『びりっかすの神さま』の読書感想文を書く予定の小学生の皆さん、こんにちは。
岡田淳さん作の『びりっかすの神さま』は、競争や勝ち負けの本当の意味を問いかける児童文学作品として、多くの教育関係者から高い評価を受けています。
小学4年生の木下始くんが転校先で出会った「びりっかすの神さま」とのやりとりを通して、一番になることよりも大切なものに気づいていく物語。
年間100冊以上の本を読む私が、この作品の読書感想文の書き方を詳しく解説していきます。
題名の付け方から書き出しのコツ、そして具体的な例文まで、小学生の皆さんが分かりやすく感想文を書けるよう丁寧にサポートしますよ。
コピペではない、あなただけのオリジナルな感想文が書けるように一緒に頑張りましょう。
『びりっかすの神さま』の読書感想文を書くうえで大切な3つのポイント
『びりっかすの神さま』の読書感想文を書く時に、必ず触れておきたい重要なポイントが3つあります。
これらのポイントを押さえることで、読み手の心に響く素晴らしい感想文が書けます。
- 「ビリ」に対する価値観の変化
- 本当の努力と友情の意味
- 競争社会への問いかけ
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
どのポイントも『びりっかすの神さま』という作品の核心に関わる大切な要素ですよ。
「ビリ」に対する価値観の変化
物語の中心となるのは、主人公の始くんが「ビリ」という言葉に対して持っていた考え方が変わっていく過程です。
普通なら「ビリになりたくない」と思うものですが、始くんは「びりっかすの神さま」に会いたくて、わざとビリを取るようになります。
この奇想天外な行動を通して、始くんは順位や成績だけでは測れない大切なものがあることに気づいていくのです。
読書感想文では、あなた自身が「ビリ」や「順位」についてどう思っているか、そして物語を読んでその考えがどう変わったかを書いてみましょう。
「私も始くんと同じように、最初はビリになることをとても嫌だと思っていました」といった書き出しから始めると、読み手にも共感してもらいやすくなりますね。
また、学校生活の中で実際に経験した出来事と重ね合わせて書くと、より説得力のある文章になります。
テストの点数や運動会の順位など、具体的なエピソードを交えながら、「本当に大切なことは何か」について考えを深めていってください。
本当の努力と友情の意味
『びりっかすの神さま』では、運動会のリレーの場面で子どもたちが大切な決断をします。
「本気で走る」ことを選んだ4年1組の子どもたちの姿は、努力することの本当の意味を教えてくれます。
足に障害のある清田くんのために「わざとゆっくり走る」のではなく、「本気で走ることが相手への敬意だ」と気づく場面は、とても感動的です。
読書感想文では、この場面を通してあなたが感じた「本当の優しさ」や「友情の形」について書いてみてください。
「誰かのために手を抜くことが優しさではない」という気づきは、きっとあなたの日常生活にも活かせるはずです。
クラスの友達との関係や、部活動での経験と照らし合わせながら、「相手のことを本当に思うなら、どういう行動を取るべきか」について考えを述べてみましょう。
また、びりっかすの神さまを通してクラスの仲間たちがつながっていく様子も、友情について考える良い材料になります。
心で会話ができるようになった子どもたちの絆の深さを、あなたなりの言葉で表現してみてくださいね。
競争社会への問いかけ
『びりっかすの神さま』は、成績や順位を重視する現代社会に対して大切なメッセージを投げかけています。
始くんが転校してきたクラスは、テストの成績順で席が決まるという厳しい競争環境でした。
しかし物語を通して、子どもたちは「一番になることだけが目標ではない」ということを学んでいきます。
読書感想文では、あなたが普段感じている「競争」についての思いを正直に書いてみましょう。
「勉強も運動も、いつも誰かと比べられているような気がして疲れることがある」といった率直な気持ちを表現することで、読み手にも共感してもらえます。
また、物語を読んで「競争することの意味」についてどう考えが変わったかも大切なポイントです。
「他の人に勝つためではなく、自分なりに一生懸命やることが大切だと思った」といった気づきを、具体例とともに書いてみてください。
大人が忘れがちな子どもの気持ちや、純粋な視点からの意見を述べることで、深みのある感想文になるでしょう。
読書感想文を書くために『びりっかすの神さま』を読みながらメモしたい3項目
『びりっかすの神さま』を読む時に、特に注意深く読んで「どう感じたか」をメモしておきたいポイントが3つあります。
感想文を書く上で、あなた自身の気持ちや感情を記録しておくことはとても重要です。
- 始くんの行動に対して感じたこと
- びりっかすの神さまとの会話で印象に残ったこと
- クラスメートたちの変化で心に響いたこと
読書感想文で一番大切なのは、あなたがその物語を読んでどう感じたかという「個人的な体験」を伝えることです。
同じ本を読んでも、人それぞれ違った感想を持つからこそ、あなただけの感想文が書けるのですよ。
始くんの行動に対して感じたこと
主人公の始くんは、転校先で「びりっかすの神さま」と出会ってから、わざとビリを取るという普通では考えられない行動を起こします。
この始くんの行動を読んだ時に、あなたはどう感じましたか?
「最初は理解できなかった」「びっくりした」「うらやましいと思った」など、率直な気持ちをメモしておきましょう。
また、物語が進むにつれて始くんの気持ちが分かってきた時の変化も大切です。
「途中から始くんの気持ちが分かるようになった」「私だったら同じことができるかな、と考えた」といった感想は、読み手にもあなたの成長を伝えてくれます。
始くんが母親と話をする場面や、クラスメートと関わる場面での心情の変化にも注目してみてください。
あなた自身が転校や新しい環境に入った経験があるなら、始くんの気持ちにより深く共感できるかもしれませんね。
そうした個人的な体験と重ね合わせて感じたことを書くと、説得力のある文章になります。
びりっかすの神さまとの会話で印象に残ったこと
物語の中で、始くんと「びりっかすの神さま」が心で交わす会話には、とても深い意味が込められています。
神さまが話す言葉の中で、あなたの心に特に響いたものはありますか?
「どの言葉が一番印象に残ったか」「なぜその言葉が心に響いたのか」をメモしておくと、感想文を書く時にとても役立ちます。
また、神さまの存在そのものについてどう思ったかも重要なポイントです。
「不思議だと思った」「本当にいるような気がした」「私にも見えるような気がした」など、あなたなりの感じ方を大切にしてください。
びりっかすの神さまが「ビリになった子の気持ちが集まって生まれた」という設定についても、どう感じたかを考えてみましょう。
この設定を通して作者が伝えたかったメッセージについて、あなたなりに考えた内容を書くと、深い感想文になりますよ。
神さまとの会話を通して始くんが成長していく様子を見て、あなた自身も何か学んだことがあるかもしれません。
そうした気づきも大切な感想の材料になります。
クラスメートたちの変化で心に響いたこと
物語の中で、始くんのクラスメートたちも「びりっかすの神さま」の存在によって少しずつ変わっていきます。
最初は成績競争に追われていた子どもたちが、次第にお互いを思いやるようになる過程はとても感動的です。
特に運動会のリレーで「本気で走る」ことを決めた場面では、どんなことを感じましたか?
「みんなで話し合っている場面が素敵だった」「クラスが一つになった感じがした」といった感想をメモしておきましょう。
また、劣等生だったみゆきちゃんが仲間とつながっていく様子や、優等生の子も神さまを見るようになる場面など、それぞれの変化に対する感想も大切です。
あなた自身のクラスでも、似たような経験はありませんか?
「うちのクラスでも、みんなで協力して何かを成し遂げたことがある」といった体験があれば、それと比較して書いてみてください。
クラスメート同士の友情や連帯感について、物語を読んで新しく気づいたことがあるかもしれません。
そうした発見も、あなたらしい感想文を書くための大切な材料になりますよ。
『びりっかすの神さま』の読書感想文の例文(800字の小学生向け)
【題名】本当に大切なもの
『びりっかすの神さま』を読んで、私は今まで考えたことのない大切なことに気づいた。
それは、一番になることだけが素晴らしいのではないということだ。
主人公の始くんは、転校先のクラスで背中に翼のある小さな男を見つける。その男は「びりっかすの神さま」で、テストでビリになった子にしか見えない不思議な存在だった。
始くんがわざとビリを取ろうとする場面を読んだ時、私は驚いた。普通なら誰だってビリになりたくないと思うからだ。私も今まで、テストで悪い点を取ると恥ずかしくて隠したくなっていた。でも始くんは違った。神さまと話がしたくて、一生懸命ビリを狙うのだ。
物語の中で一番印象に残ったのは、運動会のリレーの場面だ。クラスの子どもたちは、足に障害がある清田くんのことを思って、最初はわざとゆっくり走ろうとする。でも清田くんは「僕のためにわざとビリになるなんてひどい」と言った。その時、みんなは大切なことに気づく。本当の優しさは、相手のために手を抜くことではなく、本気で向き合うことなのだ。
「みんな、本気で走ろう」と決めた場面で、私の心は熱くなった。相手を思う気持ちがあるなら、自分の全力を尽くすことが一番の敬意になるのだと分かったからだ。
びりっかすの神さまを通してクラスの仲間たちがつながっていく様子も素敵だった。心で会話ができるようになった子どもたちは、お互いの気持ちを本当に理解し合えるようになった。競争に疲れていた子どもたちが、友情を見つけていく姿に感動した。
この本を読んで、「頑張る」ことの意味が変わった。他の人に勝つために頑張るのではなく、自分らしく一生懸命やることが大切なのだ。
これからは、テストの点数や順位に一喜一憂するのではなく、自分なりの頑張りを大切にしていきたい。『びりっかすの神さま』は、私に本当に大切なものが何かを教えてくれた一冊になった。
『びりっかすの神さま』の読書感想文の例文(1200字の小学生向け)
【題名】びりっかすの神さまが教えてくれたこと
『びりっかすの神さま』を読み終えたとき、胸の中にあたたかい気持ちが広がった。岡田淳さんが書いたこの本は、競争や勝ち負けについて考えさせてくれる物語だ。最初に題名を見たとき、「びりっかす」という言葉が気になった。私もふくめ、多くの子はビリをはずかしいと思うからだ。でも読み進めるうちに、その考えは変わった。
主人公は小学4年生の木下始。お父さんをなくしたばかりの転校生だ。新しいクラスは成績順で席が決まるきびしいところ。私なら入りたくない。そんな中、始くんは背中に小さな羽のあるふしぎな男に出会う。「びりっかすの神さま」とよばれるその人は、テストでビリになった子にしか見えない。始くんが神さまと話したくて、わざとビリを取ろうとしたときはおどろいた。私も悪い点を取るとかくしたくなる。最初はわからなかったが、物語が進むと、始くんの気持ちが見えてきた。
びりっかすの神さまは、競争に疲れた子の思いから生まれた。神さまと過ごすうちに、始くんは点数や順位だけでははかれない大切なものに気づく。「一番になるより大切なことがある」という言葉は私の心にもひびいた。
一番心に残ったのは運動会のリレーだ。クラスの子たちは、足にけがのある清田くんを思って、わざとゆっくり走ろうとする。私もそう考えたかもしれない。でも清田くんは「僕のためにわざとビリになるなんてひどい」と言った。そのとき、みんなは本当のやさしさは手をぬくことではなく、本気で向き合うことだと気づく。「みんな、本気で走ろう」と決めたとき、私も胸が熱くなった。相手を思うなら全力を出すことこそ、いちばんの気持ちだとわかったからだ。
この場面で、私は自分をふり返った。クラスにも勉強が苦手な友達がいる。いつも「大丈夫」と声をかけるだけで終わっていたが、本当は一緒にがんばって、成長することの方が大事だと思った。相手を思うなら、その人と本気で向き合い、一緒に努力することが必要なのだ。
物語では、びりっかすの神さまを通して仲間がつながっていく。最初は競争に疲れていた子たちが、おたがいを分かり合えるようになっていく。みゆきちゃんが仲間に入り、優等生の子も神さまが見えるようになって、クラスはあたたかい場所に変わっていった。これは私たちのクラスでも起こると思う。得意不得意で分かれてしまう子も、本当に気持ちを分かち合えれば、もっといいクラスになるはずだ。
この本を読んで、私は「競争」についての考えが変わった。今までは人に勝つことががんばることだと思っていた。でも大事なのは、自分らしく一生けん命やること。そして一人でなく、友達と助け合いながら成長することだと思う。これからは順位にふり回されず、自分なりの努力を続けたい。そして友達と競い合うより、一緒に高め合えるようにしたい。
『びりっかすの神さま』は、本当に大切なことを教えてくれた。私の心の宝物になった一冊だ。
振り返り
『びりっかすの神さま』の読書感想文について、書き方のコツから具体的な例文まで詳しく解説してきました。
この記事を読んでくれた皆さんなら、きっと素晴らしい感想文が書けるはずです。
大切なのは、物語を読んであなた自身がどう感じたかを正直に表現することです。
他の人と同じでなくても構いません。
あなただけの感想や気づきこそが、読み手の心に響く文章を生み出します。
『びりっかすの神さま』という素晴らしい作品と出会い、そこから学んだことを自分の言葉で伝えてみてください。
きっと読み手にも、あなたの成長や発見が伝わることでしょう。
頑張って、あなたらしい感想文を完成させてくださいね。
※『びりっかすの神さま』のあらすじはこちらで簡単に短くご紹介しています。

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