『レ・ミゼラブル』は、フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーによって書かれた、世界文学を代表する一冊。
一切れのパンを盗んだことで人生が大きく変わってしまった男の、更生と愛の物語です。
本作品のあらすじを簡単に短くまとめたバージョンから詳しくまとめたバージョンまで、ネタバレなしでご紹介していきますね。
ヴィクトル・ユゴー『レ・ミゼラブル』のあらすじ(ネタバレなし)
『レ・ミゼラブル』のあらすじを、短くまとめたバージョンと詳しくまとめたバージョンの2つでご紹介します。
読書感想文の準備に合わせて、簡単に確認したい人も、詳しく知りたい人も、両方使い分けてくださいね。
簡単に短くまとめたバージョン
詳しくまとめたバージョン
ストーリーを理解するための用語解説
この物語の中には、当時のフランス社会を知るうえで欠かせない用語がいくつか出てきます。
先にざっくり意味をつかんでおくと、物語がぐっと読みやすくなりますよ。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 仮釈放 | 刑期を終える前に条件付きで社会に戻る制度 元囚人への偏見が強く、更生が難しい時代背景を表す |
| 銀の燭台 | ミリエル司教がジャン・バルジャンに託した品 許しと新しい人生の象徴として物語全体に登場する |
| 良心 | 法律ではなく自分の心に従うという考え方 主人公が選択を迫られるたびに向き合うテーマ |
| 正義 | 法律を守ることと、人を救うことという二つの正義 どちらが正しいのかを読者に問いかける |
| 六月暴動 | 1832年にパリで起きた市民蜂起 自由と平等を求める若者たちが政府軍と戦った |
| バリケード | 六月暴動で市民が築いた防御施設 家具や石を積み上げて作られた |
| ワーテルローの戦い | ナポレオンが敗れた歴史上の戦い 物語の冒頭で長く語られる歴史的背景 |
これらの言葉を頭に入れておけば、『レ・ミゼラブル』の世界にもすっと入り込めるはずです。
『レ・ミゼラブル』を読んだ感想
私は40代の読書好きなのですが、『レ・ミゼラブル』を読み終えたとき、しばらく本を閉じたまま動けなかったんですよね。
とにかくジャン・バルジャンという人物の生き方に、ぐっと心をつかまれてしまいました。
一切れのパンを盗んだだけで人生をめちゃくちゃにされてしまう理不尽さ。
そこから這い上がっていく姿には、正直、涙腺がかなり刺激されましたね。
特にミリエル司教との場面は、何度読んでも鼻の奥がツンとしてしまいます。
自分を騙して逃げた相手にすら「銀の燭台で正しい人間になりなさい」と告げる度量。
こんな人間、現実にいるのだろうかと疑いたくなるくらい、理想的すぎる優しさだと感じました。
ですが、その理想主義こそがこの作品の芯なんだろうなと、読み進めるうちに納得させられました。
一方で、正直に言うと「うわ、長いな」と思った瞬間も何度もありました。
ワーテルローの戦いや、パリの下水道についての解説パートは、正直ストーリーとどう関係するのか最初はピンとこなかったです。
ただ、読み終えたあとに振り返ると、あの脱線こそがユゴーの伝えたかった「歴史が個人の人生を左右する」というテーマの表れだったのだと気づかされました。
登場人物の多さにも最初は戸惑いましたね。
ジャベール、コゼット、マリユス、テナルディエ夫妻……名前を覚えるだけでもひと苦労。
でも、そのぶん一人ひとりの人生がきちんと描かれているので、読み終えるころには誰もが忘れられない存在になっていました。
個人的に一番好きなキャラクターはジャベールです。
法律を絶対だと信じ切っていた彼が、少しずつ揺らいでいく過程には、悪役以上の深みを感じました。
善と悪をはっきり分けない人物描写は、本作の一番の魅力だと思います。
貧困や差別、司法制度といった社会問題も、単なる背景ではなく、登場人物の人生に直接食い込んでくる描き方がされていて、150年以上前の作品とは思えないほど今の社会にも通じる内容でした。
正直に言うと、読み切るには体力も時間も必要な一冊です。
ただ、読後の満足感はそれに見合うだけの重みがありましたね。
「人は変われるのか」という問いを、こんなに壮大なスケールで描いた作品には、なかなか出会えないと思います。
※『レ・ミゼラブル』の読書感想文の書き方と例文はこちらをご覧ください。

『レ・ミゼラブル』の作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | ヴィクトル・ユゴー |
| 出版年 | 1862年(フランスで刊行) |
| 出版社 | 新潮社、岩波書店、KADOKAWAなど |
| 受賞歴 | なし(19世紀の作品のため) |
| ジャンル | 長編小説・歴史小説・社会小説 |
| 主な舞台 | 19世紀前半のフランス(パリとその周辺) |
| 時代背景 | 1815年頃から1832年の六月暴動まで |
| 主なテーマ | 更生・正義・貧困・愛と赦し・人間の尊厳 |
| 対象年齢 | 中学生以上(抄訳版は小学校高学年から) |
| 青空文庫の収録 | あり(豊島与志雄訳) |
| 価格(税込) | 新潮文庫版第1巻869円(全5巻構成) |
概要
『レ・ミゼラブル』は、ヴィクトル・ユゴーが1845年頃から構想を始め、亡命生活を経て約17年かけて完成させた大作。
全5部からなる長編で、ジャン・バルジャンを軸に、コゼットやジャベールなど多くの人物の人生が絡み合う群像劇として展開する。
ワーテルローの戦いや六月暴動といった実際の歴史が組み込まれている点も特徴。
物語の途中には社会評論や歴史解説が挿入され、テンポが落ちると感じる読者もいるが、これは作品全体のテーマを深める要素として評価されている。
刊行直後から世界的な話題となり、現在では人道主義文学の最高峰として位置づけられている。
主な登場人物とその簡単な説明
物語を理解するうえで欠かせない主要人物を、重要度の高い順にまとめました。
名前と特徴をあわせて確認しておくと、あらすじがぐっと頭に入りやすくなりますよ。
| 人物名 | 紹介 |
|---|---|
| ジャン・バルジャン | 本作の主人公。パンを盗んだ罪で長く投獄された過去を持つ。 ミリエル司教との出会いをきっかけに人生をやり直す決意をする。 |
| ミリエル司教 | ジャン・バルジャンの人生を変える人物。 貧しい人や罪を犯した人にも分け隔てなく接する慈愛の象徴。 |
| ジャベール | ジャン・バルジャンを追い続ける警察官。 法律を絶対視するが、物語が進むにつれ葛藤を抱えるようになる。 |
| コゼット | ファンティーヌの娘。 ジャン・バルジャンに引き取られ、愛情を受けて成長していく。 |
| ファンティーヌ | コゼットの母親。 貧困のなかで娘を思い続ける自己犠牲的な女性である。 |
| マリユス・ポンメルシー | コゼットが恋をする青年学生。 理想に燃え、自由と平等を求める運動に加わる。 |
| テナルディエ | 宿屋を営む男性。 幼いコゼットを預かるが、金銭目的で虐待する。 |
| テナルディエ夫人 | テナルディエの妻。 夫とともにコゼットを虐待し、自分の子だけをかわいがる。 |
| エポニーヌ | テナルディエ夫妻の娘。 マリユスへの一途な思いを抱き続ける姿が印象的である。 |
| ガブローシュ | テナルディエ家の息子。 パリの街で自由に生きる、明るく勇敢な少年として登場する。 |
読了時間の目安
『レ・ミゼラブル』は角川文庫版で上巻432ページ、下巻448ページ、合計880ページというかなりの大作です。
読み切るまでの時間の目安を、表にまとめてみました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合計ページ数 | 880ページ(上巻432ページ/下巻448ページ) |
| 1ページあたりの文字数(平均) | 600字 |
| 総文字数(推定) | 約52万8000字 |
| 日本人の平均読書速度 | 1分間に約500字 |
| 読了までの時間の目安 | 約17時間36分 |
1日1時間のペースなら、だいたい18日ほどで読み終えられる計算になりますね。
1日2時間読める人なら、1週間から10日ほどで読み切れるでしょう。
長編ではありますが、区切りのいい章が多いので、少しずつ読み進めるのにも向いている一冊です。
どんな人向けの本?
『レ・ミゼラブル』は、テーマの重さや文章量から、読む人によって向き不向きがある作品です。
私なりの見解で、おすすめできる人のタイプをまとめてみました。
- 人間の成長や再生を描いた物語に深く感動したい人
- 「正義とは何か」を自分なりに考えてみたい人
- 貧困や差別といった社会問題を文学から学びたい人
反対に、テンポの速いストーリーだけを求める人や、読書にあまり慣れていない人には、少しハードルが高く感じられるかもしれません。
その場合は、抄訳版やダイジェスト版から挑戦してみるのもひとつの手ですよ。
テーマや内容が似ている小説3選
『レ・ミゼラブル』を読んで「もっと似たテーマの作品を読みたい」と思った人のために、共通点のある小説を3つ紹介しますね。
いずれもユゴー以外の作家による作品です。
『罪と罰』フョードル・ドストエフスキー
貧しい元大学生が、ある思想から殺人を犯し、その後は激しい罪悪感に苦しみながら良心と向き合っていく物語。
罪を犯した人間の心の変化を描く点や、更生というテーマにおいて『レ・ミゼラブル』と重なる部分が多い作品です。

『怒りの葡萄』ジョン・スタインベック
世界恐慌時代のアメリカで、農地を失った一家が新たな仕事を求めて旅をする物語。
貧困や格差社会を描き、社会制度への批判を織り込んでいる点が、『レ・ミゼラブル』の人道主義的なテーマと共通しています。
『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドストエフスキー
一人の父親の死をきっかけに、三兄弟がそれぞれ信仰や理性、欲望と向き合っていく壮大な物語。
善悪を単純に描かない人物造形や、人間の尊厳を問いかける構成が、『レ・ミゼラブル』とよく似ています。

振り返り
今回は『レ・ミゼラブル』のあらすじを、簡単に短くまとめたバージョンと詳しくまとめたバージョンの両方でご紹介しました。
用語解説や登場人物、読了時間の目安まで一通り確認しておけば、読書感想文の準備もかなりスムーズになるはずです。
長編ではありますが、それだけ読み応えのある一冊。
ぜひこの記事を参考に、ジャン・バルジャンの物語をじっくり味わってみてくださいね。
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