『ともだち』のあらすじをお探しの皆さん、こんにちは。
今回ご紹介するのは、リンダ・サラ作の絵本『ともだち』です。
この作品は「第71回青少年読書感想文全国コンクール」小学校低学年の課題図書に選定された、友情をテーマにした心温まる物語なんですね。
仲良しふたりの世界に新しい友だちが加わることで生まれる心の揺れ動きを、やさしく繊細に描いた作品として多くの読者に愛されています。
私は年間100冊以上の本を読む読書家ですが、『ともだち』は子どもの心に寄り添う絵本として本当に素晴らしい作品だと思います。
読書感想文を書く予定の皆さんにとって、この記事がきっと役に立つはずですよ。
簡単で詳しいあらすじから登場人物、私の率直な感想まで、丁寧に解説していきますね。
リンダ・サラ『ともだち』のあらすじを短く簡単に(ネタバレなし)
リンダ・サラ『ともだち』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
『ともだち』のあらすじを理解するための用語解説
『ともだち 』をより深く理解するために、重要な用語を整理しておきましょう。
用語 | 説明 |
---|---|
仲間外れ感 | 主人公が感じる 「自分だけ遊びに入れてもらえない」 という孤独な気持ち。 子どもなら誰もが経験する友だち関係の微妙な感情。 |
友情の変化・拡大 | 仲良しのふたりが新しい仲間を迎え、 関係が変わっていく過程。 単純な「ふたりの親密さ」から 「三人以上の輪へ」と広がることで生まれる戸惑いと成長。 |
創造的遊び | 段ボールで大きな車を手作りする場面。 友情の象徴であり、 協力や共有の楽しさを表す重要なモチーフ。 |
感情の微妙な揺れ動き | 喜び・不安・嫉妬・寂しさなど、 言葉にしづらい子ども特有のナイーブな心情。 テキストと絵を通じて繊細に描かれています。 |
これらの用語を理解すると、主人公の気持ちの変化や友情の広がりをより深く味わえますよ。
『ともだち』の感想
『ともだち』を読み終えて、私の心には温かい気持ちがあふれています。
この絵本が持つ力というのは、本当にすごいものがあるんですよね。
まず何より印象的だったのは、主人公の心の動きがあまりにもリアルに描かれていること。
仲良しのふたりの世界に新しい友だちが加わるという、一見すると日常的で些細な出来事なのに、そこから生まれる複雑な感情の描写が本当に秀逸でした。
私自身も子どものころ、似たような経験があったんです。
親友と遊んでいるところに別の子が加わって、なんとなく疎外感を覚えたことがあって、主人公の「ぼく」の気持ちが痛いほどよくわかりました。
特に「もう丘になんか行くもんか」という場面では、思わず胸がキュンとしてしまいましたね。
子どもの素直すぎる感情表現が、大人の私にも強く響いてきます。
ベンジー・デイヴィスさんの絵も本当に素晴らしくて、キャラクターたちの表情ひとつひとつに込められた感情が手に取るようにわかるんです。
特に主人公が孤独を感じている場面の表情は、見ているだけで胸が苦しくなるほどでした。
一方で、巨大な段ボールの車を作る場面は、見ているだけでワクワクしてきます。
創造的な遊びを通じて新しい友情が生まれる瞬間を、これほど温かく描ける作家さんはそうそういないでしょうね。
物語の構成も見事だと思いました。
友情の変化という複雑なテーマを、32ページという限られたページ数の中で過不足なく描ききっているんです。
無駄な説明は一切なく、でも必要な感情の動きはすべて丁寧に表現されている。
これは本当にプロの技だなあと感心しました。
読み終えた後の余韻も素晴らしくて、きっと多くの子どもたちがこの物語を通じて「友だちって何だろう」「自分の気持ちをどう伝えればいいんだろう」ということを考えるきっかけになるんじゃないでしょうか。
課題図書に選ばれたのも納得の、心に残る一冊でした。
※『ともだち 』の読書感想文の書き方と例文はこちらの記事にまとめています。

『ともだち』の作品情報
項目 | 詳細 |
---|---|
作者 | リンダ・サラ(作) ベンジー・デイヴィス(絵) |
翻訳者 | しらい すみこ |
出版年 | 日本語版出版年情報要確認 |
出版社 | ひさかたチャイルド |
受賞歴 | 第71回青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部選定 |
ジャンル | 児童文学・絵本 |
主な舞台 | 丘の上の遊び場 |
時代背景 | 現代 |
主なテーマ | 友情・成長・感情の変化 |
物語の特徴 | 子どもの心理描写が繊細で温かい |
対象年齢 | 4歳~小学校低学年 |
『ともだち』の主要な登場人物とその簡単な説明
『ともだち 』の中心となる三人の子どもたちを紹介しますね。
登場人物 | 説明 |
---|---|
ぼく | 物語の主人公。 仲良しのエトといつも一緒に遊んでいるが、 新しい友だちシューが加わったことで戸惑う。 繊細でナイーブな心を持つ男の子。 |
エト | ぼくの親しい友だち。 もともとぼくとふたりだけで遊んでいたが、 新しい友だちシューとも仲良くなる。 素直でやさしい性格。 |
シュー | 新しくぼくとエトの輪に入りたいと言ってきた男の子。 好奇心旺盛で段ボールを使った遊びを通じて 仲間に受け入れられていく。 |
この三人を中心に、友情の変化や不安、やさしさ、絆の広がりが繊細に描かれています。
『ともだち』の読了時間の目安
『ともだち 』の読書感想文を書く皆さんのために、読了時間をまとめておきますね。
項目 | 詳細 |
---|---|
総ページ数 | 32ページ |
推定文字数 | 不明(絵本のため文字数は少なめ) |
読了時間 | 約10~15分 |
読破期間 | 1日で完読可能 |
読みやすさ | 非常に読みやすい(小学校低学年向け) |
絵本なので文字数は多くありませんが、絵をじっくり味わいながら読むとより深く理解できますよ。
何度も読み返すことで、新しい発見があるタイプの作品です。
『ともだち』はどんな人向けの絵本か?
『ともだち 』はどんな人におすすめできるか、私なりに考えてみました。
- 友だち関係で悩んでいる小学校低学年の子ども
- 新しいクラスや環境で人間関係を築くのに不安を感じている子ども
- 感情表現が苦手で、自分の気持ちをうまく言葉にできない子ども
特に、グループの中で自分の居場所を見つけるのに苦労している子どもたちには、きっと心の支えになる作品だと思います。
逆に、すでに友だち関係が安定していて、特に悩みのない子どもには少し物足りないかもしれませんが、それでも友情の大切さを再確認できる良い機会になるでしょうね。
あの本が好きなら『ともだち』も好きかも?似ている絵本3選
『ともだち』と似たテーマや雰囲気を持つ絵本を三冊ご紹介しますね。
どれも友情や人間関係をテーマにした心温まる作品です。
内田麟太郎・降矢なな『ともだちや』
さみしがりやのキツネが「ともだちや」という商売を始めて、1時間100円で友だちになるという発想から物語が展開します。
オオカミと出会い、本当のともだちとは何か、お金で買えるものではない「友情の価値」に気付くお話です。
『ともだち』と同様に、新しい友だちをつくる悩みや友情の本質を扱っており、心の成長を描いた点でよく似ています。
アーノルド・ローベル『ふたりはともだち』
カエルくんとガマくんが主人公の名作シリーズです。
日常の中で友情の進展やすれ違い、「うまくいかない時」までも描かれる物語で、長年多くの子どもたちに愛され続けています。
友だち関係の不安や喜び、寂しさ、頼もしさなど、『ともだち』が描く繊細な心の動きと共通する部分が多くあります。
片山健『コッコさんのともだち』
保育園でなかなか皆と遊べなかったコッコさんが、同じように内気なアミちゃんに出会い、友だちになるまでを描いた作品です。
「どうやって輪の中に入るか」「初めての友だちができる時の不安やよろこび」にフォーカスした点で、『ともだち』の世界観に非常に近い温かいストーリーになっています。
振り返り
『ともだち』は、子どもの心に寄り添う素晴らしい絵本でした。
仲良しふたりの世界に新しい友だちが加わることで生まれる複雑な感情を、これほど繊細に描いた作品はなかなかありません。
主人公の心の動き、美しい絵、そして温かい結末まで、すべてが子どもたちの心に響く要素で満ちています。
読書感想文を書く皆さんにとって、きっと書きやすく、また深く考えさせられる作品になるはずです。
友情について、自分の気持ちについて、たくさんのことを感じ取ってもらえればと思います。
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