも一人で本を読んでいた。でも少しずつ話すようになると、本についてとても詳しくて、面白い話をたくさん知っていることがわかった。今では私の大切な友だちの一人だ。
この本を読んで、私は「違い」について改めて考えた。みんな同じである必要はないし、それぞれが特別な個性を持っているからこそ面白いのだと思う。トミーがバラクラバをかぶっている理由は予想外だったけれど、大切なのは理由を知ることではなく、相手を一人の人間として尊重することだからだ。
『バラクラバ・ボーイ』は私に、本当の友情とは何かを教えてくれた。外見や第一印象にとらわれず、相手の心と向き合うことの大切さを学んだ。これからは友だちの「違い」を面白いものとして受け入れ、お互いを大切にする関係を築いていきたいと思う。そして困っている友だちがいたら、トミーのクラスメイトたちのように勇気を出して助けられる人になりたい。
振り返り
『バラクラバ・ボーイ』の読書感想文について詳しく解説してきました。
この作品は「ちがい」を受け入れることの大切さ、真の友情の意味、そして先入観を持たずに相手と向き合うことの重要性を教えてくれる素晴らしい物語です。
読書感想文を書く際は、まず物語の重要なポイントを整理し、あなた自身がどう感じたかをしっかりとメモすることから始めましょう。
トミーやクラスメイトたちの気持ちに寄り添いながら、あなたの体験や考えを重ね合わせて書くことで、心に響く感想文が完成します。
課題図書として選ばれたこの作品には、小学校中学年の皆さんに伝えたい大切なメッセージがたくさん込められています。
あなたなりの視点で物語を読み解き、素敵な読書感想文を書いてくださいね。
きっと読む人の心に残る、あなただけの感想文が書けるはずです。
※『バラクラバ・ボーイ』のあらすじはこちらに掲載しています。

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