『あの子の秘密』あらすじを簡単に短く&詳しく!

『あの子の秘密』のあらすじ あらすじ

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『あの子の秘密』のあらすじを詳しく知りたい皆さん、こんにちは。

今回は、第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞と第49回児童文芸新人賞をダブル受賞した話題の児童文学『あの子の秘密』について、簡単に短いあらすじから詳しいあらすじまで、ネタバレなしで丁寧に解説していきますよ。

この作品は村上雅郁さんによる心温まる友情と成長の物語で、誰にも見えない黒猫と共に生きる少女と、特別な力を持つ転校生との出会いを描いた秀作です。

年間100冊以上の本を読む私が、読書感想文を書く予定の皆さんに向けて、『あの子の秘密』の魅力を余すところなくお伝えしていきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

村上雅郁『あの子の秘密』のあらすじを短く簡単に

小学6年生の倉木小夜子には、自分にしか見えない黒猫という秘密の友だちがいる。家族にもクラスメイトにも心を閉ざす小夜子の前に、編みこみビーズが印象的な転校生・三橋明來が現れる。明來はもちまえの明るさでクラスの人気者となるが、実は触れた人の心が読める特別な力を持っていた。小夜子と黒猫は警戒するものの、明來はしつこく友だちになろうと近づいてくる。やがて明來に自分の存在を見られたことに気づいた黒猫は、小夜子を守るため学校では話さないことを決意する。

村上雅郁『あの子の秘密』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)

小学校6年生の倉木小夜子には誰にも見えない「黒猫」という秘密の友だち(イマジナリーフレンド)がいる。

小夜子は周囲と壁を作り、孤独に学校生活を送っていた。

そんな彼女のクラスに、編みこみビーズを付けた転校生・三橋明來がやってくる。

明來は持ち前の明るさと人懐っこさで、驚くほど早くクラスに溶け込み人気者となった。

しかし明來には人に言えない秘密があり、それは触れた人の心を読むことができる特別な力だった。

明來は小夜子に興味を持ち、友だちになろうとしつこく近づいてくる。

小夜子と黒猫は最初警戒していたが、ある日黒猫は明來に自分の姿を見られたことに気づく。

小夜子の秘密を守るため、黒猫は学校では小夜子と話さないことを決心する。

一方で明來もまた、自分の特殊な能力について誰にも打ち明けることができずにいた……。

物語は秘密を抱えた二人の少女が、心の傷と向き合いながら真の友情を築いていく過程を、イマジナリーフレンドの黒猫を通して繊細に描く。

『あの子の秘密』のあらすじを理解するための用語解説

物語をより深く理解するために、重要な用語を整理しました。

以下の表で確認してみてください。

用語 説明
イマジナリーフレンド 小夜子の心の中に存在する「黒猫」のこと。
「見えない想像上の友だち」であり
孤独や不安を和らげる心の支えとなる存在。
編みこみビーズ 転校生の明來の特徴的な髪飾り。
彼女の個性と明るさを象徴するアイテム。
心を読む力 明來が持つ特別な能力。
人に触れることで
その人の心の中を読むことができる超能力的な力。
心の扉 小夜子が心を閉ざしている状態を表現する比喩。
明來がその扉を開こうとする友だちとして
物語に登場する。

これらの用語を押さえておくと、『あの子の秘密』の世界観がより鮮明に理解できますよ。

『あの子の秘密』を読んだ私の感想

『あの子の秘密』を読み終えて、まず驚いたのはこれが児童文学とは思えないほど深いテーマを扱っていることでした。

私も40代になって色々な本を読んできましたが、この作品は大人が読んでも十分に考えさせられる内容になっています。

特に印象的だったのは、主人公の小夜子と黒猫の関係性です。

イマジナリーフレンドというと、成長と共に消えていく存在として描かれることが多いのですが、『あの子の秘密』では黒猫が単なる幼稚な産物ではなく、小夜子の心の一部として重要な役割を果たしている点がすごかった!

転校生の明來のキャラクターも魅力的で、彼女の持つ「心を読む力」という設定が物語に深みを与えています。

最初は少しファンタジックすぎるかなと思ったのですが、読み進めるうちにこの能力が彼女自身の孤独や苦しみの象徴でもあることが分かって、感動しました。

二人の少女がそれぞれ異なる秘密を抱えながらも、互いを理解し合おうとする姿勢には本当に泣けましたね。

物語の構成も巧妙で、小夜子と明來の視点が交互に語られることで、読者は両方のキャラクターの内面を深く理解できます。

この手法のおかげで、一方的な視点に偏ることなく、バランスの取れた物語になっているのも素晴らしい点です。

ただし、一部理解できなかった点もありました。

明來の「心を読む力」の詳細な仕組みや、なぜ彼女だけがこの能力を持っているのかという説明が少し不足しているように感じました。

もう少し背景設定があれば、より深く物語世界に没入できたかもしれません。

それでも全体的には、友情の意味や成長の形について新しい視点を提示してくれる優れた作品だと思います。

「成長=何かを捨てること」という従来の概念に対して、『あの子の秘密』は内面世界と外の世界の共存という新しい成長のあり方を示してくれました。

読書感想文を書く学生さんにとって、この作品は自分自身の心の動きや友人関係について深く考える良いきっかけになるはず。

私自身、久しぶりに心が温かくなる読書体験ができて、本当に良い作品に出会えたなと感じています。

※『あの子の秘密』の読書感想文の書き方と例文はこちらで解説しています。

『あの子の秘密』読書感想文の書き方と例文【小中生向け】
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『あの子の秘密』の作品情報

『あの子の秘密』の基本的な作品情報を表にまとめました。

項目 内容
作者 村上雅郁(むらかみ まさふみ)
出版年 2019年12月6日
出版社 フレーベル館
受賞歴 第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞
第49回児童文芸新人賞
ジャンル 児童文学、児童書
主な舞台 現代日本の小学校
時代背景 現代
主なテーマ 友情、成長、心の傷、イマジナリーフレンド
物語の特徴 二人の主人公の視点で交互に語られる構成
対象年齢 小学校5年生~中学生向け
青空文庫の収録 収録なし

『あの子の秘密』の主要な登場人物とその簡単な説明

『あの子の秘密』を彩る魅力的なキャラクターたちを紹介します。

以下の表で主要人物の特徴を確認してみてください。

人物名 紹介
倉木小夜子(くらき さよこ) 小学校6年生の主人公。
誰にも見えない秘密の友だち「黒猫」がいて
周囲と心を閉ざし孤独に過ごしている内向的で繊細な少女。
三橋明來(みはし あくる) 転校してきた編みこみビーズが特徴的な元気な少女。
触れた人の心が読める特別な力を持ち、
小夜子と友だちになろうと積極的に努力する。
黒猫 小夜子の心の中のイマジナリーフレンド。
孤独や不安の象徴でもあり
やがて小夜子のために姿を消す重要な存在。
優歌(ゆうか) クラスメイトで明來の友だち。
小夜子のお見舞いに同行するなど
友人関係の中で温かい役割を果たす優しい少女。
巴(ともえ) クラスのリーダー格の少女。
洞察力が鋭く小夜子を取り巻く人間関係に
大きな影響を与える存在。

『あの子の秘密』の読了時間の目安

読書計画を立てる参考に、読了時間の目安をまとめました。

項目 内容
総ページ数 312ページ
推定文字数 約187,200文字
読了時間の目安 約6時間20分
1日1時間読書の場合 約6〜7日で完読
週末集中読書の場合 2日で完読可能

『あの子の秘密』は児童文学らしく読みやすい文体で書かれているため、対象年齢の小中学生でもスムーズに読み進められます。

大人の読書家なら一気に読み切れる分量ですが、内容が深いのでじっくりと味わいながら読むことをおすすめします。

『あの子の秘密』はどんな人向けの小説か?

この作品は特に以下のような人におすすめです。

  • 思春期特有の心の悩みや友人関係について考えたい小中学生
  • 児童文学でありながら深いテーマを求める大人の読者
  • イマジナリーフレンドや心の成長をテーマにした物語が好きな人

『あの子の秘密』は表面的なハッピーエンドではなく、複雑な心の動きを丁寧に描いた作品なので、単純明快な娯楽小説を求める人には少し重く感じられるかもしれません。

しかし、人間関係の機微や成長の意味について深く考えたい読者には、非常に満足度の高い一冊になるでしょう。

あの本が好きなら『あの子の秘密』も好きかも?似ている小説3選

『あの子の秘密』と同じような感動や考えさせられる要素を持つ作品を紹介します。

心の成長や友情をテーマにした児童文学の中から、特に共通点の多い3作品を選びました。

『びりっかすの神さま』岡田淳

クラスでビリになった子どもたちが「びりっかすの神さま」を通して仲間になっていく感動的な物語です。

『あの子の秘密』と同じく、表面的には見えない心の世界や、子どもたち同士の複雑な関係性を丁寧に描いている点が共通しています。

自己肯定感の低い子どもが、特別な存在との出会いを通して成長していく構造も似ていますね。

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『きみの鐘が鳴る』いとうみく

中学受験に挑む小学生4人を通して、それぞれの家庭環境や心情を丁寧に描写した作品です。

『あの子の秘密』の小夜子と明來のように、異なる背景を持つ子どもたちが互いを理解し合おうとする姿勢が印象的。

現代の子どもたちが抱える現実的な悩みと心の成長を描いた点で、非常に近い作風を持っています。

『青い鳥』重松清

場面緘黙症や吃音症を持つ子どもと先生の交流を描き、言葉で伝えることの大切さをテーマにした感動作です。

『あの子の秘密』で描かれる「見えない存在」や「言えない秘密」というテーマと深く共鳴する作品。

心に傷を抱えた子どもが、理解者との出会いを通して前向きに歩んでいく過程が丁寧に描かれています。

振り返り

『あの子の秘密』は、単なる児童文学の枠を超えた深い感動を与えてくれる優れた作品でした。

イマジナリーフレンドという設定を通して、子どもの心の複雑さと成長の意味を問いかける物語は、読む人の年齢を問わず心に響くものがあります。

村上雅郁さんの繊細な筆致で描かれた小夜子と明來の友情は、真の理解とは何かを教えてくれる貴重な体験になるでしょう。

ぜひ手に取って、二人の少女の心の旅を体験してみてくださいね。

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