私が最近読んで心を揺さぶられた小説『そして、バトンは渡された』について、その魅力を詳しく紹介したいと思います。
この小説は、5人もの父と母に育てられた女の子のお話なんですよ。
でも、ただの「複雑な家庭環境の子どもの物語」じゃないんです。
私たちの周りにある「家族の形」や「愛のかたち」について、とってもユニークな視点で描いているんですね。
今回は『そして、バトンは渡された』の魅力や面白いポイントを、私なりの感想を交えながら詳しく紹介していきましょう。
この小説を読むか迷っているあなたに、私が感じた面白さが少しでも伝われば嬉しいです。
『そして、バトンは渡された』の面白いところや魅力
私が思う『そして、バトンは渡された』の面白いところや、泣ける感動ポイントがこの3点です。
- 血のつながりを超えた家族の絆を描く心温まるストーリー
- 5人の父と母それぞれの個性的な愛情表現
- 主人公・優子の等身大の成長物語
血のつながりを超えた家族の絆
この物語の主人公・森宮優子は、17歳までに4回も親が変わるという経験をします。
でも、これは決して不幸な話ではないんです。
むしろ、血のつながりだけじゃない、新しい家族の形を教えてくれる物語なんですよ。
私自身、最初は「そんなに親が変わって幸せなの?」って思っていました。
でも読み進めていくうちに、優子が受け取る愛情の形は様々で、どれも等しく大切なものだということに気づかされたんです。
5人の父と母それぞれの愛情表現
特に面白いのは、登場する親たちの個性的な愛情表現です。
森宮さんは少し過保護なくらい優子を大切にします。
梨花さんは優子のためにピアノを買うために再婚を決意するほどの行動力を見せます。
それぞれの親が、それぞれのやり方で優子に愛情を注ぐ様子が、とても印象的でした。
主人公・優子の等身大の成長物語
優子の成長過程もとても魅力的です。
彼女は複雑な家庭環境にありながらも、前向きに生きていきます。
でも、時には悩んで立ち止まることもあります。
そんな等身大の姿に、私は強く共感できました。
※『そして、バトンは渡された』で作者が伝えたいことはこちらの記事で考察しています。

『そして、バトンは渡された』の面白い場面(シーン)
『そして、バトンは渡された』で私が印象に残ったシーンがこちら。
- 優子が友達の恋愛に巻き込まれるシーン
- 森宮さんが始業式の日にカツ丼を作るシーン
- 梨花さんがピアノを買うために決断するシーン
- 優子が音楽を通じて心の葛藤を表現するシーン
友達の恋愛に巻き込まれるシーン
優子が友達の恋愛に巻き込まれて、クラスからハブられそうになるシーンがあります。
このシーンでは、優子の繊細な心情が丁寧に描かれています。
友達のA子の気持ちを大切にしたい気持ち。
でも、B君への伝え方に悩む姿。
そんな普通の女子高生としての一面が、とても印象的でした。
始業式の日のカツ丼
森宮さんが優子のために会社を休んでカツ丼を作るシーンも忘れられません。
少し過保護かもしれないけれど、それが森宮さんなりの愛情表現なんです。
このシーンを読んでいると、親の愛情って形は違えど、みんな同じように子どもを想っているんだなって感じられます。
梨花さんのピアノへの決断
梨花さんが優子のためにピアノを買うために再婚を決意するシーンは、私の心をぐっと掴みました。
このシーンには梨花さんの愛情の深さが表れているんです。
ピアノを通じて優子の才能を伸ばしたい。でも、今の経済状況では難しい。
だからこそ、再婚という大きな決断をする。
そんな梨花さんの行動力と母性愛に、私は胸が熱くなりました。
時には、子どものために大きな決断をするのも親の愛情なんだって、このシーンは教えてくれます。
音楽で語る心の葛藤
優子が音楽を通じて自分の気持ちを表現するシーンも、忘れられない場面の一つです。
言葉では上手く伝えられない複雑な感情。
でも、ピアノの音色を通じて、優子は自分の心の中にある想いを解き放っていくんです。
私もピアノを弾くので、このシーンには特別な親近感を覚えました。
音楽って、時には言葉以上に気持ちを伝えられるものなんですよね。
優子の指から紡ぎ出される音楽は、彼女の複雑な家族関係や、それぞれの親への想いを、静かに、でも力強く物語っているように感じました。
このシーンは、音楽の持つ力と、優子の心の成長を見事に描き出しているんです。
※読書感想文を書く際に参考になるあらすじは、以下の記事で御覧ください。

『そして、バトンは渡された』の評価表
評価項目 | 点数 | コメント |
---|---|---|
ストーリー | ★★★★☆ | 展開は穏やかだけど深い感動がある |
感動度 | ★★★★★ | 家族の絆を描く場面は涙なしには読めない |
ミステリ性 | ★★☆☆☆ | 伏線や謎解きを楽しむ要素は少なめ |
ワクワク感 | ★★★☆☆ | 優子の成長に心が躍る場面が多い |
満足度 | ★★★★☆ | 読み終わった後の余韻が心地よい |
『そして、バトンは渡された』を読む前に知っておきたい予備知識
『そして、バトンは渡された』をこれから読む方は、以下の3点を頭に入れておくと「読むモチベ」がアップしますよ。
- 2018年に発表され、本屋大賞を受賞した話題作
- 著者の瀬尾まいこは温かい家族小説で知られる作家
- 2021年に永野芽郁主演で映画化された作品
本屋大賞受賞作品としての価値
この作品は2018年に発表され、翌年の本屋大賞を受賞しました。
多くの書店員さんが「これは面白い」と太鼓判を押した作品なんです。
瀬尾まいこの代表作
著者の瀬尾まいこさんは、温かい家族小説を得意とする作家さんです。
この作品も、その特徴が存分に発揮されています。
映画化された人気作
2021年には永野芽郁さん主演で映画化されました。
原作とはまた違った魅力がある映画版も、ぜひチェックしてみてください。
『そして、バトンは渡された』を面白くないと思う人のタイプ
残念ながら以下に当てはまる人は『そして、バトンは渡された』を面白くないと思う可能性が高いでしょう。
- アクションや展開の速い物語が好きな人
- 現実的な家族関係を求める人
- 具体的な結論を求める人
スピーディーな展開を求める人
この作品は、優子の成長をじっくりと描く物語です。
アクションやスリルを求める人には、少し物足りないかもしれません。
現実的な展開を求める人
物語の展開が現実離れしているように感じる人もいます。
特に、親が次々と変わっていく設定に違和感を持つかもしれません。
明確な答えを求める人
この作品は「家族とは何か」という問いを投げかけますが、明確な答えは示しません。
そういうふんわりとした結末が苦手な人には、物足りなく感じるかもしれません。
振り返り
『そして、バトンは渡された』は、私の中で特別な一冊になりました。
家族の形は一つじゃない。
そして、愛情の形も人それぞれ。
そんな当たり前のことを、優子の物語を通して改めて考えさせられました。
あなたも、この心温まる物語を読んでみませんか?
きっと、新しい発見があるはずです。
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