『時をかける少女』あらすじ(小説)を簡単・簡潔に※ネタバレなし

『時をかける少女』あらすじ あらすじ

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筒井康隆さんによる名作SF小説『時をかける少女』のあらすじを簡単に簡潔に、そしてネタバレなしで詳しく解説していきますね。

『時をかける少女』は1967年に刊行されたジュブナイル小説で、タイムリープという不思議な力を手に入れた中学生の少女が主人公の青春SF作品です。

年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文を書く予定の皆さんのお役に立てるよう、この作品の魅力を余すことなくお伝えしていきますよ。

それでは、さっそく進めていきましょう。

※当記事では筒井康隆の小説『時をかける少女』のあらすじを結末を明かさない「ネタバレなし」で掲載しています。角川の実写映画や細田守監督作品のアニメ映画のあらすじは扱っていません。

筒井康隆の小説『時をかける少女』のあらすじを簡単・簡潔に(ネタバレなし)

中学3年生の芳山和子は、ある日、理科室の掃除中にラベンダーの香りを嗅いだ瞬間、意識を失う。その後、突然起こる地震や火事などの出来事の中で、自分が時間をさかのぼる「タイムリープ」の力を持つことに気づく。最初は戸惑いながらも、少しずつその力を試し、理解しようとする和子。そんな中、同級生の深町一夫や浅倉吾朗との交流を通して、彼女の周囲には小さな変化や謎が広がっていく。

筒井康隆の小説『時をかける少女』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)

中学3年生の芳山和子は、同級生の深町一夫と浅倉吾朗と共に理科室の掃除中、ラベンダーの香りで意識を失う。3日後、夜に地震が起き、吾朗の隣家が火事になる。翌日、和子と吾朗が交通事故に巻き込まれそうになった瞬間、和子は前日の朝に時間を遡る。

同じ1日を再び経験した和子は、一夫と吾朗に不思議な体験を打ち明ける。最初は信じなかった2人も、和子が地震と火事を正確に予言したことで彼女の話を受け入れる。理科教師の福島先生は、和子の能力が「テレポーテーション」と「タイム・リープ」であることを説明し、真相解明には4日前の理科室に戻る必要があると助言する。

次第に自分の意思でタイム・リープができるようになった和子は、4日前の理科実験室で「正体不明の訪問者」を待ち受ける。そこに現れたのは意外にも同級生の一夫だった。彼は自分が遠い未来からやってきた人間であると明かし、ある目的のためにこの時代を訪れたと説明するのだが…。

小説『時をかける少女』のあらすじを理解するための用語解説

小説『時をかける少女』を理解するうえで重要な用語をまとめました。

用語 説明
タイムリープ 時間跳躍とも呼ばれる現象。
和子が身につけた過去に意識だけを送る能力のこと。
未来人 西暦2660年の未来からやってきた人。
深町一夫(ケン・ソゴル)の正体である。
ラベンダー タイムリープのきっかけとなった植物。
未来では絶滅しており、採取が目的だった。
催眠術 和子たちの記憶を操作する技術。
未来人が使用して偽の記憶を植え付けていた。

これらの用語を頭に入れておくと、物語の理解がぐっと深まりますよ。

小説『時をかける少女』を読んだ感想

『時をかける少女』を読み終えたとき、しばらく本を閉じられませんでした。もう、胸がいっぱいで。

この作品のすごいところって、SFなのに全然難しくないところですよね。理屈よりも、タイムリープ能力に戸惑う和子の気持ちがすごく丁寧に描かれていて、「もし自分だったら、こう感じるだろうな」ってすごく共感できました。

特に心に残ったのは、やっぱり一夫とのシーン。未来人だと明かされたときは「え、マジか!」ってビックリしましたけど、その後の会話が本当に切なくて、胸がきゅーっと締め付けられました。一夫の最後のセリフ(ネタバレになるので秘密)なんて、もう涙腺崩壊でしたよ。

筒井康隆さんの文章、すごく読みやすくて驚きませんでした? 古い作品なのに全然古臭くなくて、まるで中学生の自分が体験しているみたいでした。大人になって読むと「あぁ、思春期ってこんな感じだったなぁ」って、懐かしくなりますよね。

ただ、ひとつだけ「どういうこと?」って思ったのは、タイムパラドックスのところ。過去を変えると、今にどんな影響があるのか、もう少し詳しく知りたかったなって。でも、そんなことはどうでもいいくらい、この作品の青春の甘酸っぱさが最高でした。

初恋の相手が未来人って、現実離れしてるはずなのに、なぜか「青春時代の恋って、なんか特別だったよなぁ」って妙に納得しちゃうんですよね。読み終わった後も、和子のこれからをいろいろ想像して、すごく楽しい余韻に浸れました。

こんなに短いのに、心に深く残る読書体験を与えてくれる『時をかける少女』は、本当に名作だと思います。

※小説『時をかける少女』の読書感想文の書き方や例文はこちらでご紹介しています。

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筒井康隆の小説『時をかける少女』の作品情報

項目 詳細
作者 筒井康隆
出版年 1967年
出版社 鶴書房盛光社(初版)
角川書店(文庫版)
受賞歴 特になし
ジャンル SF小説、ジュブナイル小説
主な舞台 1960年代の日本の中学校
時代背景 高度経済成長期
主なテーマ 青春、初恋、時間、別れ
物語の特徴 タイムリープをテーマにした青春SF
対象年齢 中学生以上
青空文庫の収録 なし(著作権存続中)

小説『時をかける少女』の主要な登場人物と説明

小説『時をかける少女』に登場する重要な人物たちをご紹介しますね。

人物名 紹介
芳山和子 物語の主人公で中学3年生の少女。
ラベンダーの香りでタイムリープ能力を得る。
やさしくて母性的な性格。
深町一夫(ケン・ソゴル) 和子の同級生で未来人。
本名はケン・ソゴルで西暦2660年出身。
背が高くやせ型で夢想家タイプ。
浅倉吾朗 和子の同級生でずんぐりむっくりな体型。
努力家で直情径行型の性格。
実家は荒物店を営んでいる。
福島先生 理科の教員で和子たちの担任。
タイムリープについて説明してくれる。
喫煙者である。
神谷真理子 和子の同級生で教室では隣の席。
和子と一夫の関係に軽い嫉妬を抱く。
小松先生 数学の教員で眼鏡をかけている。
でっぷりと太った体型が特徴的。

筒井康隆版の小説『時をかける少女』の読了時間の目安

小説『時をかける少女』の読書にかかる時間の目安をまとめました。

項目 詳細
推定文字数 約144,000文字
(240ページ/角川文庫
読了時間の目安 約4時間48分
1日の読書時間が30分の場合 約10日で完読
1日の読書時間が1時間の場合 約5日で完読

短編小説なので、集中して読めば一日で読み切ることも十分可能ですよ。

文章もとても読みやすく、中学生でもスムーズに読み進められる作品です。

『時をかける少女』はどんな人向けの小説か?

小説『時をかける少女』は特に以下のような方におすすめです。

  • 青春時代の甘酸っぱい恋愛に憧れを感じる人
  • SFの設定を使った心温まるストーリーが好きな人
  • 短時間で読める名作を探している人

逆に、複雑なSF理論や壮大な世界観を期待している方には少し物足りないかもしれませんね。

あくまで青春小説としての魅力が中心の作品なので、恋愛要素が苦手な方にはあまり向いていないでしょう。

でも、多くの人に愛され続けている理由は、その普遍的な青春の描写にあると思いますよ。

あの本が好きなら『時をかける少女』も好きかも?似ている小説3選

『時をかける少女』と似た魅力を持つ小説を3つご紹介しますね。

北村薫『ターン』

主人公の真希が交通事故で目を覚ますと、世界から自分以外の人間が消えていたという設定の小説です。

同じ一日を繰り返すループものですが、孤独な状況で人生の意味を見つめ直す姿が描かれています。

『時をかける少女』と同様に、非日常的な体験を通じて日常の大切さを再発見するテーマが共通していますよ。

北村薫『スキップ』

女子高生の真紀が突然、意識だけ30年後の自分に移ってしまう物語です。

時間移動の設定は違いますが、時間や人生の選択について深く考えさせられる青春小説として、『時をかける少女』と通じる部分が多いです。

大人になった自分と向き合う主人公の心境変化が、とても丁寧に描かれています。

新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー』

夏をテーマにした青春SF小説で、タイムトラベル要素を織り交ぜながら、少年少女の淡い恋や友情を描いています。

『時をかける少女』のような爽やかな読後感と、SF設定が物語の重要な鍵を握る構成が似ていますね。

青春の輝きと時間の不思議さを同時に楽しめる作品です。

振り返り

『時をかける少女』は、タイムリープという魅力的なSF設定と、瑞々しい青春の物語が見事に融合した名作です。

短い作品でありながら、読む人の心に深く残る余韻を持っていて、何度読み返しても新しい発見があります。

読書感想文を書く際には、和子の成長や一夫との関係性、そして時間というテーマについて、自分なりの解釈を加えて書いてみてくださいね。

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