第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた『ワレワレはアマガエル』のあらすじをご紹介していきますね。
『ワレワレはアマガエル』は松橋利光さんによる、アマガエルの一年間の生活を美しい写真と共に描いた科学絵本です。
年間100冊以上の本を読む私が短くて簡単なあらすじから詳しいあらすじと、この作品の魅力や感想を率直にお伝えします。
読書感想文を書く予定の小学生の皆さんにとって、きっと役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
松橋利光『ワレワレはアマガエル』のあらすじを短く簡単に
松橋利光『ワレワレはアマガエル』のあらすじを詳しく
春の訪れと共に田んぼに水が張られると、長い冬眠から目覚めたアマガエルたちの新しい季節が始まる。オスたちは響く声でメスを呼び、繁殖の季節を迎える。産卵された大量の卵は数日という短期間でおたまじゃくしへと孵化し、水中での生活がスタートする。
おたまじゃくしたちは水草やコケ、死んだ虫などを食べながらすくすくと成長していく。約20日が経つと後ろ足が現れ、30日頃には前足も生えてくる。この間にえら呼吸から肺呼吸へと大きな変化を遂げ、水中生活から陸上生活への準備を整えていく。
やがて立派な大人のカエルへと成長した彼らは夜行性の生活を送り、舌を使って昆虫を巧みに捕まえて食べる。そして冬が近づくと、彼らは再び木の根元や岩の下に潜り込んで冬眠し、次の春を静かに待つのである。
著者の松橋利光さんが撮影した美しい写真には、カエルが舌を虫に刺されたときの様子や、目玉を使って獲物を丸のみする仕組みなど、ユニークな生態が詳しく紹介されている。
『ワレワレはアマガエル』のあらすじを理解するための用語解説
『ワレワレはアマガエル』には、アマガエルの生態を理解するために知っておきたい専門用語がいくつか登場します。
以下の表で主要な用語をまとめましたので、参考にしてくださいね。
用語 | 説明 |
---|---|
産卵 | 春にアマガエルが大量の卵を水中に産みつける行動。 卵は数日で孵化し、おたまじゃくしになる。 |
おたまじゃくし | カエルの幼生段階。 えら呼吸をし、水中で泳ぎながら水草や微生物を食べて成長する。 |
変態 | おたまじゃくしが肺呼吸のカエルに成長する過程。 足が生えエラがなくなり、陸上生活に適応していく。 |
冬眠 | 寒い冬の間、木の根元や岩の下でじっとして活動を休む状態。 アマガエルは寒さをしのぐために冬眠をする。 |
捕食 | アマガエルやおたまじゃくしが虫を捕まえて食べること。 逆に鳥や大きな昆虫に狙われることもある生態系の一部。 |
これらの用語を頭に入れておくと、『ワレワレはアマガエル』の内容がより深く理解できるでしょう。
『ワレワレはアマガエル』の感想
『ワレワレはアマガエル』を読んで、まず圧倒されたのは松橋利光さんの写真の美しさでした。
一枚一枚の写真がとにかく鮮やかで、アマガエルの表情や動きが本当に生き生きと写されているんです。
まるでアマガエルたちが「こんにちは!」って話しかけてくるような、そんな親しみやすさがありますね。
特に印象的だったのは、おたまじゃくしからカエルに変化していく過程の写真です。
後ろ足がちょこんと生えてきた瞬間や、前足が現れた時の様子を見ていると、生命の神秘というか、自然の素晴らしさを改めて感じました。
「こんなふうに成長していくんだなあ」って、見ているだけでワクワクしてきます。
タイトルの「ワレワレはアマガエル」という語り口も面白いですよね。
一匹のアマガエルの話ではなく、アマガエル全体が主人公になっているような感覚で、読んでいて新鮮でした。
まるでアマガエルたちが集まって「私たちの生活を紹介するよ!」って言っているみたいで、親近感が湧きました。
ただ、カエルが虫を捕まえる場面では、舌が虫に刺されて腫れている写真もあって、「うわあ、痛そう」って思わず声が出ちゃいました。
でも、これも自然界では当たり前のことなんですよね。
生きるために必死に餌を取る姿は、ちょっとたくましく見えました。
私が特に感動したのは、アマガエルの一年間の生活サイクルがとても丁寧に描かれている点です。
春の産卵から始まって、おたまじゃくしの成長、大人のカエルになってからの生活、そして冬眠まで。
一つ一つの段階が写真と文章でしっかりと説明されていて、「アマガエルってこんな生活をしているんだ」って初めて知ることがたくさんありました。
目玉を使って獲物を押し込むなんて、想像もしていませんでしたよ。
読んでいて感じたのは、著者の松橋さんがアマガエルに対してとても愛情を持って撮影されているということです。
一枚一枚の写真から、生き物への優しいまなざしが伝わってきます。
きっと長い時間をかけて、根気強く撮影されたんだろうなって思います。
この本を読んだ後、散歩をしていて田んぼを見かけると、「この中にアマガエルがいるのかな」って考えるようになりました。
今まで気にも留めていなかった小さな生き物に、急に興味が湧いてきたんです。
それって、この本の一番の魅力かもしれませんね。
読者に「実際にアマガエルに会いに行きたい」って思わせる力があります。
小学校低学年向けの課題図書ということですが、大人の私が読んでも十分に楽しめる内容でした。
子どもたちにとっては、自然への入り口になるような、そんな素敵な一冊だと思います。
文章も写真も、どちらも温かくて、読み終わった後に心がほっこりしました。
※『ワレワレはアマガエル 』の読書感想文の書き方と例文は以下の記事でご紹介しています。

『ワレワレはアマガエル』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | 松橋利光(文・写真) |
出版年 | 2024年 |
出版社 | アリス館 |
受賞歴 | 第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 (小学校低学年の部) |
ジャンル | 科学絵本・写真絵本 |
主な舞台 | 日本の田んぼや水辺 |
時代背景 | 現代 |
主なテーマ | 生命の営み・自然観察・生物の生態 |
物語の特徴 | 美しい写真とアマガエルの視点で描かれた 一年間の生活サイクル |
対象年齢 | 小学校低学年から |
『ワレワレはアマガエル』の登場人物とその簡単な説明
『ワレワレはアマガエル』は科学絵本のため、生き物たちが主役になっています。
以下の表で主要な登場生物をまとめました。
登場生物 | 紹介 |
---|---|
アマガエル(オス・メス) | 本書の主役となる小さな緑色のカエル。 季節ごとに鳴いたり産卵したりしながら、 田んぼで一年間の生活を送る。 |
おたまじゃくし | アマガエルの子どもたち。 水の中で泳ぎ、水草やコケを食べながら成長して カエルになる過程が詳しく紹介されている。 |
外敵の鳥 | おたまじゃくしや若いカエルを狙う捕食者。 生態系の一部として自然界のバランスを表している。 |
外敵の昆虫 | アマガエルが餌として捕まえる虫たちと、 逆にアマガエルを狙う大きな昆虫。 食物連鎖の関係が描かれている。 |
イネや水草 | アマガエルたちの産卵場所や隠れ場所として重要な植物。 田んぼの環境を構成する大切な要素として登場する。 |
これらの生き物や植物が織りなす自然の営みが、『ワレワレはアマガエル』の魅力的な世界を作り上げています。
『ワレワレはアマガエル』の読了時間の目安
『ワレワレはアマガエル』の読了時間について、以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
総ページ数 | 56ページ |
推定文字数 | 不明 |
読了時間 | 約5分〜10分 |
読み終える日数 | 1日 |
写真絵本なので文字数は少なく、小学校低学年の子どもでも短時間で読み切ることができます。
むしろ写真をじっくり眺める時間の方が長いかもしれませんね。
美しい写真を楽しみながら、ゆっくりと読み進めることをおすすめします。
『ワレワレはアマガエル』はどんな人向けの絵本か?
『ワレワレはアマガエル』は、特に以下のような人におすすめの絵本です。
- カエルや生き物が好きで、自然に興味を持っている小学生
- 美しい写真を見ながら、生き物の生態を学びたい人
- 読書感想文を書くために、感想を書きやすい本を探している小学校低学年の子ども
逆に、物語性のある小説を求めている人や、カエルなどの両生類が苦手な人には少し向かないかもしれません。
でも、写真の美しさと分かりやすい説明で、きっと新しい発見があると思いますよ。
あの本が好きなら『ワレワレはアマガエル』も好きかも?似ている絵本3選
『ワレワレはアマガエル』を気に入った人には、以下のような写真絵本もおすすめです。
どれも生き物の生態を美しい写真で紹介している点で共通していますよ。
『ずら~りカエル ならべてみると…』
日本に生息するさまざまなカエルの写真を並べて、色や形の違いを楽しめる科学写真絵本です。
おたまじゃくしからの成長や足の形、体の模様などカエルにまつわる細かな発見ができる構成になっています。
『ワレワレはアマガエル』と同じくカエルが主役で、具体的な観察や比較ができる点が似ています。
『あれあれ?そっくり!』
擬態する虫を自然物と並べて紹介し、生き物たちの知恵や環境への適応を鮮明な写真で紹介している絵本です。
クイズ形式で、実際に環境に溶け込む様子がよく分かり、自然観察の目が養われる構成になっています。
『ワレワレはアマガエル』と同じく、身近な自然や生物に興味関心を持つきっかけになる写真絵本という点で共通しています。
『りんご だんだん』
ひとつのりんごが1年かけてどのように変化するかを、毎日撮影した写真で追いかけるドキュメント写真絵本です。
生き物そのものではありませんが、身近な自然の「一生」や「時間の流れ」を美しいビジュアルで体感できます。
『ワレワレはアマガエル』と同じく、観察する楽しさや科学的な探究心を刺激し、物の見方が広がる作品です。
振り返り
『ワレワレはアマガエル』は、アマガエルの一年間の生活を美しい写真と共に描いた、心温まる科学絵本でした。
松橋利光さんの愛情あふれる写真と、アマガエルの視点で語られる親しみやすい文章が、読者を自然の世界へと誘います。
課題図書として選ばれているだけあって、小学校低学年の子どもたちにとって読書感想文を書きやすい内容になっていますね。
生命の営みや自然観察の楽しさを伝える、素晴らしい一冊だと思います。
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