『ふみきりペンギン』の読書感想文を書く予定のみなさん、こんにちは。
第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にも選ばれた『ふみきりペンギン』は、おくはらゆめさんが描く心あたたまる連作短編集。
小学校中学年の子どもたちが「ふつうって何だろう?」という悩みを抱えながら、不思議な動物たちと出会い、自分らしさを見つけていく物語として多くの読者に愛されています。
私は読書が趣味で年間100冊以上の本を読んでいますが、『ふみきりペンギン』は子どもたちの等身大の悩みが丁寧に描かれた秀作だと感じました。
この記事では、『ふみきりペンギン』の読書感想文の書き方について、物語の重要ポイントから具体的な例文まで、わかりやすく解説していきます。
小学生のみなさんが心に響く感想文を書けるよう、しっかりとサポートしていきますよ。
『ふみきりペンギン』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『ふみきりペンギン』の読書感想文を書くときは、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。
- 「ふつう」や「自分らしさ」というテーマについて考える
- 不思議な動物たちが持つ象徴的な意味を理解する
- 登場人物たちの心の変化と成長を読み取る
この3つのポイントは、物語の中心的な部分であり、読書感想文で必ず触れるべき重要な要素です。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
『ふみきりペンギン』のテーマ「ふつう」と「自分らしさ」を考える
『ふみきりペンギン』の最も重要なテーマは「みんなと同じじゃなくてもいい」「それぞれの”ふつう”があっていい」というメッセージです。
主人公のゆうとは左利きであることで悩んでいます。
クラスメイトに「変だよね」と言われて落ち込んでしまうのです。
でも、踏切で出会ったペンギンたちとの会話を通して、「普通じゃないってカッコいいよね」という言葉に励まされます。
るり、ななこ、そうすけも、それぞれが「自分はみんなと違うかも?」と感じています。
友だち関係でのすれ違いや、自分だけが感じる不安など、小学生なら誰でも経験する悩みが描かれているのです。
感想文では、あなた自身が「ふつう」について悩んだことがあるか考えてみてください。
「みんなと同じようにできない自分」を気にしたことはありませんか?
この物語を読んで、自分の個性や違いについてどう思うようになったかを書くことで、とても説得力のある感想文になりますよ。
『ふみきりペンギン』に登場する不思議な動物たちの意味
『ふみきりペンギン』には、現実にはありえない不思議な動物たちが登場します。
踏切のペンギンたち、鏡の中の三つ編みライオン、図書館のげたフクロウ、公園の白いヘビ。
これらの動物たちは単なるファンタジーではありません。
子どもたちの心の中にある気持ちや、変化のきっかけを表している象徴的な存在なのです。
ペンギンたちは群れで行動しつつも、それぞれに個性があります。
これは「みんなと一緒でも、自分らしさを失わなくていい」ことを表しているのかもしれません。
三つ編みライオンは自由でおしゃれな存在として、ななこの心の中にある「本当の自分」を表しているようです。
げたフクロウは知恵の象徴として、そうすけの悩みに寄り添います。
白いヘビは神秘的で強い存在として描かれていますね。
感想文では、どの動物があなたの心に一番響いたか考えてみましょう。
もし現実に不思議な動物が現れたら、どんな動物に出会いたいですか?
そんな想像も感想文に書けると、とても魅力的な内容になります。
『ふみきりペンギン』で描かれる登場人物の心の変化
『ふみきりペンギン』の4人の主人公は、それぞれが悩みを抱えながらも、物語を通して少しずつ成長していきます。
ゆうとは左利きをからかわれて落ち込んでいましたが、ペンギンたちとの出会いで「自分のままでいい」と思えるようになります。
るりはななこへの複雑な思いを抱えていましたが、白いヘビを探す中で自分の気持ちと向き合います。
ななこは鏡の中のライオンと出会い、不思議な話が好きだった本来の自分を取り戻していきます。
そうすけは嫌なあだ名に悩んでいましたが、げたフクロウとの出会いで心を開いていくんですね。
重要なのは、どの子も完全に悩みが解決するわけではないということ。
それでも、不思議な動物たちとの出会いを通して、少しずつ前向きになっていく姿が描かれています。
感想文では、どの登場人物の気持ちに一番共感したか考えてみてください。
あなたも似たような経験をしたことがありますか?
物語を読んで勇気づけられたシーンはありましたか?
自分の体験と結びつけて書くことで、心に響く感想文になりますよ。
読書感想文を書くために『ふみきりペンギン』を読んだらメモしておきたい3項目
『ふみきりペンギン』を読みながら、以下の3つの項目について自分の気持ちをメモしておくと、感想文がぐっと書きやすくなります。
- 「ふつう」や「自分らしさ」について感じたこと
- 心に残った場面やセリフに対して感じたこと
- 自分の体験や考えとのつながりで感じたこと
読書感想文では「あなたがどう感じたか」が最も重要な要素です。
ただあらすじを書いたり、物語の内容を説明したりするだけでは、良い感想文にはなりません。
あなた自身の心が動いた瞬間や、共感した気持ち、新しく気づいたことを大切にしましょう。
「ふつう」や「自分らしさ」について感じたこと
『ふみきりペンギン』を読んでいると、「ふつうって何だろう?」という疑問が自然に湧いてきます。
ゆうとが左利きで悩む姿を見て、あなたはどう感じましたか?
「みんなと同じじゃないといけないの?」と疑問に思いましたか?
それとも「左利きの何が悪いの?」と感じましたか?
るり、ななこ、そうすけたちも、それぞれが「自分の”ふつう”」と「みんなの”ふつう”」の違いで悩んでいます。
あなたも学校で「みんなと同じようにしなくちゃ」と思った経験があるのではないでしょうか。
好きなものが友だちと違ったり、得意なことが周りの人と違ったりして、不安になったことはありませんか?
物語を読みながら、主人公たちの悩みに対してあなたが感じたことを素直にメモしておいてください。
「自分も同じように悩んだことがある」「こんなふうに考えたことがなかった」など、どんな小さな気づきでも大切です。
心に残った場面やセリフで感じたこと
『ふみきりペンギン』には、印象的な場面やセリフがたくさん出てきます。
ペンギンが「普通じゃないってカッコいいよね」と言う場面はどうでしたか?
三つ編みライオンがななこに語りかける場面は心に響きましたか?
げたフクロウがそうすけの気持ちを理解してくれる場面では、どんな気持ちになりましたか?
白いヘビを探するりの姿を見て、何を感じましたか?
特に印象に残った場面では、なぜその場面が心に残ったのかを考えてみてください。
「勇気をもらえたから」「自分も同じ気持ちになったことがあるから」「こんなふうに考えたことがなかったから」など、理由は人それぞれです。
心に残るセリフがあった場合は、そのセリフのどの部分が特に印象的だったかもメモしておきましょう。
感想文では、こうした具体的な場面を取り上げることで、説得力のある内容になりますよ。
自分の体験や考えとのつながりで感じたこと
『ふみきりペンギン』を読みながら、「自分だったらどうするかな?」「自分にも似たような経験があるな」と思った場面はありませんでしたか?
ゆうとのように、人と違うことで悩んだ経験はありますか?
るりのように、友だちとの関係で複雑な気持ちになったことはありますか?
ななこのように、本当の自分を見失いそうになったことはありますか?
そうすけのように、嫌なことを言われて落ち込んだ経験はありますか?
自分の体験と物語を重ねることで、登場人物の気持ちがより深く理解できるようになります。
また、物語を読んで「これからはこうしたい」「自分も変わりたい」と思ったことがあれば、それもとても大切な感想です。
「自分らしさを大事にしよう」「友だちが悩んでいるときは支えてあげたい」など、物語から学んだことや決意したことをメモしておいてください。
このように自分の体験や気持ちと結びつけることで、あなただけの特別な感想文が書けるようになります。
『ふみきりペンギン』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】自分らしくいることの大切さ
『ふみきりペンギン』を読んで、私は「普通じゃなくても大丈夫なんだ」と心が軽くなる気持ちになった。
この物語の主人公ゆうとは左利きで、クラスメイトに「変だよね」と言われて悩んでいた。私も人と違うことで不安になることがあるので、ゆうとの気持ちがとてもよくわかった。
一番心に残ったのは、踏切で不思議なペンギンたちと出会う場面だ。ペンギンが「普通じゃないってカッコいいよね」と言ったとき、私はハッとした。今まで「みんなと同じでないといけない」と思っていたが、違っていてもいいんだと気づかされた。
るり、ななこ、そうすけも、それぞれが自分の悩みを抱えていた。でも、白いヘビや三つ編みライオン、げたフクロウなど、不思議な動物たちとの出会いを通して、少しずつ前向きになっていく姿が印象的だった。現実にはこんな動物たちには会えないけれど、私たちの周りにも励ましてくれる人が必ずいるのだと思う。。
私は字を書くのが苦手で、友だちよりも時間がかかってしまう。そのことでクラスメイトに「遅いね」と言われることがあり、恥ずかしい思いをしていた。でも、この本を読んで考えが変わった。字を書くのが遅くても、私には私のペースがある。無理してみんなに合わせなくてもいいのだと思えるようになった。
物語の最後で、ゆうとが「おれは、おれのふつうをこわしてみたい」と言っていたのも印象に残っている。新しいことを知れば「ふつう」は変わっていく。私も怖がらずに、いろいろなことに挑戦してみたいと強く思った。
『ふみきりペンギン』は、人と違う自分を受け入れることの大切さを教えてくれる物語だった。これからは自分らしさを大事にして、友だちが悩んでいるときはペンギンたちのように優しい言葉をかけてあげたい。みんな違ってみんないい。そんな気持ちを忘れずに毎日を過ごしていこうと思う。
『ふみきりペンギン』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】「ふつう」って何だろう?
『ふみきりペンギン』を読み終わったとき、私の心に一番強く残ったのは「みんな違ってみんないいんだ」という気持ちだった。
この物語は、小学3年生のゆうと、るり、ななこ、そうすけの4人が、それぞれの悩みと向き合いながら成長していく話である。
主人公のゆうとは左利きで悩んでいた。クラスメイトに「左手で鉛筆を持つの、変だよね」と言われて落ち込んでしまう気持ちが、私にもよくわかった。
私は人前で話すのが苦手で、発表のときはいつも緊張してしまう。友だちが堂々と発表している姿を見ると、「私だけできていない」と情けなくなることがある。
だから、ゆうとが「みんなと違う自分」を気にしている気持ちがとても身近に感じられた。
そんなゆうとが踏切で出会ったペンギンたちとの会話場面が、この物語で一番印象的だった。ペンギンの一匹が「普通じゃないってカッコいいよね」と言ったとき、私は心の中で「そうなんだ!」と叫んでいた。この言葉で、ものの見方が大きく変わった気がする。
るりが白いヘビの噂を確かめようとする話も心に残った。るりはななこに対して複雑な気持ちを抱えていたが、白いヘビを探す中で自分の気持ちと向き合っていく。私にも仲良しの友だちがいるが、時々「私の方が好きになってもらいたい」と思ってしまうことがある。るりの気持ちが痛いほどよくわかった。
ななこが鏡の中の三つ編みライオンと出会う話では、「本当の自分」について考えさせられた。ななこは不思議な話が好きだったのに、いつの間にかそれを隠すようになってしまった。
私も好きなことがあるのに、「変に思われるかな」と心配して言えないことがある。それに本心を隠して嘘の自分を演じてしまうことだってある。
そうすけが図書館でげたフクロウと出会う話も印象深かった。そうすけは嫌なあだ名で呼ばれることに悩んでいたが、フクロウとの出会いで心を開いていく。そうすけの話を読んで、人を傷つける言葉の怖さを知った。
この物語に出てくる不思議な動物たちは、子どもたちの心を支えてくれる大切な存在として描かれている。私にも心の中にこんな動物がいてくれたらいいのにと思った。
物語の中で「おれは、おれのふつうをこわしてみたい。だって、ふつうって、新しいことを知れば、かわっていくものだ」という言葉があった。この言葉を読んで、私も自分の「ふつう」を大切にしながら、新しいことにも挑戦してみたいと思った。
『ふみきりペンギン』は、「ふつうって何だろう?」という大切な問いかけをしてくれる物語だった。みんなと同じでなくても、それぞれの「ふつう」があっていいのだと教えてくれた。
これからは自分らしさを大事にして、友だちの個性も認めてあげられる人になりたい。そして、誰かが悩んでいるときは、ペンギンたちのように温かい言葉をかけてあげたいと思う。
振り返り
『ふみきりペンギン』の読書感想文の書き方について、物語の重要ポイントから例文まで詳しく解説してきました。
この記事で紹介した3つの重要ポイントと、メモしておきたい3つの項目を参考にすれば、きっとあなたらしい素敵な感想文が書けるはずです。
大切なのは、物語を読んであなたが感じた気持ちを素直に表現すること。
登場人物の悩みに共感したこと、不思議な動物たちから受けた印象、そして自分の体験との繋がりを大切にしてください。
『ふみきりペンギン』が伝える「自分らしくいることの大切さ」というメッセージを、あなた自身の言葉で表現してみましょう。
きっと心に響く読書感想文が完成しますよ。
※『ふみきりペンギン』のあらすじはこちらの記事に掲載しています。

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