『余命10年』あらすじを簡単に&長めに詳しく【原作小説】

『余命10年』のあらすじ あらすじ

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『余命10年』のあらすじを簡単に、短く、そして詳しく解説します。

『余命10年』は2007年に文芸社から刊行された本で、2017年には静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」大賞を受賞し、2022年には小松菜奈さんと坂口健太郎さん主演で映画化もされた話題作。

著者の小坂流加さん自身が難病を患っていた実体験をベースにした、命の尊さと恋愛を描いた感動的な物語でもあります。

年間100冊以上の本を読む私が、ネタバレなしで簡単なあらすじから長めの詳しい解説まで、結末を明かさずに原作小説の魅力を理解できるよう、段階的にご紹介していきますよ。

当記事では原作小説のあらすじを「ネタバレなし」で掲載しています(映画のあらすじは扱っていません)。

小坂流加の小説『余命10年』のあらすじを簡単に

高林茉莉は20歳で遺伝性の難病を告知され、短大を中退し闘病生活を送る。退院後は親友に誘われ創作活動に没頭し、生きがいを見出す。25歳で初恋の相手・真部和人と再会し愛を育むが、病気を打ち明け結婚を拒む。彼女は「何かを残したい」と漫画に打ち込み、連載を果たすほか、親友のためにドレスを縫い上げる。病状が進む中、姉の妊娠を知り、希望を胸に残された時間を精一杯生き抜こうとするのだった。

小坂流加の小説『余命10年』のあらすじを長めに詳しく(結末のネタバレなし)

高林茉莉は20歳の夏、遺伝性の難病である肺の病を突然告知され、手術や発作に苦しむ日々を送る。完治の望みはなく、短大も中退せざるを得なかった。21歳の誕生日を病院で迎えた後、22歳の春に退院すると、自宅療養を続けながら親友・藤崎沙苗に誘われコスプレイベントへ参加。大好きな漫画やアニメの世界で創作活動に打ち込み、新たな生きがいを見出していく。

25歳の頃、姉の結婚を機に小学校時代の友人・新谷美幸と再会し、同窓会に出席。そこで初恋の相手・真部和人と再会し、互いに想いを確かめ合う。だが27歳の誕生日旅行中に倒れ、和人に病気と余命を隠していた事実が明らかとなる。茉莉は涙ながらに真実を打ち明け、和人の結婚の申し出を受け入れず、彼に「自分の人生を生きてほしい」と告げて別れを選ぶ。

その後、彼女は「何かを生み残したい」と漫画に全力を注ぎ、ついに連載と単行本刊行の夢を叶える。また、結婚する沙苗のためにウエディングドレスを縫い上げ、大切な人への愛情を形にする。やがて病状が進み、再入院した病室で舞い落ちる雪を眺めながら、姉の妊娠を知らされる。新たな命の誕生に喜びを抱きつつ、茉莉は限られた時間を受け止め、最後まで精一杯生き抜こうとするのだった。

『余命10年』のあらすじを理解するための用語解説

物語の理解を深めるために、作中に登場する重要な用語を解説しておきますね。

用語 説明
遺伝性の難病 茉莉が患う病気で
原発性肺高血圧症のこと。
肺の血管が異常に狭まり高血圧状態となる重篤な病気で
症状の進行により命の危険が高まる。
自宅療養 病状安定後、茉莉が入院から退院し、
家族と過ごす日々のこと。
病気と向き合いながらも普通の生活を送ろうと
努力する様子が描かれている。
コスプレイベント アニメや漫画のキャラクターの衣装を着て
楽しむイベント。
茉莉が沙苗と参加し、
生きがいを見つけるきっかけとなった活動。
同人誌 個人や小グループが自主制作する出版物のこと。
茉莉は漫画を描いて沙苗の同人誌に掲載してもらったり、
後に自分でも制作する。

これらの用語を理解しておくと、『余命10年』の世界観がより深く楽しめるでしょう。

『余命10年』を読んだ私の感想

正直に言うと、『余命10年』を手に取った時は「また難病もののお涙頂戴系かな」なんて軽く考えていました。

でも実際に読み進めてみると、これがまた予想を大きく裏切る素晴らしい作品だったんです。

まず何がすごいって、主人公の茉莉の心情描写が本当にリアルなんですよ。

20歳で余命10年を宣告されるなんて、普通の人には想像もつかない状況ですよね。

でも茉莉の葛藤や恐怖、そして生きることへの意欲が、著者の小坂流加さんの実体験に基づいているからか、読んでいてひしひしと伝わってくるんです。

特に印象的だったのは、茉莉が病気のことを隠して和人と恋愛関係になっていく部分ですね。

「愛する人を残して死ぬのが怖い」という理由で恋をしないと決心していたのに、和人と再会して次第に惹かれていく心の変化が丁寧に描かれていて、読んでいて胸がキューッと締め付けられました。

また、茉莉がコスプレや漫画制作に夢中になっていく描写も素晴らしかったです。

限られた時間の中で、自分の好きなことを見つけて精一杯楽しもうとする姿勢が、読んでいて本当に感動的でした。

私も40代になって、時間の大切さを実感することが多いんですが、茉莉の生き方を見ていると「もっと今を大切にしなければ」と強く思わされましたね。

和人との関係については、最初は「なんで病気のことを隠すんだろう」と疑問に思っていたんですが、物語が進むにつれてその理由が痛いほど理解できるようになりました。

愛する人のことを思うからこそ、その人に負担をかけたくない。

でも同時に、一緒にいたいという気持ちも抑えきれない。

この複雑な心境が、茉莉の行動一つ一つに表れていて、読んでいて涙が止まりませんでした。

特に茉莉が和人に病気のことを告白するシーンは、もう本当にボロ泣きでしたね。

茉莉の勇気と愛情の深さ、そして和人の反応が、どれも人間らしくてリアルで。

こういう場面を読むと、やっぱり人生って一日一日が奇跡の連続なんだなって思います。

ただ、理解できなかった点もありました。

茉莉が最終的に和人との結婚を断る決断については、正直なところ複雑な気持ちでした。

もちろん茉莉なりの愛情表現だということは理解できるんですが、もう少し違う選択肢もあったんじゃないかなと思ってしまって。

でも、これは私が男性だからそう感じるのかもしれませんし、茉莉の立場に立って考えれば、また違った見方ができるのかもしれませんね。

全体的に見ると、『余命10年』は命の尊さと愛することの意味を深く考えさせてくれる、本当に素晴らしい作品でした。

読み終わった後、しばらく余韻に浸って動けませんでしたし、普段の生活でも「今日という日を大切にしよう」という気持ちになることが増えました。

これぞまさに、読書の醍醐味ですよね。

※『余命10年』の読書感想文の書き方と例文はこちらにまとめています。

『余命10年』読書感想文|高校生と中学生の書き方と例文!
『余命10年』の読書感想文の書き方を読書家が解説。テンプレートや例文、題名の付け方から書き出しまで、中学生・高校生向けにコピペではない感想文作成をサポートします。

『余命10年』の作品情報

『余命10年』の基本的な作品情報をまとめておきますね。

項目 内容
作者 小坂流加
出版年 2007年6月15日(初版)
出版社 文芸社
受賞歴 2017年静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」大賞
ジャンル 現代文学・恋愛小説・ヒューマンドラマ
主な舞台 静岡県三島市・東京都・群馬県
時代背景 現代(2000年代)
主なテーマ 命の尊さ・生きることの意味・恋愛・家族愛
物語の特徴 実体験に基づいたリアルな闘病描写と心情表現
対象年齢 青年・成人向け(特に20代~40代)
青空文庫収録 収録なし

『余命10年』の主要な登場人物とその簡単な説明

『余命10年』に登場する重要な人物たちを、重要度の高い順番でご紹介します。

人物名 簡単な紹介
高林茉莉 主人公の女性。
20歳で遺伝性の難病により余命10年を宣告される。
裁縫が得意で漫画を描くことが好き。
真部和人 茉莉の恋人で小学校時代の初恋の相手。
茶道家元の長男だがパニック障害を患っている。
茉莉との再会で恋に落ちる。
高林桔梗 茉莉の姉。
優しく華がある女性で、
茉莉からは「桔梗ちゃん」と呼ばれている。
鈴丘聡と結婚し群馬に引っ越す。
藤崎沙苗 茉莉の中学時代からの親友。
漫画を描き同人活動をしており
「桜姫華」というペンネームを持つ。
美少女でコスプレ好き。
新谷美幸 茉莉の小学校時代の親友。
集団いじめのターゲットになった時に
茉莉に助けてもらえず疎遠になっていた。
後に茉莉が謝罪に訪れて和解する。
鈴丘聡 桔梗の夫。
とても優しく誠実な性格で、
茉莉にも細やかな気遣いをしてくれる。
茉莉のお見舞いにCDや季節のスリッパを贈る。
茉莉の父 ジャズが好きで普段は冷静だが、
茉莉の病気が分かった時は動揺した。
和人と初対面の時、茉莉を受け止められるか尋ねる。
茉莉の母 茉莉のコスプレ衣装作りを見て、
着なくなったシャツのリメイクを頼む。
茉莉の作品を喜んでクラス会に着ていくと言った。
礼子 茉莉と同じ病気で入院している女性。
30歳頃に発病し、茉莉に
「ありがとう、ごめんね、好きです」を伝える大切さを語る。
茉莉の入院後まもなく亡くなる。
凛子 茉莉と同じ病棟に入院している20歳の患者。
茉莉と同じ病気を患っており、
マメシバのあみぐるみをプレゼントする。
茉莉の入院友達として支え合っている。

これらの登場人物たちが織りなす人間関係が、『余命10年』の物語を豊かにしているんですね。

『余命10年』の読了時間の目安

『余命10年』を読む際の時間的な目安をまとめました。

項目 詳細
総ページ数 358ページ(文芸社文庫NEO版)
推定文字数 約214,800文字
読了時間の目安 約7時間10分
1日1時間読書の場合 約7日で読了
読みやすさ ★★★★☆(比較的読みやすい)

『余命10年』は内容が深い割には文章が読みやすく、1週間程度で無理なく読み終えられる分量です。

感情移入しやすい作品なので、時間を忘れて夢中になって読んでしまう人も多いでしょうね。

『余命10年』はどんな人向けの小説か?

『余命10年』がどんな読者におすすめできるか、私なりの見解をまとめてみました。

特におすすめしたいのは以下のような方々です。

  • 人生の意味や命の尊さについて深く考えたい20代〜40代の方
  • 純粋で切ない恋愛物語に感動したい方
  • 実体験に基づいたリアルな人間ドラマを読みたい方

逆に、重いテーマが苦手な方や、ハッピーエンドを求める方には少し辛い内容かもしれません。

ただし、物語から得られる感動や人生への気付きは計り知れないものがありますよ。

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『余命10年』が気に入った方におすすめしたい、似たテーマの小説を3作品ご紹介しますね。

どの作品も「限られた時間」をテーマに、恋愛や友情、生きることの意味を深く描いている点で共通しています。

『桜のような僕の恋人』宇山佳佑

カメラマンを目指す青年が、美容師の女性と出会い恋に落ちる物語です。

しかし、彼女は通常の何十倍ものスピードで老化してしまうという残酷な運命を背負っていました。

美しい桜の花のように、短い命を懸命に生きるヒロインと、彼女を愛する主人公の切なくも純粋な恋愛が描かれています。

『余命10年』と同じく、限りある時間をどう生きるか、そして愛する人のために何ができるのかという深いテーマが共通していますね。

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『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』時海結以

記憶障害を持つ少女と、彼女を愛する少年の物語です。

彼女は新しい記憶を数時間しか保つことができず、少年は毎日初めて会ったかのように接し、彼女に寄り添い続けます。

「余命」という物理的な時間だけでなく、「記憶」という内面的な時間にも焦点を当てている点が特徴的です。

主人公は、今日という日を大切に生きるヒロインの姿に影響を受け、人生を見つめ直していく展開が『余命10年』と重なりますね。

『君の膵臓をたべたい』住野よる

高校生の「僕」が、膵臓の病気で余命わずかなクラスメイトの少女と出会い、特別な時間を過ごす物語です。

死を意識しながらも明るく生きる少女の姿勢と、彼女との出会いによって変わっていく主人公の心境が丁寧に描かれています。

『余命10年』と同様に、限られた時間の中での人間関係の深まりと、生きることの意味を問いかける内容になっていますよ。

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振り返り

『余命10年』のあらすじから感想まで、たっぷりとお伝えしてきました。

この作品は単なる難病ものではなく、人生の本当の価値や愛することの意味を深く考えさせてくれる、心に残る名作です。

ぜひ実際に『余命10年』を手に取って、茉莉の人生を追体験してみてくださいね。

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