『青くて痛くて脆い』は、大学生活を舞台にした住野よるさんの青春小説です。
理想を追いかける大学生たちの姿を描いた、心があたたかくなるお話ですよ。
今回は、あらすじを短く簡単に紹介したり、読書感想文で使えるポイントもくわしく解説していきますね。
『青くて痛くて脆い』の短いあらすじ
『青くて痛くて脆い』の簡単なあらすじ
『青くて痛くて脆い』の詳しいあらすじ
誰かの意見に反する意見を口にしないことを信条とする大学1年生の田端楓。ある日の授業で、子供のような理想論を発表する秋好寿乃と出会う。
理想の居場所を探す秋好に、楓は不用意に「自分でサークルを作れば」と提案。こうして二人は秘密結社のような形でサークル「モアイ」を設立する。
4年生になった楓は、モアイから距離を置いていた。かつて「世界を変える」という理想を掲げていたモアイは、就職活動支援をメインとする50人規模のサークルに成長。理想を裏切られたと感じた楓は、バイト仲間の董介とともにモアイを壊そうと動き出す。
しかし、スキャンダルを探るために近づいたモアイで、楓は思いがけない出会いと気づきを得ていく。そして自分自身の在り方を見つめ直すことになるのだった。
『青くて痛くて脆い』の読書感想文で外せない3つの重要ポイント
『青くて痛くて脆い』の読書感想文を書く際は、以下の3つのポイントを押さえておくとよいですよ。
- 理想と現実の狭間で揺れ動く心
- 人との関わり方の変化
- 成長がもたらす気づきの瞬間
理想と現実の狭間で揺れ動く心
サークル「モアイ」の変化は、理想と現実の葛藤を象徴的に表しています。
世界を変えたいという純粋な思いと、現実社会に適応していく過程での変化。
このせめぎ合いが、登場人物たちの心の動きを鮮やかに描き出しています。
人との関わり方の変化
主人公の楓は当初、他者との深い関わりを避けていました。
しかし物語が進むにつれて、人との関係性に対する考え方が少しずつ変化していきます。
この変化の過程にこそ、物語の核心があります。
成長がもたらす気づきの瞬間
怒りや後悔、そして新たな気づき。感情の機微が繊細に描かれており、主人公の内面的な成長が印象的です。
特に物語後半での気づきは、読者の心に深く響くものとなっています。
※『青くて痛くて脆い』を通して作者が伝えたいことは、以下の記事で解説しています。

『青くて痛くて脆い』の登場人物紹介
『青くて痛くて脆い』の魅力的な登場人物たちを紹介しますね。
名前 | キャラクター紹介 |
---|---|
田端 楓 | 主人公。他人と深く関わらないことを信条とする大学生 |
秋好 寿乃 | 理想に燃える女子大生。モアイのリーダー |
董介 | 楓のバイト仲間。モアイを嫌うが、活動を通じて考えが変化 |
ポンちゃん | 愛媛県出身。モアイの幽霊部員 |
川原 理沙 | 楓のバイト仲間。率直な性格の持ち主 |
テン/天野 | モアイの幹部。チャラいが憎めないキャラクター |
脇坂 | モアイを外部から支援する存在 |
尋木 ミア | モアイの3人目のメンバー。冷静な性格 |
『青くて痛くて脆い』の文字数と読了時間
『青くて痛くて脆い』の文字数と読了時間の目安をまとめてみました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ページ数 | 312ページ |
推定総文字数 | 約187,200文字 |
読了時間の目安 | 約6時間15分 |
『青くて痛くて脆い』はこんな人におすすめ
『青くて痛くて脆い』は、以下のような方におすすめです。
- 大学生活や青春時代に共感したい人
- 人との関わり方に悩んでいる人
- 理想と現実の間で揺れ動く心情を読みたい人
- 成長物語が好きな人
『青くて痛くて脆い』に似た小説3選
『青くて痛くて脆い』の世界観や雰囲気が好きな方におすすめの小説をご紹介します。
『君の膵臓をたべたい』(住野よる)
同じ作者による青春小説です。
人との出会いが自分を変えていく様子が、繊細なタッチで描かれています。
『コンビニ人間』(村田沙耶香)
社会の中での居場所探しがテーマ。
人との関わり方や、自分らしさの追求という点で共通点があります。

『さくら』(西加奈子)
人との距離感に悩む主人公の成長物語。
心の機微が丁寧に描かれており、共感できる場面が多いです。
振り返り
『青くて痛くて脆い』は、理想と現実の狭間で揺れ動く若者たちの姿を描いた心温まる物語。
きっと読んでくださった方の心に、すとんと落ちる言葉が見つかるはずです。
一度じっくり読んでみませんか?
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