アレックス・シアラーの『青空のむこう』の読書感想文を書くことになった皆さん、こんにちは。
この作品は、自転車事故で亡くなった少年ハリーが死者の国から現世に戻って家族への想いを伝えようとする、感動的な児童文学作品です。
作者のアレックス・シアラーはイギリス・スコットランド出身の作家で、ガーディアン賞にもノミネートされた実績を持つ実力派。
日本では金原瑞人さんの翻訳で2002年に出版され、累計69万部を超えるベストセラーとなりました。
今回は年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文の書き方や例文、題名の付け方から書き出しのコツまで、小学生・中学生・高校生それぞれのレベルに合わせて詳しく解説していきますよ。
コピペではなく、自分らしい感想文を書くためのポイントも盛りだくさんです。
『青空のむこう』の読書感想文で触れたい3つの要点
『青空のむこう』の読書感想文を書く際に必ず触れておきたい重要なポイントを3つご紹介します。
- 死を通して描かれる「生きることの大切さ」と「今この瞬間の価値」
- 後悔や伝えられなかった気持ち、そして「伝えること」の重要性
- ハリーとアーサーの友情から学ぶ、時代を超えた人間関係の普遍性
これらの要点について、読みながら「自分はどう感じたか」をメモしておくと、感想文を書くときにとても役立ちますよ。
メモの取り方は簡単です。
付箋やノートに「この場面で何を感じたか」「自分の体験と重なる部分はあるか」「登場人物のどの行動に共感したか」などを書き留めておきましょう。
なぜ「どう感じたか」が重要なのかというと、読書感想文は本の内容を要約するレポートではなく、あなた自身の心の動きを表現する文章だからです。
それでは、それぞれの要点について詳しく見ていきましょう。
死を通して描かれる「生きることの大切さ」と「今この瞬間の価値」
主人公ハリーは突然の事故で命を失い、死者の立場から自分が生きていた日常を振り返ることになります。
幽霊となって家族や友人の様子を見守る中で、ハリーは生きていた頃には当たり前だと思っていた毎日がどれほど貴重だったかに気づくのです。
家族との何気ない会話、友達との他愛のない時間、学校での日常的な出来事。
これらすべてが、実はかけがえのない宝物だったということを、死者の目線から描いています。
この部分を読んで、あなたは自分の日常についてどう感じましたか?
普段当たり前だと思っている家族との時間や友達との関係について、新しい発見はありましたか?
「もし自分がハリーの立場だったら、何を後悔するだろう」と考えてみることで、今の自分の生活を見つめ直すきっかけになるはずです。
後悔や伝えられなかった気持ち、そして「伝えること」の重要性
ハリーが最も後悔しているのは、姉のエギーとケンカしたまま仲直りできなかったことです。
「ごめんね」も「ありがとう」も言えないまま死んでしまったハリーは、幽霊となって必死に家族に気持ちを伝えようとします。
しかし、幽霊の声は生きている人には届きません。
この切ない状況を通して、作者は「大切な人に気持ちを伝えることの大切さ」を私たちに教えてくれます。
あなたも家族や友達とケンカをして、素直に謝れなかった経験はありませんか?
「今度でいいや」「また今度言えばいい」と思って、結局言えずじまいになってしまったことはありませんか?
ハリーの体験を読んで、あなた自身の人間関係について考えたことをメモしておきましょう。
「普段から感謝の気持ちを伝えているか」「素直に謝ることができているか」など、自分の行動を振り返ってみてください。
ハリーとアーサーの友情から学ぶ、時代を超えた人間関係の普遍性
死者の国でハリーが出会うアーサーは、100年以上前に亡くなった少年です。
時代も生活環境も全く違う二人ですが、お互いに支え合い、深い友情を育んでいきます。
アーサーの古風な言葉遣いや考え方は現代っ子のハリーとは大きく異なりますが、「やり残したことがある」という共通の境遇が二人を結びつけます。
この友情は、人間の基本的な感情や願いは時代が変わっても変わらないということを教えてくれます。
孤独感、友達への思いやり、家族への愛情など、人として大切にすべき気持ちは普遍的なものなのです。
あなたは友達との関係において、どのような価値観を大切にしていますか?
ハリーとアーサーのように、背景が違う人とも心を通わせることができた経験はありますか?
この二人の友情から学んだことを、具体的なエピソードと一緒にメモしておくと、感想文に深みが出るでしょう。
また、物語の中でユーモラスに描かれるアーサーの古風な表現についても、どう感じたかを記録しておくといいですね。
重いテーマの中にも温かさや笑いがある、この作品の魅力的な部分です。
『青空のむこう』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】大切な人への「ありがとう」
主人公のハリーは私と同じくらいの年の男の子で、自転車に乗っていて事故に遭って死んでしまう。
でもハリーは幽霊になって、自分の家族のところに帰ってくるのだ。
一番心に残ったのは、ハリーが姉のエギーに「ごめんね」と言いたくても言えない場面だった。
ハリーは生きているときにエギーとよくケンカをしていて、死ぬ前にも大きなケンカをしたままだった。
幽霊になったハリーは、エギーが自分の死を悲しんで泣いているのを見て、とても苦しい気持ちになる。
「ごめんね」と何度も叫んでも、エギーには聞こえない。
この場面を読んで、私は胸がぎゅっと痛くなった。
私も妹とケンカをすることがあるけれど、いつも「また今度謝ればいい」と思っていた。
でも、もしハリーみたいなことが起きたら、後悔してもしきれないと思う。
ハリーが死者の国で出会ったアーサーという男の子も印象的だった。
アーサーは100年前に死んだ子で、古い時代の話し方をする。
最初はハリーと全然違うと思ったけれど、二人とも家族に会いたいという気持ちは同じだった。
時代が違っても、人の心は変わらないのだと思った。
この本を読んで、私は毎日を大切に過ごしたいと思うようになった。
学校から帰ったら、まずお母さんに「ただいま」と元気よく言おう。
妹とケンカをしたときは、素直に「ごめんね」と言おう。
お父さんにも「お疲れさま」と声をかけよう。
友達にも「ありがとう」をもっと伝えたい。
ハリーは幽霊になってから、生きていたときの毎日がどれだけ特別だったかに気づく。
私はまだ生きているから、今のうちに大切な人たちに気持ちを伝えることができる。
それはとても幸せなことなのだと、この本が教えてくれた。
『青空のむこう』は悲しい話だけれど、最後は希望を感じることができる物語だった。
ハリーが最終的に青い世界に向かう決意を固める場面では、私も勇気をもらった。
もし友達に「どんな本がおすすめ?」と聞かれたら、迷わず『青空のむこう』を薦めたい。
きっと友達も、家族や大切な人への思いを新しく発見できると思うからだ。
『青空のむこう』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)
【題名】後悔しないために今できること
この物語は、交通事故で命を落とした少年ハリーが幽霊となって家族のもとに戻ってくるという設定だが、中心的なメッセージは「生きることの意味の問いかけ」だと思う。
物語の中で最も印象に残ったのは、ハリーが姉のエギーとの関係に抱く後悔の念である。
生前は些細なことで口論ばかりしていた二人だったが、ハリーは死んでから初めて、エギーがどれほど自分を愛していたかを知ることになる。
幽霊となったハリーがエギーに「ごめんね」と伝えようと必死になる場面では、私も胸が締めつけられる思いがした。
この描写を読んで、私は自分と弟との関係を思い返した。
普段は些細なことでケンカをしたり、素直に感謝の気持ちを伝えられなかったりすることが多い。
でも、もし私がハリーの立場だったら、どれほど後悔するだろうかと考えると、今の関係を見直さなければならないと感じた。
また、ハリーが死者の国で出会うアーサーとの友情も心に残った。
100年以上前に亡くなったアーサーは、現代っ子のハリーとは全く異なる価値観や話し方をする。
しかし、二人とも「やり残したこと」があるという共通点で結ばれ、深い絆を築いていく。
この友情は、時代や環境が違っても、人間の基本的な感情は変わらないということを教えてくれる。
私も学校で様々な背景を持つ友達と接する中で、最初は理解し合えないと思った相手とも、時間をかけて話し合うことで親しくなれた経験がある。
ハリーとアーサーの関係は、そうした友情の大切さを改めて実感させてくれた。
この物語が私に最も強く訴えかけたのは、「今この瞬間」の価値である。
ハリーは死んでから、生きていた頃には当たり前だと思っていた日常がどれほど貴重だったかに気づく。
家族との何気ない会話、友達との他愛のない時間、学校での日常的な出来事。
これらすべてが、実はかけがえのない宝物だったのだ。
私たちは普段、明日も同じような日が続くと思って生活している。
でも、ハリーの体験を通して、その「当たり前」がいつまでも続くわけではないということを痛感した。
この気づきは、私の日常に対する見方を大きく変えた。
朝、家族と交わす「おはよう」という挨拶も、友達との放課後の雑談も、すべてが特別な瞬間なのだと思えるようになった。
『青空のむこう』は、死という重いテーマを扱いながらも、決して絶望的な物語ではない。
むしろ、生きることの素晴らしさや希望を強く感じさせてくれる作品だった。
ハリーが最終的に「彼方の青い世界」に向かう決意を固める場面では、彼の成長と前向きな気持ちが伝わってきて、私も勇気をもらった。
この本を読んで、私は二つの決意を固めた。
一つは、家族や友達に対して素直に感謝の気持ちを伝えることだ。
「ありがとう」や「ごめんね」といった言葉を、恥ずかしがらずに口にしたい。
もう一つは、毎日を大切に生きることだ。
何気ない日常の中にも感謝すべきことがたくさんあることを忘れずに、一日一日を精一杯生きていきたい。
『青空のむこう』は、私にとって人生観を変える一冊となった。
この物語が教えてくれた「今を大切に生きる」というメッセージを胸に、後悔のない人生を歩んでいきたいと思う。
『青空のむこう』の読書感想文の例文(2000字の高校生向け)
【題名】死が教えてくれた「生」の意味
『青空のむこう』を読み終えたとき、私は深い感動と同時に、自分自身の人生を振り返ることになった。
この物語は、突然の交通事故で命を失った少年ハリーが、幽霊となって現世に戻り、家族への想いを伝えようとする物語である。
一見するとファンタジー小説のような設定だが、その本質は極めて現実的で普遍的なテーマを扱っている。
それは「生きることの意味」と「人間関係の大切さ」である。
物語の冒頭でハリーが事故に遭う場面は、私たちの日常がいかに脆いものかを突きつける。
昨日まで元気だった少年が、ほんの一瞬の出来事で命を失ってしまう。
この理不尽さは、私たちが普段意識していない「死」というものを身近に感じさせる。
しかし、作者はこの重いテーマを決して暗く描いているわけではない。
むしろ、死者の視点から「生」を見つめ直すことで、生きることの素晴らしさを浮き彫りにしているのだ。
特に印象深かったのは、ハリーが姉のエギーとの関係に抱く後悔の念である。
生前は些細なことで口論を繰り返していた二人だったが、ハリーは死後、エギーの深い愛情を知ることになる。
幽霊となったハリーがエギーに「ごめんね」と伝えようと必死になる場面では、私も胸が締めつけられる思いがした。
この場面を読んで、私は自分自身の家族関係を振り返らずにはいられなかった。
私も普段、両親や兄弟に対して素直になれないことが多い。
感謝の気持ちがあっても恥ずかしくて言えなかったり、些細なことでイライラしてしまったりする。
でも、もし私がハリーの立場だったら、どれほど後悔するだろうか。
この想像は、私にとって非常に重要な気づきをもたらした。
「当たり前」に存在している家族との時間が、実はかけがえのない宝物であるということを改めて実感したのだ。
また、ハリーが死者の国で出会うアーサーとの友情も、この物語の重要な要素である。
100年以上前に亡くなったアーサーは、ハリーとは全く異なる時代背景を持つ少年だ。
古風な言葉遣いや価値観を持つアーサーと、現代っ子のハリーが友情を育む過程は、人間関係の本質を教えてくれる。
二人を結びつけたのは、時代の違いではなく、「やり残したことがある」という共通の想いだった。
アーサーは母親への想いを抱き続け、ハリーは家族への後悔を背負っている。
この共通点が、時代を超えた深い絆を生み出すのだ。
この友情から私が学んだのは、人間の根本的な感情は時代が変わっても変わらないということである。
愛情、後悔、孤独、友情といった感情は、いつの時代の人間にも共通する普遍的なものなのだ。
私たちが現代社会で抱える悩みや喜びも、実は過去の人々が経験してきたものと本質的には同じなのかもしれない。
ハリーは死んでから、生きていた頃には当たり前だと思っていた日常がどれほど貴重だったかに気づく。
朝起きて家族と朝食を取ること、友達と学校で過ごすこと、夕食の席で家族と会話することなど、これらすべてがかけがえのない体験だったのだ。
私たちは往々にして、未来のことばかり考えて現在を軽視してしまう。
「将来こうなりたい」「いつかあれをやりたい」といった願望は大切だが、それに気を取られて「今」を疎かにしてしまうことがある。
ハリーの体験は、そうした私たちの傾向に対する強い警鐘となっている。
亡くなってからハリーが最も後悔したのは、家族に自分の本当の気持ちを伝えられなかったことだ。
「ありがとう」・「ごめんね」といった言葉を、私たちは普段どれほど口にしているだろうか。
恥ずかしさや照れくささから、大切な人への想いを伝えそびれてしまうことは多い。
しかし、ハリーの体験を通して、そうした想いを伝えることがいかに重要かを痛感した。
言葉にしなければ、相手に伝わることはない。
当たり前のことだが、私たちはこの当たり前のことを実践できていないことが多いのではないだろうか。
『青空のむこう』は、死という極限状況を通して、生きることの本質を問いかける作品である。
重いテーマを扱いながらも、物語全体に流れるのは希望と温かさだ。
ハリーが最終的に「彼方の青い世界」に向かう決意を固める場面では、彼の成長と前向きな気持ちが強く伝わってくる。
この物語を読んで、私は自分の人生に対する姿勢を大きく見直すことになった。
まず、家族や友人との関係をより大切にしたいと思った。
普段当たり前だと思っている彼らの存在に感謝し、素直に気持ちを伝えていきたい。
また、毎日の小さな出来事にも目を向け、それらを大切に味わいたい。
朝の清々しい空気、友達との何気ない会話、家族との食事の時間など、すべてが貴重な体験なのだということを忘れずにいたい。
そして、後悔のない人生を送るために、今できることを精一杯やっていきたい。
『青空のむこう』は、私にとって人生観を変える一冊となった。
この物語が教えてくれた「今を大切に生きる」というメッセージを胸に、一日一日を大切に歩んでいきたいと思う。
振り返り
『青空のむこう』の読書感想文について、書き方のポイントから具体的な例文まで詳しく解説してきました。
この記事では、小学生から高校生まで、それぞれの学年に合わせた文体や内容で感想文の書き方をご紹介しました。
重要なのは、物語の内容を単純に要約するのではなく、あなた自身が「どう感じたか」を中心に書くことです。
ハリーの体験を通して学んだこと、登場人物たちの行動から考えたこと、そして日常生活への応用など、あなたならではの視点を大切にしてください。
今回ご紹介した3つの要点を参考にしながら、あなた自身の体験や感じたことを織り交ぜれば、きっと素晴らしい読書感想文が完成するはずです。
『青空のむこう』が伝える「今を大切に生きる」というメッセージを、あなたなりの言葉で表現してみてくださいね。
※『青空のむこう』のあらすじはこちらで簡単にご紹介しています。

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