『あの子の秘密』の読書感想文を書く予定の小中生のみなさん、お疲れさまです。
村上雅郁の名作である『あの子の秘密』は、それぞれに秘密を抱える二人の少女が出会い、友情を通じて心の成長を描いた心温まる物語ですね。
今回は読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が、小学生・中学生の皆さんに向けて、この作品の読書感想文の書き方や例文、題名の付け方、書き出しのコツまで詳しく解説していきますよ。
コピペではなく、皆さん自身の言葉で心に響く感想文が書けるよう、しっかりとサポートしていきますので、安心して最後までお付き合いください。
『あの子の秘密』の読書感想文に書くべき3つのポイント
『あの子の秘密』の読書感想文を書く際に、必ず触れておきたい重要なポイントが3つあります。
- 二人の少女が抱える「秘密」の意味と孤独感
- 「本当の自分」と「演じている自分」の葛藤
- 目に見えない心のつながりの大切さ
これらのポイントについて「どう感じたか」をメモしながら読み進めることで、感想文の内容がぐっと深くなりますよ。
メモを取るときは、その場面を読んだときの素直な気持ちを短い言葉で書き留めておきましょう。
なぜ「どう感じたか」が重要かというと、感想文は皆さんの心の動きを表現するものだからです。
それでは、この3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
二人の少女が抱える「秘密」の意味と孤独感
『あの子の秘密』の核となるのは、主人公の小夜子と転校生の明來が抱える「秘密」です。
小夜子には自分にしか見えない「黒猫」がいて、明來には触れた人の心が読める特別な力があります。
この二つの秘密は、どちらも周りの人には理解してもらえないものですね。
小夜子の黒猫は、彼女の孤独や不安を象徴しており、心を閉ざして生きている彼女の内面を表しています。
一方、明來の能力は一見すると羨ましく思えますが、実際には人の心を読んでしまうことで相手に合わせて演技をしなければならないという重荷になっています。
皆さんも、誰にも言えない悩みや秘密を抱えたことがあるのではないでしょうか。
その時の気持ちを思い出しながら、二人の少女の心境を想像してみてください。
秘密は人を孤独にさせることもありますが、同時にその人らしさを形作る大切な一部でもあるのです。
物語を読みながら、「秘密を抱える」ということについて、どんな気持ちになったかメモしておきましょう。
「本当の自分」と「演じている自分」の葛藤
明るく社交的に見える明來と、心を閉ざしている小夜子は一見正反対のように思えます。
しかし、実は二人とも「本当の自分」と「演じている自分」の間で葛藤を抱えています。
明來は人の心を読める能力があるため、相手が喜ぶような言動を取る「道化」を演じています。
彼女の明るさは、本来の性格というよりも、周りに合わせるための演技だったのですね。
一方の小夜子は、傷つくことを恐れて本当の気持ちを隠し、一人の世界に閉じこもっています。
皆さんも学校生活の中で、本当の自分とは違う自分を演じた経験があるかもしれません。
友達に嫌われたくなくて本音を言えなかったり、みんなに合わせて笑顔を作ったりしたことはありませんか。
この物語は、そんな現代を生きる私たちの心の複雑さを描いているのです。
二人の葛藤を通して、「自分らしさ」を保つことの難しさや、それでも「ありのままの自分」を受け入れてくれる存在の大切さについて考えてみましょう。
読んでいて共感した場面や、心に残った台詞があれば、ぜひメモに残しておいてくださいね。
目に見えない心のつながりの大切さ
『あの子の秘密』で最も美しく描かれているのは、目に見えない心のつながりです。
小夜子の「黒猫」は物理的には存在しませんが、彼女にとっては確実に存在する大切な友達でした。
そして、明來の心を読む能力も、目には見えないけれど確かに存在するものです。
物語が進むにつれて、二人は言葉を超えた深いレベルで理解し合うようになります。
特に印象的なのは、小夜子の黒猫が明來にも少しずつ感じられるようになる場面です。
これは、二人の心がつながったことを象徴する美しい描写ですね。
現代社会では、SNSやメッセージアプリで簡単に人とつながることができます。
でも、本当に心がつながるということは、もっと深くて複雑なものなのかもしれません。
心は形がなくても確かに存在し、人の心を動かし、人と人をつなげる力があることを、この物語は教えてくれます。
皆さんも、友達や家族との間で、言葉にしなくても分かり合えた経験があるのではないでしょうか。
そんな経験を思い出しながら、目に見えない心のつながりについて、どう感じたかを書き留めておきましょう。
※『あの子の秘密』のあらすじはこちらでご紹介しています。

『あの子の秘密』の読書感想文のテンプレート
ここからは、『あの子の秘密』の読書感想文を楽に書けるテンプレートを紹介します。
先ほどお話しした3つのポイントを含む感想文が書けるように、ステップバイステップで進めていきましょう。
各ステップの空欄に皆さんの感想を埋めていけば、オリジナルの感想文が完成しますよ。
ステップ1:書き出しとあらすじ紹介
『あの子の秘密』を読んで、私は【 】について深く考えるようになった。
この物語は、【 】という秘密を抱える小夜子と、【 】という能力を持つ明來の物語である。
二人はそれぞれに【 】な悩みを持ち、【 】な状況に置かれていた。
私がこの本で最も印象に残ったのは【 】の場面で、【 】と感じた。
ステップ2:秘密が持つ意味について
小夜子の黒猫と明來の心を読む能力は、どちらも周りの人には【 】秘密だった。
私は【 】の秘密により共感し、なぜなら【 】だからである。
秘密を抱えることは【 】だが、同時に【 】でもあると思った。
私も【 】という経験があり、その時は【 】な気持ちだった。
ステップ3:本当の自分について
明來が「道化」を演じていたことを知って、私は【 】と思った。
小夜子が心を閉ざしていた理由も【 】で理解できた。
私も学校で【 】な場面があり、【 】を感じることがある。
この二人の葛藤から、【 】ことの大切さを学んだ。
ステップ4:心のつながりについて
物語の中で最も美しいと思ったのは、【 】の場面である。
目に見えない【 】が、二人を結びつけていく様子に【 】を感じた。
私も【 】との間で、似たような経験をしたことがある。
それは【 】な出来事で、【 】だと思った。
ステップ5:まとめと自分への影響
『あの子の秘密』を読んで、私は【 】を学んだ。
これからは【 】を大切にして、【 】な人になりたいと思う。
もし周りに【 】な友達がいたら、【 】してあげたい。
この本は私に【 】を教えてくれた大切な一冊である。
『あの子の秘密』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】心の中の黒猫
『あの子の秘密』を読んで、私は「見えないものの大切さ」について考えるようになった。
この本は、自分にしか見えない黒猫がいる小夜子と、人の心が読める明來という二人の女の子のお話だ。
最初、小夜子の黒猫が本当にいるのか分からなかった。でも読み進めるうちに、それは小夜子の心の中にいる大切な友達だと分かった。小夜子は一人ぼっちで寂しかったけれど、本当は友達がほしかったのだと思う。だから心の中に黒猫を作って、一人じゃない気持ちになろうとしていたのだろう。私も転校したばかりの頃、家のハムスターのことばかり考えていたので、小夜子の気持ちがよく分かる気がした。
転校生の明來は人気者だったが、人の心が聞こえるため、みんなに合わせて明るくふるまっていただけだった。本当の明來は、もっと静かで優しい子だったと思う。私も学校で本当は嫌でも「大丈夫」と言ってしまうことがあるので、明來の気持ちに共感した。
心に残ったのは、小夜子と明來が本当の気持ちを話し合う場面だ。最初はけんかもしたが、お互いの秘密を知ってから本当の友達になれた。小夜子の黒猫は最初は明來に見えなかったが、仲良くなるにつれて存在が伝わるようになったのが美しく不思議だった。友達になると、目に見えないものも分かち合えるのだと思った。私も親友と、言葉がなくても気持ちが通じることがあるので似ていると感じた。
『あの子の秘密』は、誰にでも秘密があり、それは恥ずかしいことではないと教えてくれた。大切なのは、その秘密を分かってくれる友達を見つけることだ。私もこれから、友達が困っていたら声をかけたい。もしかしたら、その子にも小夜子の黒猫のような秘密があるかもしれないからだ。
この本を読んで、目には見えないけれど大切なものがたくさんあると学んだ。友達の優しさや家族の愛情、心の中の夢や希望も、確かに存在している。私も小夜子と明來のように、本当の自分を大切にしながら友達と心を通わせる勇気を持ちたいと思う。
『あの子の秘密』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)
【題名】見えない絆が教えてくれたもの
『あの子の秘密』を読み終えて、私の心に深く残ったのは、人間の内面に隠された複雑さと、それでも他者とつながろうとする温かい光だった。
この物語は、それぞれに秘密を抱える二人の少女、小夜子と明來が出会い、真の友情を育んでいく過程を丁寧に描いている。
物語の主人公である小夜子は、自分にしか見えない「黒猫」を常にそばに連れている。いわゆるイマジナリーフレンドと呼ばれる存在だ。この黒猫は、小夜子が抱える孤独や不安、心の壁を象徴していると感じた。周囲との関わりを避け、自分の世界に閉じこもる小夜子にとって、黒猫は唯一の理解者であり、心の安全基地だったのだろう。しかし同時に、それは小夜子が他者とつながることを阻むバリアでもあった。
もう一人の主人公である明來は、人の心の声が聞こえてしまうという特殊な能力を持っている。一見すると羨ましく思える能力だが、明來にとってはむしろ重荷だった。人の心が読めるがゆえに、相手に合わせ、期待に応えようとする「道化」を演じることを強いられていたからだ。
これは現代を生きる私たちにとっても身近な問題だと思う。SNSが普及した今、私たちは常に他人の目を意識し、「いいね」をもらえるような自分を演じがちだ。明來の葛藤は、そんな現代社会を生きる私たちの心境を映し出しているようだった。
この物語で最も印象的だったのは、二人の少女が抱える「秘密」が、互いを理解し合うための鍵になっていく点である。当初、二人は互いに反発していたが、お互いの秘密が少しずつ明らかになるにつれ、二人は表面的な言葉ではなく、心の奥底でつながっていくのである。
特に感動的だったのは、小夜子の黒猫が、明來の心にも少しずつ感じられるようになる描写だった。これは目に見えない絆の強さを象徴しており、言葉や常識を超えた、心と心の深い交流を表現していた。
『あの子の秘密』は、私たちに「本当の自分らしさ」とは何かを問いかけている。完璧な人間など存在せず、誰もが心の中に何かしらの「秘密」を抱えている。それは恥ずべきことではなく、その人らしさの一部なのだと、物語は優しく語りかけてくれる。
この作品を読んで、私は友達との関係を見つめ直すきっかけを受け取った気がする。表面的な会話だけでなく、もっと深いレベルでお互いを理解し合えるような関係を築いていきたいと思った。そのためには、まず自分が本当の気持ちを相手に伝える勇気を持つことが大切だと感じた。
『あの子の秘密』は、現代社会を生きる私たちに、人と人が深く心を通わせることの難しさと、かけがえのない喜びを教えてくれる作品だった。私たちも、表面的な姿だけでなく、心の中に隠された光を探すように、周りの人々と関わっていくことが大切なのだと思う。
振り返り
『あの子の秘密』の読書感想文の書き方について詳しく解説してきました。
この記事では、物語の核となる3つのポイントを中心に、皆さんが心に響く感想文を書けるようサポートしてきました。
テンプレートや例文を参考にしながら、ぜひ皆さん自身の言葉で感想を表現してみてください。
大切なのは、物語を読んで皆さんがどう感じたか、どんなことを考えたかを素直に書くことです。
完璧な文章を書こうとしなくても大丈夫です。
皆さんの心の中にある思いを、丁寧に言葉にしていけば、きっと素晴らしい感想文が完成しますよ。
応援していますので、頑張ってくださいね。
■参考サイト:あの子の秘密|フレーベル館 出版サイト
コメント