本屋で平積みされていた『かがみの孤城』を手に取ったとき、正直あまり期待はしていなかったんです。
でも、立ち読みで最初の数ページを読んだ瞬間、なぜか心を掴まれてしまいました。
結局その日のうちに本を買って帰り、夜更かししながら一気読み。
そして気づいたら朝の4時!。それくらい引き込まれる魅力がある作品なんですね。
今回は、私が実際に読んで感動した『かがみの孤城』の魅力を、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
「この本、本当に面白いの?」と迷っているあなたの背中を、そっと押せたらいいなと思います。
『かがみの孤城』の面白いところ
私が『かがみの孤城』で面白いと感じたところは、以下の3点です。
- 自分の分身みたいな登場人物たちに共感
- 巧みな伏線の数々に声が出る
- 予想を裏切る展開の連続に背中がゾワゾワ
自分の分身みたいな登場人物たちに共感
まず驚いたのが、登場人物たちの心理描写の細やかさです。
主人公のこころをはじめ、登場人物たちの気持ちの動きが、まるで私たちの心の中を覗かれているかのように描かれています。
「あ、これ私の気持ち!」と思わず声に出したくなる場面が何度もありました。
特に印象的だったのは、こころが学校で居場所をなくしていく様子。
私も中学生の頃に似たような経験があったので、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
でも、そんな気持ちを抱えながらも前に進もうとする姿に、勇気をもらえたんです。
巧みな伏線の数々に声が出る
この物語には、実に緻密な伏線が張り巡らされています。
最初は何気ない描写だと思っていたことが、物語が進むにつれて重要な意味を持っていたことが分かるんです。
例えば、序盤に出てくる些細な会話や出来事。
あとになって「あぁ!あの時のあれは伏線だったんだ!」と気づく瞬間が何度もありました。
まるでジグソーパズルのピースを一つずつはめていくような楽しさがあります。
その過程で、読者である私たちも物語の謎解きに参加しているような気分になれるんですよ。
予想を裏切る展開の連続に背中がゾワゾワ
物語が進むにつれて、思いもよらない展開の連続です。
「きっとこうなるんだろうな」と予想を立てても、そのたびに裏切られる。
でも、その裏切り方が実に見事なんです。
特に後半になると、もう本から目が離せなくなります。
私も「あと1ページだけ」と言い聞かせながら読んでいたはずが、気づいたら夜中の2時。
それでも続きが気になって、結局朝まで読み続けてしまいました。
そして最後には、すべての謎が解け、伏線が回収される。
その瞬間の「すごい!」という感動は、なかなか味わえないものだと思います。
『かがみの孤城』の面白い場面(シーン)
私が『かがみの孤城』で面白くて印象に残っている場面がこちらです。
- 鏡の世界との衝撃的な出会い
- お互いの秘密を明かすシーン
- 感動の最終シーン
鏡の世界との衝撃的な出会い
主人公のこころが初めて鏡の世界に迷い込むシーン。
この場面は本当に印象的でした。
現実世界で居場所をなくしたこころが、不思議な鏡を通じて異世界に入っていく。
その描写が実に幻想的で、まるで私たち読者も一緒に鏡の中に吸い込まれていくような感覚になります。
私も読んでいるうちに、自分の部屋の鏡を何度も見てしまいました。
もしかしたら…という期待を持って。
お互いの悩みを明かすシーン
鏡の中で出会う仲間たちとの交流シーン。これが本当に心温まります。
最初は互いに警戒し合っていた彼らが、少しずつ心を開いていく。
それぞれが抱える悩みは違えど、分かり合おうとする姿に胸が熱くなりました。
特に印象的だったのは、お互いの秘密を打ち明けるシーン。
現実世界では誰にも言えなかった本音を、ここでは素直に話せる。
その様子に、私も思わず涙が出てしまいました。
感動の最終シーン
そして何より忘れられないのが、物語のラストシーン。
こころが自分自身と向き合い、大きく成長を遂げる場面は、読む人の心に深く刻まれるはずです。
私も読み終えた後、しばらく本を閉じることができませんでした。余韻が強すぎて。
今でも時々、あのラストシーンを思い出しては胸が熱くなります。
『かがみの孤城』の評価を数値化してみた
評価項目 | 点数 | 詳細コメント |
---|---|---|
ストーリー | ★★★★★ | 伏線の回収が見事で、展開に引き込まれる。予想を裏切りながらも納得感のある展開が秀逸 |
感動度 | ★★★★★ | 登場人物の成長に涙腺が緩む。特にラストシーンは心に刻まれる感動的な場面 |
ミステリ性 | ★★★★ | 謎解きの要素が適度に組み込まれており、読者を飽きさせない工夫が光る |
ワクワク感 | ★★★★★ | 次の展開が気になって止まらない。一気読み必至の没入感がある |
満足度 | ★★★★★ | 読み終わった後の充実感が素晴らしい。余韻も長く続く作品 |
※『かがみの孤城』を通して作者の辻村深月さんが伝えたいことは、こちらの記事で考察しています。

『かがみの孤城』を読む前に知っておくと、より楽しめるポイント
これから『かがみの孤城』を読む方のために、知っておくとより楽しめる予備知識を3つご紹介します。
独特の世界観について
この物語の舞台となる「孤城」は、現実世界から切り離された不思議な場所です。
でも、ここで重要なのは、この作品は決して重たいファンタジーではないということ。
むしろ、現実の問題や人間関係がメインテーマになっています。
ファンタジー要素は、そうした現実の問題を浮き彫りにするための装置として巧みに使われているんです。
だから、ファンタジーが苦手な人でも十分に楽しめると思いますよ。
メインキャラクターは7人の中学生
主人公を含めて7人の中学生が登場します。
それぞれが違った理由で学校に行けなくなった経験を持っているんですが、決して暗い話にはなっていません。
むしろ、それぞれの個性や考え方の違いが物語をより深いものにしています。
きっとあなたも、誰かに共感したり、応援したくなったりするはずです。
物語は最初ゆっくり、次第にスピードを増す
最初はゆっくりとした展開で始まります。
これは、登場人物たちの心情や背景をしっかりと描くためです。
でも、後半になるにつれてテンポが上がっていきます。
特に終盤は息もつかせぬ展開で、一気に読んでしまうくらい面白くなります。
だから、最初の「ゆっくり感」にも意味があるんです。
※『かがみの孤城』のあらすじをくわしく知りたい方はこちらの記事へお進みください。

『かがみの孤城』を面白くないと感じる可能性がある人
残念ながらこんな人は『かがみの孤城』を「面白くない」と感じるかもしれません。
- ファンタジー要素が入った物語が全般的に苦手な人(現実的な物語だけを好む人)
- テンポの遅い展開に我慢できない人(アクション重視の物語が好みの人)
- 現代の学校生活を題材にした物語に興味が持てない人(別の時代や設定を好む人)
- 複雑な人間関係の描写についていくのが苦手な人(シンプルな物語展開を好む人)
- 心理描写の多い作品が合わない人(テンポよく物語が進むのを好む人)
振り返り
『かがみの孤城』は、決して単なる不思議な物語ではありません。
読み進めていくうちに、登場人物たちの気持ちに寄り添いながら、私たち自身の心の中も見つめ直すことができる。そんな深い作品なんです。
確かに、人によって面白さの感じ方は違うかもしれません。
すべての人に同じように響くわけではないでしょう。
でも、最後まで読んでみる価値は絶対にあると私は断言できます。
きっとあなたも、自分だけの『かがみの孤城』の魅力を見つけられるはずです。
そして、読み終わった後には、何か大切なものを見つけられているかもしれません。
私がそうだったように。
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