『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文をこれから書こうとしている皆さん、こんにちは。
この本は、柏葉幸子さんが1975年に発表した児童文学の名作。
「千と千尋の神隠し」に影響を与えた作品としても知られていて、長い年月を経てもなお、多くの子どもたちに読み継がれています。
主人公のリナが、ふしぎな町でさまざまな人と出会いながら成長していく物語で、読み終わったあと、心がじんわり温かくなる一冊なんですよね。
とはいえ、いざ読書感想文を書こうとすると、「何から書けばいいんだろう」と手が止まってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、感想文に使いやすい「あらすじ」のまとめ方から、心に残るポイントの見つけ方、そして穴埋め式のテンプレートまで、たっぷりとご紹介していきます。
800字と1200字の例文もそれぞれ用意したので、原稿用紙の枚数に合わせて参考にしてくださいね。
『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文に使える「あらすじ」の型
『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文では、あらすじを詳しく書きすぎないことが大切なポイントです。
物語のはじめから終わりまで説明してしまうと、ただの「あらすじ紹介」で終わってしまいます。
それでは、自分の考えが読み手に伝わりませんよね。
そこで、感想文の本文のなかにさっと組みこめる、200字前後のあらすじを3パターンご用意しました。
タイプ別にご紹介するので、書きやすいものを選んでみてください。
①ストーリー中心型
『霧のむこうのふしぎな町』は、小学六年生のリナが、夏休みにひとりで訪れたふしぎな町を舞台にした物語です。町では、ピコットばあさんの家に泊めてもらうことになりますが、そこには「働かざる者食うべからず」というルールがありました。リナは町のさまざまなお店で働きながら、たくさんの人と出会い、少しずつ成長していきます。
②テーマ中心型
『霧のむこうのふしぎな町』は、働くことや人との出会いを通して、自分の力に気づいていく成長物語です。主人公のリナは、はじめは自分には何もできないと思いこんでいました。でも一方で、町の人たちとの関わりのなかで、少しずつ自信を取りもどしていきます。挑戦することの大切さを教えてくれる一冊です。
③場面中心型
『霧のむこうのふしぎな町』のなかで印象的なのは、ピコットばあさんが「なにもできないなんて、だれが言ったんだい」とリナに語りかける場面です。この一言をきっかけに、リナは町のお店で働きながらたくさんの人たちと出会い、少しずつ自分らしさを見つけていきます。
『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文の書き方
『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文を書くコツは3つ。
まずは「心に残る」場面やテーマを3つ見つけること。
そのうえで、それぞれについて「どう感じたか」をメモしていくこと。
そして最後に、穴埋め式のテンプレートに当てはめて、感想文の形に仕上げていくこと。
この3ステップで進めれば、感想文はぐっと書きやすくなりますよ。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
絶対に書くべき「心に残る」3つのポイント
『霧のむこうのふしぎな町』で読書感想文に必ず盛りこみたい要点は、次の3つです。
- 新しいことに挑戦する勇気
- 働くことや責任の大切さ
- 人との出会いが自分を成長させること
この3つは、物語のテーマそのものと言ってもいいくらい、大事な部分です。
ここで大切なのは、それぞれの場面について「どう感じたか」を、自分の言葉でメモしておくこと。
ノートやメモ帳に、場面の内容を一行、そのあとに「私はこう思った」という一文を書き足すだけで大丈夫です。
たとえば、「ピコットばあさんの言葉→驚いた、自分もできることがあると思えた」というふうに、短くメモしておくと、感想文を書くときにとても役立ちます。
なぜ「どう感じたか」がこんなに重要なのでしょうか。
それは、感想文というものが、あらすじの紹介ではなく、あなた自身の考えを伝えるための文章だからです。
同じ本を読んでも、感じることは人それぞれ違いますよね。
だからこそ、「自分がどう感じたか」こそが、感想文のいちばんの中身になるんです。
それでは、3つのポイントをひとつずつ、くわしく見ていきましょう。
なお、物語の結末についてはここでは触れません。
結末を知ってから読むより、自分の目でたしかめてから感想文を書くほうが、きっと良いものが書けるはずです。
①新しいことに挑戦する勇気
物語のはじめ、リナは知らない町で、ひとりぼっちの状態からスタートします。
駅に着いても、お迎えの人は来ていません。
知らない場所で、頼れる人もいない。
そんな状況、想像しただけで不安になりませんか。
それでもリナは、霧の向こうにあるふしぎな町へと足を踏み入れていきます。
この「一歩踏み出す勇気」こそが、物語全体をつらぬく大きなテーマのひとつ。
ここでメモしておきたいのは、「自分にも似たような経験があったかどうか」という点。
新しいクラスになったとき。
はじめての習い事に通いはじめたとき。
発表会や試合で、緊張しながらも本番にのぞんだとき。
そういった経験と、リナの姿を重ねてメモしておくと、感想文にぐっと深みが出ますよ。
「不安だったけれど、思いきってやってみた」という経験があるなら、それはまさに、この物語のテーマと重なる大切な材料です。
②働くことや責任の大切さ
リナが下宿することになったピコットばあさんの家には、「働かざる者食うべからず」という、きびしいルールがありました。
字が下手で、そろばんも苦手で、お手伝いもしたことがない。
そんなリナに対して、ピコットばあさんは、「手があって、足があって、目も鼻も耳もある。だれが、なにもできないっていったんだい」と語りかけます。
この言葉、皆さんはどう感じましたか。
私は、この一文を読んだとき、正直かなり驚きました。
「できない」と思いこんでいたのは、実はリナ自身だったのかもしれない、と気づかされたからです。
とはいえ、いきなり仕事を任されても、うまくできるとは限りませんよね。
リナも、はじめは戸惑いながら、少しずつ仕事を覚えていきます。
ここでメモしておきたいのは、「自分が責任をもって何かをやり遂げた経験」です。
家でのお手伝い。
学校の係活動や当番の仕事。
そうした経験を思い出しながら、「働くこと、役割をもつことにはどんな意味があるのか」を考えてみてください。
この視点を感想文に入れると、単なる感想以上に自分の考えが伝わる文章になります。
③人との出会いが自分を成長させること
リナは、ふしぎな町のさまざまなお店で働きながら、たくさんの個性的な人たちと出会っていきます。
町の人たちは、いずれも魔法使いの子孫という設定で、それぞれに強い個性をもった存在。
最初は少し戸惑っていたリナも、ひとりひとりと関わっていくうちに、少しずつ心を開いていきます。
この「出会いによる変化」も、物語の大きな見どころです。
皆さんにも、誰かとの出会いをきっかけに、考え方が変わった経験はありませんか。
新しい友達ができたこと。
先生に教えてもらったひとこと。
家族に助けてもらった場面。
そうした出会いの経験をメモしておくと、この本のテーマと自分の経験を結びつけやすくなります。
私自身も、これまでいろいろな人との出会いに助けられてきました。
少し照れくさいですが、この物語を読んで、あらためて人とのつながりのありがたさを感じましたね。
3つのポイントについて、それぞれメモができたら、いよいよ次は、それを文章の形に組み立てていく作業です。
穴埋め式テンプレート
ここからは、先ほどメモした内容を、実際の感想文の形に組み立てていく、穴埋め式のテンプレートをご紹介します。
空欄に言葉を入れていくだけで、感想文の骨組みが完成する仕組みです。
ステップごとに見出しを分けたので、順番に埋めていってくださいね。
ステップ1:本を選んだ理由と第一印象
私は『霧のむこうのふしぎな町』を読みました。
この本を選んだ理由は、( )だったからです。
読み始める前は、( )というお話だと思っていました。
ステップ2:あらすじ(200字前後)
この本は、主人公のリナが不思議な町でくらしながら、( )していく物語です。
私は、( )ということが一番伝わる作品だと思いました。
ステップ3:新しいことに挑戦する勇気について
私が一番心に残ったのは、( )という場面です。
リナは、( )という気持ちがありながらも、勇気を出して行動していました。
私も、( )という経験があります。
だから、勇気を出して挑戦すると、( )ことができるのだと思いました。
ステップ4:働くことや責任の大切さについて
リナは、町の人たちの仕事を手伝う中で、少しずつ責任をもつことを学んでいきました。
私は、( )という経験があります。
この作品を読んで、人の役に立つためには、( )ことが大切なのだと思いました。
ステップ5:人との出会いについて
リナは、町で出会った人たちから、たくさんのことを学んでいきました。
私は、( )という出来事を思い出しました。
この作品を読んで、人との出会いは、( )ことにつながるのだと感じました。
ステップ6:まとめ
私は『霧のむこうのふしぎな町』を読んで、( )ということを学びました。
これからは、( )を大切にして生活していきたいです。
この本は、勇気を出して挑戦することや、人との出会いの大切さを教えてくれる一冊でした。
『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文の例文
ここからは『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文の例文をご紹介していきます。
800字と1200字、それぞれの文字数に合わせて用意したので、原稿用紙の枚数に合わせて参考にしてください。
800字の小学生向け
【題名】わたしにもできることがある
私がこの本を手に取ったのは、表紙のふしぎな町の絵にひかれたからだ。
主人公のリナは、小学六年生の女の子。
夏休みに、お父さんのすすめで知らない町へひとり旅に出ることになった。
駅に着いてもお迎えは来ていない。
途方に暮れるリナの姿を読んで、私まで不安な気持ちになった。
それでもリナは、霧の向こうにあるふしぎな町へとたどり着く。
私が一番心に残ったのは、リナが知らない場所で戸惑いながらも、少しずつ前に進んでいく場面だ。
新しいクラスになったとき、友達ができるか不安だった私と、どこか重なる気がした。
町でリナは、ピコットばあさんという人の家に泊めてもらうことになる。
けれどそこには「働かざる者食うべからず」というきびしいルールがあった。
リナは、字が下手で、そろばんも苦手で、自分には何もできないと思いこんでいた。
それを聞いたピコットばあさんの言葉に、私は驚いた。
「手があって、足があって、目も鼻も耳もある。だれが、なにもできないっていったんだい」。
この一言に、私は胸がぎゅっとなった。
私も、苦手なことばかりに目を向けて、自信をなくすことがよくある。
でも一方で、できないと決めつけているのは、自分自身なのかもしれないとも思った。
リナは町のお店で働きながら、たくさんの人と出会っていく。
それでも一つずつこなしていくうちに、リナの表情が変わっていくように感じた。
人との出会いが、こんなにも人を変えるものなのかと、少し驚かされた。
私も、先生や友達に助けられて、苦手だったことができるようになった経験がある。
だからこそ、リナの気持ちが自分のことのように感じられたのだと思う。
この本を読んで、私は「できない」と決めつけるのをやめようと思った。
挑戦する勇気と、人とのつながりの大切さを、リナが教えてくれた気がする。
これからの私も、リナのように勇気をもって一歩を踏み出していきたいと思う。
1200字の小学生向け
【題名】ピコットばあさんが教えてくれたこと
私はふだんから本が好きで、たくさんの物語を読んできた。
そのなかでも、この本のタイトルには特別にひかれるものがあった。
主人公のリナは、小学六年生の女の子。
毎年おばあちゃんの家に遊びに行っていたが、今年はお父さんのすすめで、知らない町へひとり旅に出ることになった。
電車を何度も乗りかえて、やっとの思いで駅に着いたのに、お迎えの人はいない。
不安げに立ちつくすリナの姿を読んで、私まで心配になった。
やがてリナは、霧の向こうにある、ふしぎな町にたどり着く。
私が一番心に残ったのは、知らない場所で戸惑いながらも、少しずつ自分から動き出すリナの姿だ。
新しいクラスになったとき、友達ができるか不安で仕方なかった私と、どこか重なる気がしたのだ。
町では、ピコットばあさんという人の家にお世話になることになった。
けれどそこには、「働かざる者食うべからず」というきびしいルールが待っていた。
リナは、字が下手で、そろばんも苦手で、自分には何もできないと思いこんでいたのだ。
それを聞いたピコットばあさんの返事に、私はとても驚いた。
「手があって、足があって、目も鼻も耳もある。だれが、なにもできないっていったんだい」。
この言葉を読んだとき、私は胸のあたりがぎゅっとなるのを感じた。
私自身も、苦手なことばかりに目を向けて、自信をなくしてしまうことがよくある。
でも一方で、「できない」と決めつけているのは、まわりの誰でもなく自分自身なのかもしれない。
そう気づかされて、少し胸が軽くなったような気がした。
リナは、町のさまざまなお店で働きながら、たくさんの人と出会っていく。
本屋さんでは本の整理、せともの屋さんではお店のお手伝いと、はじめてのことばかりだったはずだ。
それでも一つずつ仕事をこなしていくうちに、リナの表情は少しずつ変わっていった。
人との出会いが、こんなにも人を変えるものなのかと、あらためて驚かされた。
ひとりでは踏み出せなかった一歩を、誰かの言葉が後押ししてくれることがある。
だからこそ、リナの気持ちが自分のことのように感じられたのだと思う。
ただし、リナがすべての仕事をすぐにうまくこなせたわけではない。
失敗しながらも投げ出さずに続けるリナの姿には、正直、少し胸を打たれた。
私にも、失敗をおそれて挑戦をためらってしまうことがある。
この本を読んで、失敗はけっして悪いことばかりではないのだと気づかされた。
町の人たちは、それぞれ個性ゆたかで、リナに多くのことを教えてくれる存在だった。
私は、この本を読んで、「できない」と決めつけるのをやめようと思った。
挑戦する勇気と、働くことの意味、そして人とのつながりの大切さを、リナが教えてくれた気がする。
これからの私も、リナのように、勇気をもって新しい一歩を踏み出していきたい。
そして、誰かに「なにもできない」と思ったとき、この本の言葉を思い出したいと思う。
書き出し例×5
①本を選んだ理由から始める
『霧のむこうのふしぎな町』という題名を見たとき、どんな町なんだろうと、わくわくした気持ちになった。
ページをめくってみると、不思議な出来事だけでなく、勇気を出して成長していく主人公の姿がとても印象に残った。
最初はただの冒険物語だと思っていたけれど、読み進めるうちに、そうではないと気づいた。
②自分の経験と結びつける
私は新しいことを始めるとき、いつも少し緊張してしまう。
『霧のむこうのふしぎな町』を読んで、主人公のリナも同じように不安を感じながら、一歩ずつ成長していく姿に共感した。
自分と似たところがある主人公の物語というのは、こんなにも心に残るものなんだなと思った。
③疑問から始める
皆さんは、知らない町でひとりで生活するとしたら、どんな気持ちになるだろうか。
私はきっと不安になると思う。
だからこそ、『霧のむこうのふしぎな町』でリナが勇気を出して行動する姿が、とても心に残った。
④心に残った場面から始める
『霧のむこうのふしぎな町』を読んで、一番心に残ったのは、リナが少しずつ自分で考えて行動できるようになるところだ。
その姿を見て、私も新しいことに挑戦してみたいという気持ちになった。
本を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりだった。
⑤学んだことを先に伝える
『霧のむこうのふしぎな町』を読んで、私は勇気を出して挑戦することや、人との出会いを大切にすることが、自分を成長させるのだと学んだ。
この本は、読んだあとに前向きな気持ちになれる作品だった。
そんな一冊に出会えたことを、うれしく思う。
題名の例×5
| 番号 | 題名の例 |
|---|---|
| 1 | 勇気を出したその一歩 |
| 2 | リナが教えてくれた大切なこと |
| 3 | 人との出会いがぼく(わたし)を成長させる |
| 4 | 挑戦することの大切さを学んで |
| 5 | 『霧のむこうのふしぎな町』を読んで気づいたこと |
振り返り
ここまで、『霧のむこうのふしぎな町』の読書感想文の書き方について、あらすじの型から、心に残る3つのポイント、穴埋め式テンプレート、そして例文までご紹介してきました。
感想文というのは、あらすじをきれいにまとめることが目的ではありません。
「自分がどう感じたか」を、自分の言葉で伝えることこそが、いちばん大切なんです。
この記事でご紹介したメモの取り方やテンプレートを使えば、きっとスムーズに書き進められるはずですよ。
むずかしく考えすぎず、リナの物語を読んで自分が感じたことを、そのまま素直に書いてみてください。
あなたにも、きっと心に残る、いい感想文が書けます。
ぜひ、自信をもって書き上げてくださいね。
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