今日は日本文学の不朽の名作として知られる夏目漱石の『吾輩は猫である』についてお話しさせていただきますね。
この小説、タイトルを聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。
でも実際にどんな内容なのか、よく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、簡単に短く100文字・200文字・400文字のあらすじ(+子供向け)や登場人物、そして基本的な作品情報についてじっくりとご紹介していきたいと思います。
『吾輩は猫である』のあらすじを短く(50文字バージョン)
まずは『吾輩は猫である』の50文字という簡潔で短いあらすじからご紹介します。
『吾輩は猫である』のあらすじを簡単に(100文字バージョン)
「吾輩は猫である」の100文字の簡単なあらすじがこちらです。
※注:甕の読み方は「かめ」
『吾輩は猫である』の200文字のあらすじ
続いて、『吾輩は猫である』のちょっと長めの200文字であらすじをお伝えしますね。
捨て猫が珍野家に引き取られ、名前も付けられず飼われることに。近所の猫との交流や、家主の苦沙弥を取り巻く人間関係を通じて、猫は人間の滑稽さや矛盾を感じ取っていく。
富裕層の娘と苦沙弥の知人の恋愛話や、泥棒騒動、近所の学生のいたずらなど、様々な出来事が起こる中、猫は周囲の状況を冷静に見つめる。
最後に猫は人間の祝宴に興味を持ち、こっそり飲み物を口にする。しかし、不幸な事故に遭い、皮肉な最期を迎えてしまう。
「吾輩は猫である」の400文字の詳しいあらすじ
では、もう少し詳しく『吾輩は猫である』の400文字のあらすじをお届けしますね。
親元から離れ偶然たどり着いた珍野家で家主・苦沙弥に飼われることとなった猫。日々人間たちを観察し、彼らのわがままで自己中心的な性格に疑問を感じながら暮らす。
近所の美しいメス猫・三毛子と親しくなり、彼女を訪れるのが楽しみだったが、ある日、彼女が風邪をこじらせて亡くなり、猫は深く落ち込む。
珍野家では、実業家の妻・鼻子が娘の富子と寒月の結婚を巡って干渉し始める。鼻子は寒月が博士にならなければ結婚を認めないと主張し、富子との縁談を混乱させる。そんな中、泥棒が珍野家に入って家の品々を盗んだり、近所の中学生が野球ボールを家に投げ込んで騒動を起こすなど、トラブルが絶えない日々が続く。
やがて、寒月が地元の女性との結婚を報告し、富子は元書生の三平と結婚することが決まる。その祝杯が珍野家で交わされる中、猫は人間たちの真似をして飲み物を口にし、足を滑らせ甕に落ちてしまう。懸命にもがくも最期には静かに息を引き取る。
『吾輩は猫である』の子供向けのあらすじ
最後に『吾輩は猫である』の子供向けのあらすじもご紹介します。
ある猫が、親からはなれて迷子になり、たまたま見つけたお家に住むことになりました。その家の主人「苦沙弥(くしゃみ)」さんが優しく拾ってくれたからです。猫は「珍野(ちんの)」さんちで暮らしながら、人間のことをじーっと観察します。でも、人間ってけっこうわがままで自分勝手だなあ、と思うこともありました。
猫は、近所に住んでいるきれいな三毛猫の「三毛子」と仲良しになります。三毛子と会うのが毎日の楽しみでした。でもある日、三毛子が病気になってしまい、そのまま天国に行ってしまいます。猫はとても悲しくなりました。
そんな中、珍野家では色々な事件が起こります。たとえば、お家に泥棒が入ったり、近所の子供たちが野球のボールを庭に投げ込んだりして、みんな大騒ぎ!それから、苦沙弥さんの友達「寒月(かんげつ)」さんが、結婚のことで困っていました。寒月さんを好きな女の子のお母さんが、「博士にならないと結婚させません!」と言っていたのです。でも、寒月さんは別の女の人と結婚することに決めました。その後、その女の子も別の人と結婚することになり、みんなでお祝いをしました。
お祝いの日、猫は人間たちの真似をして飲み物をぺろぺろしてみます。でも、うっかり足を滑らせて水がめに落ちてしまいました。最後に静かに眠りについた猫は、これまでの楽しかった日々を思い出していました。
>>>読書感想文を書くために「この小説が伝えたいこと」を知りたい方は、こちらの記事が参考になりますよ。

『吾輩は猫である』のあらすじを理解するための用語解説
『吾輩は猫である』のあらすじを理解するために、今ではあまり使われない用語を解説します。
用語 | 解説 |
---|---|
書生(しょせい) | 学問を志して、他人の家に寄食しながら 家事などを手伝う学生のこと。 作中では苦沙弥先生の家に住み込んでいます。 |
細君(さいくん) | 自分の妻、奥さんのこと。 作中では苦沙弥先生の妻を指す 呼称として使われています。 |
車夫(しゃふ) | 人力車を引く職業の人。 当時の庶民の交通手段として一般的でした。 |
ホトトギス | 正岡子規が創刊した俳句雑誌。 作中の登場人物が文学談義をする場面で 当時の文化的な背景を象徴する存在として登場します。 |
ハイカラ | 文明開化によって流入した 西洋の文化や風俗を積極的に取り入れた人や その様子を指す言葉です。 |
無常迅速(むじょうじんそく) | 仏教の言葉で 「すべてのものは速やかに移り変わり、はかないものだ」 という意味。 作中、猫の死生観として語られることがあります。 |
文明開化 | 明治時代に西洋の文化や制度が日本に導入され 社会が大きく変化した現象。 作中の「インテリ」たちの言動に影響を与えています。 |
『吾輩は猫である』の主要な登場人物たち
さて、ここからは『吾輩は猫である』の主要な登場人物たちをご紹介しますね。
個性豊かなキャラクターたちが、この物語をより一層魅力的なものにしているんですよ。
主な登場人物 | 簡単な説明 |
---|---|
吾輩(語り手の猫) | 名前のない主人公の猫。 鋭い観察眼と皮肉な語り口が特徴。 |
珍野苦沙弥 | 猫の飼い主。中学校の英語教師。 学問好きだが、世間知らずな面も。 |
金田の妻 | 隣家の奥さん。 世間体を気にする俗物的な性格。鼻子。 |
迷亭 | 苦沙弥の友人。美学者。 機知に富んだ会話で場を盛り上げる。 |
寒月 | 若手の物理学者。 苦沙弥の教え子で 金田の娘と婚約している。 |
東風(とうふう) | 哲学者。 真面目だが少々世間知らず。 |
こうしてみると、なんだかユニークな人たちばかりですよね。
それぞれの個性がぶつかり合って、面白いやりとりが生まれるんです。
『吾輩は猫である』の作品情報
『吾輩は猫である』の基本的な作品情報を一覧にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
作者 | 夏目漱石 |
初出 | 雑誌『ホトトギス』 (1905年1月〜1906年8月) |
現在の主な出版社 | 新潮文庫、岩波文庫、角川文庫など |
ジャンル | 風刺小説、滑稽小説 |
対象年齢 | 中学生以上が推奨されますが ルビ付きで子ども向けに出版されているものもあります。 |
青空文庫の収録の有無 | 収録あり(無料公開) |
『吾輩は猫である』のページ数と読了時間
さて、ここで気になるのが『吾輩は猫である』を読むのにどれくらい時間がかかるのかということですよね。
ページ数と読了時間についてまとめてみました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ページ数 | 624ページ(新潮文庫版) |
推定読了時間 | 約10時間20分 |
読了時間は、日本人の平均読書速度(1分間に600字程度)を元に計算しています。
でも、これはあくまで目安ですからね。
じっくり味わいながら読むのも良いですし、さくさく読み進めるのも楽しいかもしれません。
『吾輩は猫である』を読んだ私の感想
学生時代に「古典」として触れて以来、正直なところ「堅苦しい、難しい」というイメージしかありませんでした。
でも、読みたくなるときって不思議とあるもんで、ふと手に取ってみたんです。
ページを開いて、最初の「吾輩は猫である。名前はまだない。」の一文。
この時点で、私の先入観はガラガラと崩れ去りましたね。まさか、漱石がこんなにもユーモラスで、斜に構えた語り口の小説を書いていたとは。
物語は、明確な起承転結があるわけではなく、名前のない一匹の猫が、飼い主である珍野苦沙弥先生や、その周りに集まる個性豊かな面々を淡々と観察する様子が描かれます。
彼らが繰り広げる哲学的な議論や、くだらない見栄の張り合いが、猫の視点を通して描かれると、もう笑いが止まりません。
特に面白かったのは、当時の「インテリ」と呼ばれた人たちの滑稽な姿。小難しい言葉で飾ってみても、やっていることは今も昔も変わらない、ごく普通のおじさんたちのようで、なんだか他人事じゃない気分になりました。
肩の力を抜いて、気の向くままに読み進められるのが、この本の醍醐味だと思います。難しい顔をして読む古典ではなく、最高の人間観察コメディとして楽しませてもらいました。
読後の満足感はかなりのものです。「ああ、こんなに面白い本だったんだな」と、新たな発見ができたことに感謝です。
※『吾輩は猫である』の読書感想文の書き方と例文はこちらで解説しています。

「吾輩は猫である」はどんな人におすすめの小説?
『吾輩は猫である』は、幅広い層の方に楽しんでいただける作品だと思います。
特に、こんな方におすすめですよ。
- 人間社会の矛盾や滑稽さを冷静に見つめたい方
- ユーモアのある文体や皮肉な表現を楽しみたい方
- 日本の近代文学に興味がある方
- 動物視点の物語が好きな方
- 社会風刺や哲学的な考察を含む作品を読みたい方
猫の視点を通して人間社会を眺めることで、普段当たり前だと思っていたことが、ちょっと違って見えてくるかもしれません。
そんな新しい発見があるのも、この作品の魅力のひとつだと思いますね。
『吾輩は猫である』の魅力や読みどころを掘り下げた記事もありますので、ご覧になってみてください。

『吾輩は猫である』に似た小説5選
最後に『吾輩は猫である』と似た雰囲気や要素を持つ小説を5つご紹介します。
これらの作品も、人間社会を風刺的に描いていたり、動物視点だったりと、共通点がありますよ。
『坊ちゃん』(夏目漱石)
同じ夏目漱石の作品で、社会の矛盾や人間の滑稽さを描いています。主人公の率直な視点が「吾輩は猫である」の猫を思わせますね。

『それから』(夏目漱石)
こちらも夏目漱石の作品です。知識人の苦悩や社会との軋轢を描いており、「吾輩は猫である」と通じるテーマがあります。

『人間失格』(太宰治)
主人公の視点から人間社会の矛盾や自身の不適応を描く点で、『吾輩は猫である』と共通点があります。

『山月記』(中島敦)
人間が虎に変身するという設定で、動物の視点から人間社会を見つめる点が『吾輩は猫である』に似ています。

『ガリヴァー旅行記』(ジョナサン・スウィフト)
異世界の視点から人間社会を風刺的に描く点で、『吾輩は猫である』と通じるものがあります。
『吾輩は猫である』を読んで、もっと似たような作品を楽しみたくなったら、これらの小説も手に取ってみてくださいね。
振り返り
さて、今回は『吾輩は猫である』についてたっぷりとお話しさせていただきました。
夏目漱石の鋭い観察眼と、ユーモアたっぷりの文体。
そして、猫という視点を通して描かれる人間社会の姿。きっと、皆さんの心に何か新しい発見をもたらしてくれると思います。
ぜひ、この機会に『吾輩は猫である』を手に取ってみてくださいね。
きっと、新しい世界が広がるはずです。それでは、また次回お会いしましょう!
※『吾輩は猫である』のすごさはどういう点にあるのか、不思議に感じた方は以下の記事が参考になります。

コメント