『クスノキの番人』の読書感想文の書き方と例文※中高生向け

『クスノキの番人』の読書感想文 感想

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『クスノキの番人』の読書感想文を書く予定の皆さん、こんにちは。

東野圭吾さんが描く心温まる長編小説『クスノキの番人』は、2020年に刊行され、累計発行部数100万部を突破した話題作。

過去に罪を犯した青年・玲斗が、神秘的な力を持つクスノキの番人として人々と関わりながら成長していく物語です。

年間100冊以上の本を読む私が、この作品の読書感想文の書き方や例文、そして効果的な題名や書き出しのコツを丁寧に解説していきますね。

中学生や高校生の皆さんが、コピペに頼らず自分らしい感想文を書けるよう、具体的な例文も用意しました。

この記事を読めば、作品の核心を捉えた読書感想文が必ず書けるようになりますよ。

『クスノキの番人』の読書感想文で触れたい3つの要点

クスノキの番人』の読書感想文を書く際に、必ず押さえておきたい重要な要点が3つあります。

  • 主人公・玲斗の人間的成長と再生のストーリー
  • クスノキの持つ神秘的な力と「祈念」の意味
  • 人と人とのつながりが生み出す温かさ

これらの要点について、読みながら「どう感じたか」を必ずメモしておきましょう。

感想文では、作品の内容を説明するだけでなく、「あなたがどう思ったか」「どんな気持ちになったか」を書くことが最も大切だからです。

メモを取る際は、印象に残った場面や登場人物の行動について、「なぜそう思ったのか」「自分の体験と重なる部分はないか」を具体的に書き留めてください。

そうすることで、単なるあらすじの紹介ではなく、あなた自身の体験や価値観が反映された深い感想文が書けるようになります。

それぞれの要点について、詳しく見ていきましょう。

主人公・玲斗の人間的成長と再生のストーリー

『クスノキの番人』の中心となるのは、主人公・直井玲斗の変化と成長です。

物語の始まりで玲斗は、理不尽な理由で職を失い、窃盗の罪を犯して逮捕されるという絶望的な状況にいます。

自分の人生に希望を見出せず、誰も信じられない状態だった彼が、クスノキの番人という役割を通じて少しずつ変わっていく姿は、読者の心を強く打ちます。

玲斗の成長は、突然劇的に起こるものではありません。

クスノキに祈念に訪れる人々との出会いを通じて、彼らの抱える悩みや願いに触れることで、玲斗自身も自分の過去と向き合う勇気を見つけていくのです。

ここで注目したいのは、玲斗が人を助けることで、結果的に自分自身も救われていくという構造です。

最初はひねくれていた彼が、番人としての責任感を持つようになり、やがて人を思いやる心を取り戻していく過程は、とても感動的ですね。

読書感想文では、玲斗のどの場面に最も心を動かされたか、そして彼の変化から何を学んだかを具体的に書くと良いでしょう。

また、玲斗の成長を自分自身の体験と重ね合わせて考えてみることも大切です。

失敗や挫折から立ち直った経験、誰かのために行動したことで自分も成長できた体験があれば、それと結びつけて感想を述べると深みが増します。

クスノキの持つ神秘的な力と「祈念」の意味

『クスノキの番人』において、月郷神社にあるクスノキは単なる木ではありません。

満月の夜と新月の夜に人々が祈念を捧げる特別な存在として描かれています。

この「祈念」という行為には、単純なお願いごとを超えた深い意味が込められているのです。

クスノキに祈念に訪れる人々は、それぞれ心の奥底に抱えた悩みや後悔、そして切なる願いを持っています。

佐治寿明の家族への想い、大場壮貴の会社への責任感、津島秀次の人生への向き合い方など、多様な人間ドラマが展開されます。

彼らの祈念は、過去の出来事への後悔や、大切な人への愛情、未来への希望など、人間の心の複雑さを表現しています。

読書感想文では、どの人物の祈念に最も心を動かされたかを書いてみましょう。

そして、「祈る」ということの意味について、あなた自身はどう考えるかを述べることが重要です。

祈りや願いは、誰にでもある普遍的な感情です。

テストの前に「うまくいきますように」と思ったり、家族の健康を願ったりした経験は、誰にでもあるでしょう。

そうした身近な体験と、作品中の祈念を比較しながら感想を書くと、説得力のある文章になります。

また、クスノキの神秘的な力についても考えてみてください。

本当に不思議な力があるのか、それとも人々の心の変化が「奇跡」を生んでいるのか、あなたの解釈を述べることで、独自性のある感想文が書けますよ。

人と人とのつながりが生み出す温かさ

『クスノキの番人』の魅力の一つは、様々な人物が織りなす温かい人間関係です。

玲斗と伯母の千舟との関係、クスノキに祈念に訪れる人々同士のつながり、そして玲斗が番人として人々と築く信頼関係など、多層的な人間ドラマが描かれています。

特に印象的なのは、玲斗が番人として人々の秘密や悩みを受け止める役割を果たすことで、彼自身が人とのつながりの大切さを学んでいく点です。

最初は孤独で誰も信じられなかった玲斗が、人々の信頼を得て、同時に自分も人を信じられるようになっていく過程は、とても美しく描かれています。

また、千舟が玲斗に番人の役割を託した理由や、玲斗の家族の複雑な歴史も、人と人とのつながりの深さを物語っています。

血のつながりだけでなく、心のつながりこそが真の家族関係を築くという東野圭吾さんのメッセージが込められているのです。

読書感想文では、どの人間関係に最も感動したかを具体的に書きましょう。

そして、あなた自身の人間関係について振り返ってみることも大切です。

家族や友人、先生との関係の中で、支えられた経験や、逆に誰かを支えた経験があれば、それと作品を結びつけて考えてみてください。

人とのつながりがどれほど大切で、時には人生を変える力を持っているかということを、あなた自身の言葉で表現することで、心に響く感想文が完成します。

また、現代社会における人間関係の希薄さについても触れることができれば、さらに深い考察ができるでしょう。

※『クスノキの番人』で作者の東野圭吾さんが伝えたいことはこちらで考察しています。

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『クスノキの番人』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)

【題名】人とのつながりが教えてくれたこと

『クスノキの番人』を読んで、私が一番心に残ったのは、主人公の玲斗が人々との出会いを通じて変わっていく姿だった。

最初の玲斗は、仕事を失って罪を犯し、人生に絶望していた。

誰のことも信じられず、自分のことも嫌いになっていたのだと思う。

そんな玲斗が、クスノキの番人という仕事を通じて、少しずつ人を信じられるようになり、自分自身とも向き合えるようになっていく。

その変化がとてもリアルで、読んでいて胸が熱くなった。

クスノキに祈念に来る人たちは、みんなそれぞれ悩みを抱えていた。

佐治さんは家族のことで悩んでいたし、大場さんは会社のことで苦しんでいた。

でも、彼らが満月や新月の夜にクスノキに祈る姿を見ていて、私は「祈る」ということの本当の意味を考えさせられた。

祈りは、ただお願いするだけのものではないのだと思う。

自分の心と向き合い、大切な人への気持ちを確かめる時間なのではないだろうか。

私も、テストの前によく「うまくいきますように」と心の中で祈ることがある。

でも、この小説を読んで、祈ることは結果を求めるだけでなく、自分の気持ちを整理する大切な時間でもあることに気がついた。

玲斗が番人として人々の祈念を見守る中で学んだのは、人とのつながりの温かさだったと思う。

最初は面倒くさそうにしていた玲斗が、だんだん祈念に来る人たちのことを気にかけるようになり、彼らの悩みを自分のことのように考えるようになっていく。

そして、人のために何かをすることで、玲斗自身も救われていくのだ。

私は、玲斗と千舟さんの関係にも感動した。

千舟さんは玲斗の伯母だったが、二人の間には複雑な家族の歴史があった。

でも、千舟さんが玲斗に番人の仕事を託したのは、彼を信じていたからだと思う。

血のつながりだけでなく、心のつながりが本当の家族関係を作るのだということを、この小説は教えてくれた。

私も、家族や友達との関係で悩むことがある。

時々、うまくいかないことがあって、一人でいた方が楽だと思うこともある。

でも、『クスノキの番人』を読んで、人とのつながりを大切にすることの意味を改めて感じた。

玲斗のように、最初は人を信じられなくても、少しずつでも心を開いていけば、きっと温かい関係を築けるのだと思う。

この小説は、人は一人では生きていけないということを、優しく教えてくれる物語だった。

困った時に支えてくれる人がいること、そして自分も誰かを支えられる存在になれることの素晴らしさを、玲斗の成長を通じて学ぶことができた。

私も、これからは人とのつながりをもっと大切にして、困っている人がいたら手を差し伸べられるような人になりたいと思った。

玲斗がクスノキの番人として成長したように、私も日々の生活の中で、人として成長していきたい。

『クスノキの番人』の読書感想文の例文(2000字の高校生向け)

【題名】過去と向き合い、未来へ歩む力

『クスノキの番人』を読んで、私は人間の再生と成長について深く考えさせられた。

主人公の玲斗は、理不尽な理由で職を失い、やけになって犯罪を犯してしまうという、人生のどん底からスタートする。

このような絶望的な状況から立ち直ることは、現実的に考えても非常に困難だろう。ほとんどの人が、同じ境遇に置かれたら希望を見出すことができないのではないだろうか。

それだけに、玲斗の再生の過程は読者に大きな勇気を与えてくれる。

しかし、東野圭吾さんは、クスノキの番人という特殊な役割を通じて、玲斗の再生の物語を丁寧に描いている。

玲斗の変化で最も印象的だったのは、彼が人々の祈念を見守ることで、自分自身の心の傷と向き合う勇気を得ていく過程だった。

最初は投げやりで、誰のことも信じていなかった玲斗が、クスノキに祈念に来る人たちの真剣な姿に触れることで、少しずつ人間らしさを取り戻していく。彼の内面の変化は、急激ではなく緩やかで、だからこそ説得力があった。

彼らの祈念は、単なるお願いごとではなく、人生の重要な局面で自分の心と向き合う行為だった。

佐治寿明さんの家族への複雑な想い、大場壮貴さんの会社に対する責任感、津島秀次さんの人生への諦めと希望など、それぞれの祈念には深い人間ドラマが込められている。一人一人のストーリーが丁寧に描かれており、彼らがクスノキに何を祈り、その後どうなったのかという展開に、私は毎回心を揺さぶられた。

私は、これらの人々の祈念を見守る玲斗の心境の変化に強く共感した。

他人の悩みや願いに真剣に向き合うことで、玲斗は自分の問題からも逃げずに立ち向かう力を得ていく。

これは、現代社会を生きる私たちにとっても重要な示唆を与えていると思う。

自分のことばかり考えていると、問題は解決しないことが多い。

しかし、他人のために何かをすることで、結果的に自分自身も救われるという経験は、私にもある。

部活動で後輩の指導をしたり、友人の相談に乗ったりすることで、自分も成長できたと感じる瞬間があった。時には面倒だと思うこともあるが、誰かの役に立った時の充実感は何にも代えがたい。

玲斗の体験は、そうした日常的な経験の延長線上にあるものだと思う。

『クスノキの番人』で描かれる「祈念」という行為についても深く考えさせられた。

現代社会では、科学的な根拠のないものは軽視される傾向がある。

しかし、この小説を読んで、祈ることの意味は必ずしも超自然的な力にあるのではなく、自分の心と向き合う時間を作ることにあるのだと感じた。

満月や新月の夜という特別な時間に、静寂の中で自分の気持ちを見つめ直すことで、人は新たな視点や解決策を見つけられるのかもしれない。

私自身も、受験勉強で行き詰まった時や、友人関係で悩んだ時に、一人で静かに考える時間を作ることがある。

その時間は、祈念と似た効果があるのかもしれないと思った。

自分の本当の気持ちを確かめ、何が大切なのかを見極める貴重な時間になっている。

クスノキの神秘的な力についても、私なりに解釈してみた。

本当に不思議な力があるのかどうかは分からないが、人々がクスノキに真剣に祈念することで、心の状態が変わり、それが現実の行動や判断に影響を与えるのだと思う。

つまり、クスノキの力というよりも、祈念する人々の心の力が、様々な偶然や出会いを引き寄せているのではないだろうか。この解釈は、小説の中で直接述べられているわけではないが、物語全体から感じ取れるメッセージだと思う。

玲斗と千舟さんの関係も、この小説の重要なテーマの一つだった。

複雑な家族の歴史を背負いながらも、千舟さんが玲斗を信頼して番人の役割を託す場面は、血縁を超えた深い絆を感じさせる。

現代社会では、家族関係の希薄化が問題になることもあるが、この小説は真の家族関係とは何かを問いかけている。

遺伝的なつながりよりも、互いを思いやり、支え合う心のつながりこそが、本当の家族を作るのだというメッセージが込められていると感じた。特に、玲斗と恭平の関係性の変化は、血のつながりがなくても真の家族になれることを示している。

私も、家族や友人との関係について改めて考えさせられた。

時には意見が合わずに衝突することもあるが、それでも相手のことを思う気持ちがあれば、必ず分かり合えるのだと思う。

玲斗が人々との出会いを通じて学んだように、私も周りの人たちとの関係を大切にしていきたい。

『クスノキの番人』は、過去の過ちや失敗に縛られることなく、新たな人生を歩む可能性を示してくれる物語だった。

玲斗のように絶望的な状況からでも、人とのつながりを通じて再生することができるという希望のメッセージは、現代を生きる私たちにとって非常に重要だと思う。

私も、これから様々な困難に直面することがあるだろうが、この小説から学んだことを忘れずに、前向きに生きていきたい。

そして、いつか私も誰かの支えになれるような人間になりたいと強く思った。

振り返り

『クスノキの番人』の読書感想文について、書き方のコツから具体的な例文まで詳しく解説してきました。

この記事で紹介した3つの要点を押さえて、あなた自身の体験や価値観と結びつけて書くことで、説得力のある感想文が必ず完成します。

大切なのは、作品のあらすじを説明するのではなく、「あなたがどう感じたか」を素直に表現することです。

玲斗の成長、祈念の意味、人とのつながりについて、あなたなりの解釈と感想を書けば、きっと心に響く読書感想文が書けるはずです。

例文を参考にしながら、あなただけの感想文を作り上げてくださいね。

※『クスノキの番人』の読書感想文の作成に役立つ記事がこちらです。

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