『青くて痛くて脆い』は、大学生活を舞台にした住野よるさんの青春小説です。
理想を追いかける大学生たちの姿を描いた、心があたたかくなるお話ですよ。
今回は、あらすじを短く簡単に紹介したり、私が読んだ感想もくわしく解説していきますね。
『青くて痛くて脆い』のあらすじを短く
『青くて痛くて脆い』の簡単なあらすじ
『青くて痛くて脆い』の詳しいあらすじ
誰かの意見に反する意見を口にしないことを信条とする大学1年生の田端楓。ある日の授業で、子供のような理想論を発表する秋好寿乃と出会う。
理想の居場所を探す秋好に、楓は不用意に「自分でサークルを作れば」と提案。こうして二人は秘密結社のような形でサークル「モアイ」を設立する。
4年生になった楓は、モアイから距離を置いていた。かつて「世界を変える」という理想を掲げていたモアイは、就職活動支援をメインとする50人規模のサークルに成長。理想を裏切られたと感じた楓は、バイト仲間の董介とともにモアイを壊そうと動き出す。
しかし、スキャンダルを探るために近づいたモアイで、楓は思いがけない出会いと気づきを得ていく。そして自分自身の在り方を見つめ直すことになるのだった。
『青くて痛くて脆い』のあらすじを理解するための用語解説
『青くて痛くて脆い』のあらすじや物語に登場する専門的な用語を解説します。
用語 | 解説 |
---|---|
モアイ | 主人公たちが作った秘密結社的なサークル。 大きな理想を掲げて慈善活動などを行ったが、 メンバーや考え方が変化していくことが物語の軸となる。 |
青さ | 未熟さや純粋さを指し、 理想や夢にまっすぐ向かうがゆえの 弱さや未完成さを表現している。 |
痛さ | 理想と現実のギャップから生じる葛藤や、 他者や自分を傷つけてしまうことの辛さを含む。 |
脆さ | 大切なものや信じていたものが 壊れてしまう危うさや心のもろさ。 タイトル上は否定的だが、 実は「青くて痛い」ことは「脆い」とは限らない、 という逆説も物語で語られる。 |
理想 | 現実では実現が難しい大きな夢や目標。 現実に妥協しながらも持ち続けることの 大切さが描かれる。 |
距離感 | 人間関係における心理的な距離。 関係性が変化することで心が揺さぶられるが、 変化を受け入れて再構築することも成長の一部。 |
成長 | 理想から現実、 未熟さから大人へと変わっていく心の変化。 痛みや葛藤を経て人は成長する。 |
モラトリアム | 社会的責任を猶予された「青春」の時期。 終わることで「青さ」や「脆さ」と 向き合うことが求められる。 |
※『青くて痛くて脆い』を通して作者が伝えたいことは、以下の記事で解説しています。

『青くて痛くて脆い』の登場人物紹介
『青くて痛くて脆い』の魅力的な登場人物たちを紹介しますね。
名前 | キャラクター紹介 |
---|---|
田端 楓 | 主人公。 他人と深く関わらないことを 信条とする大学生 |
秋好 寿乃 | 理想に燃える女子大生。 モアイのリーダー |
董介 | 楓のバイト仲間。 モアイを嫌うが活動を通じて考えが変化 |
ポンちゃん | 愛媛県出身。 モアイの幽霊部員 |
川原 理沙 | 楓のバイト仲間。 率直な性格の持ち主 |
テン/天野 | モアイの幹部。 チャラいが憎めないキャラクター |
脇坂 | モアイを外部から支援する存在 |
尋木 ミア | モアイの3人目のメンバー。 冷静な性格 |
『青くて痛くて脆い』の作品情報
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | 住野よる |
出版年 | 2018年3月2日(単行本) |
現在の出版社 | KADOKAWA(角川文庫でも刊行) |
ジャンル | 青春小説・長編小説 |
対象年齢 | 中高生~一般 |
青空文庫の収録 | なし |
『青くて痛くて脆い』の文字数と読了時間
『青くて痛くて脆い』の文字数と読了時間の目安をまとめてみました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ページ数 | 312ページ |
推定総文字数 | 約187,200文字 |
読了時間の目安 | 約6時間15分 |
『青くて痛くて脆い』を読んだ私の感想
普段あまりこういう小説は手に取らない私ですが、なんかタイトルに惹かれて読んでみたんです。いやー、正直なめてましたね。完全に私の負けです。
読み進めるうちに、学生時代に自分が抱えていた青臭い理想とか、どうしようもない不器用さとかがぶわっと蘇ってきて、終始胸が痛かったです。
「世界を変える」なんて大それた夢を語り合っていた「モアイ」の仲間たちが、現実の壁にぶつかって、脆く崩れていく様は読んでいて本当に辛かった。
信頼していた仲間とのすれ違いや、手のひらを返すような裏切り。ああ、青春ってこういうことだったよな、って妙に納得しちゃいました。
特に主人公の田端くんのモノローグがね、もうグサグサ刺さってくるんですよ。秋好さんに対する複雑な想いと、それを素直に表現できないこじらせた感情。
彼の内面の葛藤が丁寧に描かれていて、自分もこんな風に孤独を抱えていた時期があったなと、痛いほど共感しました。
この本は、甘酸っぱい青春を懐かしむだけじゃないです。忘れていた自分の弱さや、乗り越えたはずの痛みをもう一度思い出させてくれる。
私みたいな中年のおじさんにも、深く刺さるポイントがたくさんありました。読後感は少し切ないけれど、清々しい気持ちにもなれる、そんな傑作です。星5つじゃ足りないくらいですね。
※『青くて痛くて脆い』の読書感想文の中学生・高校生向けの例文と書き方はこちら。

『青くて痛くて脆い』はこんな人におすすめ
『青くて痛くて脆い』は、以下のような方におすすめです。
- 大学生活や青春時代に共感したい人
- 人との関わり方に悩んでいる人
- 理想と現実の間で揺れ動く心情を読みたい人
- 成長物語が好きな人
『青くて痛くて脆い』に似た小説3選
『青くて痛くて脆い』の世界観や雰囲気が好きな方におすすめの小説をご紹介します。
『君の膵臓をたべたい』(住野よる)
同じ作者による青春小説です。
人との出会いが自分を変えていく様子が、繊細なタッチで描かれています。

『コンビニ人間』(村田沙耶香)
社会の中での居場所探しがテーマ。
人との関わり方や、自分らしさの追求という点で共通点があります。

『さくら』(西加奈子)
人との距離感に悩む主人公の成長物語。
心の機微が丁寧に描かれており、共感できる場面が多いです。
振り返り
『青くて痛くて脆い』は、理想と現実の狭間で揺れ動く若者たちの姿を描いた心温まる物語。
きっと読んでくださった方の心に、すとんと落ちる言葉が見つかるはずです。
一度じっくり読んでみませんか?
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