『十五少年漂流記』あらすじを簡単に短く&詳しく結末まで!

『十五少年漂流記』あらすじ あらすじ

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『十五少年漂流記』のあらすじを簡単に短く、そして詳しく解説し、この名作の魅力や感想をご紹介していきますね。

『十五少年漂流記』はジュール・ヴェルヌが1888年に発表した少年向け冒険小説で、無人島に漂流した15人の少年たちが知恵と勇気で困難を乗り越える成長物語。

読書感想文を書く予定の皆さんの力になれるよう、結末まで含めたネタバレありの要約から詳しいストーリー展開まで、年間100冊以上読む私が丁寧に解説していきますよ。

また、物語の核心部分から登場人物の魅力、そして読了後の深い感動まで、余すことなくお伝えしていきます。それでは、さっそく進めていきましょう。

当記事のあらすじは、結末まで明かした「ネタバレあり」なので未読の方はご注意ください。

ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』のあらすじを簡単に短く

少年15人が船長不在のまま誤って出帆、無人島に漂着する。彼らは協力して文明的な共同生活を築き、厳しい冬を越す。一度はリーダーシップを巡り対立するが、和解して団結。1年半後、島に流れ着いた凶悪な反乱水夫の一味と激闘の末、撃退。ボートで島を脱出し、汽船に救助され、2年ぶりに故郷へ帰還。その冒険は記録され、全世界に知られた。

ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』のあらすじを詳しく結末まで

1860年2月15日、ニュージーランド・オークランドのチェアマン寄宿学校に通う様々な国籍の少年14人が、夏休みの沿岸航海に出発予定だった。

待ちきれない少年たちは夜中に帆船スルギ号へ忍び込むが、アクシデントで船が出帆してしまい、見習い水夫モコを含む15人が船長不在のまま漂流することになる。

嵐に遭った一行は、南極寄りの無人島に漂着した。

幸い船には2か月分の食料や武器、道具類が積まれており、少年たちは島の探索を開始する。

島の奥で発見した洞穴には、1807年に漂着したフランス人が残した地図があり、ここが孤島であることが判明した。

少年たちはこの島を「チェアマン島」、洞穴を「フレンチ・デン」と名付け、海風で傷む船から洞穴へ移住を決断する。

リーダーとして最年長で冷静なアメリカ人ゴードンが初代大統領に選ばれ、規律ある共同生活が始まった。

学習時間の設定、炊事洗濯の分担、各種記録係の任命など、文明的な生活基盤を整えていく。

南半球の冬は厳しく、気温は氷点下10度から12度まで下がり大雪が降る。

少年たちは薪集めに励み、狩りでアザラシの毛皮と肉を確保し、樹液から甘味料を作るなど工夫を重ねて越冬した。

1年後、ゴードンの任期満了で行われた選挙では、心豊かなフランス人ブリアンが二代目大統領に選ばれた。

しかし、敗れたイギリス人ドニファンは結果を受け入れず、取り巻きを連れてフレンチ・デンを出て行ってしまう。

この対立は少年たちの間に深刻な亀裂を生んだが、ある日ブリアンがドニファンの命を救ったことで二人は和解し、団結を取り戻した。

その時、ブリアンの弟ジャックが、実は自分のいたずらが遭難の原因だったと告白し、仲間たちに許される。

島に漂着して1年半が経った頃、浜辺で倒れているエバンズという男と、森で倒れていた婦人ケイトを発見する。

彼らの話によると、商船セバーン号で反乱を起こした水夫ウォルストンが仲間7人と共に船長や乗客を殺害し、その後の火災で船を捨ててこの島に流れ着いたという。

エバンズは船の操舵手で、凶悪なウォルストン一味から逃れてきたのだった。

少年たちはエバンズと協力してウォルストン一味との戦いを決意する。

激しい戦闘の末、ウォルストンの仲間フォーブスが改心して少年たちを助け、最期は仲間たちに看取られて息を引き取った。

ウォルストン一味を全滅させた少年たちは、彼らのボートで島からの脱出を試み、途中で遭遇した汽船に救助される。

船長の厚意により、2年ぶりにオークランドの港へ帰還した少年たちを、市民は歓喜をもって迎えた。

そして、島での記録を付けていた少年の日記が出版され、全世界にこの冒険譚が知られることとなった。

『十五少年漂流記』ってどんな話?

  • 15人の少年が船で旅に出る
  • 船が嵐で遭難し無人島に漂着
  • 少年たちは協力して生活を始める
  • 食料調達や住居づくりに挑戦
  • 悪党が島にやって来て対決する
  • 友情や勇気、規律を学び成長
  • 最後に悪党を退け、救助される

『十五少年漂流記』のあらすじを理解するための用語解説

『十五少年漂流記』をより深く理解するために、重要な用語をまとめて解説しますね。

これらの用語を把握しておくと、ストーリーの流れがスムーズに理解できますよ。

用語 説明
チェアマン寄宿学校 ニュージーランドのオークランドにある
少年たちが通う寄宿学校。
地元の上流家庭の子弟が多く在籍している。
スルギ号 少年たちが乗っていた帆船の名前。
嵐で遭難し、無人島へ漂流することになる。
チェアマン島 少年たちが漂着して生活を始める無人島の名前。
かつてフランス人船員が遭難していた場所である。
大統領 物語の中で15人の少年のリーダーに選ばれた人物。
共同生活の規律や社会性を保つ重要な役割を担う。
フレンチ・デン 島の奥にある洞穴で、少年たちの住居となった場所。
かつてフランス人が住んでいた痕跡が残されている。
ウォルストン一味 商船で反乱を起こした悪党グループ。
物語終盤で少年たちと激しい戦闘を繰り広げる。

これらの用語は物語の重要な場面や背景を理解する上で欠かせない要素ばかりです。

『十五少年漂流記』の感想

正直に言うと、この作品を読み終えた時は「思ってたより面白い!」という素直な感動が心の底から湧き上がりましたね。

40代になってから読み返しても、少年時代に感じた興奮や感動が蘇ってくる名作中の名作だと思います。

まず何より素晴らしいのが、15人という多人数の少年たちそれぞれに個性があって、しかもその個性がストーリーの中で活かされているところですよ。

ゴードンの冷静なリーダーシップ、ブリアンの心の豊かさ、ドニファンの負けず嫌いな性格、そして小さなジャックの成長ぶり。

一人ひとりが生き生きと描かれていて、読んでいるうちに彼らの顔が目に浮かんでくるんです。

特に感動したのが、国籍も年齢も違う少年たちが力を合わせて困難を乗り越える場面の数々でしたね。

現代の私たちが見習うべき協調性や助け合いの精神が、物語全体を通じて描かれています。

ブリアンとドニファンの対立から和解までの流れは、本当に鳥肌が立ちました。

人間関係の複雑さと、それを乗り越える友情の力強さに心を打たれたんです。

サバイバル生活の描写も、ヴェルヌの博識ぶりが光っていて面白かったですよ。

狩猟や農業、道具作りから住居の確保まで、無人島での生活がリアルに描かれていて、読んでいる私もまるで一緒に島にいるような気分になりました。

ただ、現代の価値観で読むと、19世紀末の時代背景を感じる部分もありますね。

黒人少年モコの描写や、当時の植民地社会の描写には、現代では受け入れ難い表現もあります。

でも、それを差し引いても、この作品の持つ普遍的な魅力は色褪せることがありません。

終盤のウォルストン一味との戦いは、手に汗握る展開で夢中になって読み進めましたが、同時に少年たちが直面する真の危機に胸が痛みました。

特にフォーブスの改心と最期の場面は、涙なしには読めませんでしたね。

悪人にも人間らしい心があるということ、そして最後まで人を信じる大切さを教えてくれる感動的なエピソードでした。

ジャックの告白シーンも印象的で、自分の過ちを認める勇気と、それを受け入れる仲間たちの優しさに心を動かされました。

真の友情とは何か、リーダーシップとは何か、そして困難に立ち向かう勇気の大切さを子供に示すには最適な物語だと思います。

また、大人である私にとっても、子どもの頃とは違った感動や発見があって、本当に素晴らしい作品だと改めて確認した感じですね。

※『十五少年漂流記』の読書感想文の書き方と例文は小中学生向けにこちらで解説しています。

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『十五少年漂流記』の作品情報

『十五少年漂流記』の基本的な作品情報をまとめてご紹介しますね。

項目 詳細
作者 ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)
出版年 1888年(フランス初版)
1896年(日本語初訳)
出版社 新潮社、福音館書店、講談社、ポプラ社など
受賞歴 特定の賞歴はない(ヴェルヌの代表作として世界的に評価)
ジャンル 冒険小説、児童文学
主な舞台 南太平洋の無人島(架空の島)
時代背景 1860年代のニュージーランド植民地時代
主なテーマ 友情、協調性、成長、勇気、自立
物語の特徴 多国籍の少年たちによる無人島サバイバル生活
対象年齢 主に小学校高学年以上の児童から青少年向け
青空文庫の収録 原作者の著作はパブリックドメインだが
翻訳版の全文収録なし

この作品は130年以上前に書かれたにも関わらず、現在でも多くの出版社から刊行され続けている名作です。

『十五少年漂流記』の主要な登場人物とその簡単な説明

『十五少年漂流記』を彩る魅力的な登場人物たちをご紹介しますね。

それぞれが個性豊かで、物語に欠かせない重要な役割を担っています。

登場人物 紹介
ブリアン フランス人、13歳。
土木技師の息子でジャックの兄。
心豊かな少年で二代目大統領となる。
ゴードン アメリカ人、14歳。
最年長で冷静沈着な性格。
初代大統領として皆から尊敬される。
ドニファン イギリス人、13歳。
金持ち地主の息子で居丈高な性格。
射撃の名手でブリアンと対立するが後に和解。
ジャック フランス人、10歳。
ブリアンの弟で歌とスケートが上手。
遭難の一因となった秘密を抱えている。
モコ 黒人、12歳。
見習い水夫で唯一の船員。
器用で料理やボート操縦などをこなす。
バクスター イギリス人、13歳。
商人の息子で大工仕事が得意。
島での日記を記録する書記を務める。
エバンズ 元セバーン号の操舵手。
ウォルストン一味から逃れて島に辿り着く。
少年たちと協力して悪党退治に立ち上がる。
ウォルストン 元セバーン号の水夫。
仲間と反乱を起こし船長らを殺害。
悪党グループのリーダー的存在。
ケイト ペンフィールド家の家政婦。
セバーン号の乗客で生き残った唯一の女性。
エバンズと共に島に流れ着く。
サービス イギリス人、12歳。
陽気でユーモアのあるムードメーカー。
家畜の飼育や料理を担当する。

これらの登場人物が織りなす人間ドラマが、物語に深みと魅力を与えています。

『十五少年漂流記』の読了時間の目安

『十五少年漂流記』の読了時間について、具体的な目安をご紹介しますね。

項目 詳細
ページ数 288ページ(新潮文庫版
文字数 約172,800文字
読了時間 約5時間46分
1日1時間読書 約6日で完読
1日30分読書 約12日で完読

新潮文庫版で約300ページ弱の分量なので、普通のペースで読めば1週間程度で読み終えることができます。

冒険小説らしいスピード感のある展開で、夢中になって読み進められるため、実際の読了時間はもっと短くなるかもしれませんね。

『十五少年漂流記』はどんな人向けの小説か?

『十五少年漂流記』は幅広い読者層に愛される作品ですが、特に以下のような方々におすすめしたい小説です。

  • 冒険やサバイバルものが好きな人
  • 友情や仲間との絆を描いた物語を求める人
  • 成長物語や教育的な要素のある小説を読みたい人

まず、冒険小説やサバイバル系の物語が好きな方には絶対におすすめですね。

無人島での生活の工夫や知恵、そして最後の悪党との戦いなど、ハラハラドキドキする展開が満載です。

次に、友情や仲間との絆をテーマにした物語を求める方にもぴったりの作品と言えるでしょう。

国籍や性格の違いを乗り越えて協力し合う少年たちの姿は、現代でも色褪せない普遍的な魅力があります。

そして、成長物語や教育的な価値のある小説を読みたい方にも強くおすすめしたいですね。

リーダーシップや責任感、自立心など、人として大切な要素がストーリーを通じて自然に学べる構成になっています。

逆に、恋愛要素を求める方や、現代的な価値観での描写を期待する方には物足りなく感じるかもしれません。

また、19世紀の作品なので、現代では受け入れ難い表現も一部含まれていることは理解しておく必要があります。

あの本が好きなら『十五少年漂流記』も好きかも?似ている小説3選

『十五少年漂流記』を楽しめた方なら、きっと気に入るであろう類似作品をご紹介しますね。

冒険心や友情をテーマにした名作ばかりですので、ぜひ読書リストに加えてみてください。

マーク・トウェイン『トム・ソーヤの冒険』

アメリカの小説家マーク・トウェインが描く、いたずら好きな少年トム・ソーヤーの冒険物語です。

ミシシッピ川沿いの田舎町を舞台に、トムと親友ハックルベリー・フィンが繰り広げる数々の冒険が描かれています。

『十五少年漂流記』と共通するのは、少年たちの純粋な冒険心と友情、そして困難に立ち向かう勇気の描写ですね。

どちらも子どもの視点から描かれた成長物語として、時代を超えて愛され続けています。

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岡田淳『二分間の冒険』

日本の児童文学作家岡田淳による現代の冒険ファンタジー小説で、主人公の少年が異世界で体験する冒険を描いています。

わずか2分間の出来事が、主人公にとって長大な冒険となる不思議な物語構造が魅力的な作品です。

『十五少年漂流記』との共通点は、困難な状況下での仲間との協力や、主人公の成長を丁寧に描いているところですね。

現代の子どもたちにも読みやすい文章で書かれており、冒険小説の入門としてもおすすめできます。

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ウィリアム・ゴールディング『蝿の王』

イギリスの作家ゴールディングが描く、無人島に取り残された少年たちの物語です。

飛行機事故で無人島に漂着した少年たちが、次第に野蛮化していく様子を描いた重厚な作品として知られています。

『十五少年漂流記』と同じく無人島を舞台にした少年たちの物語ですが、こちらは人間の本性や文明と野蛮の対比をより深く探求した作品ですね。

読み応えのある重厚な内容で、大人の読者にも強く訴えかける名作として評価されています。

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振り返り

『十五少年漂流記』のあらすじを簡単に短く、そして欠まで詳しく解説し、この傑作の魅力をお伝えしてきました。

ジュール・ヴェルヌが描いた15人の少年たちの冒険譚は、130年以上経った現在でも色褪せることのない普遍的な魅力を持った名作です。

友情や協調性、リーダーシップや成長といったテーマを通じて、読者に深い感動と学びを与えてくれる素晴らしい作品でした。

読書感想文を書く予定の皆さんにとって、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

結末まで知ってしまった今でも、実際に本を手に取って読む価値は十分にありますので、ぜひこの機会に『十五少年漂流記』の世界に触れてみてくださいね。

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