『カラフル』の読書感想文を書こうと思っている皆さん、こんにちは。
森絵都さんの代表作『カラフル』は、一度死んだ魂が中学生の体に宿って人生をやり直すという斬新な設定で多くの読者を魅了してきた名作です。
第46回産経児童出版文化賞を受賞し、映画化もされたこの作品は、生と死、家族愛、そして人生のやり直しをテーマにした深いメッセージが込められています。
私は読書が趣味で年間100冊以上の本を読んでいますが、『カラフル』は何度読み返しても新しい発見がある素晴らしい作品だと感じています。
この記事では、小学生・中学生・高校生それぞれのレベルに合わせた書き方や書き出し、800字・1200字・2000字の例文、そして題名の付け方まで詳しく解説していきますよ。
コピペではなく、あなた自身の言葉で心に響く感想文が書けるよう、しっかりとサポートしていきます。
『カラフル』の読書感想文で触れたい3つの要点
『カラフル』の読書感想文を書く際に、ぜひ押さえておきたい重要なポイントが3つあります。
- 人生のやり直しと魂の成長
- 人間関係の複雑さと家族の絆
- 「カラフル」な人生の多様性と希望
これらの要点について「自分はどう感じたか」「なぜそう思うのか」をメモしながら読み進めることをおすすめします。
感想文を書く前に、各ポイントについて箇条書きでメモを作っておくと、後で文章にまとめるときがとても楽になりますよ。
「どう感じたか」という個人的な感情や体験こそが、読書感想文で最も大切な部分だからです。
それでは、それぞれの要点について詳しく見ていきましょう。
人生のやり直しと魂の成長
『カラフル』の最大の魅力は、主人公の魂が「ホームステイ」として小林真の体に宿り、人生をやり直すチャンスを得るという設定にあります。
最初は戸惑いや反発を感じていた主人公が、真の生活を通じて徐々に人間として成長していく様子は読者の心を強く打ちます。
この「人生のやり直し」というテーマについて、あなたはどう感じましたか。
もし自分にもやり直しのチャンスがあったら何をしたいか、失敗や後悔をどう乗り越えていくべきかなど、自分の体験と重ね合わせて考えてみてください。
主人公の魂の変化を追いながら、人間の成長とは何か、生きることの意味について深く考察することで、説得力のある感想文が書けるでしょう。
人間関係の複雑さと家族の絆
『カラフル』では、真の家族や友人、クラスメイトとの関係が丁寧に描かれています。
完璧に見えない家族の中にも確かに存在する愛情、いじめや友情の複雑さ、そして他者を理解することの難しさと大切さがリアルに表現されています。
主人公が真の視点から見る人間関係の中で、最も印象に残った場面はどこでしたか。
家族との関係で悩んだ経験、友達とのすれ違いを感じた瞬間など、自分の体験と照らし合わせながら考えてみましょう。
人は見かけによらず、誰もが複雑な感情を抱えているということを、この作品がどのように教えてくれたかを具体的に書くことで、深みのある感想文になります。
「カラフル」な人生の多様性と希望
タイトルにもなっている「カラフル」という言葉は、人間の感情や人生そのものの多様性を象徴しています。
悲しみや怒り、喜びや希望など、さまざまな感情が混ざり合って一人ひとりの人生を作り上げていくという考え方は、とても前向きで希望に満ちています。
あなたにとって「カラフル」な人生とはどのようなものでしょうか。
自分の中にある様々な感情や体験が、どのように自分らしさを作り上げているのかを振り返ってみてください。
辛い体験も含めて、すべてが自分の色になるというメッセージから、どんな希望や勇気をもらったかを書くことで、読み手の心に響く感想文が完成するでしょう。
※『カラフル』で作者が伝えたいことはこちらでまとめています。

『カラフル』の読書感想文の書き出し例文~5パターン~
『カラフル』の読書感想文の書き出しは、作品の持つ不思議な設定や心温まるメッセージに触れ、読者の興味を引きつけることが大切です。
5つの異なる切り口の例文を考えたので、参考になさってください。
- 作品のテーマ性に着目する森絵都の『カラフル』は、一度死んだ魂が、自殺した中学生の体に宿って人生をやり直すという、まさに「人生の再挑戦」を描いた物語だ。もし自分にそんな機会が与えられたら、何を学び、どう生きるだろうか——この問いを胸に読み始めたときから、私の意識は物語の世界に深く沈んでいった。
- 物語の不思議な設定から入る「おめでとうございます、あなたは抽選に当たりました。」こんなセリフから始まる物語を、私は他に知らない。森絵都の『カラフル』は、死んだはずの魂が、罪を償うために中学生の体にホームステイするという、驚くべき設定で読み手を惹きつける。最初は戸惑いと反発ばかりだった主人公が、真(まこと)という少年の人生を体験する中で見つけた「カラフル」な世界の美しさが、私の心を深く揺さぶった。
- 読後の感情から導入する『カラフル』を読み終えたとき、私の心には温かい光が灯ったような、じんわりとした感動が広がっていた。人間の心はなんて複雑で、なんて美しいのだろうか。そして、どんな人生にも、必ず希望の光は差し込むのだと、この物語は教えてくれる。主人公が経験した不思議な「ホームステイ」の旅は、私たち自身の日常にも、きっと新たな彩りを与えてくれるだろう。
- タイトルから想像を膨らませる『カラフル』というタイトルから、私はどんな物語が始まるのだろうと期待に胸を膨らませた。色とりどりの絵の具のように、様々な感情や人間関係が描かれているのだろうか。読み進めるうちに、この物語が「人の心」という最も複雑で美しいパレットを、主人公の魂の成長を通して鮮やかに描き出していることに気づかされた。
- 主人公の状況に共感を寄せるもし、自分が嫌いだった人間に生まれ変わって、その人生をやり直さなければならないとしたら、あなたはどうするだろうか。森絵都の『カラフル』は、そんな究極の問いを読者に投げかける物語だ。自殺した少年・小林真の体に入った「ぼく」が、彼の人生と向き合い、家族や友人の「本当の姿」を知っていく過程は、私にとって忘れられない読書体験となった。
『カラフル』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】ぼくが見つけた本当の色
『カラフル』を読んで、人生にはいろんな色があるんだなと思った。
この本では、死んでしまった魂が自殺しようとした中学生の真くんの体に入って、もう一度人生をやり直す。
最初は「なんで自分がこんなことをしなければいけないんだ」と怒っていた主人公だったけど、真くんの家族や友達と過ごすうちに、だんだん気持ちが変わっていくのがすごく面白かった。
一番心に残ったのは、真くんの家族のことだった。
お父さんもお母さんも、最初は嫌な人みたいに見えたけど、本当はちゃんと真くんのことを愛していたんだということが分かった時は、胸がじーんとした。
ぼくも時々、両親に怒られて「もう嫌だ」と思うことがあるけど、本当は心配してくれているんだなと気づいた。
家族とはけんかもするけど、お互いを大切に思う気持ちがあるから家族なんだと思う。
友達のことも考えさせられた。
真くんは学校でいじめられていたけど、主人公が真くんとして生活する中で、本当の友達を見つけることができた。
ぼくにも苦手な友達がいるけど、もしかしたらその子にも良いところがあるのかもしれない。
人は見ただけでは分からない部分がたくさんあるんだなと感じた。
人生には楽しいこともあれば悲しいこともあって、怒ったり笑ったりいろんな気持ちになる。
それが全部混ざり合って、自分だけの色になるんだと思った。
真っ黒だと思っていた真くんの人生も、実はいろんな色があったということが分かって良かった。
ぼくも今まで失敗ばかりで嫌になることがあったけど、それも自分の大切な色の一つなんだと思えるようになった。
最後に主人公が「もう一度がんばってみよう」と思ったシーンでは、ぼくも勇気をもらった。
どんなに辛いことがあっても、諦めないで続けていけば、きっと良いことが待っているんだと信じられるようになった。
『カラフル』を読んで、ぼくは自分の周りにいる人たちをもっと大切にしたいと思った。
そして、自分の人生も、いろんな色が混ざった素敵なものにしていきたいと強く思った。
『カラフル』の読書感想文の例文(1200字の中学生向け)
【題名】生きることの意味を教えてくれた物語
森絵都さんの『カラフル』を読み終えて、私は人生とは何か、生きるとはどういうことなのかについて深く考えさせられた。
この小説は、自殺を図った中学3年生の小林真の体に、別の魂がホームステイするという不思議な設定から始まる。
最初は「なぜ自分がこんなことをしなければならないのか」と反発していた主人公が、真の人生を通じて様々な人間関係や感情に触れ、最終的に生きることの意味を見出していく過程が描かれている。
私が最も印象深く感じたのは、人間関係の複雑さとその中に隠された愛情についてだった。
真の家族は決して理想的ではない。
父親は会社での立場を気にし、母親は不倫をしていた過去があり、兄は真に対してきつい言葉を投げかける。
しかし、主人公が真として生活していく中で、家族それぞれが真を愛し、心配していることが少しずつ明らかになっていく。
特に、父親と釣りに出かけるシーンでは、不器用ながらも息子とのコミュニケーションを取ろうとする父親の姿に胸を打たれた。
家族というのは完璧である必要はなく、お互いの欠点を受け入れながら支え合っていくものなのだと教えられた気がする。
学校での人間関係についても考えさせられることが多かった。
真は決して人気者ではなく、むしろいじめの対象となっていた。
しかし、主人公が真として過ごす中で、早乙女という友達ができ、佐野唱子という女子生徒との関係も変化していく。
人は第一印象だけで判断してはいけないこと、そして本当の友情とは何かを考えるようになった。
私の学校生活でも、苦手だと思っていた人と話してみたら意外に良い人だったという経験があり、この小説の描く人間関係に深く共感した。
また、「カラフル」というタイトルに込められたメッセージについても印象に残った。
人生は一色の単純な色合いではなく、喜びも悲しみも怒りも混ざり合って一人ひとりの人生を彩っている。
真の人生も、外から見れば暗く絶望的に見えたかもしれないが、実際にはさまざまな色が隠されていた。
私も今まで、嫌なことがあると真っ暗に見えてしまうことがあったが、そんな時でも必ずどこかに明るい色があるのだということを教えられた。
失敗や挫折も含めて、すべてが自分らしさを作る大切な要素なのだと思えるようになった。
そして何より、この小説が伝える「人生はやり直せる」というメッセージに深く励まされた。
主人公は最終的に、自分が真自身であったことを思い出し、もう一度真として生きていくことを決意する。
どんなに辛い状況にあっても、諦めずに前向きに生きていけば、必ず道は開けるのだということを強く感じた。
私自身も、勉強や部活動で思うようにいかないことが多いが、困難に立ち向かう勇気をもらった。
私はこの小説を読んで、自分の人生も様々な色で彩られた素晴らしいものにしていきたいと心から思った。
『カラフル』の読書感想文の例文(2000字の高校生向け)
【題名】魂の成長と人生の再生を描いた現代の名作
森絵都さんの『カラフル』を読み終えて、私は生と死、そして人間存在の本質について深く考えさせられることとなった。
この作品は、一度死んだ魂が自殺を図った中学生・小林真の体に「ホームステイ」し、前世の過ちを償うために修行を行うという独特な設定で始まる。
しかしそのファンタジックな設定とは裏腹に、描かれているのは極めて身近で切実な問題ばかりである。
家族関係の複雑さ、学校でのいじめ、思春期特有の孤独感、生きることへの絶望といったテーマが丁寧に織り込まれており、読み進めるうちに主人公の体験が自分自身の人生と重なって見えてくる。
まず私が強く印象を受けたのは、「人生の再挑戦」というテーマである。
主人公は真の体に宿ることで文字通り人生をやり直すチャンスを得る。最初は他人の人生を借り物として扱っていたが、やがて真の人生と向き合い、最終的には自分自身が真であったことを思い出すという構成は、私たち自身の人生観に深く関わる問いかけを含んでいる。
現実の私たちには魂の入れ替えのような再出発はできないが、それでも毎日が新しい始まりであり、過去の失敗や後悔に縛られずに前進していくことは可能だと、この作品は静かに、しかし力強く教えてくれる。
私自身も高校生活の中で、勉強や人間関係でつまずいたり、将来への不安に押しつぶされそうになることがあるが、『カラフル』を読んで、そうした困難も含めて自分の人生であり、いつでも新しい一歩を踏み出せるのだという希望を持つことができた。
次に深く印象に残ったのは、人間関係の複雑さと、その中に潜む深い愛情である。
真の家族は決して理想的ではない。父親は立身出世を気にする俗物的な面があり、母親には不倫の過去があり、兄は冷たい態度を取ることが多い。
しかし主人公が真として生活する中で、それぞれが不器用ながらも真を愛し、彼の幸せを願っていることが明らかになっていく。
特に印象的なのは、父親と釣りに出かけるシーンである。普段は仕事の話ばかりの父が、釣りを通して真と向き合い、将来を真剣に考えていることを示す場面は、胸が熱くなった。
この場面を読んで、私は自分の父親との関係についても改めて考えた。完璧ではなく、理解し難いこともあるが、それでも私を愛し、心配してくれているのだということを再認識した。
人間関係に完璧な理解や理想形はなく、欠点や弱さを受け入れながら支え合っていくことこそが絆だと、この作品は教えてくれる。
学校での人間関係も、現代の中高生が直面する問題を鋭く描いている。
真は決して人気者ではなく、いじめの対象となっていた。しかし主人公が真として過ごす中で、早乙女という友人ができ、佐野唱子などクラスメイトとの関係も少しずつ変わっていく。
これらの変化は劇的ではなく、日常の小さなやり取りの積み重ねによって生まれる。
私はこの描写に、人間関係の本質を見た思いがした。派手な出来事ではなく、日々の会話や気遣いの中にこそ本当の絆が育まれるのだと実感した。
私自身の学校生活を振り返っても、最も大切な友人関係は、毎日の些細なやり取りの中で育まれたものばかりである。
そして最も重要なのは、「カラフル」というタイトルに込められたメッセージである。
「カラフル」とは、人間の感情や体験の多様性、そして人生そのものの豊かさを象徴している。悲しみや怒り、嫉妬や絶望もまた人生を彩る大切な色であり、それらを含めて生きる価値があるのだという考え方は、私たちにとって非常に重要なメッセージである。
私も高校生活でうまくいかないことや挫折を経験するが、それもすべて自分の色の一部として受け入れ、豊かな人生を築いていきたいと思った。
また、この作品が描く希望のメッセージも深く心に響いた。
主人公は最終的に、自分が真であったことを思い出し、再び真として生きる決意をする。これは単なるハッピーエンドではなく、絶望的な状況にあっても、生きることを諦めずに前向きに進めば、新しい可能性が開けるという強いメッセージである。
現代社会は複雑で困難な問題に満ちており、特に若い世代は将来への不安や閉塞感を抱きやすい。しかし『カラフル』を読んで、そうした困難に立ち向かう勇気と希望を与えられた。
人生は決して一つの色で塗りつぶせるものではなく、さまざまな感情が混ざり合ってできる美しいものなのだと理解できた。
『カラフル』は、現代文学の中でも特に優れた青春小説であり、同時に人生の本質を深く考えさせてくれる作品である。この作品を読んで、私は自分の人生をより前向きに、そして豊かに生きていこうという決意を新たにした。
どんな困難に直面しても、それもまた自分の色の一部として受け入れ、カラフルで美しい人生を築いていきたいと心から思っている。
振り返り
『カラフル』の読書感想文について、小学生から高校生まで各段階に応じた書き方と例文をご紹介してきました。
この記事でお伝えした3つの要点を押さえながら、あなた自身の体験や感情を素直に表現することで、きっと心に響く素晴らしい感想文が書けるはずです。
大切なのは、コピペに頼らず、あなた自身の言葉で思いを綴ることです。
『カラフル』という作品が持つ深いメッセージを、あなたなりに受け取って表現してください。
きっと読む人の心を動かす、あなただけの感想文が完成するはずですよ。がんばってください。
※『カラフル』の読書感想文の作成に役立つあらすじや面白い点の紹介はこちらの記事でどうぞ。


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