『けんかのたね』あらすじを簡単に短く&詳しく!

『けんかのたね』のあらすじ あらすじ

※プロモーションが含まれています

『けんかのたね』のあらすじを簡単に短く、そして詳しく解説していきますね。

ラッセル・ホーバンさんによる心温まる児童文学『けんかのたね』は、家族の日常的なけんかと仲直りをユーモラスに描いた絵本です。

この記事では年間100冊以上の本を読む私が、『けんかのたね』の短いあらすじから詳しいあらすじ、そして私が実際に読んだ感想まで、ネタバレなしで丁寧に解説していきますよ。

それでは、さっそく進めていきましょう。

ラッセル・ホーバン『けんかのたね』のあらすじを短く簡単に

お仕事で疲れて帰ってきたお父さんが家の中を見てびっくり!犬のボンゾーが猫のプッスを追いかけて走り回り、4人の兄弟は大げんかをしていました。みんな「ぼくは悪くない!」「わたしのせいじゃない!」と言うので、お父さんはだれを怒ればいいのか分からなくて困ってしまいました。

お父さんがみんなの話をよく聞いてみると、けんかを始めたのは猫のプッスだということが分かりました。でも、プッスにもちゃんと理由がありました。さあ、この家族の大さわぎはどうなるのでしょうか?

ラッセル・ホーバン『けんかのたね』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)

ある夕方のことです。お仕事で疲れて帰ってきたお父さんが家のドアを開けると、中は大変なさわぎでした。犬のボンゾーが猫のプッスを吠えながら追いかけ回し、4人の兄弟姉妹たちは「やめてよ!」「あんたが悪いのよ!」と大げんかの真っ最中。家の中はもうめちゃくちゃです。

お父さんは困ってしまいました。いったい何が起こったのでしょう?みんなに「どうしたんだい?」と聞いても、「ぼくは悪くない!」「わたしのせいじゃない!」とみんなが口々に言うばかり。誰を注意すればいいのか、さっぱり分かりません。

そこでお父さんは、一人ずつ順番に話を聞くことにしました。お兄ちゃんから、お姉ちゃんから、みんなの話をじっくりと聞いていきます。すると、だんだんと本当のことが分かってきました。

どうやら、最初にけんかを始めたのは猫のプッスだったようです。でも、プッスにもちゃんと理由がありました。プッスは、リビングのソファの下からちょろちょろと出てきた小さなねずみを、じっと見張っていたのです。

ところが、そのとき末っ子の妹のミーナがやってきて、何も知らずにプッスの背中にぽんと乗ってしまったのです。びっくりしたプッスは、思わずミーナを引っかいてしまいました。ミーナは「痛い!」と泣き出し、それを見たお兄ちゃんたちがプッスを怒って、プッスは逃げ回り、それを見た犬のボンゾーも興奮して追いかけ始めて…こうして家中が大さわぎになってしまったのでした。

さて、突然けんかの犯人にされてしまった小さなねずみ。いったいどうするのでしょうか?そして、この家族の大さわぎはどんな風に終わるのでしょうか?

『けんかのたね』のあらすじを理解するための用語解説

『けんかのたね』を読む上で知っておくと役立つ用語をまとめました。

物語の理解を深めるために、以下の用語を参考にしてください。

用語 説明
けんかのたね けんかや争いが始まる原因や
きっかけとなる小さな出来事のこと。
本作では家族がけんかを始める原因が
些細なことから広がったことを意味している。
仲直り けんかや争いの後で、
互いに謝ったり話し合ったりして、
元の良い関係に戻ること。
物語の大切なテーマであり、
素直に謝ることの重要さを伝えている。
責任 自分が起こしたことや結果について、
認めて対処すること。
ねずみが自分がけんかのもとだったと
認める態度は責任感の表れ。
誤解 相手の意図や気持ちを正しく理解できず、
間違って受け取ってしまうこと。
けんかは誤解や自分の思い込みから
始まることが多いと描かれている。

これらの用語を理解することで、『けんかのたね』のメッセージがより深く伝わってきますね。

『けんかのたね』の感想

『けんかのたね』を読んでみて、まず驚いたのはその構成の巧みさでした。けんかの原因を逆さまにたどっていく展開が、まるで小さな事件を解き明かす推理小説のようで、一気に引き込まれましたね。

兄弟姉妹から犬、猫、そして最後にねずみまで、次々と「あいつのせいだ!」と連鎖していく様は本当にリアルで面白かったです。我が家でも、たった一言の「言った」「言わない」から、最後は家全体がカオスになることがあるので、思わず笑ってしまいました。

特に心を掴まれたのは、ねずみの存在です。みんなの責任を一身に背負ったねずみが、「ぼくが悪かった」と潔く謝るシーンは、小さな体なのにとてつもなく大きな勇気を感じました。そのたった一つの素直な行動が、周りのみんなの心を動かし、次々と「本当は私も…」と謝り始める流れはちょっと感動的でしたね。

絵も本当に可愛らしくて、キャラクターたちの表情の変化がとても豊かでした。特にねずみが「困惑」から「潔さ」へと変わる表情は、心にグッとくるものがありました。

そして、最後のオチも最高です。日常の「けんか」って、こうやって連なっていくものなんだなと、思わずクスッと笑ってしまいました。

頭ごなしに叱るのではなく、一人ひとりの話に耳を傾けるお父さんの姿勢も、子育て中の私にはとても響きました。子どもと大人が一緒に読んで、互いに「ごめんね」の勇気を学べる、素晴らしい一冊だと思います。

読み終わった後、心が温かくなる、そんな児童書でした。

※『けんかのたね』の読書感想文の書き方と例文はこちらにまとめています。

『けんかのたね』読書感想文のテンプレートと例文&書き方
『けんかのたね』の読書感想文の書き方を小学生向けに解説。重要な3つのポイント、テンプレート、800字・1200字の例文を紹介し、題名や書き出しのコツも説明しています。コピペではないオリジナルな感想文作成をサポートします。

『けんかのたね』の作品情報

『けんかのたね』の基本的な作品情報をまとめました。

項目 詳細
作者 ラッセル・ホーバン(作)
小宮 由(訳)
大野 八生(絵)
出版年 2022年2月25日
出版社 岩波書店
受賞歴 作者ラッセル・ホーバンはウィットブレッド賞受賞
ジャンル 児童文学、絵本、外国文学
主な舞台 家の中(具体的な地名は不明)
時代背景 現代の家庭
主なテーマ 家族の絆、けんかと仲直り、責任感
物語の特徴 原因を逆算して辿る構成、ユーモラスなオチ
対象年齢 小学校低学年(1〜2年生程度)
青空文庫の収録 なし(児童書のため未収録)

このように『けんかのたね』は比較的新しい作品で、現代の子どもたちにも親しみやすい内容になっています。

『けんかのたね』の登場人物と説明

『けんかのたね』に登場する主な人物と動物たちを紹介します。

それぞれのキャラクターが物語に重要な役割を果たしていますよ。

人物・動物名 紹介
お父さん 仕事で疲れて帰宅した家族の父親。
冷静にみんなの話を聞いて
問題を解決しようとする優しい人物。
お母さん 家族の母親。
最後にみんなが仲直りする姿を見て安心する。
ドラ(長女) 4人兄弟姉妹の長女。
けんかに巻き込まれた一人で
自分の非を認めて謝ることができる。
フランク(弟) 4人兄弟姉妹の一人。
けんかの当事者として登場し
最後は素直に謝る。
エミリー(妹) 4人兄弟姉妹の一人。
家族のけんかに関わった子どもの一人。
ミーナ(末っ子) 4人兄弟姉妹の末っ子。
猫のプッスに引っかかれたことが
けんかのきっかけの一つになった。
犬のボンゾー 家族のペットの犬。
猫のプッスを追いかけて騒動を大きくした動物。
猫のプッス 家族のペットの猫。
ねずみを見張っていてミーナを引っかき
けんかの直接的な原因となった。
ねずみ 物語の重要な動物。
けんかの根本的な原因だったが
潔く責任を認める姿勢で周りの心を動かした。

登場人物それぞれに個性があり、『けんかのたね』の物語を豊かにしています。

『けんかのたね』の読了時間の目安

『けんかのたね』がどれくらいで読めるか、時間の目安をまとめました。

絵本なので比較的短時間で読むことができますよ。

項目 詳細
総ページ数 62ページ
文字数 不明
読了時間(大人) 約30分〜45分
読了時間(小学生) 約45分〜1時間

『けんかのたね』は絵本なので、1日で十分に読み切ることができます。

小学生の読書感想文の課題図書としても適度な長さで、無理なく楽しめる作品ですね。

『けんかのたね』はどんな人向けの小説か?

『けんかのたね』がどのような読者におすすめできるか考えてみました。

この絵本に特に向いているのは以下のような方たちです。

  • 小学校低学年の子どもやその保護者の方々(家族の絆や仲直りの大切さを学びたい人)
  • 兄弟姉妹のけんかに悩んでいる家庭の親子(日常的なけんかとその解決方法を考えたい人)
  • 読み聞かせや児童文学に興味がある教育関係者の方々(子どもたちに社会性を教えたい人)

一方で、『けんかのたね』は絵本なので、長編小説や複雑なストーリーを求めている方には物足りないかもしれません。

でも、シンプルな中にも深いメッセージが込められているので、大人が読んでも十分に楽しめる作品ですよ。

あの本が好きなら『けんかのたね』も好きかも?似ている小説3選

『けんかのたね』が気に入った方におすすめしたい、似たテーマを扱った児童文学作品を3つご紹介します。

どの作品も家族や友達との関係、けんかと仲直りをテーマにした心温まる物語です。

柴田愛子・伊藤秀男『けんかのきもち』

『けんかのきもち』は子どもたちの小さなけんかの気持ちや仲直りの大切さをやさしい言葉で描いた絵本です。

心の動きを丁寧に描写している点が『けんかのたね』と似ています。

どちらも子どもの素直な感情を大切にしながら、成長のきっかけとしてのけんかを描いているところが共通していますね。

丘修三・長谷川知子『けんかともだち』

『けんかともだち』は仲良しの子どもたちがけんかをしてしまい、どうやって仲直りするかを描いた心温まる物語です。

友情の尊さが伝わってくる作品で、『けんかのたね』と同じように仲直りの過程を大切に描いています。

どちらも小さなきっかけから始まるけんかと、素直な心での仲直りがテーマになっているんです。

あまんきみこ『よもぎのはらのおともだち』

『よもぎのはらのおともだち』は動物や自然の中での友達同士のけんかや和解を通じて、思いやりや共存の大切さを描いた穏やかな絵本です。

『けんかのたね』と同じように動物たちが登場し、彼らの関係性を通して人間関係の大切さを学べる作品になっています。

どちらも読み聞かせや読書感想文にも適した内容ですよ。

振り返り

この記事では『けんかのたね』のあらすじを短く簡単に、そして詳しくご紹介してきました。

ラッセル・ホーバンさんによるこの心温まる絵本は、家族のけんかと仲直りをユーモラスに描いた素晴らしい作品です。

けんかの原因を逆算して辿っていく構成の巧みさや、ねずみの潔い態度が周りの心を動かす展開など、見どころがたくさんありましたね。

『けんかのたね』は短時間で読める絵本でありながら、深いメッセージが込められた作品です。

ぜひ親子で一緒に読んで、感想を話し合ってみてくださいね。

コメント