井上ひさしさんの『握手』は、人と人とのつながりの大切さを描いた心温まる短編小説。
学校の教科書でも定番の作品ですね。
私は本が大好きで、年間100冊以上の本を読んでいますが、今回はこの感動的な物語のあらすじを短く簡単に紹介していきたいと思います。
そして、読書感想文を書くときに外せないポイントや、登場人物の解説、読了時間などについても詳しくお話ししていきますね。
『握手』の短く簡単なあらすじ(100文字)
『握手』の中間の長さのあらすじ(200文字)
「わたし」は上野公園の西洋料理店で、カナダ人のルロイ修道士と再会する。故郷へ帰る前に、かつての「天使園」の園児たちに会って回っているという。
戦時中、日本人に指を潰されながらも憎しみを持たず、子供たちのために尽くしてきた優しい先生だった。しかし今日の握手は、いつもの力強さがない。
「天国へ行くのですから、そう怖くはありませんよ」という言葉に、「わたし」は思わず先生の癖だった親指を立てるジェスチャーをした。そして昔のように、しっかりと手を握り、腕を振った。
『握手』の詳しいあらすじ(400文字)
上野公園の西洋料理店で、「わたし」はルロイ修道士と再会する。故郷へ帰る前に天使園の園児たちに会って回っているという修道士。かつては強すぎる握手で「うっかり握手をすべからず」と恐れられていた彼の手は、今日は不思議なほど穏やかだった。
戦時中、日本人の監督官に人差し指を潰されながらも、憎しみを持たず子どもたちのために尽くしてきた修道士。「日本人とかカナダ人とかアメリカ人といったようなものはない。一人一人の人間がいるだけだ」という言葉に、深い愛情が込められている。
最後の握手で、かつて初めて出会ったときのように腕を振る「わたし」。それは、天使のような存在だった修道士との永遠の別れとなった。
『握手』の読書感想文を書くうえで外せない3つの重要ポイント
『握手』の読書感想文では、以下の3つのポイントを押さえておくと、より深い考察ができますよ。
- 人と人とのつながりを象徴する「握手」の意味
- 国籍や立場を超えた人間愛
- 過去と現在の対比が生む物語の深み
握手が象徴するもの
握手は単なる挨拶以上の意味を持っています。
強すぎる握手で恐れられながらも、愛情深い存在だったルロイ修道士。
その握手には、人と人とのつながりや信頼関係が込められているんですよ。
人間愛の深さ
戦時中にひどい仕打ちを受けながらも、憎しみを持たずに子どもたちのために尽くすルロイ修道士の姿。
そこには、国籍や立場を超えた深い人間愛が描かれています。
時を超えた絆
過去の思い出と現在の再会。そこには時を超えて変わらない心のつながりが描かれています。
この時間の流れと心の交差が、物語に深い感動を与えているんです。
※『握手』を通して作者の井上ひさしが伝えたいことは、以下の記事で解説しています。

『握手』の登場人物
『握手』の主要な登場人物をご紹介しますね。(といっても、たった2名だけですが)
登場人物 | 説明 |
---|---|
「わたし」 | 物語の主人公で、天使園で育った人物 |
ルロイ修道士 | カナダ人の修道士で、天使園の子どもたちを育てた人物 |
『握手』の文字数と読了時間
『握手』の文字数と読むのにかかる時間の目安をまとめてみました。
項目 | 詳細 |
---|---|
推定総文字数 | 約6,300文字(11ページ) |
読了時間の目安 | 約13分 |
『握手』はこんな人におすすめ
『握手』は、以下のような方におすすめです。
- 人と人とのつながりについて考えたい方
- 短編小説を楽しみたい方
- 心温まる物語を読みたい方
『握手』に似た小説3選
『握手』のような心温まる物語を他にも読んでみたい方に、おすすめの作品を紹介しますね。
『利休にたずねよ』(山本兼一)
過去と現在を行き来しながら物語が展開される構成が『握手』と似ています。
人物の心情描写も丁寧で、読み応えのある一冊です。
『小さいおうち』(中島京子)
回想形式で物語が進む点が『握手』と共通しています。
人と人との関係性が丁寧に描かれた作品です。
『父と暮せば』(井上ひさし)
『握手』と同じ作者による作品で、人との別れや絆をテーマにしています。
心に響く対話が印象的な作品です。
振り返り
『握手』は、たった約6,300文字の短編小説ながら、人と人とのつながりの大切さを深く考えさせてくれる作品です。
読書感想文を書くときは、ぜひ「握手」という行為に込められた意味や、登場人物たちの心の交流に注目してみてくださいね。
コメント