小学生の皆さんに『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文の書き方を詳しく解説します。
『ルドルフとイッパイアッテナ』は斉藤洋さんによる児童文学作品で、1986年度の講談社児童文学新人賞を受賞した名作。
飼い猫のルドルフが長距離トラックに乗ってしまい、見知らぬ大都市で野良猫のボス・イッパイアッテナと出会う物語ですね。
読書が趣味で年間100冊以上の本を読む私が、小学生の皆さんが読書感想文を書く際に役立つテンプレートや例文、コピペできる書き出しなども用意しましたよ。
題名の付け方から具体的な書き方まで、読書感想文作成のすべてをサポートしますので最後までお付き合いください。
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文に書くべき3つのポイント
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文を書く前に、この物語で特に大切な3つのポイントを整理しておきましょう。
この3つのポイントについて、読んでいるときにどう感じたかをメモしておくと、感想文がスムーズに書けますよ。
- ルドルフの成長と心の変化
- イッパイアッテナとの友情と信頼関係
- 文字を学ぶことの大切さと意味
それぞれのポイントについて、小学生の皆さんにも分かりやすく説明していきますね。
ルドルフの成長と心の変化
ルドルフは物語の始まりでは、ただの飼い猫でした。
魚屋さんから逃げるときにうっかりトラックに乗ってしまい、知らない大都市に運ばれてしまいます。
最初は途方に暮れていたルドルフですが、イッパイアッテナとの出会いを通じて大きく変わっていくんです。
野良猫の世界で生きる術を学び、文字の読み書きを覚え、最終的にはデビルというブルドッグに立ち向かう勇気まで身につけます。
皆さんも、ルドルフがどんな場面で成長を見せたか、どんなときに勇気を出したかを思い出してみてください。
特に注目してほしいのは、ルドルフの「帰りたい」という気持ちがどう変化していくかです。
故郷への思いと、新しい場所で築いた友情の間で揺れ動くルドルフの心情を、皆さんなりに感じ取ってほしいですね。
イッパイアッテナとの友情と信頼関係
イッパイアッテナは、困っているルドルフを助けてくれる頼もしい存在です。
でも、ただ助けるだけじゃなく、ルドルフが自分で生きていけるように文字を教えてくれるんですね。
「俺の名前はいっぱいあってな……」という言葉を「イッパイアッテナ」と勘違いしてしまうユーモラスな出会いから始まった二匹の関係が、どんどん深い友情に変わっていきます。
イッパイアッテナがルドルフのために肉をもらおうとしてデビルと喧嘩し、重傷を負ってしまう場面は特に印象的です。
友達のために自分を犠牲にするイッパイアッテナの優しさと、それに応えようとするルドルフの気持ちを考えてみてください。
皆さんも、本当の友情とはどういうものかを、この二匹の関係から学べるはずです。
相手を思いやる気持ち、困ったときに助け合う大切さ、そして時には自分のことより友達を優先する心の強さなど、友情にはいろんな要素があることが分かりますね。
文字を学ぶことの大切さと意味
『ルドルフとイッパイアッテナ』で特に印象的なのは、イッパイアッテナがルドルフに文字を教える場面です。
小学校に忍び込んで、ひらがなとカタカナの読み書きを教えてもらうルドルフの姿は、とても微笑ましいですね。
でも、この「文字を学ぶ」ということには、とても深い意味があるんです。
ルドルフは文字が読めるようになったおかげで、テレビの甲子園中継で自分の故郷が岐阜だということを知ることができました。
もし文字が読めなかったら、ルドルフは最後まで自分がどこから来たのか分からなかったでしょう。
また、岐阜行きのバス旅行のポスターを見つけることもできなかったはずです。
皆さんも普段、学校で国語を習っていると思いますが、文字を読み書きできることがどれほど大切か、改めて考えてみてください。
文字は情報を得るための道具であり、新しい世界を知るための鍵でもあるんです。
ルドルフにとって文字は、故郷に帰るための希望の光だったと言えるでしょう。
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文のテンプレート
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文を書くためのテンプレートを用意しました。
以下のステップに従って空欄を埋めていけば、立派な読書感想文が完成しますよ。
- 読書のきっかけと第一印象を書く
- ルドルフの成長について感じたことを書く
- イッパイアッテナとの友情について考えたことを書く
- 文字を学ぶ意味について思ったことを書く
- 物語全体から学んだことをまとめる
ステップ1:読書のきっかけと第一印象
私が『ルドルフとイッパイアッテナ』を読むことになったのは、( )だからです。
最初に表紙を見たとき、( )と思いました。
読み始めてすぐに、ルドルフが( )する場面があり、私は( )と感じました。
ステップ2:ルドルフの成長
この物語で一番印象に残ったのは、ルドルフが( )する場面です。
最初は( )だったルドルフが、だんだん( )になっていく姿を見て、私は( )と思いました。
特に( )の場面では、ルドルフの勇気に感動しました。
ステップ3:友情について
イッパイアッテナとルドルフの関係を見ていて、私は( )ということを学びました。
イッパイアッテナが( )してくれたとき、本当の友達とは( )だと思いました。
私も友達に対して、( )でありたいと思います。
ステップ4:学ぶことの大切さ
ルドルフが文字を覚える場面では、( )と感じました。
文字が読めるようになったおかげで、ルドルフは( )することができました。
私たちも普段勉強していますが、学ぶことは( )だということが分かりました。
ステップ5:全体のまとめ
『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んで、私は( )ということを学びました。
これからは( )していきたいと思います。
この本は、( )な人にぜひ読んでもらいたい作品です。
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文の例文(800字の小学校中学年向け)
【題名】ルドルフが教えてくれた友情の大切さ
私が『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んだのは、図書館で表紙の猫の絵を見てかわいいと思ったからだ。
飼い猫のルドルフはうっかりトラックに乗り、東京に運ばれてしまう。もし私がルドルフと同じ立場なら、きっと泣いてしまうと思う。
そんなルドルフの前に現れたのが、野良猫のボス・イッパイアッテナだった。「俺の名前はいっぱいあってな……」という言葉を「イッパイアッテナ」という名前だと勘違いしてしまう場面はとてもおもしろかった。
イッパイアッテナは、困っているルドルフを助けるだけでなく、小学校に忍び込んで文字の読み書きを教えてくれた。猫が勉強するなんてありえないけれど、文字を覚えたおかげで、ルドルフは自分の故郷が岐阜だと知ることができた。私たちが当たり前に使う文字が、ルドルフにとっては大切なものだったのだと思うと、勉強の意味を改めて考えさせられた。
感動したのは、イッパイアッテナがルドルフのために肉をもらおうとして、ブルドッグのデビルと喧嘩しけがをする場面だ。友達のために傷つくことも覚悟する優しさに、私は涙が出そうになった。そして彼を助けるために、ルドルフが勇気を出してクマ先生を呼びに行く場面も印象的だった。最初は弱々しかったルドルフが、友達を助けるために行動する姿を見て、友情の力はすごいと思った。
物語の最後で、ルドルフが「岐阜に帰るつもりがなくなった」とつぶやく場面も心に残った。故郷に帰りたいと思っていた彼が、友情を選ぼうとする気持ちがよく分かった。でも最終的に帰ることを決めたのは、イッパイアッテナも本当の家族のもとに戻ることを願っていたからだろう。
『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んで、私は友情の大切さと学ぶことの意味について考えさせられた。困ったときに助け合い、相手を思いやる気持ちが本当の友情であり、知識や学習は新しい可能性を開いてくれるのだと学んだ。私もルドルフのように、困難に立ち向かう勇気と友達を大切にする心を持ち続けたいと思う。
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文の例文(1200字の小学校高学年向け)
【題名】二匹の猫が教えてくれたもの
私が『ルドルフとイッパイアッテナ』を手に取ったのは、学校の図書室で表紙に描かれた二匹の猫の表情に心を引かれたからだ。黒い毛色のルドルフは少し不安そうで、虎柄のイッパイアッテナは優しくもたくましく見えた。この二匹にどんな物語が待っているのだろうと、わくわくしながら読み始めた。
物語は、飼い猫のルドルフが魚屋から逃げる途中で長距離トラックに乗り、見知らぬ大都市に運ばれてしまうところから始まる。家族と離れ離れになり、途方に暮れるルドルフの気持ちを想像すると胸が苦しくなった。もし自分が同じ立場ならきっと泣いてしまうと思う。
そんなルドルフの前に現れたのが町一番のボス猫・イッパイアッテナだった。「俺の名前はいっぱいあってな……」を名前だと勘違いする場面はおもしろく、そこから始まった友情が物語全体の魅力だと感じた。
イッパイアッテナは、故郷に帰りたくても帰れないルドルフに野良猫の知恵を授け、ときには小学校に忍び込み文字の読み書きまで教えてくれた。猫が勉強するなんて意外だったが、必死に学ぶルドルフを通して、学ぶことの大切さを改めて考えさせられた。甲子園中継で「県立岐阜商業高校」という文字を読んだとき、ルドルフが自分の故郷を知ることができた場面は特に印象的で、文字が新しい世界を開く扉なのだと実感した。
物語で最も心を動かされたのは、イッパイアッテナがルドルフのために肉をもらおうとしてブルドッグのデビルと戦い、重傷を負う場面だ。友達のために危険を恐れない姿に感動したし、そんな彼を助けようとルドルフが勇気を出してクマ先生を呼びに行く場面も忘れられない。弱々しかったルドルフが友情の力で成長する姿に胸を打たれた。
また、ルドルフが「岐阜に帰るつもりがなくなった」とつぶやく場面も印象深かった。友情を選びたくなる気持ちは理解できるが、最終的に帰る決心をしたのは、家族と友達の両方を大切に思っていたからだろう。イッパイアッテナもルドルフが本当の家族のもとに帰ることを望んでいたに違いない。
『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んで、私は困難に負けず努力し続けることの大切さを学んだ。知らない町で不安だったルドルフは、友情や学びを通して成長していった。私も新しいことに挑戦するとき、彼のように諦めずに頑張りたい。
さらに、真の友情とはお互いを思いやり、困ったときには助け合うことだと気づいた。時には自分のことより相手を優先できる関係こそが本物の友情なのだろう。私も友達が困っていたら勇気を出して支えられる人になりたい。
また、学ぶことの意味についても改めて考えさせられた。文字を読み書きできることは情報を得て自分の可能性を広げる力である。これからも努力を続けて多くのことを学んでいきたい。
この作品は動物が主人公の楽しい物語でありながら、友情や努力、学びの価値といった人生で大切なことを教えてくれる素晴らしい本だった。
振り返り
『ルドルフとイッパイアッテナ』の読書感想文について、書き方のポイントからテンプレート、具体的な例文まで詳しく解説してきました。
この記事で紹介した3つの重要ポイントを意識すれば、きっと心のこもった素敵な感想文が書けるはずです。
ルドルフの成長、イッパイアッテナとの友情、そして学ぶことの大切さ。
これらのテーマについて、皆さん自身がどう感じたかを素直に書くことが何より大切ですね。
完璧な文章を書こうとしなくても大丈夫です。
皆さんの心に響いた場面や、考えさせられたことを自分の言葉で表現してみてください。
きっと読む人の心にも届く、温かい感想文が完成しますよ。
■参考サイト:『ルドルフとイッパイアッテナ』(斉藤 洋,杉浦 範茂)|講談社
※『ルドルフとイッパイアッテナ』のあらすじはこちらで簡単にご紹介しています。

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