『いつかの約束1945』の読書感想文を書く予定の小学生のみなさん、こんにちは。
この作品は山本悦子さんが作り、平澤朋子さんが絵を手がけた2023年発売の児童文学作品です。
2024年の青少年読書感想文全国コンクールで小学校中学年の部課題図書に選定された話題作でもありますね。
物語は9歳の少女たちが認知症のおばあちゃんと出会い、戦争の記憶と現代をつなぐ心温まるストーリーになっています。
年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文の書き方や例文、題名の付け方、書き出しのコツなど、小学生のみなさんが感想文を書くときに役立つテンプレートをお伝えしていきます。
コピペではなく、あなた自身の言葉で書けるよう丁寧にサポートしますよ。
『いつかの約束1945』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『いつかの約束1945』で読書感想文を書くときには、必ず書いておきたい重要なポイントが3つあります。
- 戦争の恐ろしさと平和の尊さについて実感したこと
- 時を超えたつながりと「いつかの約束」に込められた意味
- 物語を読んで自分がどう行動したいと思ったか
これら3つのポイントを意識して感想文を書けば、読み手の心に響く素晴らしい作品になるでしょう。
それでは一つずつ詳しく解説していきますね。
戦争の恐ろしさと平和の尊さについて実感したこと
『いつかの約束1945』の最も重要なテーマは、戦争の悲惨さと平和の大切さです。
物語の中で、すずおばあちゃんが飛行機を見て「爆弾を積んでいる」と恐れる場面があります。
現代を生きる私たちにとって飛行機は旅行や移動の手段ですが、戦時中は爆弾を運ぶ恐ろしいものでした。
また、すずおばあちゃんが今でも戦争時のやけどの痛みを覚えているという描写も印象的です。
戦争が終わって何十年も経っているのに、心と体に残る傷は消えないのですね。
ゆきなやみくたちが「戦争なんてするはずないじゃん」と言う場面もあります。
現代の子どもたちにとって戦争は遠い昔の出来事かもしれませんが、つい80年ほど前まで日本でも戦争があったのです。
青い空を見上げて鳥のさえずりを聞き、安心して飛行機を見ることができる今の生活は、決して当たり前のことではありません。
戦時中は空襲警報のサイレンが鳴り響き、人々は防空壕に隠れて恐怖に震えていました。
私たちが普段「当然」だと思っている平和な日常が、実はとても貴重で大切なものだということを『いつかの約束1945』は教えてくれます。
感想文では、あなたが日頃感じている平和な瞬間について具体的に書いてみてください。
友だちと笑い合える時間、家族と一緒に食事をする時間、好きな本を読める時間など、どれも平和だからこそ味わえる幸せです。
時を超えたつながりと「いつかの約束」に込められた意味
物語の最後で明かされる「いつかの約束」の絵には、とても深い意味が込められています。
すずおばあちゃんが戦時中に描いたその絵には、現在の平和な街の様子が描かれていました。
つまり、戦争中の子どもたちが願っていた平和な未来が、現在の私たちの生活であり、戦争を体験した人々の「平和への願い」が、時間を超えて現在の私たちにつながっているわけですね。
過去の人たちが描いた平和への夢が、今の私たちの現実。
そして今度は、私たちが未来の子どもたちのために平和を守り続ける番。
『いつかの約束1945』は、世代を超えた絆の物語でもあります。
おじいちゃんやおばあちゃんの世代、お父さんやお母さんの世代、そして私たちの世代がつながって、平和なバトンを受け渡していくのです。
感想文では、あなたの家族から聞いた昔の話や、おじいちゃんおばあちゃんの体験談について書いてみるのもいいでしょう。
もし戦争体験を直接聞いたことがなくても、平和な未来への願いを次の世代に伝えたいという気持ちを書けばOK。
過去から現在、そして未来へとつながる「約束」について、あなたなりの考えを表現してみてください。
物語を読んで自分がどう行動したいと思ったか
読書感想文で最も大切なのは、物語を読んで「自分はどう行動するか」「未来にどんな約束をするか」を具体的に書くことです。
もしあなたがゆきなやみくの立場だったら、すずおばあちゃんにどのように接したでしょうか。
二人の女の子は、最初は戸惑いながらも優しくすずおばあちゃんの話を聞き、一緒に町を歩きました。
相手の気持ちを理解しようとする姿勢が素晴らしいですね。
現在の私たちの生活で平和のためにできることはたくさんあります。
身近な人を思いやること、困っている人を助けること、環境を大切にすることなど、小さな行動の積み重ねが平和につながります。
また、おじいちゃんやおばあちゃんから戦争体験を聞いてみることも大切です。
直接体験談を聞くことで、教科書では学べない生の声を知ることができます。
図書館で戦争に関する本を読んだり、平和記念館を見学したりするのもいいでしょう。
感想文では、平和を守るためにあなたができる具体的な行動を書いてみてください。
「友だちと仲良くする」「いじめを見たら止める」「お年寄りに親切にする」など、身近なことから始められることがたくさんありますよ。
そして最後に、未来への自分なりの「約束」を書いてみましょう。
「私は平和な世界を次の世代に残したい」「戦争の悲しみを忘れずに伝えていきたい」など、あなたの心からの想いを表現してください。
読書感想文を書くために『いつかの約束1945』を読みながらメモしたい3項目
読書感想文を上手に書くためには、本を読みながら「どう感じたか」をメモしておくことがとても大切です。
あとから「何を感じたっけ?」と思い出そうとしても、なかなか思い出せないものですからね。
- すずおばあちゃんの言動を見てあなたが感じたこと
- ゆきなとみくの行動を見てあなたが感じたこと
- 「いつかの約束」の絵を知ったときにあなたが感じたこと
この3つの項目について、本を読みながら感じたことをメモしておきましょう。
「どう感じたか」は感想文の中心になる部分。
同じ物語を読んでも、人それぞれ感じ方は違います。
あなただけの感じ方こそが、オリジナルで魅力的な感想文になるんですね。
すずおばあちゃんの言動を見てあなたが感じたこと
すずおばあちゃんは認知症の影響で、心が9歳の頃に戻っています。
現代の自動販売機や飛行機に驚く様子、戦争の話題になると体が痛む描写など、印象的な場面がたくさんありますね。
「私はおばあちゃんじゃない、9歳の関根すずよ」と言うすずおばあちゃんを見て、あなたはどう感じましたか?
最初は「変な人だな」と思ったかもしれません。
でも物語が進むにつれて、すずおばあちゃんの心の中には戦争の辛い記憶があることがわかります。
その記憶があまりにも強烈で、現在の現実と過去の記憶が混ざってしまっているのです。
すずおばあちゃんの言葉や行動から、戦争の恐ろしさを感じた人も多いでしょう。
一方で、すずおばあちゃんの純粋さや子どもらしさに心を動かされた人もいるかもしれません。
9歳の心のまま、平和への願いを持ち続けている姿は美しくもあります。
メモには「かわいそうだと思った」「強い人だと思った」「やさしい心を持っていると感じた」など、あなたが素直に感じたことを書いてください。
感想に正解や不正解はありません。
あなたの心が動いた瞬間を大切にしてくださいね。
ゆきなとみくの行動を見てあなたが感じたこと
ゆきなとみくは、突然現れた不思議なおばあちゃんと一緒に町を歩き回ります。
最初は戸惑っていた二人ですが、すずおばあちゃんの話を真剣に聞き、優しく接していましたね。
もしあなたがゆきなやみくの立場だったら、同じように行動できたでしょうか?
「私だったら怖くて逃げてしまったかもしれない」と感じた人もいるでしょう。
「二人はすごく優しい」「見習いたい」と思った人もいるはずです。
ゆきなとみくが大人に助けを求めながらも、最後まですずおばあちゃんと一緒にいた姿から、責任感の強さを感じた人もいるかもしれません。
また、戦争について「するはずないじゃん」と言った場面では、現代の子どもの平和への信頼を感じたのではないでしょうか。
二人の女の子の行動や言葉を見て、あなたが「いいな」と思ったところ、「すごいな」と感じたところをメモしておきましょう。
「私も困っている人がいたら助けたい」「もっと相手の話を聞くようにしたい」など、自分の行動につながる気づきがあったかもしれませんね。
ゆきなとみくから学んだことを具体的に書けば、感想文がより深みのあるものになります。
「いつかの約束」の絵を知ったときにあなたが感じたこと
物語のクライマックスで明かされる「いつかの約束」の絵には、多くの読者が感動します。
戦時中にすずおばあちゃんが描いたその絵には、現在の平和な街の様子が描かれていました。
この事実を知ったとき、あなたはどのような気持ちになったでしょうか?
「すごい」「感動した」「鳥肌が立った」など、驚きの気持ちを感じた人が多いでしょう。
戦争中の子どもが夢見た平和な未来が、現在の私たちの日常になっているという事実は本当に感動的です。
一方で「責任を感じた」「重いなと思った」という感想を持った人もいるかもしれません。
過去の人たちの願いを受け継いで、平和を守り続けなければならないプレッシャーを感じたのでしょう。
「時間を超えたつながりってすごい」「自分も未来の子どもたちのために何かしたい」と思った人もいるはずです。
絵に込められた意味を知ったときの、あなたの心の動きをメモしておいてください。
その瞬間に感じた気持ちこそが、あなただけの貴重な感想です。
「私たちの今の生活は、昔の人たちの願いが叶った姿なんだ」という気づきがあったなら、それも立派な感想になります。
感動した理由、驚いた理由、考えさせられた理由を具体的に書けば、読み手に伝わる感想文になりますよ。
『いつかの約束1945』の読書感想文のテンプレート
『いつかの約束1945』の読書感想文テンプレートを作成しました。
読書感想文が苦手な小学生でも各項目に「感じたこと」を埋め込めば、スムーズに完成する構成になっています。
1. はじめに(なぜこの本を選んだか、第一印象)
– 例:「ぼくは学校の読書感想文の宿題でこの本を読みました。」
– 例:「タイトルを見て、戦争のことが書いてあると思い、気になりました。」
2. あらすじの簡単な紹介
– 例:「この本は、小学生のゆきなとみくが、認知症のおばあちゃん・すずさんと出会い、一緒に戦争の話や昔のことを知っていく物語です。」
– 例:「すずさんは自分が9歳のままだと思っていて、みんなで町を歩きながら過去と今の生活の違いを感じます。」
3. 印象に残った場面や出来事を書く
– 例:「すずさんが描いた『いつかの約束』のには平和への願いが込められていて心に残りました。」
– 例:「ゆきなとみくがすずさんをやさしく支えるところが印象的でした。」
4. 自分の気持ちや考えたことを書く
– 例:「ぼくも戦争のことをもっと知りたいと思いました。」
– 例:「お年寄りや困っている人にやさしくしようと思いました。」
– 例:「平和な世の中を大事にしなければいけないと感じました。」
5. 読んで変わったことや学んだことを書く
– 例:「この本を読んで、戦争の悲しさと平和の大切さを学びました。」
– 例:「これからは戦争のことを忘れないようにして、平和を守るためにできることを考えたいです。」
6. おわりの言葉(感想のまとめ)
– 例:「『いつかの約束1945』は、戦争のことを知り、平和の大切さを考えるきっかけになる本でした。」
– 例:「ぼくはこの本を読んでよかったと思います。」
このテンプレートに沿って書くことで、わかりやすく、気持ちが伝わる読書感想文が完成します。
自分の思ったことや感じたことを素直に書くことが大切ですよ。
『いつかの約束1945』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】すずおばあちゃんが教えてくれたこと
私は『いつかの約束1945』を読んで、戦争の怖さと平和の大切さについて深く考えた。
この物語は、小学生のゆきなとみくが、心が9歳のままのすずおばあちゃんと出会う話である。
すずおばあちゃんは認知症で、昔の戦争の記憶と今の生活が混ざっている。
最初に印象に残ったのは、すずおばあちゃんが飛行機を見て「爆弾を積んでいる」と怖がる場面だった。
私にとって飛行機は旅行に使う楽しいものだが、戦争中は爆弾を運ぶ恐ろしいものだったのだ。
同じ飛行機を見ても、こんなに違う気持ちになるなんて意外だし、悲しいことだと思う。
すずおばあちゃんが今でも戦争のやけどの痛みを覚えているという話も心に残った。
戦争が終わって何十年も経つのに、心と体の傷は消えないのだと思うと悲しくなった。
一番感動したのは、「いつかの約束」の絵を知った場面である。
すずおばあちゃんが戦争中に描いた絵には、今の平和な街が描かれていた。
戦争中の子どもが夢見た平和な未来が、今の私たちの生活なのだと気づいて鳥肌が立った。
私たちが当たり前だと思っている毎日は、昔の人たちが願い続けた特別な日々なのだ。
ゆきなとみくがすずおばあちゃんを最後まで優しく支えた姿も素晴らしいと思った。
困っている人を見かけたとき、二人のように優しく話を聞いてあげたい。
この本を読んで、私も平和を守るために何かしたいと思った。
まずはお年寄りに親切にしたり、友だちと仲良くしたりすることから始めたい。
そして将来は、戦争の怖さと平和の大切さを次の世代に伝えていきたい。
『いつかの約束1945』は、過去と現在と未来をつなぐ大切なメッセージを教えてくれた。
私も未来の子どもたちに平和な世界を残すという約束をしたいと思う。
『いつかの約束1945』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】時を超えた平和への願い
私は『いつかの約束1945』を読んで、戦争と平和について今まで考えたことがないほど深く考えさせられた。
この物語は、小学生のゆきなとみくが道で出会った不思議なおばあちゃん、関根すずさんとの一日を描いた話である。
すずおばあちゃんは認知症の影響で心が9歳の頃に戻っており、戦争の記憶と現在の生活が頭の中で混ざっている。
特に印象に残ったのは、すずおばあちゃんが空を飛ぶ飛行機を見て「爆弾を積んでいる」と恐れる場面である。
私にとって飛行機は旅行や移動に使う便利な乗り物だが、戦争中の人たちにとっては命を脅かす恐怖の象徴だったのだ。
同じ青い空を見上げても、戦時中は空襲の恐怖におびえていたと思うと胸が苦しくなった。
また、すずおばあちゃんが今でも戦争時のやけどの痛みを体で覚えているという描写も心に刺さった。
戦争が終わって何十年も経っているのに、心と体に刻まれた傷は消えることがない。
ゆきなとみくの二人の行動からも多くのことを学んだ。
最初は戸惑っていた二人だが、すずおばあちゃんの話を真剣に聞き、最後まで一緒にいてあげた優しさが素晴らしいと思った。
もし私がその場にいたら、同じように行動できただろうか。
でも二人を見習って、困っている人がいたら勇気を出して声をかけてあげたいと思った。
物語の中で最も心を揺さぶられたのは、「いつかの約束」の絵を知った場面だ。
すずおばあちゃんが戦争中に描いたその絵には、現在の平和な街の様子が描かれていた。
戦争で苦しんでいた子どもが夢見た平和な未来が、今の私たちの日常生活そのものだったのだ。
私たちが「当たり前」だと思っている毎日は、実は昔の人たちが命をかけて願い続けた特別な日々なのだろう。
友だちと笑い合い、家族と食事をし、好きな本を読める時間は、決して当然のことではない。
戦争を体験した人たちの平和への願いが、時間を超えて現在の私たちにつながっている。
過去の人たちの想いを受け継いで、今度は私たちが未来の世代に平和を引き継ぐ番なのだ。
この本を読んで、私も平和を守るために行動したいと強く思った。
友だちと喧嘩したときはきちんと話し合う、いじめを見かけたら止める、お年寄りに親切にするなど、小さなことでも平和につながる行動はたくさんある。
また、おじいちゃんやおばあちゃんから戦争体験を聞いてみたいと思った。
図書館で戦争に関する本を読んだり、平和記念館を見学したりすることも大切だと思う。
『いつかの約束1945』を読んで、私は時を超えた約束の大切さを学んだ。
過去から現在へ、そして現在から未来へとつながる平和への願いを、私も次の世代に手渡していきたい。
それが今を生きる私たちの責任であり、未来への約束なのだと思う。
振り返り
『いつかの約束1945』の読書感想文について、書き方のポイントから具体的な例文まで詳しくお伝えしました。
この作品は戦争と平和について考えさせる深いメッセージが込められた素晴らしい物語です。
あなたが感想文を書くときには、物語を読んで心が動いた瞬間を大切にしてください。
すずおばあちゃんの言葉に何を感じたか、ゆきなとみくの行動をどう思ったか、「いつかの約束」の絵を知ったときの気持ちはどうだったか。
あなただけの感じ方こそが、オリジナルで魅力的な感想文になります。
今回お伝えしたポイントを参考にしながら、ぜひあなたらしい読書感想文を書いてみてくださいね。
きっと先生や友だち、家族に読んでもらいたくなる素敵な作品ができあがりますよ。
※『いつかの約束1945』のあらすじはこちらでご紹介しています。

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