小学生の皆さんに『レンタルロボット』の読書感想文の書き方と例文をご紹介します。
『レンタルロボット』は滝井幸代さんが物語を、三木謙次さんが絵を担当した2011年に学研教育出版から発行された児童文学。
第19回小川未明文学賞大賞を受賞した名作で、小学4年生の健太がロボットの弟・ツトムをレンタルして一緒に過ごす物語ですよ。
兄弟愛や家族愛をテーマに「本当の家族とは何か」を考えさせてくれる感動的な作品なんです。
読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が『レンタルロボット』の読書感想文の書き方から題名の付け方、書き出しのコツ、そして小学生向けのテンプレートや例文まで丁寧に解説していきますよ。
コピペではなく自分の言葉で心に響く感想文を書けるように、しっかりサポートしていきます。
『レンタルロボット』の読書感想文に書くべき3つのポイント
『レンタルロボット』の読書感想文を書くときは、この物語の核心となる大切なポイントがあります。
読書感想文を書く前に、まずは以下の3つのポイントについて「読んでどう感じたか」をメモしておきましょう。
感じたことや考えたことを書き留めておくと、感想文を書くときにとても役立ちますよ。
- 「弟」ができた喜びと、兄としての葛藤
- 「兄弟愛」や「家族愛」の本質的な意味
- ロボットを通して描かれる「人間の心」
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
自分なりの感想や体験談と結び付けて考えてみてくださいね。
「弟」ができた喜びと、兄としての葛藤
『レンタルロボット』は健太が待ち望んでいた「弟」を手に入れた喜びから物語が始まります。
健太は「ロボットかします」という不思議な店でツトムというロボットをレンタルして、夢にまで見た弟との生活をスタートさせるんです。
最初はツトムとの楽しい時間に心が弾む健太ですが、だんだん兄としての困難に直面していきます。
両親から「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と言われて、ツトムが優先される状況に不満を感じるようになるんですね。
この「理想の弟がほしい」という気持ちと「現実の兄としての責任」のギャップが健太を苦しめます。
読書感想文では、健太のこの複雑な心境について自分なりに感じたことを書いてみましょう。
もしあなたに兄弟がいるなら、兄弟げんかや嫉妬の経験と比べてみるのもいいですね。
兄弟がいない人は「もし弟や妹ができたら」という想像で書いてみてください。
健太の気持ちの変化を追いながら、兄弟関係の難しさや素晴らしさについて考えを深めていくのが大切です。
「兄弟愛」や「家族愛」の本質的な意味
『レンタルロボット』の最も重要なテーマは「兄弟愛」や「家族愛」の本当の意味です。
健太はツトムと一緒に過ごす中で、楽しいことだけでなく喧嘩や嫉妬も経験します。
理想的な弟を想像していた健太にとって、現実の兄弟関係はもっと複雑で困難なものでした。
しかし物語が進むにつれて、健太はツトムを返す決断をしてから、初めて弟への想いが本物だったことに気づくんです。
これは「失うことで気づく大切さ」という人生の重要な教訓でもありますね。
読書感想文では、健太がどのようにして「本当の兄」として成長していったかを書いてみましょう。
喧嘩や嫌な気持ちも含めて、それが本当の兄弟関係なんだということを健太は学びます。
あなた自身の家族との関係を振り返って、家族の大切さについて感じたことを書くといいですよ。
完璧でなくても、一緒に過ごす時間や経験を積み重ねることで深まる絆について考えてみてください。
ロボットを通して描かれる「人間の心」
『レンタルロボット』でツトムはロボットという設定ですが、感情や個性を持った存在として描かれています。
ツトムは単なる機械ではなく、健太の心を成長させる大切な役割を果たしているんです。
健太はツトムとの関わりを通して、兄弟愛や責任感を学んでいきます。
ロボットであるツトムが、逆に健太の「人間らしい心」を引き出していく構造がとても興味深いですね。
読書感想文では、ツトムというロボットの存在が健太にどんな影響を与えたかを考えてみましょう。
もしかすると、ロボットだからこそ健太は素直に兄としての気持ちを表現できたのかもしれません。
現実にロボットが家族の一員になる時代が来るかもしれませんが、大切なのは相手を思いやる心ですよね。
ツトムを通して描かれる「人間の心の温かさ」について、あなたなりの感想を書いてみてください。
物語の中でロボットと人間の境界を超えた絆が生まれる場面に注目して、感想文に盛り込んでいきましょう。
※『レンタルロボット』のあらすじはこちらでご紹介しています。

『レンタルロボット』の読書感想文のテンプレート
『レンタルロボット』の読書感想文を書くときに役立つテンプレートを用意しました。
先ほど解説した3つのポイントがしっかり含まれるように構成していますよ。
以下のステップに従って空欄を埋めていけば、しっかりとした感想文が完成します。
- 導入部分(本との出会い・あらすじ)
私は滝井幸代さんの『レンタルロボット』を読んで、( )について深く考えました。
この物語は小学4年生の健太が( )をレンタルして、( )する話です。 - 第1のポイント(弟への憧れと現実のギャップ)
健太は最初ツトムとの生活を( )していました。
しかし、両親から「お兄ちゃんだから( )」と言われて、( )な気持ちになりました。
私も( )という経験があるので、健太の気持ちがよく分かりました。 - 第2のポイント(兄弟愛・家族愛の本質)
健太がツトムを返す決断をしたとき、( )ということに気づきました。
本当の兄弟関係とは( )だけでなく、( )も含めて成り立つものだと感じました。
私の家族も( )ですが、それでも( )だと思います。 - 第3のポイント(ロボットが教えてくれたこと)
ツトムはロボットでしたが、健太にとって( )な存在でした。
この物語から、大切なのは( )ではなく( )だということを学びました。 - 結論(自分の成長・決意)
『レンタルロボット』を読んで、私は( )について考えが変わりました。
これからは( )を大切にして、( )していきたいと思います。
このテンプレートを参考にして、あなたの体験や感じたことを具体的に書き込んでくださいね。
『レンタルロボット』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】ロボットが教えてくれた本当の兄弟
私は『レンタルロボット』を読んで、兄弟の大切さについて深く考えた。
この物語は小学4年生の健太が弟のロボット・ツトムをレンタルして一緒に暮らす話だ。
健太は弟がほしくて、「ロボットかします」という店でツトムを借りることにした。
最初は夢が叶ったようで、ツトムと遊ぶのがとても楽しそうだった。
しかし次第に、両親が「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と言うようになり、健太はつらい気持ちになっていく。
私には妹がいるが、よく母に同じことを言われるので健太の気持ちがよく分かった。
理想の弟がほしいと思っていても、現実はそう簡単ではないのだ。
兄弟がいると楽しいことばかりではなく、嫌な思いをすることもある。
健太とツトムも喧嘩をしたり、健太が嫉妬したりする場面があった。
でも私が一番心に残ったのは、健太がツトムを返そうと決めたときの気持ちだ。
健太はその時、初めてツトムへの本当の愛情に気づいたのだと思う。
失ってから大切さに気づくというのは、よく聞く話だが実際に体験すると心に響く。
私も妹とけんかばかりしているが、もし妹がいなくなったらとても寂しいだろう。
この物語で面白いのは、ツトムがロボットだということだ。
でも健太にとってツトムは本当の弟のような存在になっていった。
ロボットと人間という違いを超えて、心のつながりが生まれたのがすごいと思った。
大切なのは血のつながりや外見ではなく、一緒に過ごす時間と相手を思いやる気持ちなのだ。
健太は最後には「本当の兄」になったのだと思う。
私もこれからは妹ともっと仲良くして、お姉ちゃんとしての責任も果たしたい。
『レンタルロボット』は家族の絆について考えさせてくれる素晴らしい物語だった。
兄弟げんかは嫌だけれど、それも含めて本当の兄弟関係なのだということを学んだ。
健太のように、私も家族を大切にして成長していきたい。
『レンタルロボット』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】弟ロボットから学んだ家族の意味
私は『レンタルロボット』を読んで、家族や兄弟の意味について考えさせられた。
この物語は小学4年生の健太が「ロボットかします」という不思議な店で弟ロボットのツトムをレンタルし、憧れの弟との生活を始める話だ。健太がツトムと出会った時の喜びがとても印象的だった。ずっと弟がほしかった健太にとって、ツトムは理想的な弟だった。元気で明るくて、健太になついてくれるツトム。二人で遊んだり話したりする場面を読んでいると、私も弟がほしくなった。私は一人っ子なので、兄弟がいる生活にあこがれることがある。
しかし物語が進むにつれて、健太の気持ちは複雑になっていく。両親が「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と言うようになり、ツトムが優先される状況に健太は不満を感じるようになった。この場面を読んで、兄弟がいることの大変さも知った。友達の中には兄弟がいる子がたくさんいるが、よく「弟がうざい」とか「妹がかわいがられてずるい」などの不満を耳にする。健太の気持ちは、まさにそういう兄弟たちと同じだったのだ。
最も感動したのは、健太がツトムを返すことを決めた場面だ。喧嘩や嫌な気持ちが続いて、健太はもうツトムといるのが嫌になってしまう。でもいざ別れを決めたとき、健太は初めてツトムへの本当の愛情に気づくのだ。これは「失って初めて分かる大切さ」という教訓だと思った。私も時々お父さんやお母さんに文句を言うが、もし家族がいなくなったらどれだけ寂しいかを考えると怖くなる。健太がツトムを心から大切に思っていたことが分かった時、私も涙が出そうになった。
この物語で興味深いのは、ツトムがロボットだということだ。普通なら機械に感情は移らないかもしれない。でも健太にとってツトムは本物の弟と変わらない存在になっていった。外見は小学1年生の男の子で、感情も持っているツトム。健太と一緒に遊び、時には喧嘩もする。ロボットと人間の境界を超えて、本当の兄弟のような絆が生まれていく過程が感動的だった。
この物語から、家族や兄弟とは血のつながりだけではないことを学んだ。大切なのは一緒に過ごす時間と、お互いを思いやる気持ちなのだ。健太はツトムとの関わりを通して、本当の兄として成長していく。時には嫉妬したり怒ったりもするが、それも含めてツトムを愛している兄になっていった。現実の兄弟関係もきっと同じで、楽しいことばかりではなく嫌な思いをすることもある。それらすべてを含めて、かけがえのない家族なのだ。
私は一人っ子だが、友達や先生、近所の人たちも私にとって大切な存在だ。血はつながっていなくても、心でつながっている人たちがいる。『レンタルロボット』を読んで、人と人とのつながりの大切さを改めて感じた。健太のように、私も周りの人たちを大切にして、思いやりの心を忘れないようにしたい。この物語は、家族の絆や、自分自身の成長について考える機会を与えてくれた素晴らしい作品だった。
振り返り
『レンタルロボット』の読書感想文の書き方について詳しく解説してきました。
この記事で紹介した3つの重要ポイントとテンプレート、そして例文を参考にすれば、きっと素晴らしい感想文が書けるはずです。
大切なのは物語を読んで素直に感じたことを、自分の言葉で表現することですよ。
健太とツトムの兄弟愛、家族の絆、そしてロボットを通して描かれる人間の心の温かさ。
これらのテーマについてあなたなりの感想を書けば、心に響く読書感想文が完成します。
頑張って書いてみてくださいね。
■参考サイト:ジュニア文学館『レンタルロボット』 | 学研出版サイト
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