『オズの魔法使い』の読書感想文を書く予定の皆さん、お疲れさまです。
ライマン・フランク・ボームが1900年に発表した『オズの魔法使い』は、カンザス州の少女ドロシーが竜巻でオズの国に飛ばされ、仲間たちと冒険しながら成長していく物語ですね。
アメリカ議会図書館が「アメリカで最も優れ、最も愛されているおとぎ話」と評価するこの作品は、120年以上たった今でも世界中で読み継がれています。
今回は読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が小学生・中学生の皆さんに向けて、『オズの魔法使い』の読書感想文の書き方や例文、穴埋め式のテンプレート、題名の付け方、書き出しのコツまで詳しく解説していきますよ。
コピペではなく、皆さん自身の言葉で心に響く感想文が書けるよう、しっかりとサポートしていきますので、安心してお付き合いください。
『オズの魔法使い』の読書感想文で書くべき3つのポイント
『オズの魔法使い』の読書感想文を書く際に必ず触れておきたい重要なポイントが3つあります。
- ドロシーと仲間たちの成長の物語
- 「求めているものは既に自分の中にある」というメッセージ
- 故郷への愛と友情の大切さ
この3つのポイントをしっかり理解して、それぞれについて「どう感じたか」をメモしておくと、感想文が格段に書きやすくなりますよ。
メモを取る時は、物語を読みながら「ここで驚いた」「この場面で感動した」「この登場人物の気持ちが分かる」といった自分の素直な気持ちを短い言葉で書き留めておきましょう。
なぜメモが大切かというと、読書感想文で一番重要なのは皆さん自身の「感想」だからです。
あらすじをただ書き写すのではなく、「この場面でこう思った」「この登場人物にこんな気持ちになった」という皆さんの心の動きこそが、素晴らしい感想文を作る材料になるんですよ。
それでは、『オズの魔法使い』の読書感想文で必ず書くべき3つのポイントをくわしく見ていきましょう。
ドロシーと仲間たちの成長の物語
まず最初のポイントは、主人公ドロシーと3人の仲間たちがどのように成長していくかという点です。
12歳の少女ドロシーは、カンザス州の農場で叔父夫婦と静かに暮らしていました。
しかし竜巻に巻き込まれてオズの国に飛ばされ、家に帰るための冒険を通じて、勇気と優しさを持った少女へと成長していきます。
そして旅の途中で出会う3人の仲間、かかし・ブリキの木こり・臆病なライオンも、それぞれが自分に足りないと思っているものを求めて旅に加わります。
かかしは「脳みそが欲しい」と言いますが、実際には仲間のピンチを救う知恵を何度も発揮しているのです。
ブリキの木こりは「心が欲しい」と願いますが、小さな虫を踏まないよう気をつけたり、悲しい話を聞くと涙を流したりする、とても優しい心の持ち主でした。
臆病なライオンは「勇気が欲しい」と言いながらも、仲間を守るために危険に立ち向かう真の勇者だったのです。
このように4人とも、冒険を通じて自分が既に持っている力に気づいていく過程が、この物語の一番の見どころといえるでしょう。
皆さんも読みながら「私だったらどの仲間に一番共感するかな」「自分にも気づいていない良いところがあるかも」といった感想を持ったはずです。
そうした気持ちをメモしておいて、感想文に盛り込んでみてくださいね。
「求めているものは既に自分の中にある」というメッセージ
2つ目のポイントは、『オズの魔法使い』が伝える深いメッセージについてです。
この物語の最も重要なテーマは「自分が求めているものは、実はもう既に自分の中にある」ということでしょう。
オズの魔法使いは、実は普通のおじさんでした。
でも彼は仲間たちに、かかしには「新しい脳みそ」として糠と針を詰めた頭を、ブリキの木こりには「絹の心臓」としておがくずを詰めたハート型の袋を、ライオンには「勇気の薬」として緑色の液体を与えます。
仲間たちはそれをもらって大喜びしますが、実際には彼らは最初から知恵も心も勇気も持っていたのです。
ただ、自分にそれがあることに気づいていなかっただけでした。
そして最後にドロシーは、家に帰る力が銀の靴にあったことを知ります。
つまり彼女も、最初から家に帰る方法を持っていたのです。
この「既に持っているものに気づく」というメッセージは、私たちの日常生活にも当てはまる大切な教えですね。
「自分はダメだ」「何もできない」と思いがちですが、実は皆さんにも素晴らしい力が備わっているのかもしれません。
この物語を読んで、自分の良いところや隠れた才能について考えた感想があれば、ぜひ感想文に書いてみてください。
故郷への愛と友情の大切さ
3つ目のポイントは、ドロシーが故郷カンザスに抱く愛情と、旅で育まれる仲間たちとの友情についてです。
オズの国は美しい花畑や不思議な住人たちがいる魅力的な場所でした。
エメラルドの都は宝石のように輝く素晴らしい街だったし、ドロシーは「北の良い魔女」や「南の良い魔女グリンダ」といった優しい人たちからも愛されました。
それでもドロシーは一刻も早く故郷のカンザスに帰りたいと願い続けます。
どんなに素晴らしい場所でも、自分の本当の居場所ではないと感じていたからです。
エム叔母さんとヘンリー叔父さん、そして愛犬のトトがいるカンザスの農場こそが、ドロシーにとって一番大切な場所だったのです。
また、旅を通じて育まれる仲間たちとの友情も見逃せません。
4人は困難に直面するたびにお互いを助け合い、支え合います。
西の悪い魔女に立ち向かう時も、オズの魔法使いに会いに行く時も、みんなで力を合わせて乗り越えていきます。
物語の最後では、カカシがエメラルドの都の統治者に、ブリキの木こりがウィンキーの国の王に、ライオンが森の王になることが決まります。
それぞれが新しい役割を得て別れることになりますが、旅で築いた友情は永遠に続くでしょう。
「家族の大切さ」「故郷への愛」「友達との絆」について、皆さんが感じたことがあれば、それも感想文の素材になります。
自分の家族や友達と重ね合わせて考えた感想を書けば、とても説得力のある感想文になりますよ。
※小説/本の『オズの魔法使い』のあらすじはこちらでご紹介しています。

『オズの魔法使い』の読書感想文のテンプレート
ここでは『オズの魔法使い』の読書感想文を簡単に書けるテンプレートをご紹介します。
以下の手順に従って空欄を埋めていけば、自然と良い感想文が完成しますよ。
先ほど解説した3つのポイントがしっかり含まれるように構成していますので、安心して使ってくださいね。
ステップ1:書き出し(物語との出会い)
私は『オズの魔法使い』を読んで、( )ということを強く感じました。
この物語は、竜巻でオズの国に飛ばされたドロシーという少女が、( )という3人の仲間と一緒に冒険する話です。
最初は( )だと思っていましたが、読み進めるうちに( )という深いメッセージが込められていることが分かりました。
ステップ2:登場人物について(成長の描写)
特に印象に残ったのは( )というキャラクターです。
この人物は( )が欲しいと願っていましたが、実際には( )という場面で、既にそれを持っていることが分かります。
私も( )という経験があるので、この人物の気持ちがよく理解できました。
自分では気づかないうちに( )という力を身につけていることがあるのだと学びました。
ステップ3:物語のメッセージについて
『オズの魔法使い』が一番伝えたいメッセージは、( )だと思います。
なぜなら、オズの魔法使いは( )だったし、ドロシーも( )によって最初から家に帰れる力を持っていたからです。
これは私たちの生活にも当てはまることで、( )だと感じました。
今まで自分にはできないと思っていた( )も、実は挑戦すればできるかもしれません。
ステップ4:故郷や友情について
また、ドロシーが故郷のカンザスを愛する気持ちも心に残りました。
オズの国は( )だったけれど、やはり( )が一番だと感じていました。
私も( )な経験をしたことがあるので、ドロシーの気持ちがよく分かります。
仲間たちとの友情も素晴らしく、( )という場面では特に感動しました。
ステップ5:まとめ(自分への応用)
『オズの魔法使い』を読んで、私は( )ということを決意しました。
これからは( )を大切にして、自分の中にある( )という力を信じて生活していきたいと思います。
この物語は( )歳の私にとって、とても大切なことを教えてくれる素晴らしい作品でした。
『オズの魔法使い』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】みんな最初から持っていた大切なもの
私は『オズの魔法使い』を読んで、大切なものはもう持っているのだということを学んだ。
この物語の主人公ドロシーは、竜巻で知らない国に飛ばされてしまう。
そこで出会った3人の仲間は、みんな自分に足りないものがあると思っていた。
かかしは頭が良くないと悩み、ブリキの木こりは心がないと言い、ライオンは勇気がないと恥ずかしがっていた。
でも読んでいる私には、3人ともちゃんとそれぞれの良いところを持っているのが分かった。
かかしは仲間がピンチの時にいつも良いアイデアを出すし、ブリキの木こりは虫さえ踏みたくないほど優しい。
ライオンだって、友達を守るために怖い敵と戦う勇気がある。
オズの魔法使いに会った時、魔法使いは普通のおじさんだった。
でも3人に脳みそや心や勇気をくれるふりをすると、みんなとても喜んだ。
実はもらったものは本当の脳みそでも心でもなかったけれど、3人は自信を持てるようになった。
これを読んで、私も自分には何もできないと思うことがあるけれど、本当はもう色々な力を持っているのかもしれないと思った。
例えば、私は算数が苦手だと思っているけれど、友達に教えてもらった時はちゃんと理解できる。
きっと最初から算数を分かる力はあったのに、自信がなかっただけなのだろう。
ドロシーも銀の靴で最初から家に帰れたのに、自分でその力に気づかなかった。
でも仲間と一緒に旅をして、色々な経験をしたからこそ、最後に自分の力を使うことができたのだと思う。
私も今度何かに挑戦する時は、「できない」と最初から諦めないで、自分を信じてみようと思った。
それから、ドロシーが故郷を大切に思う気持ちも素晴らしいと感じた。
オズの国はとても美しい場所だったけれど、やっぱり家族がいる家が一番だった。
私も家族と一緒にいる時間を もっと大切にしようと思う。
『オズの魔法使い』は、自分の中にある大切なものに気づかせてくれる素晴らしい物語だった。
『オズの魔法使い』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)
【題名】自分の中に眠る力を信じること
私は『オズの魔法使い』を読んで、人は誰でも自分が思っている以上の力を持っているのだということを実感した。
この作品は単なる冒険小説ではなく、自己肯定感や内面の成長について考えさせられる、奥の深い物語だった。
物語の主人公ドロシーは、竜巻によってオズの国へと飛ばされてしまう。
家に帰るためにオズの魔法使いに会いに行く途中で、彼女は3人の仲間と出会う。
脳みそが欲しいかかし、心が欲しいブリキの木こり、勇気が欲しい臆病なライオンである。
しかし、彼らが求めているものは既に持っていることは明らかだった。
かかしは「頭が悪い」と言いながらも、仲間を救う知恵を何度も発揮する。
ブリキの木こりは「心がない」と主張するが、小さな虫を傷つけることさえ嫌がる優しさを持っている。
臆病なライオンは自分を弱虫だと思っているが、仲間のピンチには必ず駆けつける真の勇者だった。
この設定を通して作者は、人間が自分の価値を正しく認識できずにいることの多さを表現しているのだと思う。
私自身も、中学生になってから「自分には才能がない」と思うことが増えた。
特に部活動で思うような結果が出ない時や、テストの点数が悪い時などは、自分の能力を疑ってしまう。
しかしこの物語を読んで、もしかすると私も気づいていないだけで、既に色々な力を持っているのかもしれないと考えるようになった。
例えば、友達が悩んでいる時に相談に乗ることができたり、家族の手伝いを進んでできたりするのも、立派な能力なのではないだろうか。
物語の終盤で明かされるオズの魔法使いの正体も印象的だった。
偉大な魔法使いだと思われていた彼は、実は普通のおじさんだったのである。
それでも彼が3人の仲間に与えた「偽物」の脳みそや心や勇気は、彼らに自信を与え、本当の力を引き出すきっかけとなった。
これは私たちにとって、他人からの評価や励ましがいかに重要かを示していると思う。
時には自分では気づけない良い部分を、他の人が教えてくれることがある。
そして最も重要なのは、ドロシーが銀の靴によって最初から家に帰る力を持っていたという事実である。
彼女は長い冒険を経てようやくその事実を知るが、この旅路こそが彼女を成長させ、自分の力を信じられるようにしたのだろう。
もし最初からその事実を知っていたとしても、上手に力を使うことはできなかったに違いない。
困難を乗り越える過程で得られる経験が、最終的に自分の真の力を発揮するための土台となるのだと理解した。
また、ドロシーの故郷への愛情も心に残った。
オズの国は魔法に満ちた美しい世界だったが、彼女にとって最も大切なのはカンザスの家族だった。
どんなに素晴らしい場所でも、愛する人がいない場所では本当の幸せは得られないのだろう。
『オズの魔法使い』を読んで、私は自分の可能性をもっと信じてみようと思った。
完璧でない自分を受け入れつつ、隠れている力を見つけるために積極的にチャレンジしていきたい。
そして周りの人たちの良いところにも目を向けて、お互いを支え合える関係を築いていこうと決意した。
振り返り
この記事では、『オズの魔法使い』の読書感想文を書くために必要な情報を詳しく解説してきました。
登場人物の成長、物語の深いメッセージ、故郷への愛と友情という3つの重要なポイントを押さえることで、皆さんも説得力のある感想文が書けるはずです。
テンプレートを活用すれば書き方に迷うことがなくなりますし、小学生向けと中学生向けの例文も参考にしながら、皆さんらしい表現で感想文を完成させてくださいね。
この物語が教えてくれる「自分の中にある力を信じる」というメッセージは、きっと皆さんの人生にとっても大切な教えになるでしょう。
コピペに頼らず、自分自身の言葉で書いた感想文は、読む人の心にきっと響くものになります。
頑張って素晴らしい読書感想文を完成させてくださいね。
■参考サイト:オズの魔法使い – Wikipedia
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