児童書『きみのなまえ』のあらすじをご紹介していきますね。
『きみのなまえ』はあんずゆきさんが作、かなざわまゆこさんが絵を手がけた心温まる児童書です。
2019年に福岡県で実際に起こった野良犬の保護にまつわる実話をもとに作られており、小学校低学年から読める優しい物語として多くの読者に愛されています。
あんずゆきさんは小川未明文学賞優秀賞や盲導犬サーブ記念文学賞大賞などを受賞している実力派の児童文学作家なんですよ。
年間100冊以上の本を読む私が、この作品のあらすじを簡単に短く、また詳しくネタバレなしで解説しましょう。
あんずゆき『きみのなまえ』のあらすじを短く簡単に
あんずゆき『きみのなまえ』のあらすじを詳しく(ネタバレなし)
『きみのなまえ』のあらすじを理解するための用語解説
物語をより深く理解するために、重要な用語をまとめました。
以下の表で確認してくださいね。
用語 | 説明 |
---|---|
野良犬 | 飼い主がいない 街や自然に住み着いている犬。 物語の中心となる栗毛の犬「くり」も野良犬で、 保護される対象となる。 |
保護犬 | 捨てられたり逃げ出したりしたが 動物愛護団体や地域の人々によって守られている犬のこと。 物語では主人公親子がこの立場の犬を救おうとする。 |
貼り紙 | 壁や掲示板などに貼る紙。 物語中で「くり」を保護するための 協力を呼びかける手段として使われる。 |
保健所 | 動物の管理や保護に関わる行政機関。 「くり」が捕獲されてしまう重要な転機が起こる場所。 |
シングルマザー | 母子家庭の母親。 物語の母親役であり 保護活動を支えるキーキャラクター。 |
これらの用語を押さえておけば、『きみのなまえ』のストーリーがより理解しやすくなりますよ。
『きみのなまえ』を読んだ感想
この本、読み始めたら止まらなくなって、あっという間に読み終えてしまいました。こんなに温かい気持ちになれる本があるんだなって、素直に感動しましたよ。
実話がもとになっているってのが、まずすごいですよね。だからかな、作り物じゃない、本物の優しさがひしひしと伝わってくるんですよ。最初に野良犬の「くり」と少年たくとが出会うシーン、あの描写が本当にリアルで。林の匂いや空気感まで伝わってくるようで、私自身も一緒にそこに立ってるような感覚になりました。子どもの純粋な心って、こんなにも美しいんだなと改めて思い知らされましたね。
そして何よりグッときたのは、たった一枚の貼り紙をきっかけに、地域の人たちが「くり」とのエピソードを語り始めるところ。最初は孤独だと思っていた犬が、実は多くの人に愛され、見守られていたという事実。これにはもう、涙なしでは読めませんでした。私たちが気づかないところで、誰かに支えられているのかもしれない。そんな大切なことを教えてくれた気がします。
シングルマザーのタチバナさんの存在も素晴らしかった。息子の優しい心を理解し、一緒に保護活動に取り組む姿が本当に印象的で、親子の絆の深さに心を打たれました。説教じみたところが一切ないのが、また良いんですよ。
正直、現実の保護活動はもっと厳しいんだろうな…なんて少しだけ思いましたが、これはきっと、子どもたちに希望を届けるために、あえて前向きな展開にしたんでしょうね。その意図を汲み取ると、また違った感動が湧いてきました。かなざわまゆこさんの優しい絵も、物語の温かさを一層引き立てていました。文字だけでは伝わらない「くり」の感情が、絵からひしひしと伝わってくるんです。
64ページという短い作品ですが、内容は本当に濃い。命の大切さや、人と動物、人と人との繋がりについて、深く考えさせてくれる一冊でした。家族や友人に、自信を持って勧めたいと思います。
※『きみのなまえ』の読書感想文の書き方と例文はこちらにまとめています。

『きみのなまえ』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | あんずゆき(作)、かなざわまゆこ(絵) |
出版年 | 2021年1月30日(初版発売日) |
出版社 | 佼成出版社 |
受賞歴 | – |
ジャンル | 児童書(小学校低学年から向け) |
主な舞台 | 福岡県近郊 |
時代背景 | 現代(2019年実話が元) |
主なテーマ | 動物愛護、命の尊さ、人と動物の絆、地域コミュニティ |
物語の特徴 | 実話をもとにした感動的なストーリー、保護犬との交流を描く |
対象年齢 | 小学校低学年から一般向け |
青空文庫の収録 | 収録なし(児童書かつ比較的新しい作品のため) |
『きみのなまえ』の主要な登場人物とその簡単な説明
物語の中心となる登場人物を紹介しますね。
それぞれのキャラクターが物語に深みを与えています。
人物名 | 紹介 |
---|---|
たくと | 物語の主人公の少年。 近所の林で見かけた栗毛の野良犬に心を惹かれ 家で保護しようと行動を起こす。 純粋で動物思いの優しい性格。 |
タチバナさん | たくとの母親でシングルマザー。 息子と一緒に野良犬の保護活動を支援し 貼り紙をするなど積極的に協力する。 理解のある温かい母親。 |
くり | 栗毛の雑種犬で、地域の林に住む野良犬。 最初は人になつかないが 次第にたくと母子と心を通わせていく。 物語の中心となる大切なキャラクター。 |
『きみのなまえ』は登場人物がシンプルで、それぞれの関係性がわかりやすく描かれているのが特徴ですね。
『きみのなまえ』の読了時間の目安
読書感想文を書く予定の皆さんにとって、どれくらいの時間で読み終えられるかは重要なポイントですよね。
以下の表で目安をまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ページ数 | 64ページ |
推定文字数 | 不明 |
読了時間(小学生) | 30分~1時間 |
『きみのなまえ』は児童書なので文字も大きく、絵も豊富で読みやすい構成になっていますよ。
夏休みの宿題として読む場合でも、無理なく読み進められる分量ですね。
『きみのなまえ』はどんな人向けの小説か?
『きみのなまえ』がぴったりな読者のタイプをまとめてみました。
特におすすめしたいのは以下のような方々です。
- 動物好きで、ペットとの絆や動物愛護に関心がある人
- 実話ベースの感動的な物語を読みたい人
- 親子の絆や地域コミュニティの温かさを感じたい人
逆に、ファンタジーや冒険小説のようなスペクタクルな展開を求める人には少し物足りないかもしれません。
また、動物の描写で涙もろくなりがちな人は、ハンカチを用意して読むことをおすすめしますよ。
『きみのなまえ』は年齢を問わず読める作品ですが、特に小学生や中学生の読書感想文にはぴったりの内容だと思います。
あの本が好きなら『きみのなまえ』も好きかも?似ている小説3選
『きみのなまえ』が気に入った方におすすめしたい、似たテーマや雰囲気を持つ作品を紹介しますね。
どれも心温まる動物との絆を描いた名作ばかりです。
椋鳩十『マヤの一生』
椋鳩十さんによる野良犬を主人公にした名作児童文学です。
犬のマヤが様々な困難を乗り越えながら生きていく姿を描いており、動物の生命力と人間との絆をテーマにしています。
『きみのなまえ』と同様に、野良犬の視点から人間社会を見つめる構成が共通しており、動物愛護の大切さを訴える内容になっています。
今西祐行『一つの花』
戦時中を舞台に、父と娘の愛情を描いた感動作です。
家族の絆と命の尊さをテーマにしており、『きみのなまえ』の親子愛と重なる部分があります。
短編でありながら深い感動を与える構成も似ており、読書感想文の題材としても人気の高い作品です。
新美南吉『ごんぎつね』
人間と動物の心の交流を描いた代表的な児童文学作品です。
誤解から始まった関係が、やがて深い理解へと変わっていく過程が『きみのなまえ』の展開と似ています。
動物の気持ちに寄り添う視点や、命の大切さを訴えるメッセージ性が共通しており、同じような感動を味わえる作品です。

振り返り
『きみのなまえ』は実話をもとにした心温まる児童書で、野良犬の保護を通じて命の大切さと人の優しさを描いた作品です。
あんずゆきさんの丁寧な文章とかなざわまゆこさんの優しい絵が織りなす世界は、読む人の心に深い感動を与えてくれます。
64ページという手頃な分量でありながら、動物愛護や親子の絆といった大切なテーマがしっかりと込められており、読書感想文の題材としても最適な一冊だと思います。
地域の人々の温かさや、命を守ることの意味について考えさせられる『きみのなまえ』は、きっと皆さんの心にも深く響く作品になるはずですよ。
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