『5番レーン』あらすじを簡単に短く&詳しく紹介!

『5番レーン』のあらすじ あらすじ

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『5番レーン』のあらすじを簡単に・短く・詳しくご紹介していきますね。

『5番レーン』はウン・ソホル作、ノ・インギョン絵による韓国発の感動的な児童文学作品です。

この青春小説は、第21回文学トンネ児童文学賞大賞を受賞し、2023年には小学校高学年課題図書にも選ばれました。

年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文を書く予定の皆さんの力になれるよう、ネタバレなしで短いあらすじから詳しいあらすじまで、丁寧に解説していきますよ。

挫折や成長、友情や恋愛まで、みずみずしい青春の輝きが詰まったこの作品について、一緒に見ていきましょう。

ウン・ソホル『5番レーン』のあらすじを短く簡単に

カン・ナルは漢江小学校水泳部の6年生女子でエース選手。韓国代表を夢見て努力していたが、ライバルのキム・チョヒに敗れてしまう。勝てない理由をチョヒの水着のせいだと考えたナルは、誤ってその水着を盗んでしまった。罪悪感に苦しむナルだったが、転校生のテヤンとの出会いや家族との会話を通して、自分の弱さと向き合うことになる。やがてナルは勇気を出して過ちを告白し、新たな目標に向かって歩み始めるのだった。

ウン・ソホル『5番レーン』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)

カン・ナルは韓国の漢江小学校水泳部の6年生女子で、チームのエースとして活躍している。韓国代表を夢見て日々努力を重ねていたナルだったが、ある大会で同世代のライバル・キム・チョヒに敗れてしまう。ライバルとの実力差に苦しみながらも練習に励むナルだったが、チョヒに追いつこうと焦るあまり、自分が勝てない理由を「チョヒの特殊な水着のせい」だと考えるようになってしまう。そして試合後、誤ってチョヒの水着を盗んでしまった。その後、ナルは激しい罪悪感に苦しみ、練習にも集中できなくなり、水泳を続ける意味さえ見失いかける。そんなとき、転校生の少年チョン・テヤンが水泳部にやってきて、純粋に水泳を楽しむ姿に触れ、徐々にナルの心がほどけていく。一方で、姉・ボドゥルが競泳から飛込競技に転向した理由も理解できず、複雑な想いを抱いていたナル。母や姉の励ましを受けて、人はそれぞれの道を歩んでいいことを学んでいく。

『5番レーン』のあらすじを理解するための用語解説

『5番レーン』のストーリーをより深く理解するために、重要な用語をまとめてみました。

水泳競技に関する専門用語や競技のルールが物語の鍵になっているので、ぜひ参考にしてくださいね。

用語 説明
5番レーン 競泳大会で予選2位の選手が決勝で泳ぐコース。
1位は4番レーン、2位は5番レーンと
中央に近いレーンに速い選手が配置される。
4泳法 競泳の基本種目である
バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・自由形
という4種類の泳法。
個人メドレー バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形
の順序で泳ぐ競技。
飛込競技 高さのある台からプールに美しさや
正確さを競って飛び込む競技。
主人公の姉が転向したスポーツとして登場。
レーンロープ プールのレーンを区切るためのロープ。
波消し効果の役割もある。

これらの用語が分かると、『5番レーン』の競技シーンや登場人物の心情がより理解しやすくなりますよ。

『5番レーン』の感想

『5番レーン』を読み終えると、胸がじんわり熱くなりました。

主人公のナルが抱える葛藤や苦しみが、あまりにもリアルで切ないんですよね。

努力しても報われない焦燥感、ライバルへの嫉妬心、そして自分の弱さを認めることの難しさ。

これって誰もが一度は経験したことがある感情だと思うんです。

印象的だったのは、ナルがチョヒの水着を盗んでしまう場面でした。

「なんでこんなことを…」と思いながらも、追い詰められた心境が痛いほど伝わってきて、私も胸が苦しくなりましたね。

でも、この『5番レーン』のすごいところは、そんなナルの弱さを決して否定しないことなんです。

むしろ、弱さを認めて受け入れることの大切さを教えてくれる。

転校生のテヤンが登場してからの展開も本当に素晴らしかった!

純粋に水泳を楽しむテヤンの姿を通して、ナルが初心を思い出していく過程がとても自然で、読んでいて心が軽やかになりました。

初恋の描写も初々しくて、思わず「頑張れ、ナル!」と応援したくなりましたよ。

姉のボドゥルとの関係性もよく描かれていました。

競泳から飛込に転向した姉に対して、最初は「約束を破った」と感じていたナル。

でも、人それぞれに違う道があることを理解していく成長ぶりに、私も深く考えさせられました。

夢を変えることも、夢を追い続けることも、どちらも尊いことなんですよね。

『5番レーン』を読んでいて、私が一番感動したのは、ナルが勇気を出してチョヒに謝罪する場面でした。

ここがもう、本当に涙なしには読めませんでした!

チョヒの「棄権しないで、次は正々堂々勝負しよう」という言葉の優しさと強さに、私も胸を打たれましたね。

努力すれば必ず1位になれるという単純な話ではなく、自分なりのベストを尽くすことの意味を教えてくれる。

読後感がとても爽やかで、「私も頑張ろう」という気持ちになれました。

ただ、一点だけ気になったのは、物語の前半でナルが少し自己中心的に感じられる部分があったことです。

もちろん、それも成長のプロセスなのですが、読んでいて時々「もう少し周りを見て!」と思ってしまいました。

でも、それを差し引いても『5番レーン』は本当に素晴らしい作品だと思います。

子どもから大人まで、年齢を問わず心に響く物語ですね。

※『5番レーン』の読書感想文の書き方と例文はこちらで解説しています。

『5番レーン』読書感想文の書き方と例文!小学校高学年向け
『5番レーン』の読書感想文の書き方を解説。重要ポイント、テンプレート、例文を紹介し、小学生向けに題名の付け方から書き出しのコツまで徹底サポート。コピペに頼らない感想文作成方法をお教えします。

『5番レーン』の作品情報

『5番レーン』の基本情報をまとめてみました。

この作品がどのような背景で生まれ、どんな評価を受けているのか確認してみてくださいね。

項目 内容
作者 ウン・ソホル(作)
ノ・インギョン(絵)
すんみ(訳)
出版年 2022年6月29日
出版社 鈴木出版
受賞歴 第21回文学トンネ児童文学賞大賞
2023年小学校高学年課題図書
ジャンル 児童文学、小説、青春ストーリー
(水泳を題材とした成長物語)
主な舞台 漢江小学校(韓国の小学校水泳部)
時代背景 現代
主なテーマ 挫折と成長、友情、家族愛、スポーツを通じた自己発見
物語の特徴 水泳競技を舞台にした心情描写豊かな青春小説
対象年齢 小学校中学年~高学年(中学生や一般読者にも推奨)
青空文庫の収録 現時点で未収録

『5番レーン』の主要な登場人物とその簡単な説明

『5番レーン』に登場する重要なキャラクターたちをご紹介しますね。

それぞれの人物がナルの成長にどのような役割を果たしているのか、ぜひ注目してみてください。

登場人物 紹介
カン・ナル 主人公。
漢江小学校水泳部の6年生女子でエース。
努力家だがライバルの台頭に悩んでいる。
キム・チョヒ 他校の水泳部のエース。
ナルのライバルで物語の鍵を握る重要な存在。
チョン・テヤン 漢江小学校への転校生。
水泳部入部を希望し
ナルを励ます重要な役割を担う。
カン・ボドゥル ナルの姉。
以前は競泳選手だったが
現在は飛込競技に転向している。
チ・スンナム 漢江小学校水泳部の部長。
ナルの幼なじみで、チームをまとめる存在。
キム・サラン 漢江小学校水泳部の部員。
ナルの仲間として登場する。
セチャン 漢江小学校水泳部の部員。
チームメイトの一人として物語を彩る。
シン・ドンヒ 漢江小学校水泳部の部員。
水泳部の仲間として登場。
ナルの母親 ナルを見守り支える温かい母親。
娘の成長を陰ながら支えている。
水泳部コーチ 漢江小学校水泳部の指導者。
選手たちを厳しくも優しく指導する。

『5番レーン』の読了時間の目安

『5番レーン』がどのくらいの時間で読み終えられるか、目安をまとめてみました。

読書感想文の計画を立てる際の参考にしてくださいね。

項目 詳細
ページ数 254ページ
文字数(推定) 約152,400文字
読了時間 約5時間
1日の読書時間が1時間の場合 約5日で読了可能
1日の読書時間が30分の場合 約10日で読了可能

『5番レーン』は児童文学作品なので、漢字にふりがなも多く、小学生にも読みやすい文章構成になっています。

挿絵も美しく、物語の世界に入り込みやすい作りになっていますよ。

一気に読み切ってしまいたくなるような魅力的なストーリー展開なので、予想より早く読み終えてしまうかもしれませんね。

『5番レーン』はどんな人向けの小説か?

『5番レーン』は幅広い読者層に愛される作品ですが、特におすすめしたい人たちがいます。

この小説を読んで感動や共感を得られそうな読者タイプをまとめてみました。

  • 一つのことに全力で取り組んでいる子どもや学生の方々
  • 挫折や失敗を経験して、それでも前向きに頑張りたいと思っている人
  • 水泳やスポーツに興味がある、または実際に競技をしている人

特に、ライバルがいる環境で競争している人や、自分を見つめ直したいと考えている人には、きっと心に響く内容だと思います。

また、頑張りすぎて自分を追い詰めてしまいがちな人にとっても、「ちょうどいい」バランスを見つけるヒントになるでしょう。

逆に、スポーツにまったく関心がない人や、競争や努力を描いた物語が苦手な人には、少し物足りなく感じるかもしれません。

でも、『5番レーン』は単なるスポーツ小説ではなく、人間の成長や家族愛、友情を丁寧に描いた作品なので、きっと多くの人に何かしらの感動を与えてくれると思いますよ。

あの本が好きなら『5番レーン』も好きかも?似ている小説3選

『5番レーン』を気に入った方におすすめしたい、似たテーマや雰囲気を持つ小説をご紹介します。

スポーツを通した成長物語や青春小説がお好みの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

村上しいこ『ダッシュ!』

陸上リレー部のキャプテンに任命された中学3年生・三雲真歩が主人公の青春ストーリーです。

友情や恋、プレッシャー、スランプを乗り越えて成長していく姿が描かれています。

『5番レーン』と同様に、スポーツを通した仲間との絆や自分自身との葛藤がテーマになっている点が共通していますね。

どちらも等身大の主人公が悩みながら成長していく過程が丁寧に描かれているので、きっと感動できると思います。

乾ルカ『向かい風で飛べ!』

天才スキージャンパーの理子と、転校生のさつきを中心とした物語です。

ライバルでもあり親友でもある2人が、挫折や嫉妬、家族の愛とともに競技を通して心身ともに成長していきます。

『5番レーン』のナルとチョヒの関係性と非常によく似ていて、スポーツでの勝負や競争、友情の複雑さが見事に表現されています。

転校生との出会いが主人公の成長のきっかけになるという展開も共通点の一つですね。

はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』シリーズ

こちらは水泳ではありませんが、現代の小学生が主人公の成長物語として『5番レーン』と通じるものがあります。

友情や家族との関係、自分らしさを見つけていく過程が丁寧に描かれています。

冒険要素が強い作品ですが、等身大の悩みを抱える子どもたちの心情描写の巧みさは『5番レーン』にも通じる魅力だと思います。

現代っ子の心の動きを理解したい大人にもおすすめできる作品ですね。

振り返り

『5番レーン』のあらすじを簡単に・短く・詳しく、そして感想まで含めてご紹介してきました。

この韓国発の児童文学作品は、水泳を題材にしながらも普遍的な成長のテーマを扱った素晴らしい小説でした。

主人公ナルの挫折と成長、ライバルとの関係性、家族愛、初恋など、青春期の様々な感情が丁寧に描かれていて、読書感想文を書く際にも多くの気づきや学びを得られると思います。

努力することの意味、失敗から学ぶことの大切さ、そして自分らしく生きることの価値を教えてくれる『5番レーン』。

ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品ですね。

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