小学生のみなさんに『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文の書き方と例文をご紹介します。
『ライスボールとみそ蔵と』は横田明子さんが2022年に発表した児童文学作品で、第69回青少年読書感想文全国コンクール小学校中学年の部の課題図書に選ばれた注目の一冊。
物語は味噌蔵のある家に生まれた小学4年生のジュンが、転校生のユキちゃんとの出会いをきっかけに、自分の家の伝統や文化に誇りを持つようになる成長を描いています。
読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文を書く予定のみなさんが困らないよう、書き方のポイントから具体的な例文まで、テンプレートやコピペできる形式も含めて丁寧に解説していきます。
書き出しから題名の付け方まで、小学生のみなさんが自信を持って感想文を完成できるよう、全力でサポートしていきますよ。
『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文に書くべき3つのポイント
『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文を書く前に、この物語で最も重要な3つのポイントを押さえておきましょう。
読書感想文を書くときは、ただ「面白かった」「感動した」だけでは足りません。
物語のどの場面でどんなことを感じたのか、登場人物の気持ちにどう共感したのかを具体的にメモしながら読み進めることが大切です。
『ライスボールとみそ蔵と』で絶対に書くべき重要なポイントは以下の3つです。
- 主人公ジュンの成長と心情の変化
- 伝統文化(味噌づくり)の魅力と意義の理解
- 自分の生活や経験との関連付け
この3つのポイントを中心に感想文を組み立てれば、『ライスボールとみそ蔵と』のテーマをしっかりと捉えた充実した内容になります。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきますね。
主人公ジュンの成長と心情の変化
物語の中心となるのは、主人公ジュンの心の変化です。
ジュンは物語の始まりでは、自分の家が味噌屋であることを恥ずかしく思っています。
友達から「みそっ子」とからかわれることがいやで、味噌には全く興味を示していませんでした。
しかし、転校生のユキちゃんとの出会いが彼の心を大きく変えていきます。
ユキちゃんが味噌蔵に興味を持ち、「見せてほしい」と頼んだことをきっかけに、ジュンは初めて自分の家の味噌蔵を客観的に見つめ直すことになります。
物語の終盤では、ジュンが「ここはぼくたちのみそっ子レストランです」と自信を持って語る場面が描かれています。
この変化こそが物語の核心部分ですから、読書感想文では必ずジュンの気持ちの変化について書きましょう。
あなた自身も、最初は苦手だったことや興味がなかったことに、だんだん親しみを感じるようになった経験があるはずです。
そんな体験とジュンの気持ちを重ね合わせて書くと、説得力のある感想文になりますよ。
伝統文化(味噌づくり)の魅力と意義の理解
『ライスボールとみそ蔵と』では、日本の伝統的な味噌づくりが重要なテーマとして描かれています。
ジュンのおじいちゃんやお父さんが代々受け継いできた味噌づくりは、単なる食品製造ではありません。
長い時間をかけて発酵させる味噌は、職人の技術と愛情がこもった文化的な営みなのです。
物語を読み進めていくと、味噌蔵で働く家族や職人たちの生き生きとした姿が描かれています。
ユキちゃんのお母さんがロンドンでも日本の味噌を取り寄せていたエピソードからは、日本の伝統食品が海外でも愛されていることがわかります。
また、ジュンがお母さんから教わった「みそにぎり」は、家庭で受け継がれる食文化の象徴でもあります。
読書感想文では、この物語を通じてあなたが感じた伝統文化の素晴らしさや大切さについて書いてみましょう。
自分の家や地域にも、昔から受け継がれている文化や習慣があることに気づくかもしれません。
そんな発見があれば、ぜひ感想文に盛り込んでください。
自分の生活や経験との関連付け
読書感想文で最も重要なのは、物語と自分自身の体験を結びつけることです。
ジュンのように、最初は嫌いだったことや苦手だったことが、新しい視点や経験によって好きになったことはありませんか。
例えば、野菜が嫌いだったけれど料理を手伝ううちに美味しさがわかるようになったり、習い事が面倒だったけれどだんだん楽しくなってきたりした経験があるかもしれません。
また、家族の仕事や地域の伝統について、改めて考えるきっかけになった人もいるでしょう。
ジュンが家族の味噌づくりに誇りを持つようになったように、あなたも自分の家族や住んでいる地域について新しい発見をしたかもしれません。
友達との関係についても考えてみてください。
ユキちゃんとジュンのように、違った環境で育った友達との出会いが、新しい価値観をもたらしてくれることがあります。
これらの体験や気づきを具体的に書くことで、あなただけの特別な感想文になります。
物語を読んで「こんなことを思い出した」「こんなことを考えた」という内容をしっかりとメモしておきましょう。
※『ライスボールとみそ蔵と』のあらすじはこちらで簡単に短くまとめています。

『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文のテンプレート
『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文を楽に書けるよう、ステップバイステップのテンプレートを用意しました。
以下の手順に従って空欄を埋めていけば、バランスの取れた感想文が完成します。
各ステップでは、先ほど説明した3つの重要ポイントが自然に含まれるように構成しています。
ステップ1:書き出し
まずは物語全体の印象から書き始めましょう。
「『ライスボールとみそ蔵と』を読んで、私は( )と感じました。主人公のジュンは( )な男の子で、( )という点で私と似ていると思いました。」
空欄には以下のような内容を入れてみてください。
– 最初の空欄:物語を読んだ第一印象(感動した、考えさせられた、共感したなど)
– 2番目の空欄:ジュンの性格(恥ずかしがり屋、素直、優しいなど)
– 3番目の空欄:自分との共通点(家族のことで悩んだ経験、友達関係、苦手なことがあるなど)
ステップ2:ジュンの心情変化について
物語の核心部分であるジュンの成長について書きます。
「物語の始めでは、ジュンは( )していました。しかし、転校生のユキちゃんとの出会いによって( )ようになります。特に印象的だったのは( )の場面で、ジュンが( )と言ったときでした。」
空欄の例:
– 最初の空欄:味噌屋の家を恥ずかしく思って
– 2番目の空欄:だんだん味噌蔵に興味を持つ
– 3番目の空欄:具体的な場面(味噌蔵を案内する、みそにぎりを作るなど)
– 4番目の空欄:ジュンのセリフや心境
ステップ3:伝統文化への理解
味噌づくりや伝統文化について学んだことを書きます。
「この本を通じて、( )の大切さを学びました。ジュンのおじいちゃんやお父さんが( )している姿を見て、( )と思いました。私の家や地域にも( )があることに気づきました。」
空欄の例:
– 最初の空欄:伝統や家族の仕事、文化
– 2番目の空欄:一生懸命味噌を作って、伝統を守って
– 3番目の空欄:素晴らしい、大変だ、誇らしい
– 4番目の空欄:似たような伝統や文化、家族の仕事
ステップ4:自分の体験との関連
自分の経験と物語を結びつけます。
「私も( )という経験があります。最初は( )でしたが、( )をきっかけに( )ようになりました。ジュンと同じように、( )することの大切さを感じました。」
空欄の例:
– 最初の空欄:具体的な体験(習い事、家族の手伝い、友達関係など)
– 2番目の空欄:その時の気持ち(嫌だった、面倒だったなど)
– 3番目の空欄:変化のきっかけ(友達の言葉、家族との会話など)
– 4番目の空欄:変化後の気持ち(好きになった、理解できたなど)
– 5番目の空欄:学んだこと(新しい視点を持つ、家族を大切にするなど)
ステップ5:まとめ
感想文の締めくくりを書きます。
「『ライスボールとみそ蔵と』を読んで、( )ということを学びました。これからは( )していきたいと思います。また、( )も大切にしていきます。」
空欄の例:
– 最初の空欄:物語から学んだ最も大切なこと
– 2番目の空欄:今後の行動や目標
– 3番目の空欄:家族、友達、伝統、自分の成長など
『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】誇りを持つということ
「ライスボールとみそ蔵と」の主人公ジュンは味噌蔵のある家に生まれたが、友達から「みそっ子」とからかわれることが嫌で、自分の家を恥ずかしく思っていた。私も親の仕事を友達にからかわれたことがあるので、ジュンの辛い気持ちが痛いほど伝わってきた。
ジュンはロンドンから転校してきたユキちゃんと出会う。ユキちゃんが味噌蔵に興味を示し、「見せてほしい」と頼んだことで、ジュンは家の味噌蔵を違った目で見るようになる。私はこの場面で、同じものでも見る人や見方によって全く違って見えることを知った。
印象的だったのは、ジュンがお母さんから「みそにぎり」の作り方を教わる場面だ。味噌の美味しさや作り方の工夫を知ったジュンが、だんだん家の伝統に興味を持つ様子が生き生きと描かれていた。味噌蔵で働くおじいちゃんやお父さんの姿も、とても誇らしく見えた。
この本を読んで、私は伝統を守ることの大切さを学んだ。ジュンの家族が代々受け継いできた味噌づくりは、ただの仕事ではなく、長い歴史のある文化なのだ。私の祖母も昔から続く料理を作ってくれるが、それも大切な家族の伝統だと改めて思った。
私にもジュンのような体験がある。小さい頃からピアノを習っているが、練習が嫌でやめたいと思ったこともあった。しかし、発表会で上手に弾けたときの喜びや、友達に褒められたときの嬉しさを知ってからは、ピアノが好きになった。ジュンと同じように、最初は嫌でも、新しい視点や経験で好きになることがあるのだと実感した。
物語の最後で、ジュンが「ここはぼくたちのみそっ子レストランです」と自信を持って言う場面は感動的だった。最初は恥ずかしく思っていた「みそっ子」という言葉を、今度は誇りを持って使っているからだ。
「ライスボールとみそ蔵と」を読んで、私は家族や地域の文化をもっと大切にしたいと思うようになった。また、嫌なことや苦手なことがあっても、違った角度から見てみることの重要性を学んだ。これからは色々なことに興味を持ち、家族の話もよく聞いて、自分のルーツを大切にしていきたい。
『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】本当の誇りとは何か
「ライスボールとみそ蔵と」を読んで、私は主人公ジュンの心の変化にとても感動した。この物語は、自分の家や伝統に対する誇りについて考えさせてくれる作品だった。
物語の始まりで、ジュンは味噌蔵のある家に生まれながら、それを恥ずかしく思っていた。友達から「みそっ子」とからかわれるのが嫌で、味噌に興味を示さないのだ。私も小学校の頃、父の仕事を話すのが恥ずかしい時期があったので、ジュンの気持ちがよく分かった。子どもにとって、からかわれることは辛い。
しかし、ロンドンから転校してきたユキちゃんとの出会いが、ジュンを大きく変える。ユキちゃんのお母さんが味噌を愛し、海外でも取り寄せていたという話に私は驚いた。日本の伝統食品が遠く離れた国でも大切にされていることを改めて実感した。
ユキちゃんが「味噌蔵を見せてほしい」と頼んだ場面では、避けていた蔵を友達に見せることになったジュンの複雑な気持ちが伝わった。この出来事が、彼の心を開くきっかけになったのだ。
印象的だったのは、お母さんから「みそにぎり」の作り方を教わる場面だ。味噌の種類や作り方、受け継がれてきた工夫を知ったジュンが、だんだん興味を持つ様子が丁寧に描かれていた。私も祖母とお正月料理を作ったとき、昔からの味付けや知恵に感動した経験がある。ジュンの心の変化が重なって感じられた。
味噌蔵で働くおじいちゃんやお父さんの姿も生き生きと描かれていた。長年の経験を持ち、誇りを込めて働く姿は力強い。私の祖父は大工だったが、道具を大切に扱い、丁寧に仕事をする姿はジュンの家族と重なって見えた。伝統を守る人たちの真剣さを強く感じた。
物語の終盤で、ジュンたちが空き蔵を利用して「みそっ子レストラン」を企画する場面は心温まった。最初は嫌だった「みそっ子」という言葉を、今度は誇りを持って使っているジュンの姿に胸を打たれた。友達と協力して挑戦する姿も素晴らしかった。
この本を読んで、私は伝統を守ることの大切さを学んだ。味噌づくりのような技術は年月をかけて培われ、簡単に身につけられるものではない。それを家族が受け継ぐ姿には頭が下がる思いがする。
私にも似た体験がある。小学1年からバイオリンを習っているが、練習が大変でやめたいと思ったこともあった。しかし、コンクールで賞をもらい、演奏で拍手をもらううちに、音楽の楽しさを実感した。最初は嫌でも、新しい経験や視点で好きになることがあるのだと感じた。
また、この本をきっかけに、自分の家族についても考えるようになった。母の料理や父の昔話も、大切な文化なのだと気づいた。普段は当たり前と思っていることでも、実は貴重なものかもしれない。
「ライスボールとみそ蔵と」を読んで、私は本当の誇りとは、自分のルーツや家族の歴史を大切に思う気持ちだと学んだ。これからは家族や地域の文化をもっと知り、大切にしていきたい。そして、嫌なことや苦手なことがあっても、ジュンのように新しい視点を持って向き合っていきたいと思う。
振り返り
今回は『ライスボールとみそ蔵と』の読書感想文の書き方について、詳しく解説してきました。
この物語の魅力は、主人公ジュンの成長を通じて、私たちが普段忘れがちな大切なことを思い出させてくれることです。
家族の伝統や文化、そして自分のルーツを大切にすることの意味を、分かりやすく教えてくれる素晴らしい作品でした。
読書感想文を書くときは、物語を読んで心に残ったことや考えたことを、素直に表現することが一番大切です。
今回ご紹介したテンプレートや例文は、あくまでも参考として活用してください。
あなた自身の体験や感情を大切にして、あなただけの特別な感想文を書いてくださいね。
きっと素晴らしい読書感想文が完成するはずです。頑張って書いてみてください。
■参考サイト:ライスボールとみそ蔵と – 株式会社 絵本塾出版
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