J・D・サリンジャーの名作『ライ麦畑でつかまえて』は、10代の孤独な少年が3日間を過ごす中で成長していく物語です。
今回は、この小説のあらすじを簡単に短く簡潔に、その他に長文でもまとめていきます。
さらに、読書感想文のポイントや、登場人物、読了時間、どんな人に向いているのかもくわしくお話ししていきますね。
それでは、まずは短いあらすじから見ていきましょう。
※当記事は小説の結末は明かさない「ネタバレなし」ですのでご安心ください。
『ライ麦畑でつかまえて』の簡単で短いあらすじ
『ライ麦畑でつかまえて』の中程度の長さのあらすじ
『ライ麦畑でつかまえて』の長くて詳しいあらすじ
16歳のホールデン・コールフィールドは、4校目となるペンシー高校でも成績不良で退学になってしまう。クリスマス休暇を前に、親に報告する前の3日間を一人でニューヨークで過ごすことにした。
ホテルに泊まり、昔の知人に会ったり、デートをしたりするものの、出会う大人たちの偽善的な態度や欺瞞に満ちた言動に嫌気がさす。そんな中、10歳の妹フィービーと再会し、彼女の純粋さや無垢な魅力に触れることで、自分の進むべき道を見つけ始める。
最後は妹との心の触れ合いを通じて、少しずつ前を向いて生きていく決心をするのだった。
『ライ麦畑でつかまえて』の読書感想文を書くうえで外せない3つの重要ポイント
『ライ麦畑でつかまえて』の読書感想文では、以下の3つのポイントが重要になります。
- 主人公の心の成長
- 純粋さと偽善の対比
- 人間関係の描写
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
主人公の心の成長について
ホールデンは物語の中で、様々な出来事を通じて少しずつ成長していきます。
初めは大人への反発や社会への不信感が強かったものの、妹のフィービーとの再会をきっかけに、自分の生き方を見つめ直していきます。
純粋さと偽善の対比について
作品全体を通して、子どもたちの純粋さと大人たちの偽善が対比的に描かれています。
ホールデンは大人の世界の欺瞞に嫌気がさす一方で、子どもたちの無垢な姿に心を癒されていきます。
人間関係の描写について
ホールデンと周囲の人々との関係性がリアルに描かれています。
特に妹のフィービーとの関係は、物語の重要な軸となっています。
また、様々な大人たちとの関わりを通じて、主人公の心情の変化が浮き彫りになっています。
『ライ麦畑でつかまえて』の主要な登場人物
『ライ麦畑でつかまえて』に登場する主要な人物たちを表でまとめてみました。
人物名 | 説明 |
---|---|
ホールデン・コールフィールド | 16歳の主人公。4つ目の高校を退学になり、NYをさまよう |
フィービー | ホールデンの10歳の妹。純真で賢く、兄の最大の理解者 |
D・B | ホールデンの兄。作家だがハリウッドで脚本を書いている |
アリー | ホールデンの弟。白血病で亡くなっている |
スペンサー先生 | ペンシー高校の歴史教師。ホールデンに説教する |
ストラドレーター | ホールデンのルームメイト。自惚れ屋で女好き |
サリー・ヘイズ | ホールデンの女友達。美人だがミーハーな性格 |
『ライ麦畑でつかまえて』の文字数と読了時間
『ライ麦畑でつかまえて』の文字数と読了時間をまとめました。
項目 | 数値 |
---|---|
ページ数(白水社・村上春樹訳) | 353ページ |
推定総文字数 | 約211,800文字 |
読了時間の目安 | 約7時間 |
『ライ麦畑でつかまえて』はどんな人向けの小説?
『ライ麦畑でつかまえて』は以下のような方におすすめです。
- 10代後半から20代前半の若い読者
- 人生や将来に悩みを抱えている方
- 社会の矛盾や大人の世界に違和感を感じている方
- 心理描写の細かい文学作品が好きな方
『ライ麦畑でつかまえて』に似た小説
『ライ麦畑でつかまえて』と似たテーマや雰囲気を持つ作品を紹介します。
『赤ずきんちゃん気をつけて』(庄司薫)
文体や作風が『ライ麦畑でつかまえて』に似ているとされる日本の小説です。
若者の心の機微を繊細に描いています。
『ウォールフラワー』(スティーブン・チョボスキー)
高校生の主人公が読者に語りかけるような文体が特徴的で、現代版『ライ麦畑でつかまえて』とも評されています。
『ノルウェイの森』(村上春樹)
若者の孤独や恋愛、成長を描いた作品で、繊細な心理描写が特徴です。
振り返り
この記事では『ライ麦畑でつかまえて』のあらすじや読書感想文のポイント、登場人物などを紹介してきました。
思春期特有の繊細な感情や、大人への反発、そして成長の過程が描かれたこの作品は、多くの若い読者の心に響く名作です。
読書感想文のテーマとしても取り上げやすい作品なので、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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