『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじを短く(小説・本)

『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじ あらすじ

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コーヒーと不思議な時間の物語『コーヒーが冷めないうちに』。

この小説は、川口俊和さんが手がけた心温まるお話です。

過去に戻れるという噂の喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台に、4つの奇跡のような物語が紡がれていきます。

今回はこの物語の短く簡単なあらすじと、私が読んだ感想、登場人物の一覧などをご紹介していきましょう。

ここでは映画や舞台ではなく、原作本(小説)のあらすじを「ネタバレなし」で取り上げています。

小説『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじを短く各話ごとに

『コーヒーが冷めないうちに』は全部で4つの章から成り立っています。

第一話から第四話までのあらすじを短く簡単にご紹介します。

第1話「恋人」のあらすじ

システムエンジニアの清川二美子は、恋人から突然、別れ話を切り出された。アメリカに行くという彼の夢を、その時どうして祝福できなかったのだろう、と後悔する。噂の喫茶店「フニクリフニクラ」で、過去に戻れる席に座った二美子。現実は変えられないと知りながらも、1週間前のあの日に戻ることを決意したのだった。

第2話「夫婦」のあらすじ

喫茶店の常連客である房木は、いつも旅行雑誌を眺めながらメモを取っている。看護師の高竹が迎えに来る日々が続く中、ある日房木は高竹のことを忘れてしまう。実は房木の妻である高竹。まだ二人の記憶が確かだった頃に戻り、夫が渡しそびれた手紙を受け取りに行くことにしたのだった。

第3話「姉妹」のあらすじ

18歳で家を飛び出し、近くでスナックを経営する平井八絵子。実家の老舗旅館で働く妹の久美が何度も訪ねてきたが、その度に邪険にしてきた。ある日、取り返しのつかない出来事が起こり、八絵子は3日前に戻ることを決意をする。そこで知った妹の本当の気持ちに、胸が締め付けられるような想いを抱くのだった。

第4話「親子」のあらすじ

新しい命を宿す時田計。生まれつき心臓が弱く、出産は危険だと周りから反対されるが、どうしても産みたいという強い想いを抱く。そんな計は、10年後の未来を見るために喫茶店の不思議な席に座ることに。果たしてそこで見たものとは……?。計の選択が導く未来が、静かに明かされていく。

『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじを理解するための用語解説

『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじやストーリーに登場する専門的な用語や設定を解説します。

用語 解説
過去に戻れる席 喫茶店「フニクリフニクラ」に存在する特別な席。
ここに座るとコーヒーが冷めるまでの間だけ
過去へタイムトラベルできる。
コーヒーが冷めるまで 過去に戻れる時間の制限。
コーヒーが冷める前に飲み干さなければ
現実世界に戻れなくなる。
先客 タイムトラベルできる席にいつも座っている幽霊。
先客が席を立った時だけ他の人がその席に座れる。
時間移動のルール 過去へ戻っても現実は変えられず、
戻っても会える人は喫茶店を訪れたことがある者のみ。
過去と未来の移動が可能だが制約が多い。
フニクリフニクラ 物語の舞台となる不思議な喫茶店の名前。
時間を遡れる席があることで知られる。
幽霊の存在 席の先客として登場し、過去に戻るルールの象徴。
過去に戻ることが叶わず幽霊として席に居続けている者がいる。
時間の制約 過去に戻った際、
相手に会いたい気持ちに流されると現実に戻れなくなるため、
注意や道具(アラームなど)が使われる。

『コーヒーが冷めないうちに』の本に登場する人物紹介

『コーヒーが冷めないうちに』は喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台に、さまざまな想いを抱えた人々が登場します。

名前 人物紹介
時田数 喫茶店で働く大学生。
マイペースで独特の距離感を持つ女性
時田流 喫茶店のマスター。数の従兄
時田計 流の妻。明るく自由な性格の持ち主
清川二美子 優秀なキャリアウーマン。
恋人との別れを悔やむ
賀田多五郎 二美子の元恋人。夢を追ってアメリカへ
房木 常連客。旅行雑誌を眺める謎めいた男性
高竹 房木の妻である看護師。夫の記憶に寄り添う
平井八絵子 スナックを経営する女性。
家族との確執を抱える
平井久美 八絵子の妹。姉との再会を願う

『コーヒーが冷めないうちに』の文字数と読了時間

『コーヒーが冷めないうちに』のページ数から、文字数と読了時間を推測してみました。

項目 詳細
総ページ数 348ページ
推定総文字数 約208,800文字
読了時間の目安 約7時間

『コーヒーが冷めないうちに』を読んだ私の感想

いや、もう、やられましたね。通勤電車の中で読んでいたんですが、気づいたら涙腺が緩んでいて、慌てて本を閉じました。

こんなに心を揺さぶられる小説、本当に久しぶりです。

舞台は、とある喫茶店。そこには「過去に戻れる席」があるという。ただし、いくつかのルールがあります。過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから冷めるまでの間だけ。

過去に戻っても、現実は何も変わらない。

そして、何よりも大事なのが、その席には「コーヒーが冷めないうちに」戻ってこなければならないこと。

ルールを聞いたときは、「うーん、ちょっと不便じゃない?」なんて思いましたが、読み進めるうちにこのルールがこの物語の肝だと気づかされました。

大切な人に伝えられなかった一言、後悔している過去の選択、それぞれが抱える「もしも」の物語が、じんわりと心に沁み込んできます。

特に、それぞれの登場人物が最後に選ぶ未来の姿が、本当に切なくて、温かい。

過去を変えることはできない。それでも、過去に戻って「あの時」を体験することで、今の自分の心が変わる。

それだけで、未来はこんなにも明るくなるんだと教えてもらいました。

40代にもなると、後悔の一つや二つ、誰しもが抱えているもの。そんな大人の心にそっと寄り添ってくれる、優しく、温かい一冊でした。

読んでよかった。心からそう思います。

※『コーヒーが冷めないうちに』の中高生向けの読書感想文の例文と書き方はこちらでご紹介しています。

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『コーヒーが冷めないうちに』はこんな人におすすめ

『コーヒーが冷めないうちに』は心温まる物語を求めている方に、ぴったりの一冊です。

  • 大切な人との関係について考えたい方
  • ちょっと不思議な日常物語が好きな方
  • 後悔や想いと向き合いたい方
  • カフェや珈琲が好きな方

『コーヒーが冷めないうちに』に似た小説たち

優しい気持ちになれる『コーヒーが冷めないうちに』と似たような雰囲気の物語をご紹介します。

『コンビニ人間』(村田沙耶香)

日常の中に潜む不思議な魅力を描いた作品です。

主人公の視点を通じて、人々の生き方を考えさせられます。

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『君の膵臓をたべたい』(住野よる)

限られた時間の中で紡がれる物語という点で共通しています。

大切な人との出会いと別れを描いた感動作です。

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『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)

不思議な設定の中で描かれる人々の心の機微が魅力的。

時間をテーマにした物語という点で似ています。

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不思議な場所での出会いという点が共通しています。

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振り返り

『コーヒーが冷めないうちに』は、時間を超えて大切な人に会いに行く、心温まる物語でした。

現実は変えられなくても、想いを伝えることの大切さを教えてくれる素敵な一冊です。

落ち着いた雰囲気のカフェで読むのに、最適な小説ですね。

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