『そして、バトンは渡された』のあらすじを短く簡単に(小説)

『そして、バトンは渡された』のあらすじ あらすじ

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今回は、本屋大賞を受賞したキラリと光る秀作『そして、バトンは渡された』のあらすじをご紹介していきますよ。

私は読書が大好きで年間100冊以上の本を読んでいるので、小説の分析は得意中の得意。

読書感想文を書く予定の皆さんの力になれるよう、短くて簡単なあらすじから詳しいあらすじまで、丁寧に解説していきます。

それではさっそく進めていきましょう。

※この記事では小説版の『そして、バトンは渡された』を扱います。あらすじはネタバレなしでご紹介します。なお、映画版のあらすじは扱っていません。

『そして、バトンは渡された』の短い簡潔なあらすじ

2歳で実母を亡くした高校生の優子には3人の父と2人の母がいた。それぞれの親から違う形の愛情を受けながら成長した優子。そんな彼女の前に運命の人が現れるのだが……。

『そして、バトンは渡された』の簡単なあらすじ

2歳で実母を亡くした優子の人生は、様々な親との出会いと別れの連続だった。明るく自由奔放な継母の梨花、冷静で紳士的な継父の泉ヶ原、そして東大卒の優しい継父の森宮。それぞれが優子に違う形の愛情を注ぎ、彼女を育てていく。高校生になった優子は、ピアノ伴奏者の早瀬君と出会い、初めての恋を経験する。複雑な家族関係の中で、優子は本当の幸せを見つけていく。

『そして、バトンは渡された』の詳しいあらすじ

2歳で実母を亡くした優子は、実父と暮らしていたが、やがて明るく自由奔放な梨花が新しい母となる。梨花は優子を我が子のように愛したが、より良い環境を与えたいという思いから、不動産会社社長の泉ヶ原と再婚。しかし、その結婚生活はわずか3ヶ月で終わりを迎える。

その後、優子は東大卒の森宮と暮らすことになる。最初は距離を感じていた2人だが、森宮の優しさと思いやりに触れるうちに、次第に心を通わせていく。高校最後の年、合唱祭の伴奏者として選ばれた優子は、5組の伴奏者である早瀬君と出会う。優れたピアノの腕前を持つ早瀬君に、優子は心惹かれていく。

複雑な家族関係の中で成長してきた優子が、本当の家族の意味と自分の進むべき道を見つけていく姿を優しく描いた感動作。

『そして、バトンは渡された』のあらすじを理解するための用語解説

『そして、バトンは渡された』のあらすじやストーリーにある専門的な用語や概念を解説します。

用語 解説
血の繋がり 本作のテーマの一つ。
血縁関係のない人々と
家族になることの尊さを描く。
バトン 「親から子へ、子から孫へ」受け継がれていくもの、
または「人生」そのもののメタファー。
継母(ままはは) 主人公・優子の実母ではないが、
母親として彼女を育てた女性たち。
継父(ままちち) 主人公・優子の実父ではないが、
父親として彼女を育てた男性たち。
モザイク家族 血の繋がりがない人々が、
まるでモザイクのように組み合わさってできた家族。
苗字の変遷 優子の人生で何度も苗字が変わっていくこと。
家族構成の変化を象徴する。
親子リレー 作品の核となる比喩表現。
様々な大人が優子を支え、
次へと渡していく様子を表す。

『そして、バトンは渡された』の作品情報

『そして、バトンは渡された』の基本情報をまとめてみましょう。

項目 内容
作者 瀬尾まいこ
発行元 文藝春秋(単行本・文庫)
出版年 2018年
主な舞台 日本の地方都市
時代背景 現代(2000年代後半〜2010年代)

『そして、バトンは渡された』の登場人物

『そして、バトンは渡された』の主要な登場人物たちを紹介しますね。

それぞれがとても魅力的なキャラクターです。

登場人物 説明
森宮優子 主人公。2歳で実母を亡くし、
3人の父と2人の母に育てられる。
素直で優しい性格。
田中梨花 優子の2番目の母親。
明るく自由奔放な性格で、
優子に深い愛情を注ぐ。
森宮壮介 優子の3番目の父親。
東大卒のエリート。
優しく思いやりのある性格。
泉ヶ原茂雄 不動産会社社長。
優子の2番目の父親。
紳士的な性格。
早瀬賢人 優子の同級生。
ピアノの腕前が抜群で、
優子の恋愛相手となる。

『そして、バトンは渡された』の文字数と読了時間

『そして、バトンは渡された』の文字数と読むのにかかる時間の目安をお伝えしますね。

項目 数値
総ページ数(単行本) 372ページ
予想総文字数 約223,200文字
読了時間の目安 約7時間30分

『そして、バトンは渡された』を読んだ感想

まさか自分がこんなに泣かされるとは思いませんでした。

普段はめったに小説を読まない妻が「読んでみて」と勧めてきたので手に取った『そして、バトンは渡された』。

会社の行き帰りの電車の中で少しずつ読んだのですが、読み終えた後、しばらく放心状態でしたね。

タイトルから想像するような、家族の温かい話なんだろうな、くらいに思っていたんですよ。でも、蓋を開けてみたら、もう全然違って。

血の繋がらない親たちを次々と渡り歩く主人公・優子の人生が、本当に壮絶で。でも、彼女のその境遇が全然暗く描かれていないんですよね。

むしろ、バトンを渡された人たちの愛が、驚くほど軽やかで温かい。そこがこの物語の最大の魅力だと思いました。

特に印象に残ったのが、それぞれの親が持つ“親像”です。自由奔放でチャーミングな梨花さん、豪快だけど不器用な泉ヶ原さん、そして誰よりも娘を深く愛する森宮さん。

みんな「良い親」の枠からはみ出しているのに、不思議と愛情が伝わってくるんです。完璧じゃないからこそ、人間らしくて、愛おしい。

私自身、子育てで悩むことも多いので、この小説に出てくる親たちのあり方に、たくさんのヒントをもらった気がします。

物語の後半で明かされる驚きの真実に、私はもう号泣でした。それまで何気なく読んでいたエピソード一つひとつが、全部繋がっていくカタルシス。

そして、タイトルの意味が分かった瞬間、これまでのすべての感動が怒涛のように押し寄せてきました。

「家族」の形は一つじゃない。血縁がなくても、それぞれの人生を一生懸命生きて、誰かのバトンを繋いでいくこと。

それがどれだけ尊いことか、改めて考えさせられました。読み終わった今、家に帰って子供をぎゅっと抱きしめたい気分です。

いい歳して、こんなに心が揺さぶられるなんて。出会えてよかった、本当にそんな一冊です。

※『そして、バトンは渡された』の読書感想文の書き方例はこちらでご紹介しています。

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『そして、バトンは渡された』はこんな人におすすめ

『そして、バトンは渡された』は、以下のような方におすすめです。

  • 家族の絆について考えたい人
  • 様々な愛情表現の形に興味がある人
  • 成長物語が好きな人
  • 心温まる物語を読みたい人

※『そして、バトンは渡された』の面白いところは、以下の記事で解説しています。

『そして、バトンは渡された』は面白い?私が泣いた3つの点
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『そして、バトンは渡された』に似た小説3選

『そして、バトンは渡された』を楽しめた方には、以下の作品もおすすめです。

『52ヘルツのクジラたち』著:町田そのこ

現代的な家族の形を描いた作品です。

主人公が過去の傷を抱えながら、新しい家族の形を探していく過程が心に響きます。

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『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ を詳しく解説!心に傷を抱えた人々が少しずつ繋がり、再生していく物語。その魅力や登場人物の背景、感動のポイントを徹底紹介。読めば涙が止まらなくなる一冊の真髄とは?

『流浪の月』著:凪良ゆう

複雑な人間関係と家族の絆を描いた作品です。

登場人物たちの心情描写が繊細で美しい物語です。

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『コンビニ人間』著:村田沙耶香

現代社会における人とのつながりや「居場所探し」の問題を描いた作品です。

主人公はコンビニという小さな社会の中で自分の生きがいと幸せを見つけていきます。

『そして、バトンは渡された』と同様に、普通とは違う形で幸せを探していく心の機微が丁寧に描かれているところが似ています。

主人公が自分らしい生き方を見つけていく過程も、とても印象的な物語ですよ。

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『コンビニ人間』のあらすじを簡単に短く&詳しく解説。村田沙耶香の芥川賞受賞作のストーリーや登場人物、感想をネタバレなしでご紹介。読書感想文を書く学生さんにも役立つ内容です。

振り返り

『そして、バトンは渡された』は、現代の家族の形を優しく描いた心温まる物語です。

複雑な家族関係の中で育つ優子の成長と、それを見守る大人たちの愛情が印象的でした。

読書感想文を書く際は、それぞれの親から受けた愛情の形に注目してみてくださいね。

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