『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文を書く予定のみなさんに分かりやすく書き方をご紹介します。
『とびたて!みんなのドラゴン 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』は、北九州市立日明小学校で実際にあった出来事をもとにした感動のノンフィクション作品で2025年小学校高学年の部の課題図書に選ばれました。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えた竹永先生と、内気な小学6年生のマナミをはじめとする合唱部の子どもたちが、全国大会の金賞を目指して成長していく姿が丁寧に描かれています。
作者のオザワ部長さんは、実話をもとにこの心温まる物語を書きあげました。
『とびたて!みんなのドラゴン』は読書感想文を書く小学生のみなさんにとって、とても書きやすく、学びの多い課題図書だと感じています。
この記事では、年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文の書き方を丁寧に説明し、800字と1200字の例文も紹介していきます。
みなさんの感想文作りのお役に立てるよう、わかりやすく解説していきますね。
『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文を書くときに、必ず触れておきたい大切なポイントが3つあります。
これらのポイントを意識して読むことで、深くて心に残る感想文が書けるようになりますよ。
- 「ドラゴン」という言葉に込められた意味について考える
- 竹永先生の病気との向き合い方と教育への想いを理解する
- 合唱部のメンバーたちの成長と仲間との絆を感じ取る
これらのポイントは、『とびたて!みんなのドラゴン』という物語の核心部分です。
どれも読書感想文を書くときに欠かせない要素なので、一つずつ詳しく見ていきましょう。
「ドラゴン」という言葉に込められた意味について考える
『とびたて!みんなのドラゴン』というタイトルにある「ドラゴン」は、ただの想像上の生き物ではありません。
この物語で「ドラゴン」は、勇気や希望、そして困難に立ち向かう強い心を表す大切な象徴なんです。
主人公のマナミは、内気で人前で話すことが苦手な女の子でした。
でも、合唱部での活動を通して、少しずつ自分の殻を破っていきます。
その成長の過程で、マナミの心の中にも「ドラゴン」が育っていくのです。
合唱部が歌う自由曲『僕のドラゴン』には、「ドラゴンポーズ」という振り付けもあります。
これは子どもたちが自分の中の勇気を表現する大切な場面です。
読書感想文を書くときは、あなた自身の心の中にも「ドラゴン」があることを考えてみてください。
新しいことに挑戦するとき、こわくて不安になったことはありませんか。
でも、それでも一歩踏み出したとき、あなたの心の中のドラゴンも羽ばたいているのかもしれません。
マナミや合唱部のみんなの「ドラゴン」と、あなたの「ドラゴン」を重ね合わせて考えることで、とても深い感想文が書けるでしょう。
竹永先生の病気との向き合い方と教育への想いを理解する
竹永亮太先生は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難しい病気を患っています。
この病気は体が少しずつ動かなくなっていく辛い病気です。
でも、竹永先生は「病気だけど不幸じゃない」と言い切ります。
先生のこの言葉には、とても深い意味が込められているんです。
竹永先生は高校時代に、将来この病気になるかもしれないと知って、一時は希望を失いかけました。
でも、周りの先生たちの温かい支えがあったおかげで、自分も子どもたちを支える教師になりたいという夢を持つことができたのです。
そして、その夢を叶えた竹永先生に勇気を与えたのが、日明小学校の歌声でした。
病気になってからも、先生は子どもたちと真剣に向き合い続けます。
厳しく叱るのではなく、一人ひとりのよいところを見つけて伸ばそうとする先生の指導方法は、とても心に響きます。
読書感想文では、竹永先生の生き方から何を学んだかを書いてみましょう。
困難な状況でも前向きに生きる先生の姿勢や、子どもたちへの愛情深い指導について、あなたがどう感じたかを素直に表現してください。
先生の「歌うことの本当の意味」という教えも、感想文の重要なテーマになるでしょう。
合唱部のメンバーたちの成長と仲間との絆を感じ取る
『とびたて!みんなのドラゴン』に登場する合唱部の子どもたちは、それぞれに個性があり、悩みも抱えています。
マナミのように内気な子、本番で失敗してしまうカネコくん、無口で消極的な子など、完璧ではない普通の小学生たちです。
でも、だからこそ彼らの成長がとても感動的なのです。
最初はバラバラだった合唱部のメンバーたちが、竹永先生の指導のもとで少しずつ変わっていきます。
全国大会を目指すという共通の目標を持ち、お互いを支え合いながら練習に取り組む姿は、まさにチームワークの力を表しています。
特に印象的なのは、竹永先生が辞意を示したときの場面。
普段は言い出せなかった子どもたちが、初めて自分たちの気持ちを先生に伝え、一致団結する場面は胸が熱くなります。
合唱コンクールでの「かっぱ」と「僕のドラゴン」では、技術だけでなく「心を込めて歌う」ことの大切さが描かれています。
読書感想文では、子どもたちの成長ぶりや、仲間との関係について感じたことを書いてみましょう。
あなた自身の学校生活や友達関係と重ね合わせて考えると、より深い感想が書けるはずです。
みんなで力を合わせて何かを成し遂げる喜びや、支え合うことの大切さについて、あなたなりの言葉で表現してみてください。
読書感想文を書くために『とびたて!みんなのドラゴン』を読んだらメモしておきたい3項目
『とびたて!みんなのドラゴン』を読みながら、あなたが「どう感じたか」をメモしておくことは、良い読書感想文を書くためにとても重要です。
感想文は、ただあらすじを書くだけでは面白くありません。
あなた自身が物語を読んで心に感じたことを書くからこそ、読む人の心に響く文章になるのです。
- マナミの成長に共感したり応援したりした場面
- 竹永先生の言葉や行動に感動した瞬間
- 合唱部のみんなの絆や努力に心を動かされた部分
これらの項目について、読書中に感じたことをしっかりとメモしておきましょう。
そのメモが、あなただけの特別な読書感想文を作る材料になりますよ。
マナミの成長に共感したり応援したりした場面
主人公のマナミは、物語の最初では内気で人前で話すことができない女の子として描かれています。
でも、合唱部での活動を通して、少しずつ勇気を出せるようになっていきます。
マナミが一人で歌うように言われて泣き出してしまった場面では、「わかるなあ」と共感した人も多いのではないでしょうか。
人前で何かをするのは、大人でもドキドキして緊張するものです。
マナミの気持ちがよく分かったという場面があれば、ぜひメモしておいてください。
また、竹永先生の「病気だけど不幸じゃない」という言葉を聞いて、マナミの気持ちに変化が起きる場面も重要です。
目の前の壁から逃げないようになっていくマナミの姿を見て、あなたはどう感じましたか。
「がんばれ」と応援したくなったでしょうか。
それとも「私も同じような経験がある」と思ったでしょうか。
あなた自身が内気だったり、人前で話すのが苦手だったりする場合は、マナミの成長がとても励みになったはずです。
そんな気持ちを素直にメモしておくことで、心のこもった感想文が書けるでしょう。
マナミのように、あなたも何かにちょうせんして成長した経験があれば、それも一緒に書くと良い感想文になりますよ。
竹永先生の言葉や行動に感動した瞬間
竹永先生は、ALSという難しい病気と闘いながらも、子どもたちに希望と勇気を与え続けます。
先生の言葉や行動の中で、特に心に残った場面をメモしておきましょう。
「病気だけど不幸じゃない」「先生はむしろワクワクしよる」という先生の言葉は、とても印象的です。
この言葉を聞いたとき、あなたはどんな気持ちになりましたか。
驚いたでしょうか。
それとも、先生の強さに感動したでしょうか。
病気という辛い現実を前にしても、前向きに生きる先生の姿勢から、あなたは何を学んだでしょうか。
また、先生が子どもたちを厳しく叱るのではなく、一人ひとりの良いところを見つけて褒めて伸ばそうとする教育方針も心に残るポイントです。
日本でいちばん明るく、日本でいちばん元気に、日本でいちばんこころをこめて歌おう。
という先生の指導方針についても考えてみてください。
技術だけでなく、心を込めることの大切さを教えてくれる先生の言葉に、どんな感動を覚えましたか。
竹永先生の生き方や考え方が、あなたの価値観にどんな影響を与えたかを考えることで、深い感想文が書けるはずです。
先生のような人になりたいと思ったか、それとも先生の言葉に励まされたかなど、素直な気持ちをメモしておいてください。
合唱部のみんなの絆や努力に心を動かされた部分
『とびたて!みんなのドラゴン』では、個性豊かな合唱部のメンバーたちが、時にはぶつかり合いながらも、最終的には強い絆で結ばれていく様子が描かれています。
この成長過程で、あなたが心を動かされた場面をしっかりとメモしておきましょう。
最初は本気で練習しない部員たちに不満を持っていたナゴという子が、みんなをまとめていく場面はとても印象的です。
竹永先生が辞めようとしたとき、部員たちが初めて本当の気持ちを伝え、一致団結する場面では、きっと胸が熱くなったことでしょう。
みんなで力を合わせて全国大会を目指す姿や、お互いを支え合いながら練習に取り組む様子を見て、どんな気持ちになりましたか。
「いいなあ」と思ったでしょうか。
それとも「私のクラスもこんな風になればいいのに」と思ったでしょうか。
合唱コンクールで「かっぱ」と「僕のドラゴン」を歌う場面では、技術的な上手さだけでなく、心を一つにして歌うことの素晴らしさが描かれています。
あなた自身も、友達と一緒に何かに取り組んだ経験があるのではないでしょうか。
運動会や文化祭、クラス対抗の行事など、みんなで協力した思い出と重ね合わせて考えてみてください。
そのときの気持ちと、『とびたて!みんなのドラゴン』の合唱部のみんなの気持ちを比べてみると、きっと共通する部分があるはずです。
『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】心の中のドラゴンを信じて
私は『とびたて!みんなのドラゴン』を読んで、勇気とは何かということを深く考えさせられた。
この本は、ALS という病気と闘う竹永先生と、内気な小学生たちが合唱を通して成長していく実話をもとにした物語だ。
主人公のマナミは、私と同じ小学6年生で、人前で話すことがとても苦手な女の子だった。
合唱部に入ったものの、一人で歌うように言われて泣き出してしまう場面を読んだとき、私も同じような気持ちになったことがあるので、とてもよく分かった。
新しいクラスで自己紹介をするときや、授業で発表するとき、私もマナミのようにドキドキして声が出なくなることがある。
でも、マナミは合唱部の活動を続けていくうちに、少しずつ変わっていった。
竹永先生の「病気だけど不幸じゃない」という言葉を聞いて、マナミは目の前の壁から逃げないようになっていく。
この場面を読んだとき、私はとても感動した。
難しい病気を抱えながらも前向きに生きる竹永先生の姿勢は、本当にすごいと思った。
先生は子どもたちを厳しく叱るのではなく、一人ひとりの良いところを見つけて褒めてくれる。
「日本でいちばん明るく、こころをこめて歌おう」という先生の言葉からは、技術だけでなく、心を込めることの大切さを学んだ。
私も何かをするときは、上手にできるかどうかばかり気にしていたが、一生けんめい取り組む気持ちの方が大切なのだと気づいた。
合唱部のみんなが最初はバラバラだったのに、全国大会という目標に向かって一つになっていく姿もとても印象的だった。
竹永先生が辞めようとしたとき、普段は何も言えなかった子どもたちが勇気を出して気持ちを伝える場面では、私も胸が熱くなった。
みんなで力を合わせることの素晴らしさを感じた。
この本のタイトルにある「ドラゴン」は、勇気や希望の象徴だということが分かった。
マナミや合唱部のみんなの心の中で育っていったドラゴンは、私の心の中にもいるような気がする。
これからは、こわいことや苦手なことがあっても、心の中のドラゴンを信じて勇気を出したいと思う。
『とびたて!みんなのドラゴン』は、私に勇気と希望を与えてくれる大切な一冊になった。
『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】みんなで育てた心のドラゴン
『とびたて!みんなのドラゴン』を読み終えたとき、私の胸の奥でも小さなドラゴンが羽ばたいているような気持ちになった。
この本は、北九州市立日明小学校で実際にあった出来事をもとにした物語で、ALS という難病と闘う竹永先生と、内気な小学生たちが合唱を通して成長していく姿が描かれている。読んでいる間、何度も涙がこぼれそうになり、最後には心が温かくなった。
主人公のマナミは、私と同じ小学6年生で、人前で話すことがとても苦手な女の子だった。合唱部に入ったものの、一人で歌うよう言われると泣き出してしまう。この場面を読んだとき、私は「あ、私と同じだ」と思った。私も人前で発表するときはいつも声が震えてしまうから、マナミの気持ちがよく分かった。
マナミを変えたのは、竹永先生の存在だった。先生は、ALS という難病を患っているにもかかわらず、「病気だけど不幸じゃない」「先生はむしろワクワクしよる」と言い切る。この言葉に衝撃を受けた。
高校時代に将来この病気になるかもしれないと知って希望を失いかけた先生を、周りの人たちが温かく支えてくれたのだ。そのおかげで先生は教師になるという夢を持ち、その夢を叶えてくれたのが日明小学校の歌声だった。
竹永先生の教育方針も心に残った。子どもたちを厳しく叱るのではなく、一人ひとりを褒めて伸ばそうとする。「日本でいちばん明るく、こころをこめて歌おう」という言葉から、技術よりも心を込めることの大切さを学んだ。私は今まで、テストの点数が良いかどうかばかり気にしていたが、一生懸命取り組む気持ちこそが大切だと気づいた。
合唱部のメンバーたちの成長も感動的だった。最初はバラバラだったが、全国大会という目標に向かって一つになっていく。特に、竹永先生が辞意を示したとき、普段は自分の気持ちを言えない子どもたちが、勇気を出して「先生に辞めてほしくない」と伝える場面では、私も泣きたくなった。
この本で一番心に残ったのは、「ドラゴン」の意味だった。ドラゴンは勇気や希望、困難に立ち向かう力の象徴だということが分かった。マナミたちは、それぞれの心の中でドラゴンを育て、最後の全国大会でそれを羽ばたかせることができた。自由曲「僕のドラゴン」で披露する「ドラゴンポーズ」も、みんなの勇気を表現する大切な場面だった。
私にも心の中にドラゴンがいるのだろうか。今まで気づいていなかったが、きっといると思う。新しいことに挑戦するとき、失敗を恐れて一歩が踏み出せないときがある。でも、そんなときこそ心の中のドラゴンを信じて、勇気を出すことが大切なのだと学んだ。
『とびたて!みんなのドラゴン』は、私に勇気と希望を与えてくれただけでなく、仲間と協力することの素晴らしさや、困難に負けない強い心の大切さも教えてくれた。これからは、マナミや竹永先生のように、どんなことがあっても心の中のドラゴンと一緒に前向きに進んでいきたい。
振り返り
この記事では、『とびたて!みんなのドラゴン』の読書感想文を書くためのポイントと例文をご紹介しました。
「ドラゴン」の象徴的な意味、竹永先生の生き方、そして合唱部のメンバーたちの成長という3つの重要なテーマを中心に解説してきましたね。
読書感想文を書くときは、ただあらすじを書くのではなく、あなた自身がどう感じたかを大切にすることが一番重要です。
マナミの気持ちに共感したり、竹永先生の言葉に感動したり、合唱部のみんなの絆に心を動かされたりした場面を、あなたの言葉で素直に表現してみてください。
800字と1200字の例文も参考にしながら、あなただけの特別な感想文を書いてくださいね。
きっと心のこもった素晴らしい感想文が完成するはずです。
あなたの心の中のドラゴンも、きっと応援してくれていますよ。
※『とびたて!みんなのドラゴン』のあらすじはこちらでご覧になれます。

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