『チョコレート戦争』の読書感想文を書こうと思っているけれど、どんな書き方をすればいいか悩んでいる小学生のみなさん、こんにちは。
『チョコレート戦争』は大石真さんが1965年に発表した児童文学の名作です。
無実の罪を着せられた子どもたちが、理不尽な大人たちに立ち向かう勇気あふれる物語で、発表から50年以上たった今でも多くの小学生に愛され続けています。
この記事では、読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が、『チョコレート戦争』の読書感想文の書き方から例文まで、小学生のみなさんが素晴らしい感想文を書けるよう、書き出しのポイントやコピペではない自分らしい表現方法まで、丁寧にサポートしていきますよ。
題名の付け方から具体的な書き方まで、この記事を読めばきっと心に残る読書感想文が書けるはずです。
『チョコレート戦争』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『チョコレート戦争』の読書感想文を書くときに、ぜひ注目してほしい重要なポイントが3つあります。
これらのポイントを意識すれば、きっと深みのある素晴らしい読書感想文が書けるでしょう。
- 理不尽な状況に立ち向かう子どもたちの勇気と正義感
- 仲間との絆とチームワークの大切さ
- 大人と子どもの価値観の違いと相互理解
この3つのポイントは、物語の核心となる部分であり、現代の小学生のみなさんにも通じる普遍的なテーマです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
理不尽な状況に立ち向かう子どもたちの勇気と正義感
物語の始まりは、主人公の星野光一と藤本明が金泉堂のショーウィンドーが割れた現場にいたという理由だけで犯人扱いされてしまうところからスタートします。
光一がたまたまエアソフトガンを持っていたという状況証拠だけで、金泉堂のオーナーである谷川金兵衛や店員たちは二人を犯人だと決めつけてしまうのです。
この場面は、多くの小学生が「理不尽だ」と感じる瞬間でしょう。
やってもいないのに疑われる悔しさ、大人に信じてもらえないもどかしさは、きっとみなさんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
光一たちがこの理不尽な状況にどう立ち向かうかが、この物語の大きな見どころです。
光一は単に泣き寝入りするのではなく、「チョコレートの城を盗み出す」という大胆な計画を立てて、自分たちの名誉を回復しようとします。
この行動力と正義感について、あなたはどう感じましたか。
「すごいと思った」「自分だったらできない」「勇気があってかっこいい」など、素直な気持ちを感想文に書いてみてください。
また、現実の学校生活でも似たような理不尽なことはありませんか。
そんな時、光一たちの行動から学べることがあるかもしれません。
仲間との絆とチームワークの大切さ
光一の計画を実行するために集まったのは、近藤晴男、高山実、双子の松田一郎・二郎といったクラスメートたちです。
また、新聞部の副部長であるみどり(通称「おくさん」)は、明を通じて事件を知り、校内新聞にこの問題を取り上げて不買運動にまで発展させます。
一人では何もできなかった光一と明の問題が、仲間たちの協力によって大きな力となって動き出していく様子は、友情とチームワークの素晴らしさを表しています。
それぞれの仲間が自分の得意なことを活かして計画に参加し、みんなで協力して困難に立ち向かう姿は、読んでいてとても心が温かくなります。
あなたは普段、友だちと協力して何かを成し遂げた経験はありますか。
学級委員の仕事、文化祭の準備、クラブ活動など、仲間と一緒に頑張った時のことを思い出しながら読んでみてください。
光一たちの友情に共感したり、「自分も友だちを大切にしたい」と思ったりした気持ちを、ぜひ感想文に書いてみましょう。
また、物語の中で特に印象に残った仲間同士のやり取りや、チームワークを感じた場面があれば、それについても触れると良い感想文になりますよ。
大人と子どもの価値観の違いと相互理解
この物語のもう一つの重要なテーマは、大人と子どもの価値観の違いです。
金泉堂のオーナーである谷川金兵衛は、裸一貫から洋菓子店を成功させた苦労人ですが、同時に子どもの気持ちを理解しようとしない頑固な面もあります。
最初は光一と明を犯人だと決めつけて、彼らの言い分に耳を貸そうともしません。
でも、物語が進むにつれて、谷川金兵衛にも彼なりの事情や考えがあることが分かってきます。
お店を大切に思う気持ち、今まで積み重ねてきたものを守りたいという思い、そして実は子どもたちのことを嫌っているわけではないということも見えてきます。
一方で、桜井先生のように子どもたちの味方になってくれる大人もいます。
この物語は、単純に「大人が悪くて子どもが正しい」という話ではなく、お互いの立場を理解することの大切さも教えてくれています。
あなたは普段、大人に対してどんな気持ちを持っていますか。
「分かってくれない」と感じることもあれば、「頼りになる」と思うこともあるでしょう。
この物語を読んで、大人の見方が少し変わったかもしれませんね。
そんな気持ちの変化も、読書感想文に書くととても面白い内容になりますよ。
読書感想文を書くために『チョコレート戦争』を読みながらメモしたい3項目
読書感想文を書くためには、本を読みながら「自分がどう感じたか」をメモしておくことがとても大切です。
後で感想文を書くときに、そのメモが大きな助けになるからです。
『チョコレート戦争』を読むときは、特に次の3つのことについて、あなたがどう感じたかをメモしてみてください。
- 主人公たちの行動や気持ちについてどう思ったか
- 一番印象に残った場面とその理由
- 物語から学んだことや考えさせられたこと
感想文は「あなたの気持ち」を書くものです。
正解や間違いはありませんから、素直な気持ちをメモしておきましょう。
主人公たちの行動や気持ちについてどう思ったか
光一、明、そして仲間たちの行動について、あなたはどう感じましたか。
「すごいと思った」「かっこいい」「勇気があって尊敬する」といったプラスの気持ちもあれば、「ちょっと無謀だと思った」「もっと他の方法があったのでは」という疑問を持つこともあるでしょう。
どちらの気持ちも大切な感想です。
例えば、光一がチョコレートの城を盗み出す計画を立てたとき、あなたはどう思いましたか。
「よく思いついたな」と感心したか、「危険すぎる」と心配になったか、それとも「自分だったらどうするだろう」と考えたかもしれません。
また、明が新聞部の活動を通して真実を追求しようとする姿勢についてはどうでしょう。
「正しいことをしようとする気持ちが素晴らしい」と思ったか、「巻き込まれて大変そう」と感じたかもしれません。
登場人物の気持ちに共感したり、逆に「自分だったら違うことをする」と思ったりした場面があれば、ぜひメモしておいてください。
それがあなただけの個性的な感想文につながります。
一番印象に残った場面とその理由
物語を読んでいて、「この場面がすごく印象に残った」「ここでドキドキした」「ここで感動した」という瞬間があったはずです。
そんな場面と、なぜその場面が印象に残ったのかをメモしておきましょう。
例えば、ショーウィンドーが割れて光一たちが疑われる最初の場面で、「理不尽で腹が立った」と感じたかもしれません。
仲間たちが光一の計画に賛同して協力を申し出る場面では、「友情っていいな」と思ったかもしれません。
チョコレートの城を実際に盗み出す場面では、「ハラハラして手に汗を握った」という気持ちになったでしょう。
物語の終盤で真実が明らかになる場面では、「やっぱりそうだったのか」とスッキリしたり、「予想していなかった展開だった」と驚いたりしたかもしれません。
どの場面でも構いませんから、あなたの心が一番動いた瞬間を思い出して、その時の気持ちを言葉にしてみてください。
「なぜその場面が印象に残ったのか」という理由も一緒に考えてみると、より深い感想文が書けますよ。
物語から学んだことや考えさせられたこと
『チョコレート戦争』を読んで、あなたは何を学びましたか。
また、どんなことについて考えさせられましたか。
これは読書感想文でとても重要な部分になります。
例えば、「理不尽なことがあっても諦めずに立ち向かうことの大切さ」を学んだかもしれません。
「一人では無理でも、仲間と協力すれば大きな力になる」ということに気づいたかもしれません。
「大人にも子どもにも、それぞれの言い分がある」ということを理解したかもしれません。
また、現実の自分の生活と比べて考えたこともあるでしょう。
「自分が光一たちの立場だったらどうするだろう」「友だちが困っているとき、自分は助けられるだろうか」「大人に理解されないとき、どう対応すればいいだろう」といった疑問を持ったかもしれません。
こうした学びや気づき、疑問は、あなたが本を読んで成長した証拠です。
どんな小さなことでも構いませんから、「この本を読んで考えが変わった」「新しく分かったことがある」という内容をメモしておきましょう。
それがあなたらしい感想文の核になります。
『チョコレート戦争』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】仲間と一緒に立ち向かう勇気
私は『チョコレート戦争』を読んで、理不尽なことに立ち向かう勇気と、仲間と協力することの大切さを強く感じた。
物語の始まりで、光一と明が証拠もなく犯人に決めつけられる場面を読んだとき、私はとても腹が立った。
もし自分が同じ立場だったら、きっと悔しくて泣いてしまうだろう。
でも光一は違った。
チョコレートの城を盗み出す計画を立てて、仲間たちと一緒に行動を起こしたのだ。
私は光一の行動力にとても驚いた。
普通なら「諦めよう」と思ってしまいそうなのに、最後まで自分たちの無実を証明しようとする姿がかっこよかった。
一人では何もできなかった光一の問題が、仲間たちの協力によってどんどん大きな動きになっていく様子も印象的だった。
近藤君や高山君、双子の松田兄弟がそれぞれ得意なことを活かして計画に参加し、新聞部のみどりさんは校内新聞で問題を取り上げた。
みんなで力を合わせれば、こんなにも大きなことができるのだと感動した。
私も学級委員の仕事や文化祭の準備で友だちと協力したことがあるが、一人ではできないことでも、みんなでやれば必ずうまくいくということを改めて実感した。
この物語でもう一つ考えさせられたのは、大人と子どもの関係についてだった。
金泉堂の社長である谷川さんは最初、子どもたちの話を全然聞こうとしなかった。
でも物語を読み進めるうちに、谷川さんにも彼なりの事情があることが分かってきた。
お店を大切に思う気持ちや、今まで苦労して築き上げてきたものを守りたいという思いは理解できる。
私は普段、大人に「分かってくれない」と思うことがあるが、大人にも大人なりの考えがあるのだと気づいた。
お互いの気持ちを理解しようとすることが大切なのだと思う。
『チョコレート戦争』を読んで、私は困難なことがあっても諦めずに立ち向かう勇気と、仲間と協力することの素晴らしさを学んだ。
また、相手の立場に立って考えることの大切さも理解した。
これからの生活で理不尽なことや困ったことがあっても、光一たちのように勇気を持って、そして友だちと協力して乗り越えていきたいと思う。
『チョコレート戦争』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】正義を貫く勇気と友情の力
私は『チョコレート戦争』を読んで、正義のために立ち上がる勇気の大切さと、困ったときに支え合える仲間がいることの素晴らしさを深く感じた。
物語の冒頭で、光一と明がショーウィンドーの前にいただけで犯人扱いされてしまう場面は、とても腹立たしかった。光一がエアソフトガンを持っていたという理由だけで、金泉堂の人たちは二人を犯人だと決めつけてしまう。証拠もないのに疑われる理不尽さは、私も学校生活で経験したことがある。
でも光一は、その理不尽さに対して泣き寝入りしなかった。チョコレートの城を盗み出すという大胆な計画を立てて、自分たちの名誉を回復しようとしたのだ。普通なら「仕方がない」と諦めてしまいそうなところを、最後まで正しいことのために戦おうとする姿勢がすばらしいと思った。
光一の計画を実行するために集まった仲間たちの存在も印象的だった。近藤晴男、高山実、双子の松田一郎・二郎といったクラスメートたちが、それぞれの特技を活かして協力する様子は、友情の美しさを表していた。また、新聞部副部長のみどりさんが校内新聞でこの問題を取り上げ、不買運動にまで発展させたのも、仲間として光一たちを支える素晴らしい行動だった。
一人ではできないことでも、信頼できる仲間がいれば大きな力になるということを、この物語は教えてくれている。私も普段の学校生活で、友だちと協力して何かを成し遂げる機会がある。光一たちの友情を見ていて、私ももっと友だちを大切にして、困っているときは助け合える関係を作りたいと思った。
この物語でもう一つ考えさせられたのは、大人と子どもの価値観の違いについてだった。金泉堂のオーナーである谷川金兵衛さんは、最初は子どもたちの言い分を聞こうとしない頑固な大人として描かれている。でも物語が進むと、谷川さんにも彼なりの苦労や思いがあることが分かってくる。
私は普段、大人に対して「どうして分かってくれないのだろう」と思うことがある。でもこの本を読んで、大人にも大人なりの事情や考え方があるのだと理解した。一方で、桜井先生のように子どもたちの味方になってくれる大人もいる。お互いの立場を理解しようとする気持ちがあれば、きっと分かり合えるのだと思う。
物語の終盤で真実が明らかになったときは、すべてがすっきりと解決して本当に良かったと思った。光一たちの努力と仲間たちの協力、そして最終的には大人たちの理解も得られて、みんなが幸せになる結末にほっとした。
この物語を読んで、私は理不尽なことがあっても諦めずに正しいことのために立ち向かう勇気の大切さを学んだ。また、一人では無理なことでも、信頼できる仲間と協力すれば必ず道は開けるということも理解した。
これからの生活で困難なことがあっても、光一たちのように勇気を持って、友だちと力を合わせて乗り越えていきたい。『チョコレート戦争』は、子どもの正義感と友情の力を描いた、とても心に残る物語だった。
振り返り
ここまで『チョコレート戦争』の読書感想文の書き方について詳しく説明してきました。
この記事で紹介した3つのポイントを意識して、あなた自身が感じたことや考えたことを素直に書けば、きっと先生にも褒められる素晴らしい読書感想文が完成するはずです。
大切なのは、正解を探すことではなく、あなた自身の気持ちを大切にすることです。
光一たちの勇気ある行動に感動したなら、その気持ちを素直に書いてください。
仲間の大切さを感じたなら、そのエピソードを具体的に書いてみてください。
あなたにも必ず心に響く読書感想文が書けますから、自信を持って取り組んでくださいね。
※『チョコレート戦争』のあらすじはこちらにまとめています。

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