『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを簡単に・詳しく紹介していきますね。
正式なタイトルは『アフリカで、バッグの会社はじめました~寄り道多め仲本千津の進んできた道~』。
この作品は、アフリカ・ウガンダでバッグブランド「RICCI EVERYDAY」を立ち上げた仲本千津さんの実話をもとにしたノンフィクションです。
年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文を書く予定の皆さんの力になれるよう、この感動的な社会起業家の物語を丁寧に解説していきますよ。
夢に迷いながらも、ウガンダの女性たちと共にバッグ作りを通じて社会貢献に挑む姿は、進路に悩む若い世代に勇気を与えてくれます。
それでは、さっそく進めていきましょう。
- 江口絵理『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを簡単に短く
- 江口絵理『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを理解するための用語解説
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』の感想
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』の作品情報
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』の主要な登場人物とその簡単な説明
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』の読了時間の目安
- 『アフリカで、バッグの会社はじめました』はどんな人向けの小説か?
- あの本が好きなら『アフリカで、バッグの会社はじめました』も好きかも?似ている小説3選
- 振り返り
江口絵理『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを簡単に短く
江口絵理『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
仲本千津は幼い頃から「人の命を救う仕事」に憧れていた。
まず医者を目指したが勉強の壁にぶつかり、次に国連職員を志して大学院で学んだものの、その道も諦めざるをえなくなる。
迷いながらも「人の役に立つ仕事」を探し続け、銀行勤務を経て農業支援NGOへ転職した。
ウガンダで出会ったシングルマザーたちの貧困や就労機会の少なさを目の当たりにし、彼女たちが自立できるよう支援したいと考える。
アフリカのカラフルなプリント布を使い、現地の女性たちと共にバッグ作りを開始した。
やがてブランド「RICCI EVERYDAY」を立ち上げ、高品質な商品として世界中で販売することで、援助される関係から対等なビジネスパートナーへと発展させていく。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじを理解するための用語解説
『アフリカで、バッグの会社はじめました』のあらすじに登場する専門的な用語について、分かりやすく説明しますね。
用語 | 説明 |
---|---|
社会起業家 | 社会的な課題をビジネスの手法で 解決しようとする人のこと。 単なる支援ではなく、 持続可能で自立を促す仕組みづくりを目指す。 |
アフリカンプリント | ウガンダなどアフリカでよく使われる 鮮やかで個性的な柄の布地。 バッグづくりの素材として重要な役割を持ち、 地域の文化と結びついている。 |
経済的自立(エンパワーメント) | 援助される側が依存するのではなく、 自分の力で生活や仕事を成り立たせていくこと。 女性たちが自信を持ち自立することが大きなテーマ。 |
シングルマザー支援 | 家庭や社会的に厳しい状況にある母親たちへの支援。 バッグ作りを通じて経済的自立を促し、 生活の向上をめざす取り組み。 |
これらの用語を理解すると、物語のテーマがより深く分かりますよ。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の感想
私がこの作品を読んで一番印象に残ったのは、仲本千津さんの真っ直ぐな行動力でした。
夢に向かって一直線に進むのではなく、医者や国連職員といった当初の目標を諦めながらも、「人の役に立ちたい」という想いを決して手放さない姿勢に心を打たれましたね。
特に素晴らしいと感じたのは、単なる援助ではなく「対等なビジネスパートナーシップ」を築いた点です。
「かわいそうだから買ってあげて」という発想ではなく、商品として本当に魅力的で欲しくなるバッグを作ることで、持続可能な支援を実現している。
この考え方は目からウロコでした。
ウガンダの女性たちが技術を身につけ、誇りを持って働ける環境を作ることで、真の自立につながっていく過程が丁寧に描かれています。
アフリカンプリントのカラフルなデザインも魅力的で、実際に商品を見てみたくなりましたよ。
ただし、物語としてはやや平坦な印象も受けました。
仲本さんの強い行動力と前向きさは素晴らしいのですが、普通の人にはなかなか真似できない部分も多く、少し距離を感じてしまう場面もありましたね。
現地でのビジネス立ち上げの困難さや、文化の違いから生じる摩擦などがもう少し詳しく描かれていれば、よりリアルな挑戦の姿が伝わったかもしれません。
それでも、進路に迷う若い人たちにとっては、非常に勇気をもらえる内容だと思います。
「寄り道多め」というサブタイトルの通り、回り道をしながらも自分の道を見つけていく過程は、多くの人に共感されるでしょう。
社会課題への取り組み方として、新しい視点を提示してくれる貴重な作品ですね。
課題図書としても読みやすく、親子で読んで話し合うのにも適していると感じました。
※『アフリカで、バッグの会社はじめました』の読書感想文の例文と書き方はこちらで解説しています。

『アフリカで、バッグの会社はじめました』の作品情報
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の基本情報をまとめておきますね。
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | 江口絵理 |
出版年 | 2023年 |
出版社 | さ・え・ら書房 |
受賞歴 | 第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 |
ジャンル | ノンフィクション |
主な舞台 | 日本、ウガンダ |
時代背景 | 現代(2000年代~2020年代) |
主なテーマ | 社会起業、女性の自立支援、国際協力、ものづくり |
物語の特徴 | 実話をもとにした感動的な成長ストーリー |
対象年齢 | 小学校高学年から |
課題図書にも選ばれている、読みやすいノンフィクション作品ですよ。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の主要な登場人物とその簡単な説明
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の中心となる人物たちを紹介していきますね。
人物名 | 紹介 |
---|---|
仲本千津 (なかもと ちづ) |
本書の主人公。静岡県出身で 子どもの頃から「人の命を救う仕事がしたい」と夢見ていた。 医者や国連職員の夢をあきらめ 銀行員や農業支援NGO職員を経て ウガンダのシングルマザーたちと出会い バッグブランド「RICCI EVERYDAY」を立ち上げる社会起業家。 |
ウガンダのシングルマザーたち | 仲本さんと共にバッグづくりを手掛ける現地の女性たち。 社会的に厳しい環境で生活しているが ものづくりを通じて自立し 自信と誇りを持って働いている。 |
仲本さんの母親 | 日本で暮らしながら 娘とともに「RICCI EVERYDAY」の立ち上げに関わっている。 家族として事業を支える重要な存在。 |
実話をもとにした作品なので、登場人物は比較的シンプルな構成になっています。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の読了時間の目安
『アフリカで、バッグの会社はじめました』の読みやすさと読了時間について説明しますね。
項目 | 内容 |
---|---|
ページ数 | 136ページ |
推定文字数 | 約81,600文字 |
読了時間の目安 | 約2時間43分 |
読書日数の目安 | 1〜2日 |
文章が平易で読みやすく、小学校高学年から読める内容になっています。
読書感想文を書く予定の学生さんでも、無理なく読み進められる分量ですよ。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』はどんな人向けの小説か?
『アフリカで、バッグの会社はじめました』は特に以下のような人におすすめですね。
- 夢や進路に迷っている中高生や若い世代の人
- 社会課題や国際協力、女性の自立支援に関心がある人
- ものづくりやビジネスを通した社会貢献に興味がある人
迷いながらも自分の道を見つけていく主人公の姿が、進路に悩む読者に勇気を与えてくれます。
一方で、物語の起伏や深い感動を求める読者には、やや物足りなく感じるかもしれません。
感動系のノンフィクションとして、親しみやすい内容になっていますよ。
あの本が好きなら『アフリカで、バッグの会社はじめました』も好きかも?似ている小説3選
『アフリカで、バッグの会社はじめました』が気に入った方におすすめの、似たテーマの本を3冊紹介していきますね。
山口絵理子『裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~』
途上国から世界に通用するブランドを作ることを目指し、バングラデシュでバッグブランド「マザーハウス」を立ち上げた山口絵理子さんの自伝エッセイです。
貧困や腐敗が蔓延する現地での困難や葛藤、そしてそれを乗り越えて事業を軌道に乗せていくまでの、まさに「号泣戦記」と呼ぶにふさわしい内容。
『アフリカで、バッグの会社はじめました』と同様に、発展途上国での起業、社会貢献、そして女性の力強さが描かれています。
白木夏子『ファッションの仕事で世界を変える エシカル・ビジネスによる社会貢献』
エシカルジュエリーブランド「HASUNA」を立ち上げた白木夏子さんの著書です。
「地球を蝕む社会問題への取組みと、キラキラ輝く自分の夢の追求と、ビジネスへの挑戦心――すべて一緒に叶えるのがエシカル・ビジネス」というテーマで、自身の経験やエシカルビジネスの心得を解説しています。
ファッションを通じて社会貢献を目指す点や、女性起業家の視点という点で共通点がありますね。
池田香代子『世界がもし100人の村だったら』
直接的に起業やバッグ会社の話ではありませんが、『アフリカで、バッグの会社はじめました』が持つ「世界の現状を知り、自分に何ができるかを考える」という側面で通じるものがあります。
世界を100人の村に例え、貧富の差や識字率、健康状態などを分かりやすく示してくれる本で、広い視野で社会貢献や国際協力について考えるきっかけになります。
仲本さんがウガンダの現状に衝撃を受けて行動を起こしたように、この本も読者に気づきを与える一冊ですよ。
振り返り
『アフリカで、バッグの会社はじめました』は、夢に迷いながらも自分の道を切り拓いていく仲本千津さんの実話をもとにした、心温まるノンフィクション作品でした。
単なる援助ではなく、対等なビジネスパートナーシップを築くことで持続可能な社会貢献を実現した姿は、多くの読者に新しい視点を与えてくれます。
進路に悩む学生さんの読書感想文にも最適で、社会課題への取り組み方について考えるきっかけにもなる一冊。
ぜひ手に取って、仲本さんの挑戦の歩みを感じてみてくださいね。
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