辻村深月さんの『傲慢と善良』は、私も心を揺さぶられた1冊なんです。
婚活って誰もが幸せを目指しているはずなのに、時には自分の気持ちが分からなくなったり、相手の本心が見えなくなったりしますよね。
今回は『傲慢と善良』が伝えたいことやメッセージを、私の解釈で紐解いていきたいと思います。
『傲慢と善良』が読者に伝えたいこと
『傲慢と善良』には、私たちの人生に深く響くメッセージがたくさん込められています。
ここでは主なポイントをご紹介しますね。
- 自分の心に正直になることの大切さ
- 他者を理解することの難しさと喜び
- 過去の恋愛体験は現在も影を落とす
- 親からの影響は強いがいつかは自立しないといけないい
- 理想の結婚像と現実とのギャップ
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
自分の心に正直になることの大切さ
「70パーセントの愛情で結婚できる?」という問いかけ、皆さんならどう答えますか?
恋愛において、私たちは時として自分の気持ちに蓋をしてしまうことがありますよね。
架さんも、前の恋人であるアユさんへの未練を抱えながら、真実さんとの結婚を考えていました。
でも、本当の幸せって、自分の心に正直になることから始まるのかもしれません。
他者を理解することの難しさと喜び
普段から「もっと分かり合えたらいいのに」って思うことありませんか?
私も同じように感じることが多くて、『傲慢と善良』を読んでいると、まるで自分の心の中を覗かれているような気持ちになりました。
架さんは、真実さんのことを理解しているつもりでした。
でも、本当は彼女の心の奥底にある不安や葛藤に気づいていなかったんです。
きっと私たちも同じように、相手のことを分かったつもりで、実は大切な何かを見落としているのかもしれません。
過去の恋愛体験は現在も影を落とす
「過去は過去」って簡単に言えそうで、実際はなかなか難しいものですよね。
架さんは、アユさんとの失恋を引きずっていました。
その経験が、真実さんとの関係にも影響を与えているとは気づかないまま…。
あなたにも似たような経験はありませんか?
過去の恋愛の影響って、気づかないうちに私たちの心の中で大きな存在になっているものです。
親からの影響は強いがいつかは自立しないといけない
真実さんは、長年にわたって両親、特にお母さんの影響を強く受けていました。
「親の言うことを聞いておけば間違いない」
そう思って生きてきた真実さんが、自分の人生を自分で決める決断をするまでの過程は、とても印象的でした。
私たちの中にも、親の期待や影響に悩んでいる人は多いのではないでしょうか?
理想の結婚像と現実とのギャップ
「理想の結婚相手」って、実は人それぞれ違うものなんです。
架さんにとって真実さんは、最初は「なんとなくいいかな」という程度の相手でした。
でも、ある事件をきっかけに、相手を守りたいという気持ちが芽生えます。
理想って、付き合っていく中で少しずつ形を変えていくのかもしれませんね。
※『傲慢と善良』のあらすじをまず知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

『傲慢と善良』の教訓の活かし方
『傲慢と善良』から学んだことを、実際の生活でどう活かせるのか考えてみましょう。
私はこの作品を読んで、以下の4つの点で考え方が多少変化しました。
- 自分の気持ちと向き合う時間を大切にする
- 相手のことを理解しようとする姿勢を持つ
- 過去の経験を現在に活かす方法を考える
- 自分らしい生き方を見つける
自分の気持ちと向き合う時間を大切にする
婚活や恋愛って、時として周りのペースに巻き込まれがちですよね。
- 「そろそろ結婚する年齢だから」
- 「いい人だから、このまま進めちゃおうかな」
こんな風に考えたことはありませんか?
でも『傲慢と善良』は、そんな私たちに「ちょっと立ち止まって」と語りかけているような気がします。
架さんのように70%の気持ちで進んでいく決断を、あなたならどうしますか?
相手のことを理解しようとする姿勢を持つ
真実さんは、自分の気持ちをなかなか表現できない人でした。
でも、その性格にはちゃんと理由があったんです。
地元で生まれ育ち、両親の影響を強く受けてきた環境が、彼女をそういう人に形作っていました。
私たちの周りにも、一見理解しづらい行動をする人がいるかもしれません。
でも、その人なりの理由や背景があるはず。
そう考えるだけで、相手への見方が変わってくるんですよね。
過去の経験を現在に活かす方法を考える
架さんはアユさんとの失恋で傷ついていました。
でも、その経験があったからこそ、真実さんとの関係で大切なことに気づくことができたのかもしれません。
私たちも同じです。過去の失敗や後悔を引きずるのではなく、それを糧にして成長できる…そんなヒントをこの物語は与えてくれています。
自分らしい生き方を見つける
真実さんは、ずっと両親の意向に従って生きてきました。
でも、ある時「これは本当に私が望む人生なのかな?」と考え始めます。
その結果、上京という大きな決断をし、自分の人生を自分で選び取ろうとしたんです。
こんな風に、誰かに決められた人生じゃなく、自分で選んだ道を歩んでいく…それって、とてもかっこいいと思いませんか?
『傲慢と善良』の疑問点と答え
みなさんも『傲慢と善良』を読んでいて、いろいろな疑問が浮かんだのではないでしょうか?
よく寄せられる疑問をまとめてみました。
- なぜ架さんは70%という中途半端な数字を口にしたの?
- 真実さんはなぜ突然失踪を選んだの?
- マッチングアプリでの出会いは本物になり得るの?
- 親の影響はどこまで受け入れるべき?
なぜ架さんは70%という中途半端な数字を口にしたの?
ふと友人に投げかけられた質問に、架さんは「70%」と答えてしまいます。
私も最初「なんで100%じゃないの?」って思いました。
でも考えてみると、誰だって最初から100%の確信は持てないのかもしれません。
架さんの答えは、むしろ正直で誠実だったのかもしれませんね。
完璧を求めすぎない、等身大の気持ちの表れだったように思います。
真実さんはなぜ突然失踪を選んだの?
送別会の帰り道で何かが起きて、真実さんは仙台へ向かいます。
突然の決断に驚かれた方も多いはず。
でも、ずっと自分の意志で決めることを避けてきた真実さんが、初めて自分の意思で選んだ行動だったのかもしれません。
時には、誰にも相談せず、自分の直感に従う決断も必要なのかもしれませんね。
マッチングアプリでの出会いは本物になり得るの?
架さんと真実さんは、マッチングアプリがきっかけで出会います。
最初は「なんとなく」始まった関係でしたが、二人の気持ちは少しずつ変化していきました。
出会いのきっかけは関係ないのかもしれません。
大切なのは、その後二人でどんな時間を重ねていくか…そんなことを考えさせられますね。
親の影響はどこまで受け入れるべき?
真実さんは、長年両親の意向に従って生きてきました。
でも、それは必ずしも間違いではなかったのかもしれません。
大切なのは、いつか自分で決める時が来ることを知っていること。
その時、勇気を持って一歩を踏み出せるかどうか…それが本当の分かれ道なのかもしれませんね。
『傲慢と善良』を読む前と読んだ後の印象の変化
みなさん、この小説のタイトル『傲慢と善良』を見た時、どんな印象を持ちましたか?
私の場合、最初はこんな風に考えていました。
- 「傲慢」と「善良」は相反する性格なんだろうな
- きっと恋愛小説の王道パターンかも
- マッチングアプリの恋愛って、どこか軽そう…?
読む前の印象
正直に告白すると、私も最初は「また恋愛小説か~」って軽く考えていたんです。
マッチングアプリでの出会いって、なんだかドラマチックじゃないような気がして…。
そして「傲慢」と「善良」という対立する言葉から、きっと分かりやすい善悪の物語なんだろうなって思っていました。
読んだ後の印象
でも、読み終えた今の気持ちは全然違います!
「傲慢」って思える行動の裏に、実は優しさが隠れていたり。
「善良」に見える態度の中に、ある種の傲慢さが含まれていたり。
人って、こんなにも複雑で面白い存在なんだ…そう気づかせてくれる物語でした。
特に印象的だったのは、マッチングアプリという現代的な出会いの形が、むしろリアルに描かれているところ。
今を生きる私たちの恋愛や結婚の形を、とても自然に描いているんです。
※私が感じた『傲慢と善良』の面白い点をこちらの記事で解説しています。

『傲慢と善良』を一言で表現すると?
私が『傲慢と善良』を一言で表現するなら、「現代に生きる私たちの、等身大の愛の形」です。
それは、完璧じゃない二人が、お互いの不完全さを受け入れながら歩んでいく様子が、とてもリアルだから。
70%の愛で始まった関係、親の影響から抜け出せない性格、過去の恋愛のトラウマ…。
こんな風に、誰もが抱える悩みや不安を抱えながら、それでも前に進もうとする姿に、強く心を打たれました。
振り返り
『傲慢と善良』について、じっくりお話ができて、私自身もまた新しい発見があったような気がします。
二人の主人公を通して、人間関係の難しさと素晴らしさを改めて考えさせられましたね。
最後に、この物語から学んだ大切なポイントをまとめてみましょう。
- 完璧な恋愛なんてない。でも、それでいい
- 人は誰でも「傲慢」と「善良」の両面を持っている
- 本当の自立は、自分で決断する勇気から始まる
- 過去の傷は、新しい愛を見つける力になる
- 出会いに「正解」はない。その後の二人次第
30代後半の架さんと、親の影響を強く受けてきた真実さん。
二人とも、決して理想的とは言えない状況から始まった恋愛でした。
でも、その不完全さがむしろ、私たちの心に深く響くんです。
なぜなら、私たちだって完璧じゃないから……。
『傲慢と善良』が教えてくれたのは、そんな不完全な私たちにも、幸せになる資格があるってことですね。
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